庭に斜面があると、「雨のたびに土が崩れてくる」「見た目がどうにも野暮ったい」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。素材や工法を工夫すれば、土留めはガーデンデザインの一部として機能します。ただブロックを積むだけでなく、石積みや枕木、植物を組み合わせることで、訪れた人が思わず写真を撮りたくなるような外構に仕上げることも十分可能です。
この記事では、土留めの基礎知識から具体的な工法・素材・費用相場・DIY手順まで、実際の施工事例や動画情報をもとに幅広くまとめました。
- 斜面の土留めは素材・工法の選択でおしゃれなガーデンの一部にできる
- 石積み・枕木・コンクリートブロックなど用途と予算に合わせて使い分けるのがコツ
- ロックガーデンは土留めと景観を同時に解決できる優れた手法
- DIYで挑戦する場合は排水処理と基礎づくりが成功のカギ
- 費用相場はDIYなら数千円〜、プロ施工は1mあたり1〜5万円程度が目安
目次
1. 斜面の土留めとは?基本を知ろう

1-1. 土留めの役割と必要性
土留めとは、斜面や段差のある地盤が雨水や重力によって崩れるのを防ぐための構造物・工法の総称です。住宅の庭に斜面がある場合、放置していると大雨のたびに表土が流れ出し、植物の根が露出したり、隣地や道路へ土砂が流出したりする事態を招きます。
傾斜地の庭は平坦な土地より管理が難しく、雑草も生えやすい環境です。YouTubeで公開されている「使えない庭を大改造!超粘土質な傾斜地の庭が…」という動画には、水はけの悪い粘土質の斜面を改造する過程がリアルに記録されており、土留めなしでは維持管理がいかに困難かが伝わってきます。
1-2. 土留めが必要なサインを見極める
次のような状況が見られたら、早めの対処が必要です。
- 雨が降るたびに土が流れてくる
- 斜面の地表がえぐれてきた
- 植えた植物の根が地表に浮き出てきた
- 斜面の下部に土が堆積している
60代主婦の方が制作したDIY動画「ゆるい傾斜のある庭の整地・土留めで整地面積を区切って少しずつお手軽に」でも、緩やかな傾斜でも整地なしでは使いづらい庭になってしまう様子が紹介されています。傾斜が浅く見えても、油断は禁物です。
2. おしゃれな土留めの種類と工法一覧

2-1. コンクリートブロック積み
最も一般的な工法です。規格化されたブロックをモルタルで固定しながら積み上げるため、高い強度を確保できます。費用が比較的安く施工しやすい反面、仕上がりはシンプルで無骨な印象になりがちです。
ただし、既存の土留めをコンクリートで補強したうえにタイルや石材を貼れば、耐久性とデザイン性を両立させることもできます。
2-2. 石積み(ドライストーンウォーリング)
自然石を積み上げる工法で、セメントを使わない「空積み(からづみ)」と、モルタルで固定する「練積み」に分かれます。なかでもドライストーンウォーリング(乾式石積み)は、石同士の重さと摩擦だけで構造を保つヨーロッパの伝統工法です。「個性的で美しいお庭づくり実例|Dry Stone Walling」という動画では、この工法で仕上げた土留めの表情豊かな佇まいが紹介されています。
2-3. 枕木・枕木風平板
木製の枕木、または枕木風のコンクリート平板を横に並べて土留めにする方法です。ナチュラルな雰囲気が出やすく、花壇と組み合わせると特によく映えます。コメリのDIY動画「強くてオシャレな枕木平板アプローチ」でもその汎用性の高さが取り上げられています。本物の木材は腐食リスクがあるため、枕木風コンクリート平板を選ぶと長持ちします。
2-4. 木製フェンス・ウッドデッキ式
斜面をウッドデッキで覆いながら段差を解消する方法です。「斜面の庭DIY|ウッドデッキ|コンクリートブロック階段」という動画では、ウッドデッキと階段を組み合わせて斜面全体を使えるスペースに変えた実例が紹介されています。
2-5. 植生土留め(植物で固定)
根張りの強い植物やグランドカバーを植えることで、根が土をつなぎとめる自然な工法です。後述する植物選びと組み合わせることで、手間が少なく見た目も美しい斜面が実現します。
3. ロックガーデンで土留めをおしゃれに解決する方法

3-1. ロックガーデンとは
ロックガーデンとは、岩や石を主役にして植物を組み合わせたガーデンスタイルです。もともとは高山植物を育てるために考案されましたが、近年は斜面の土留め対策とデザインを同時に解決する手法として注目されています。石の重みと配置で地盤を安定させながら、石の間に植物を植えることで生き生きとした景観を作れるのが最大の魅力です。
3-2. ロックガーデンの作り方の基本
まず斜面の土をある程度掘り起こし、水はけをよくするための砂利や砕石を混ぜ込みます。次に大きめの石を斜面の下部から順に配置し、安定した並びになるよう調整します。石は「3点支持」を意識して置くと倒れにくくなります。石の隙間に土を詰め、好みの植物を植えれば完成です。
3-3. ロックガーデンに合う石の選び方
自然な印象にしたいなら、地域の石材や野面石(のづらいし)が馴染みやすいでしょう。ホームセンターでも入手できる溶岩石(軽石)は軽くて扱いやすく、多孔質なので植物の根が絡みやすい特長があります。「斜面の庭#1 急斜面を庭の匠はどう活かす?」という動画で紹介された金井流ガーデンリメイクも、廃材や地形を活かした石の配置という点で参考になります。
4. DIYで斜面の土留めをつくる手順

4-1. 事前準備と計画
まず斜面の傾斜角と高さを測ります。高さが50cm以上になる場合や傾斜がきつい場合は、プロへの相談も視野に入れてください。「庭造り#4 傾斜地造成DIY」などの動画は計画の立て方を把握するうえで参考になります。材料を事前にリストアップし、ホームセンターで入手できるかどうかも確認しておきましょう。
4-2. 排水処理を最初に考える
土留めが失敗する原因の大半は、水の処理不足です。排水計画を怠ると土留めの裏側に水圧がかかり、崩壊を招きます。土留めの背面には砕石や砂利を詰め、底部に暗渠パイプ(ドレーンパイプ)を通して水を逃がす経路を必ず確保しましょう。
4-3. 基礎づくりのステップ
基礎が不安定だと、石やブロックをどれだけ丁寧に積んでも時間とともにずれてきます。
- 地面を20〜30cm掘り下げて整地する
- 転圧機(タンパー)または足で踏み固める
- 砕石を5〜10cm敷いて再び転圧する
- 必要に応じてコンクリートで基礎を打つ
4-4. 石・ブロック・枕木の積み上げ
基礎が固まったら、素材を下から順に積んでいきます。コンクリートブロックはモルタルで固定し、石積みの場合は石同士の噛み合わせを重視しながら積み上げます。「庭造り#6 なんちゃって土留めをコンクリートで覆う」の動画のように、仮の土留めを先に作ってから本格施工に移る方法は、初心者にとって取り組みやすいアプローチです。
4-5. 仕上げと植栽
土留めが完成したら、斜面の表土に腐葉土や培養土を足して植栽スペースを整えます。グランドカバー植物を早めに植えることで土の流出を防ぎながら、見た目も自然に整っていきます。
5. 斜面の土留めに使えるおすすめ素材・資材

5-1. 枕木風コンクリート平板
腐らず、シロアリの被害もなく、本物の木材に近い見た目を持つ優秀な素材です。コメリやカインズなど大手ホームセンターで扱っており、DIY初心者でも加工しやすいのが魅力です。「枕木平板で花壇作り」という動画でも、ナチュラルガーデンとの相性のよさが実証されています。
5-2. ピンコロ石・レンガ
小ぶりなサイズなので細かい場所にも対応しやすく、曲線的なデザインにも向いています。花壇の縁取りと土留めを兼用するのに適した素材です。
5-3. 間知ブロック(けんちブロック)
プロの現場でよく使われる台形断面のブロックです。傾斜を持った形状で土圧に強く、安定性が高い素材です。見た目はやや無骨になりますが、ツル植物を這わせると自然な印象に変わります。
5-4. ガビオン(蛇籠)
金属製のメッシュバスケットに石を詰めたもので、ガビオンはインダストリアルなデザインとして人気が高まっています。排水性が高く、石の重みで土圧にも対応できるため、機能面でも優秀です。
5-5. 廃材・再生材
「斜面の庭#2 廃材の階段と人工芝の段々畑作り」の動画では、溶鉱炉から出る再生材を土留めに活用する方法が紹介されています。コストをかけずに重量感のある素材を確保でき、環境負荷の低減にもつながります。
6. 斜面ガーデニングにおすすめの植物5選

6-1. シバザクラ
地を這うように広がる匍匐性の植物で、斜面の緑化と土留めを同時に担ってくれます。春には一面にピンクや白の花が咲き誇り、景観としても見応えがあります。「庭造り#3 傾斜地造成&シバザクラ目土DIY」という動画でも、斜面への植え方と土留め効果が詳しく紹介されています。乾燥に強く管理の手間が少ない点も魅力です。
6-2. セダム(マンネングサ)
多肉植物の一種で、乾燥した斜面や石積みの隙間でもよく育ちます。黄色や緑、赤みがかった品種もあり、ロックガーデンとの相性が抜群です。
6-3. ヤブラン(リリオペ)
日陰にも強く、根張りがしっかりしているため土の流出を防ぐ力があります。細長い葉と紫色の花穂が、庭にエレガントな表情を添えます。
6-4. ツルニチニチソウ(ビンカ)
旺盛な繁殖力で斜面を素早く覆います。半日陰でも育ち、青紫の花も楽しめます。一度植えると管理がほぼ不要になるほど丈夫で、グランドカバーとして非常に頼りになる植物です。
6-5. コニファー類(這性品種)
「ブルーカーペット」などの地を這うタイプのコニファーは、銀青色の葉が美しく、斜面に立体感を生み出します。成長が遅く管理しやすいため、長期的なガーデンデザインに向いています。
7. 土留め工事の費用相場

7-1. DIYの場合
DIYであれば、負担は材料費のみです。枕木風平板やピンコロ石などを使った簡易的な土留めなら、数千円〜数万円程度で対応できるケースが多いです。ただし、転圧機のレンタルやコテ・水平器といった道具のコストも忘れずに計算しておきましょう。
7-2. プロ施工の場合
外構業者に依頼した場合の費用は、工法や素材によって変わります。
| 工法 | 費用の目安(1mあたり) |
|---|---|
| コンクリートブロック積み | 1〜2万円 |
| 石積み(練積み) | 2〜4万円 |
| 間知ブロック | 1.5〜3万円 |
| ガビオン | 2〜5万円 |
| 植生工 | 5,000円〜1.5万円 |
これに加えて、基礎工事や残土処理の費用が別途かかります。「本日の工事【土留めブロック】#土留め #外構 #工事」などの動画を見ると、業者が使う機材や作業規模の感覚がつかめ、見積もりの妥当性を判断するヒントになります。
7-3. 相見積もりを取る重要性
土留め工事は業者によって価格差が大きい工事です。必ず2〜3社に相見積もりを取り、工法や保証内容を比較してから発注しましょう。安さだけで選ぶと、数年後に補修が必要になることもあります。
8. 失敗しないための注意点

8-1. 高さ・規模によっては許可が必要
土留め工事のなかには、自治体への届出や確認申請が必要なケースがあります。高さが2mを超える擁壁(ようへき)は建築基準法の適用を受ける場合があるため、着工前に自治体の窓口や建築士に確認しておきましょう。
8-2. 隣地への影響を考慮する
斜面の土留め工事は、隣地の地盤や排水に影響を与えることがあります。特に境界線近くでの工事は、事前に隣人と話し合っておくことが欠かせません。
8-3. 水はけ対策を怠らない
繰り返しになりますが、水はけの確保は土留め工事の根幹です。粘土質の土地では排水計画を念入りに立てないと、水圧で土留めが押し出されてしまいます。
8-4. 素材の耐久性と定期メンテナンス
木材を使った土留めは定期的な防腐処理が必要です。5〜10年ごとに状態を確認し、腐朽が進んでいれば早めに交換・補修しましょう。コンクリート系の素材でも、亀裂が入った場合は補修材で早めに対処することが大切です。
8-5. DIYの限界を見極める
急傾斜・大きな高低差・広い面積が重なる場合、DIYには限界があります。無理に自分で施工して完成後に崩壊すれば、かえって費用がかさむ結果になりかねません。「傾斜地のお庭計画例を紹介」といった動画でプロの設計思想に触れてから、自分の敷地に何が必要かを冷静に判断することをおすすめします。
9. まとめ

斜面の土留めは、安全性とデザインを同時に解決しなければならない工事です。そのバランスをうまく取るには、素材・工法・植物の組み合わせを自分の庭の条件に合わせて選ぶことが重要になります。
コンクリートブロックで強度を確保しながら表面に石材を貼る、枕木風平板とシバザクラでナチュラルな斜面を演出する、ロックガーデンで石と植物の自然な表情を引き出す。アプローチは一つではなく、あなたの庭に合ったスタイルが必ずあります。
DIYで挑戦するなら、排水処理と基礎工事に手を抜かないことが成功の条件です。高さや規模が大きくなるほど、プロに依頼することも真剣に検討してください。「手の付けられない庭」が「自慢の庭」に変わる可能性は、どんな斜面にも眠っています。
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