フラット35を選ぶなら、金利の低さだけでなく手数料込みの総コストで比べることが最重要です。同じフラット35でも取扱金融機関によって金利・諸費用に大きな差があり、ネット銀行を使えば大手銀行より数十万円以上節約できるケースも珍しくありません。
この記事の結論を先にまとめます。
- フラット35は取扱金融機関によって金利・手数料が異なるため、必ず複数社を比較すること
- 2026年7月時点の最低金利水準は約1.82〜2.09%(返済期間21〜35年・融資率90%以下の場合)で、ARUHIやSBI・楽天などネット系が低め
- 手数料は「融資手数料型」と「保証料型」で総コストが大きく変わるため、金利+手数料の合計額で選ぶのが正解
- フラット35Sや地域連携型などの金利引き下げプランを活用すると総返済額を大幅に圧縮できる
- 金利上昇リスクを避けたい人・審査が通りにくい人・長期で安心したい人に特に向いている
目次
1. フラット35とは?基礎知識と仕組み

1-1. フラット35の概要
フラット35とは、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する全期間固定金利型の住宅ローンです。最長35年間、借入時の金利がそのまま最後まで固定されるため、将来金利が上がっても月々の返済額は変わりません。
変動金利ローンは短期プライムレートや政策金利に連動しますが、フラット35にはそうした市場変動の影響がありません。2024〜2025年にかけて日銀が利上げを続け、2026年7月時点で変動金利の基準金利が上昇傾向にある今、固定の安心感が改めて注目されています。
1-2. 民間ローンとの仕組みの違い
普通の銀行住宅ローンは銀行が自分のお金を貸し出す仕組みですが、フラット35では金融機関がいったん融資した後、住宅金融支援機構がその債権をまとめて買い取り(または保証し)、証券化して市場に流通させます。この仕組みのおかげで金融機関は資金調達コストを抑えやすく、長期固定でも競争力のある金利を実現できています。
また、保証人や住宅ローン保証料が原則不要なのも特徴です。ただし代わりに、物件が住宅金融支援機構の技術基準を満たしているかを確認する「適合証明」の取得が必要になります。
1-3. 取扱金融機関は300社以上
フラット35は住宅金融支援機構が直接貸し出すのではなく、提携する民間金融機関を窓口として借り入れる仕組みです。取扱機関は2026年時点で約300社以上あり、大手銀行・地方銀行・信用金庫・ネット銀行・ノンバンク系と選択肢は幅広い。同じ「フラット35」でも、どこで借りるかによって金利・手数料・サービスが変わるため、比較は欠かせません。
2. フラット35の金利を徹底比較【2026年7月最新】

2-1. 2026年7月の金利水準
2026年7月の住宅金融支援機構の発表によると、フラット35(買取型・融資率90%以下・返済期間21〜35年)の金利は、取扱機関の中で最低が1.82%、最多提供金利が2.09%前後です。
2021〜2022年頃は最低金利が1.3%台という時期もありましたが、日銀の政策転換を受けて2025年後半から上昇傾向が続いています。変動金利との差が縮まりつつあるとはいえ、「金利がさらに上昇した場合のリスク回避」として固定を選ぶ合理性は今も十分あります。
2-2. 主要ネット銀行の金利一覧(2026年7月目安)
| 金融機関 | 金利(返済21〜35年・融資率90%以下) | 手数料タイプ |
|---|---|---|
| ARUHI(アルヒ) | 1.82%〜 | 融資手数料型 |
| SBI新生銀行 | 1.89%〜 | 融資手数料型 |
| 楽天銀行 | 1.92%〜 | 融資手数料型 |
| auじぶん銀行 | 1.95%〜 | 融資手数料型 |
| 住信SBIネット銀行 | 1.98%〜 | 融資手数料型 |
| ろうきん・地方銀行系 | 2.05〜2.20%前後 | 保証料型が混在 |
※2026年7月時点の目安値。実際の適用金利は物件・審査内容・適用プランによって変動します。
店舗コストを持たないネット銀行は金利を低く設定しやすく、フラット35でも有利な水準を提供していることが多いです。
2-3. 返済期間・融資率による金利差
フラット35の金利は主に2つの軸で変わります。
ひとつは返済期間です。20年以下と21〜35年では金利が異なり、短期(〜20年)のほうが通常は低くなります。20年で完済できる見込みがあれば、それだけで0.1〜0.2%程度の差が出ることもあります。
もうひとつが融資率(物件価格に対するローン額の割合)です。融資率90%超、つまり頭金が1割未満の場合は金利が高くなります。2026年7月時点では90%超で0.2〜0.3%程度の上乗せとなるケースが多く、頭金をある程度用意できるかどうかが金利面で大きく響きます。
3. フラット35の手数料・諸費用を比較

3-1. 融資手数料型と保証料型の違い
フラット35の諸費用でまず押さえておきたいのが、費用の徴収方式です。
融資手数料型は借入額の2.2%前後を融資時に一括で支払う方式です。3,000万円借りると66万円が初期費用としてかかりますが、その分、金利自体は低めに設定されています。
保証料型は初期費用を抑えられる一方、金利に0.2〜0.3%程度が上乗せされるのが一般的です。手元資金を温存したい場合の選択肢になりますが、月々の負担は増えます。
住宅ローン専門家の解説によれば、長期で借りるほど融資手数料型のほうが総返済額を抑えやすい傾向があります。ただし短期完済を見込むなら保証料型のほうがコスト面で有利になることもあるため、シミュレーションで比較するのが鉄則です。
3-2. その他の諸費用
金利・手数料以外にかかるコストも事前に把握しておきましょう。
- 適合証明取得費用:物件が基準を満たすかの検査が必要で、5〜10万円程度
- 団体信用生命保険(団信):フラット35では任意加入。機構団信に加入する場合は金利に年0.28%が上乗せ
- 登記費用・印紙税:フラット35に限らない費用だが、総コストとして計算に含めること
- 火災保険:フラット35では加入が必須。保険会社・内容によって保険料は大きく変わる
ネット銀行の中には適合証明の取得サポートが充実しているところもあり、初めて利用する場合はサービス面も判断材料になります。
3-3. 総コストで比較することの重要性
同じ借入額・期間でも、金利と手数料の組み合わせ次第で総返済額が数十万〜百万円以上変わることは珍しくありません。金利だけで選ばず、総返済額(元本+利息+手数料)をシミュレーションして比較することが、失敗しない選び方の基本です。複数の金融機関で事前審査を受けても信用情報への影響は小さいので、臆せず比較申し込みをしてみてください。
4. ネット銀行のフラット35おすすめランキング

4-1. ARUHI(アルヒ)
フラット35の取扱実績でNo.1を誇るのがARUHIです。2026年7月時点での金利は最低水準クラスで、頭金2割以上を用意すると「スーパーフラット」という独自プランでさらに低い金利が適用されます。ネット申し込みから対面サポートまでカバーしており、フラット35を初めて使う人にも安心感があります。手数料は融資手数料型(借入額×2.2%)が基本で、適合証明の取得サポートや技術基準に関する相談体制も整っています。
4-2. SBI新生銀行
SBI新生銀行はネット銀行の中でも金利競争力が高く、フラット35でも低水準の金利を提供しています。手数料体系が明確で諸費用の計算がしやすく、SBI系サービスをすでに利用している人なら資産管理との連携もスムーズです。
4-3. 楽天銀行・auじぶん銀行
楽天銀行とauじぶん銀行は、それぞれの経済圏との相性の良さが際立ちます。ポイント還元などの付随サービスも含めてトータルコストを試算したい人には検討する価値があるでしょう。金利水準もネット銀行の中では競争力があり、手続きをオンラインで完結しやすい点もメリットです。
4-4. 住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行はフラット35と変動金利ローンの両方に強みを持ちます。「どちらにしようか迷っている」という段階の人が両方を並べて比較検討するのに便利で、住宅ローンアドバイザーへの相談サービスも充実しています。
5. 買取型・保証型の違いと選び方

5-1. 買取型とは
フラット35(買取型)は最も一般的なタイプです。金融機関が住宅金融支援機構に債権を売却する仕組みで、金利は長期国債の利回りを参考に毎月設定されます。全国300社以上が取り扱っており、ネット銀行の多くがこのタイプです。
5-2. 保証型とは
フラット35(保証型)は、機構が保証人となって金融機関を通じて提供されます。取扱機関は限られますが、審査の柔軟性や独自サービスが付加されることもあります。地方銀行や信用金庫で取り扱っているケースが多い商品です。
5-3. どちらを選ぶべきか
金利の低さとコストを優先するなら買取型・ネット銀行が有利なことが多いです。一方、地域の銀行との関係性や審査の融通を重視するなら、保証型を扱う地方銀行も十分現実的な選択肢です。どちらが絶対に優れているわけではなく、借入条件・物件・資金計画に照らして判断することが大切です。
6. フラット35のメリット・デメリット

6-1. メリット
フラット35の最大のメリットは返済計画の立てやすさです。35年間、金利が変わらないため10年後・20年後の返済額が今日と同じ。子どもの教育費がかかる時期も老後の生活設計も、返済額を定数として組み込めることが大きな安心材料になります。
保証人・保証料が不要な点も見逃せません。一般的な銀行ローンでは保証料として数十万円が必要なケースがありますが、フラット35では融資手数料に一本化されています。
さらに、フラット35Sや地域連携型などの金利引き下げプログラムを活用すれば、省エネ基準を満たした住宅や地方への移住を条件に最大1.0%・10年間の引き下げが受けられます。変動金利との差を縮める有力な手段として、積極的に活用したい制度です。
6-2. デメリット
まず挙げられるのが変動金利と比べた金利の高さです。2026年7月時点でもネット銀行の変動金利には0.3〜0.5%台のものがあり、フラット35との差は最大1.0〜1.5%程度あります。金利が将来も低いままであれば、変動のほうが総支払額は少なくなる可能性があります。
物件の適合証明が必要な点もネックです。中古住宅やリフォーム物件では基準を満たさない場合があり、申請費用と手間がかかります。
団信が任意加入である点も要注意です。民間ローンでは団信が原則セットですが、フラット35では別途加入の手続きが必要で、加入しなければ万一のときの保障がありません。
7. フラット35が向いている人・向いていない人

7-1. フラット35が向いている人
- 将来の金利上昇が不安な人:日銀の利上げが続く中、固定金利でリスクをヘッジしたい人には合理的な選択肢
- 長期間・高額で借りる人:変動との差が縮まっている今だからこそ、長期返済なら固定の恩恵を受けやすい
- 審査が通りにくい人:フラット35は一定の基準を満たせば審査の柔軟性が高く、自営業者や転職直後の人でも通りやすい傾向がある
- 収入の増減が読みにくい人:フリーランスや不規則収入の方にとって、返済額が固定されている安心感は大きい
7-2. フラット35が向いていない人
- 短期完済を予定している人:10〜15年で繰り上げ返済を計画しているなら、変動金利のほうが総コストを抑えやすい
- 変動リスクを取れる安定収入がある人:金利上昇があっても繰り上げ返済で対応できる資力があれば変動も有力
- 物件が適合証明を取得しにくいケース:古い建物や特殊な構造では、そもそもフラット35を使えないことがある
自分のライフプランと資金計画に合った選択をすることが本質で、金利の数字だけで判断するのは禁物です。
8. 注意点と金利に関するよくある質問

8-1. ネット銀行でフラット35を使う際の注意点
適合証明の取得は基本的に借り手が動く必要があります。ネット銀行の中にはサポートが手厚いところもありますが、検査機関への依頼や書類準備は借り手側の責任です。
団信の加入手続きが別途必要な点も見落とされがちです。機構団信や特約付き団信を申し込む場合、手続きのタイミングと費用を事前に確認しておきましょう。
対面相談に対応していない点も念頭に置いてください。審査スピードの速さは魅力ですが、疑問点はメールやチャットでこまめに確認する姿勢が必要です。
8-2. よくある質問
Q. フラット35の金利はいつの時点のものが適用されますか?
A. 申し込み時ではなく、融資実行月(引渡し・決済の月)の金利が適用されます。申し込みから実行まで数か月かかることが多いため、金利の動向には注意が必要です。
Q. 変動金利と比べてどちらが得ですか?
A. 将来の金利推移次第で一概には言えません。2026年7月時点では変動との差が縮まりつつあり、金利上昇リスクとのトレードオフで判断することになります。10年・20年の返済シミュレーションを複数パターンで試しておくことをお勧めします。
Q. フラット35Sの金利引き下げはどんな条件で受けられますか?
A. 省エネ基準・耐震性・バリアフリー等の一定基準を満たした住宅を対象に、当初5〜10年間の金利を年0.25〜0.5%引き下げる制度です。新築だけでなく中古・リノベーション住宅も対象になる場合があります。適合証明書を取得したうえで、金融機関を通じて申請します。
Q. 繰り上げ返済はできますか?
A. フラット35は繰り上げ返済が可能です。ネット銀行経由の場合、オンラインで手続きできる機関が多く、繰り上げ返済手数料が無料のところも増えています。早期完済を視野に入れているなら、事前に条件を確認しておきましょう。
フラット35は「どこで借りるか」で総コストが大きく変わる商品です。金利・手数料・サービスをまとめて比較し、自分のライフプランに合った金融機関を選ぶことが、長い返済期間を安心して過ごすための第一歩になります。
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