ケイミューが送り出した外壁材「SOLIDO(ソリド)」が、注文住宅界隈でじわじわと話題を集めています。「超絶かっこいい」「コーキングレスで後悔しにくい」といった声はYouTubeの施主チャンネルでも多く上がっており、検討リストに入れている方も少なくないでしょう。
ただ、「SOLIDOを選んでいたけど辞めた」という動画も存在するように、メリットだけで飛びつくと後悔につながるケースもあります。この記事では、SOLIDOの種類・性能・施工方法から、実際に1年8ヶ月住んだ施主が語る経年変化のリアルまで、ひとまとめに整理しました。
- SOLIDOはケイミューが製造するコーキングレス設計のセメント系外壁材で、コーキングの劣化によるメンテナンスコストを大幅に削減できる
- typeM・typeM_LAPなど複数ラインナップがあり、金属サイディングと組み合わせた外観づくりの幅も広い
- 外壁だけでなく内壁・床・インテリアへの活用も可能で、設計の自由度が高い素材
- 経年変化を「味」として楽しめる反面、汚れの目立ちやすさや重量による施工上の制約には注意が必要
- 防火性能・認定構造も整備されており、カバー工法での外壁リフォームにも対応している
目次
1. ソリド外壁(SOLIDO)とは?ケイミューが手がける注目の外壁材

1-1. SOLIDOの基本プロフィール
SOLIDOは、屋根材・外壁材で国内トップクラスのシェアを持つケイミュー(KMEW)が製造・販売するセメント系外装材です。2020年前後から施主ブログやYouTubeへの露出が増え、とりわけ「コーキングレス」という設計思想が注目を集めてきました。
主成分はセメントと骨材で、石・コンクリート・左官仕上げを思わせる無機質な表面テクスチャーが特徴です。一般的なサイディングにありがちな「いかにも住宅外壁」という印象とは一線を画しており、ざらりとしたマットな質感が「超絶かっこいい」と評される理由のひとつになっています。
1-2. 一般的なサイディングとの違い
従来の窯業系サイディングは、目地部分にコーキング(シーリング)材を充填して防水性を確保します。このコーキングは紫外線や熱で劣化するため、おおむね10年前後での打ち替えが必要です。
SOLIDOは目地を設けないか、特殊な接合構造を採用することでコーキングレス設計を実現しています。創業157年の棟梁が「住んだ後に後悔しないための厳選外壁材」としてSOLIDOを取り上げた際も、メンテナンスコストの低さを評価の核心として挙げていました。
1-3. 再生材を使ったサステナブルな製造
SOLIDOはリサイクル素材を一部原料に活用しています。外観へのこだわりと環境配慮を両立したい施主にとって、見逃せないポイントです。
2. SOLIDOのラインナップと種類一覧

2-1. typeM(タイプエム)
SOLIDOの標準グレードにあたるラインで、フラットな表面仕上げが特徴です。シンプルモダンな外観と相性がよく、単体でも金属サイディングとの組み合わせでも自然に馴染みます。カラーバリエーションは「鉄黒」をはじめとする落ち着いたトーンが中心です。
2-2. typeM_LAP(タイプエムラップ)
LAPはラップサイディング(鎧張り・下見板張り)を模したデザインで、水平方向に走る陰影が立体感を生みます。「SOLIDO typeM_LAP 鉄黒」は外壁検討リストの上位に挙がることが多く、施工のタイムラプス動画を公開する施主が多いことからも、完成後の見た目への期待の高さが伝わります。
2-3. カラー展開の傾向
グレー系・ブラック系・ホワイト系の落ち着いたカラーが中心で、鮮やかな色みはほとんど見られません。「あえてトーンを抑えた無機質感」を求める施主のニーズにマッチしている一方、色によって経年変化の出方が異なります。後述する汚れの見え方とあわせて選ぶことが大切です。
3. SOLIDOを外壁に使うメリット

3-1. コーキングレスによるメンテナンス負担の軽減
最大の強みはここに尽きます。一般的な窯業系サイディングのコーキング打ち替えは、足場代を含めると1回あたり数十万円規模になることも珍しくありません。SOLIDOはその工程を省けるため、30年間のトータルメンテナンスコストで比較したとき、差が大きく開く可能性があります。現場監督目線の解説動画でも「コーキングレスはSOLIDOの最大の強み」と明言されており、ランニングコストを重視する施主から特に支持されています。
3-2. 無機質でデザイン性の高い外観
セメント質のざらっとした表面は、左官・コンクリート打ち放し・石材のいずれとも異なる独自の佇まいを作ります。金属サイディングや木材軒天と合わせると素材の対比がさらに際立ち、「金属サイディング×SOLIDO×板張り軒天」という組み合わせはルームツアー系チャンネルでも人気のテーマです。
3-3. 外壁以外にも使える汎用性
SOLIDOは外壁専用の製品ではありません。内壁のアクセントウォールや床・インテリアへの展開も可能で、空間全体でトーンを統一したいモダンインテリア志向の施主には大きな魅力です。「外壁だけじゃない!SOLIDOのインテリア活用例」という切り口で動画が作られるほど、内装材としての需要も高まっています。
4. SOLIDOの気になるデメリット・注意点

4-1. 汚れの目立ちやすさと経年変化
SOLIDOを採用して1年8ヶ月住んだ施主の報告では、「経年変化はあるが、特定の汚れが目立ちやすい」という声があります。ブラック系・グレー系では雨だれの白化が、ホワイト系では排気や苔による汚染が目に入りやすい傾向です。経年変化を「味」として楽しめるかどうかは価値観次第ですが、汚れが気になりやすい方は光触媒コーティングとの組み合わせを検討するか、ほかの外壁材と改めて比較することをおすすめします。
4-2. 重量と施工の難しさ
セメント系素材であるため、樹脂系や金属系サイディングと比べると重量があります。下地や建物構造への負荷が増す分、施工会社の経験・技術力が仕上がりに直結します。「SOLIDOを選んでいたけど辞めました」という動画でも、施工難易度と工務店の対応力が判断の分かれ目になったことが示唆されていました。
4-3. コストの高さ
一般的な窯業系サイディングと比べると材料費は高めで、施工できる業者の選択肢が地域によって限られるケースもあるため、見積もりの比較がしにくい場合もあります。コーキング不要によるメンテナンスコスト削減効果とのトレードオフで判断することになります。
5. SOLIDOが向いている人・向いていない人

5-1. SOLIDOが向いている人
- 長期的なメンテナンスコストを重視する方:コーキング打ち替えのたびに足場費用を含む数十万円を出したくない、という施主に特にフィットします。
- モダン・インダストリアル・ナチュラルモダン系の外観を目指す方:素材の無機質感はこれらのテイストと高い親和性があります。
- 外壁と内装の統一感を出したい方:外壁と内壁を同一素材でまとめる一貫したデザインが可能です。
5-2. SOLIDOが向いていない人
- 汚れや色変化に敏感な方:経年変化を許容しにくい場合、日常的にストレスを感じる可能性があります。
- 初期コストを最優先したい方:材料費の高さが予算オーバーにつながりやすいです。
- SOLIDOの施工実績が少ない工務店を使う方:施工精度が外観品質に大きく影響するため、実績の確認は欠かせません。
6. 外壁カバー工法でのSOLIDO施工手順

6-1. カバー工法とは
カバー工法(重ね張り)は、既存外壁材を撤去せずに上から新しい外壁材を重ねる工法です。撤去・廃棄費用が不要で工期も短縮できることから、リフォームで選ばれることが多く、SOLIDOでも対応しています。既存住宅の外観をガラッと変えたいリノベーション案件でも採用されています。
6-2. 下地確認と胴縁の設置
まず既存外壁の劣化状況を確認します。腐食・膨れ・著しい反りがある場合は部分補修が先です。その後、通気胴縁(つうきどうぶち)を取り付けて壁体内の湿気を逃がす通気層を確保します。この通気層こそが、カバー工法における防水・耐久性の要です。
6-3. SOLIDOパネルの取り付けと仕上げ
胴縁の上にSOLIDOパネルを下から順に張り上げていきます。コーキングレス仕様では目地の充填が不要なため仕上がりが均一になりやすく、施工後の見た目もすっきりします。LAPタイプの場合は陰影の出方を確認しながら精密に重ねていく作業が必要で、施工のタイムラプス動画を見るとその丁寧さがよく伝わります。
7. SOLIDOの防火性能と認定構造

7-1. 準不燃・不燃認定の有無
セメント系素材であるSOLIDOは燃えにくい性質を持っており、防火・準耐火構造の認定を取得した製品ラインも存在します。準防火地域・防火地域での建築にも対応できますが、認定の詳細は製品グレードや施工仕様によって異なるため、設計段階でメーカーや施工会社に確認することが重要です。
7-2. 認定構造の仕様と注意点
防火認定を受けた構造で施工するには、認定仕様に定められた下地材・断熱材・胴縁の組み合わせを厳守する必要があります。仕様から外れると認定が無効になる場合があるため、設計変更が多い現場では特に注意が必要です。担当の工務店や設計士がSOLIDOの認定仕様に精通しているかどうかを、事前に確認しておくと安心です。
8. SOLIDOのおすすめ活用シーン(外壁・内壁・床)

8-1. 外壁:金属サイディングとの組み合わせ
外壁の主役として単独で使うだけでなく、金属サイディングとのツートーン外観でアクセントに据えるパターンも人気です。1階部分をSOLIDO、2階を金属サイディングにする、あるいは正面ファサードのみSOLIDOにするといった設計は、素材感の対比が際立ち、単独使いとはまた異なる表情を生みます。
8-2. 内壁:アクセントウォールへの活用
LDKの一面にSOLIDOを使ったアクセントウォールは、エコカラットと比較検討されることも多いです。質感・メンテナンス・コストで比べたとき、外壁と内壁を同一素材でまとめられる一貫性がSOLIDOならではの強みになります。
8-3. 床・その他インテリア
土間や玄関の一部にSOLIDOを採用する事例もあります。コンクリート打ち放しを思わせる質感は、モルタル調インテリアを好む方に響く選択肢です。ただし滑り止め加工の有無や耐摩耗性については、事前にメーカーへ確認しておきましょう。
9. まとめ:SOLIDOは経年変化を楽しめる外壁材

SOLIDOは「コーキングレス」「無機質でかっこいいデザイン」「外壁以外への転用も可能」という三拍子が揃った、現代の注文住宅に合う外壁材です。実際に1年8ヶ月住んだ施主のリアルな声を見ても、汚れや経年変化を「許容・楽しめるかどうか」が満足度を大きく左右しています。
完璧にきれいな状態を維持したい方よりも、素材が時間とともに変化していく様子を味わいたい方に向いている外壁材です。初期コストは高めですが、コーキング打ち替えのサイクルが不要になることで、長期的には経済的な選択になる可能性があります。
採用を検討する際は、施工実績のある工務店を選び、防火認定の仕様と経年変化後のカラーイメージを設計段階で確認しておくことが、後悔しない家づくりの近道です。
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