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無垢床の樹種選び方をプロ4人が本音解説!針葉樹vs広葉樹の違いとは【家百講座 戸建て編 #12】
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無垢床の樹種選び方をプロ4人が本音解説!針葉樹vs広葉樹の違いとは【家百講座 戸建て編 #12】

2026年7月19日

注文住宅を検討していると、必ずぶつかるのが「無垢床の樹種、何を選べばいいの?」という問いです。カタログや雑誌にはきれいな写真が並ぶばかりで、実際に家を建ててきたプロの本音はなかなか出てきません。今回の家百講座では、現役の工務店4社のつくり手が「自分が好きな樹種」を軸に、無垢床選びのリアルを語ってくれました。

この記事の結論はこちら
  • プロ4人が口を揃えて推す杉(針葉樹)の足触りと香りの優位性
  • 針葉樹は柔らかく傷つきやすい——それでも選ばれる体感的な理由
  • チーク・クリ・ブラックチェリーなど広葉樹は空間スタイルと色合わせで選ぶ
  • 樹種より「色が揃っているか」が仕上がりを左右する
  • 仕入れ価格は地域差・時期が大きく、工務店への確認が必須

1. つくり手4人が語る「好きな樹種」——全員の答えは針葉樹だった

無垢床 選び方のつくり手4人が語る「好きな樹種」——全員の答えは針葉樹だったを表す図解イラスト

家百講座のこの回は、参加したつくり手4人がそれぞれ「個人的に好きな床材」をフリップに書き出すところから始まりました。開けてみると全員が針葉樹、なかでも杉を選んでいました。

北川さんが挙げた理由は「日本で最も身近な木材であること」と「足触りの心地よさ」の二つ。凹凸加工を施したうづくり仕上げは感触がとくによく、コストも比較的抑えられるため総合的に優れた選択肢だと語っています。

小方さんも杉を選びながら、「踏み心地もそうですが、個人的には香りが特に好き」と付け加えました。傷のつきやすさについては「デメリットは確かにあるが、加工のしやすさや踏んだときの柔らかな感触を考えると、それを補って余りある」と話しています。

大沢さんは、自社の標準仕様を杉に決めた経緯を明かしています。見学会で土日2日間立ちっぱなしで接客していると、硬い床では足や膝が痛くなる。針葉樹の床に変えてからは疲れ方がまるで違った——その実体験が決め手だったといいます。

「お客さんに選んでもらうというより、自分たちの会社が何を使いたいかをきちんと決めようというのが、20年ぐらい前にあって。そこから基本的にうちは杉を張っていますという話をお客さんにしています」(大沢さん)

清水さんは杉を軸にしながら、用途や空間によって複数の樹種を使い分けていると語りました。杉・ヒノキ・チーク・クリ・ブラックチェリーの5種を挙げ、「どれとは一概に言えないが、この5つが自社でよく使う樹種」と整理しています。


2. 針葉樹(杉・ヒノキ)の特徴——プロが語る選ばれる理由

無垢床 樹種 選び方の針葉樹(杉・ヒノキ)の特徴——プロが語る選ばれる理由を表す図解イラスト

2-1. 杉の特徴

は日本全国で育つため入手しやすく、構造材から化粧材・フローリング材まで幅広く使われます。針葉樹のなかでも特に柔らかく軽いため足への衝撃が少なく、長時間立っていても疲れにくいのが大きな特長です。

大沢さんが言及した「吉野杉」のように産地によって木目や品質に差があり、産地に近い工務店ほど質の高い材料を入手しやすいという地域事情もあります。大阪・奈良エリアの工務店が杉を積極的に採用しやすいのはそのためです。

ジャンカ硬度(木の硬さを示す指標)で見ると、杉は広葉樹の半分以下にとどまります。傷のつきやすさはデメリットとして必ず挙げられますが、つくり手たちは「傷がつくことも含めて経年変化として楽しめる」という立場を取っていました。

2-2. ヒノキの特徴

清水さんによれば、ヒノキは「無節のものが印象として強い」とのこと。京都などでは「どうしてもヒノキがいい」という要望もよく出るそうで、地域の文化や建築様式との親和性が高い樹種です。

大沢さんは小学校の授業で子どもたちに杉とヒノキを嗅がせる体験をしており、「どちらもいいものだが、自分は杉の香りが好き」と話しています。カタログには載らない視点ですが、香りの好みが樹種選びを左右することもあるようです。


3. 広葉樹の使い分け——清水さんが語る5樹種の役割

無垢床 選び方の広葉樹の使い分け——清水さんが語る5樹種の役割を表す図解イラスト

清水さんは広葉樹の床材を「空間の表情によって選ぶもの」と位置づけています。

チークは、古い町家のように濃い色の柱がある空間によく合うと語っています。「チョット濃い柱があると、チークがいいんですよね。イメージが良い感じになる」という言葉からは、既存の内装との色の整合を重視する考え方が伝わります。

クリについては「チークほど上品ではないが、すごくいい感じの表情が出る」と評価。関西では昔から柱や框(かまち)にクリを使う文化があり、床にも自然に馴染む樹種として位置づけています。

ブラックチェリーは、清水さんの会社では最近カウンター材として使うケースが増えた樹種です。チークや栃などが高騰するなか相対的に仕入れ価格が抑えられているため、「今はブラックチェリーを使うことが多い」と明かしています。ただし価格の動向は仕入れ地域によって異なり、関東では感覚が変わるという話も出ました。

「色が合えば、樹種の木目はあまり気にならなくなる。木目の走り方が違っても、色のトーンが揃っていれば空間としてまとまって見えます」(清水さん)


4. 「色が合えば樹種は何でもいい」——プロが見ている本質

無垢床 選び方の「色が合えば樹種は何でもいい」——プロが見ている本質を表す図解イラスト

この回でとりわけ印象的だったのが、清水さんの「色が合えば樹種は何でもいい」という言葉です。乱暴に聞こえるかもしれませんが、複数の樹種を一つの空間で使った建築家の見学会に参加した実体験から出た言葉でした。

壁・天井・床・家具に異なる素材・異なる樹種が使われていても、色のトーンを揃えることで違和感なく空間がまとまる実例を目の当たりにし、「樹種を変えることでインテリアをコントロールできる」という学びを得たと語っています。

「この樹種でなければいけない」と固執するより、空間全体の色バランスを見ながら選ぶほうが失敗は少ない。これがプロの発想です。


5. カウンター・造作材との組み合わせ方

無垢床 樹種 選び方のカウンター・造作材との組み合わせ方を表す図解イラスト

床材を杉などの針葉樹にした場合、カウンターや框などの造作部分をどの樹種にするかという話も出ました。

清水さんの会社では以前は欅(ケヤキ)をカウンター材に多く使っていたそうですが、「最近は欅も高くなってきた」ためブラックチェリーへの移行が進んでいるとのこと。材料費の高騰は特定の樹種に集中することがあり、工務店によって使える樹種や価格帯が変わるという現実が浮かび上がります。

大沢さんはJパネル(杉の集成パネル)をカウンターに使った事例を紹介しました。厚みが30〜36mmあるため重厚感が出すぎる場合もありますが、鼻先を落として薄く見せる加工を施せばコストと美観のバランスを整えられると語っています。材料高騰の時代にプロが実践している知恵の一例です。


6. パイン材——かつての定番が抱えるヤニ問題

無垢床 樹種 選び方のパイン材——かつての定番が抱えるヤニ問題を表す図解イラスト

話題のなかでパイン材にも触れられました。かつては安価な針葉樹の床材として広く使われていたパインですが、清水さんは「ヤニが出る」という問題を挙げています。施工後にお客さんから「黒いものが出てくる」と言われるケースがあり、トラブルになりやすいとのことでした。

現在もパインを使っている業者はいるものの、採用が「だいぶ減った」という認識は4人に共通しています。価格が安い分、長期的なメンテナンス面での課題を理解したうえで選ぶ必要があります。


7. 工務店の「得意な樹種」を聞くことが近道

無垢床 選び方の工務店の「得意な樹種」を聞くことが近道を表す図解イラスト

この回の締めくくりとして、北川さんは「素材の選び方は好みも関係するので、工務店が得意とする樹種や担当者が好きな樹種を聞いてみるのが参考になる」とまとめました。

大沢さんの会社のように「杉一択」で提案するところもあれば、清水さんの会社のように空間に応じて5種類から選ぶところもあります。どちらが正解ということはなく、工務店が自信を持って施工できる樹種を選んでもらうことが、仕上がりの質につながります。

「その会社が20年間使い続けてきた材料には、それだけの理由がある。お客さんにとっても、その会社の得意な材料の中から選ぶのが一番失敗しない方法だと思います」(大沢さん)


8. よくある質問

無垢床 樹種 選び方のよくある質問を表す図解イラスト

Q. 針葉樹と広葉樹、どちらを選べばいいですか?

動画では全員が針葉樹(特に杉)を個人的な好みとして挙げています。足触りの柔らかさ・香り・コストの面で針葉樹に利があり、傷のつきやすさはデメリットながら経年変化として受け入れられると語られました。広葉樹は空間の色調や内装スタイルに合わせたい場合の選択肢として示されています。

Q. 杉は傷がつきやすいと聞きますが、実際どうですか?

北川さん・小方さんともに「傷はつきやすい」と認めています。ただしそれをデメリットと捉えるか経年変化と捉えるかは住まい手次第であり、足触りや香り・コストのメリットがそれを上回ると感じているからこそ各社が使い続けているというのが、動画での語り口でした。

Q. チークやクリはどんな空間に合いますか?

清水さんによれば、チークは「濃い色の柱がある空間」との相性が良く、町家のような雰囲気にも馴染みます。クリは上品すぎず素朴な表情があり、関西では框や柱にも昔から使われてきた樹種です。いずれも空間全体の色バランスに合わせて選ぶのが基本です。

Q. カウンターや造作材の樹種は床と合わせるべきですか?

同じ樹種にそろえる必要はなく、「色が合えば樹種が違っても違和感は出ない」というのが清水さんの考え方です。ただし予算・仕入れ価格は地域や時期によって大きく変わるため、工務店に現状を確認するのが確実だと話されていました。

Q. パイン材は今でも使えますか?

使えないわけではありませんが、ヤニが出るという問題が動画で指摘されており、施工後に「黒いものが出てくる」というクレームになるケースもあると語られています。現在は採用する工務店が減っているとのことで、選ぶ際はヤニの扱いについて事前に工務店へ確認することが勧められます。


今回の動画では、教科書的な解説ではなく「自分ならこれを選ぶ」「うちの会社はこうしてきた」というつくり手の実体験が凝縮されています。より詳しく知りたい方はぜひ動画をご覧ください。

この講義の出演者

清水 一人(有限会社 ダイシンビルド 大阪府大阪市北区)

木造新築住宅を手がける。家づくり百貨 加盟工務店。

公式ホームページ

北川 貴久(アティックワークス株式会社/北川貴久建築設計 大阪府東大阪市)

木造新築住宅を手がける。家づくり百貨 加盟工務店。

公式ホームページ

大澤 正美(富士ソーラーハウス株式会社)

木造住宅新築/戸建てリノベーション/マンションリノベーションを手がける。家づくり百貨 加盟工務店。

公式ホームページ

小縣 章浩(エンズホーム 愛知県小牧市)

木造新築住宅を手がける。家づくり百貨 加盟工務店。

公式ホームページ

この講義を動画で見る(YouTube)

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