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外構計画で一番大事なこと!遠景・中景・近景・余景の景色論【家百講座 戸建て編 #15】
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外構計画で一番大事なこと!遠景・中景・近景・余景の景色論【家百講座 戸建て編 #15】

新築の外構計画を考え始めた方が最初にぶつかる壁は、「何を基準に考えればいいのかわからない」という迷いです。駐車スペースやフェンスの素材選びに目が向きがちですが、プロのつくり手たちが本当に大切にしているのは、もっと根本的な「景色の見方」でした。この講義では、4人のつくり手が外構計画で最も大切にしていることを、それぞれの言葉で語っています。

この記事の結論はこちら
  • 遠景・中景・近景・余景というレイヤーで景色を捉える考え方
  • 外構は家と世界観を統一することが大前提
  • 「窓の前」を意識した植栽・視線コントロール
  • 内から外、外から内、複数の視線の抜けと閉じの設計
  • 自分の庭が街へ与える景色=余景(よけい)という発想

1. 「景色論」という外構の考え方

外構計画の「景色論」という外構の考え方を表す図解イラスト

1-1. 遠景・中景・近景・余景とは何か

この講義でまず印象的だったのが、大澤さんが提示した「遠景・中景・近景・余景」という景色のレイヤー論です。

大澤さんは、庭づくりにおける景色を4つの距離感で捉えています。遠景は家と家の間から見える公園の緑やお寺の木々など、遠くに広がる風景。中景は道路を挟んだ向かいの植栽など、中距離の景色。近景は自分の敷地内の庭そのもの。そして余景は、自分の庭を整えることで街に与えられる景色です。

「自分の庭をきちんと整えれば、それを街に対して与える景色にすることができる。これを余景という風に言っています。遠景、中景、近景のグラデーションのあるレイヤーを楽しむことができつつ、結果的に街に対してプレゼントを与えることにもなる」

住宅街では富士山のような絶景がなくても、公園の緑の一角や隣家の植栽が遠景・中景として機能します。大さんはそのような身近な景色のレイヤーを丁寧に読み取り、近景として自分の庭を整えることで、グラデーションのある奥行きを生み出すことを大切にしていると語っています。

1-2. 余景は「余白」でもある

余景という言葉を聞いた別のつくり手から「余白のことかと思った」という声も上がりました。大澤さんはそれに対して「近景の中に余白があることで庭にグラデーションが生まれ、びっしり植えた田んぼ状態にならない。その余白があってこそ余景にもなる」と応じています。余白と余景は別概念でありながら、密接に結びついているという見方です。


2. 家と外構の世界観を合わせる

外構計画 考え方の家と外構の世界観を合わせるを表す図解イラスト

2-1. 家と外構は「一体」である

竹内さんが挙げたのは「お家と外構の世界観」という視点です。外構は家とは別に後から考えるものではなく、家の雰囲気・スタイルと一致していることが前提だと語っています。

「作り込まれた豪邸に対してラフな外構では、なぜ豪邸なのかという気持ちになる。逆に、ラフな家に作り込んだ庭もやっぱり違う。世界観としても、お家と外構が一致された方がよろしい」

こうした不一致が起きやすいのは、家の設計と外構計画が別々のタイミングで進んでしまうケースです。竹内さんは「バランスが取れていないとそうなってしまう」と話しており、建物の設計段階から外構の方向性を揃えて提案していることがうかがえます。


3. 「窓の前」から考える外構計画

考え方の「窓の前」から考える外構計画を表す図解イラスト

3-1. 窓の前の植栽が内外の景色を決める

大木さんが挙げたキーワードは「窓の前」です。駐車スペースやアプローチの動線など機能的な要素が先に議論されがちな外構計画ですが、大木さんはまず窓の前をどう構成するかを考えるといいます。

窓の前の植栽や構造物は、外から見た家の印象を左右するだけでなく、室内から外を見た時の景色にも直結します。また、外部からの視線を遮る効果もあるため、プライバシー確保という機能面でも重要な要素です。


4. 視線の「抜け」と「閉じ」をデザインする

外構計画 考え方の視線の「抜け」と「閉じ」をデザインするを表す図解イラスト

4-1. 内から外、外から内を複数の角度で見る

大木さんが大切にしているのは「視線」という考え方です。外構を「内側から外を見た時にどう見えるか」「外から自分の家がどう見えるか」という複数の角度から捉え、視線の抜けをつくるべき場所と閉じるべき場所を見極めることが、庭のバランスとして重要だと語っています。

「視線の先を考えるということもしたいですし、周りの環境、周りのお家の窓からこちらに見られそうだなというところはちゃんと塞いで、景色のいいところはそれを取り込む。視線の抜けを作ると閉じを作る、みたいなことをしたい」

リビングから庭を眺めた時に窓の先に緑が見える、帰宅した時に自分の家がかっこよく見える、そういった体験の積み重ねが「いい外構」の実感につながると奥さんは話しています。

4-2. 軽井沢の別荘地イメージが伝えやすい

講義の中では、「緑越しに家が見える景色のよさ」を伝える際に軽井沢の別荘地を例として挙げる場面がありました。森の中を走ると木々の中に建物が点在している風景は、見た誰もが「素敵だ」と感じる。住宅街でも同じように、植栽越しに家がある風景はいいと思いませんかと問いかけることで、植栽の価値をお客さんに実感してもらうアプローチです。


5. 緑・植栽がもたらす本質的な力

外構計画 考え方の緑・植栽がもたらす本質的な力を表す図解イラスト

5-1. 落ち葉・雑草への向き合い方

植栽を勧めると「手入れが大変そう」「落ち葉が面倒」という反応が返ってくることも多いと、つくり手たちは語っています。それに対してあるつくり手は、落ち葉を捨てずに敷地内のコンポストに戻すことで肥料になり、雑草も土壌を豊かにする活動をしているという視点を提示しました。

木が日陰をつくることで雑草が生えにくくなる効果も語られており、「びっしり管理しなければ」という強迫観念から離れて、自然な状態を許容する庭のあり方を提案しています。

「そんなことよりも多分、緑が与えてくれる力というのがすごく大きいと思うので、大切にして欲しいものの一つですよね」

5-2. 雑草は「雑草」と思うから雑草になる

講義の中で印象的だったのが、「これは雑草ですか?」とお客さんに聞かれた時のエピソードです。あるつくり手は「雑草だと思ったら雑草、雑草じゃないと思ったらそのままでいい。意図して植えたわけでなくても、自然に入ってきたものが可愛いと思えばそれでいい」と話しています。名前をつけてしまえば家族のようなもの、という感覚は、緑を管理の対象ではなく生き物として捉える視点を示しています。


6. よくある失敗と注意点

外構計画 考え方のよくある失敗と注意点を表す図解イラスト

6-1. 家と外構の世界観がバラバラになる

建物の設計と外構計画が別々のタイミングで動いてしまうと、仕上がった時に「なぜこの家にこの庭?」という違和感が生じます。田さんが指摘するように、豪邸にラフな外構、ラフな家に作り込みすぎた庭は、どちらも世界観のズレとして見た人に伝わってしまいます。

6-2. 景色のレイヤーを考えずに近景だけ整える

遠景・中景を意識せず、自分の敷地内(近景)だけを整えても、周囲の環境との関係が断ち切れてしまい、奥行きのない外構になりがちです。大澤さんが語るように、家と家の間に見える公園の緑や寺の木々も「借景」として読み取り、それとつながるような近景を組み立てることが大切です。

6-3. 内と外の視線を片方向からしか考えない

「外から見てかっこいい」だけでなく、「室内から外を眺めた時にどう見えるか」も同時に考えないと、どちらか一方が犠牲になります。奥さんが「いろんな角度から見て作る」と語るように、視線は双方向で設計する必要があります。


7. 理想の外構を実現するためのポイント

外構計画 考え方の理想の外構を実現するためのポイントを表す図解イラスト

7-1. 実際に体感することから始める

講義の中で、植栽の良さをなかなか実感してもらえない場合の話が出ました。そこで挙げられたのが「実際にいい庭のある家を見に行く」という方法です。言葉で説明するより、緑のある空間を体感してもらうことで「いいな」という感覚が先に生まれ、そこから外構計画の話が動き出すと語られています。

7-2. 余景として街に与えることを意識する

自分の庭を整えることは、自分が景色を楽しむためだけでなく、街全体の景観に貢献することでもあります。大澤さんが語る「余景」という発想は、外構を個人の所有物としてだけでなく、街へのプレゼントとして捉え直す視点です。この発想を持つかどうかで、外構計画の質は大きく変わります。


8. よくある質問

外構計画 考え方のよくある質問を表す図解イラスト

Q. 遠景・中景・近景・余景は、どんな土地でも意識できますか?

大澤さんは「住宅街ではなかなか富士山が見えるような遠景はない」と認めながらも、家と家の間から見える公園の木々や近所のお寺の緑も遠景として機能すると語っています。絶景がなくても、身近な環境の中でグラデーションのある景色のレイヤーを読み取ることは十分できるという考え方です。

Q. 外構と建物の世界観を合わせるには、どうすれば?

大木さんによれば、建物のスタイルに合わせて外構の方向性も統一することが基本です。作り込まれた家には統一感のある庭を、ラフな家にはラフな自然感のある庭を。木の種類の選び方も含めて、同じ方向性で提案していくことが大切だと語っています。

Q. 植栽は手入れが大変では?

講義の中では「落ち葉をコンポストに戻す」「木が日陰をつくることで雑草が生えにくくなる」という考え方が語られています。また「雑草だと思うから雑草になる」という視点もあり、完璧に管理しようとするよりも、自然な状態をある程度受け入れる庭のつくり方をすることで、手入れの負担感が変わると話されていました。

Q. 視線の「抜け」と「閉じ」はどう決めるのですか?

竹内さんは「周囲の環境をよく観察して、見られたくない方向は塞ぎ、景色のいい方向は取り込む」と語っています。隣家の窓の位置や近隣のパーキングなど、外からの視線が入りやすい方向を事前に確認した上で、植栽やフェンスの配置を決めていくことがポイントです。

Q. 外構計画で「窓の前」を先に考えるのはなぜですか?

大木さんによれば、窓の前の構成は「室内から外を見た時の景色」「外から家を見た時の印象」「外部からの視線の遮り」という3つの要素に同時に影響するからです。アプローチや駐車場などの機能的な要素より先に、まず窓の前をどうするかを考えることで、外構全体の方向性が定まりやすくなるといいます。


より詳しく知りたい方はぜひ動画をご覧ください。つくり手たちの言葉のやり取りや、現場感あふれる具体的なエピソードは、動画でこそ伝わるものがあります。

この講義の出演者

竹内 正浩(でんホーム 株式会社 福岡県福岡市)

福岡で自然素材の注文住宅を手がけるでんホームの取締役。家づくり百貨 加盟工務店。

公式ホームページ

大木 剛(株式会社 樹々匠建設 静岡県浜松市)

木造新築住宅を手がける。家づくり百貨 加盟工務店。

公式ホームページ

大澤 正美(富士ソーラーハウス株式会社)

木造住宅新築/戸建てリノベーション/マンションリノベーションを手がける。家づくり百貨 加盟工務店。

公式ホームページ

小縣 章浩(エンズホーム 愛知県小牧市)

木造新築住宅を手がける。家づくり百貨 加盟工務店。

公式ホームページ

この講義を動画で見る(YouTube)

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