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人・環境・未来に優しい住まい設計を 
株式会社 工藤建築環境設計室

人・環境・未来に優しい住まい設計を 

―本日ご紹介するのは、兵庫県宝塚市において設計事務所を経営されている工藤さん。工藤さんの設計事務所「工藤建築環境設計室」は、環境に配慮した建築設計を得意とされており、“人にも環境にも優しい家づくり”を行っている。

「住宅は『巣』と同じ。住まう人の命を守り、快適に日々の生活を送ってもらえる場所でなければなりません」。そう語る工藤さんに、住まいを設計するにあたってのこだわりや、工藤建築環境設計室の家づくりの特徴などについてお伺いした。

つくり手の見える家づくり

―工藤建築環境設計室では、つくり手の顔がお客さまからも見えるよう「工事価格の透明化・工事現場の透明化」を行っているそうだ。具体的にどのようなことをされているのか、工藤さんに詳しく伺った。

工藤さん(以下工藤):僕たちの設計事務所では「分離発注(オープンシステム)」と呼ばれる、少し特殊な家づくり方法を取り入れています。通常ですと、設計事務所は家づくりの設計までを担当し、施工を工務店さんに一括してお願いするという形式をとっているところがほとんど。

設計事務所から依頼された工務店は、いわゆる下請け業者さんに工事を依頼するため、お客さまは「誰が家をつくっているのか」が見えない状態になるんです。僕たちは、このようないったん工務店さんを挟むというやり方ではなく、家づくりに関わる業者の方々と直接契約を結び、お客さまにとって「本当のつくり手が見える家づくり」ができるような発注形式をとっています。

家づくり百貨にご紹介されている工務店さんは、こだわりをもった素晴らしい工務店さんばかりなので例外ですが、世の中には少なくとも工事を請け負い、下請け業者さんに仕事を流すだけの “ブローカー”的存在になっているような工務店さんも存在しているのが現実です。

そんな工務店さんにマージンが抜かれていき、お客さんは支払う金額が大きくなる。そして実際に家をつくっている下請けの職人さんたちは、しんどい金額で働かなければならない。

そのような方法ではなく、僕たち設計事務所が業者さんに直接依頼をすれば、マージンを抜かれることなく正当な価格で家づくりができるため、お客さまにとっても、つくり手にとってもメリットがあります。直接依頼なので原価を公開することもできるため、お客さまも納得感をもって家づくりを進めることができるんです。

「本当のつくり手の見える家づくり」。これがあるべき姿なのではないでしょうか。

未来の世代を豊かにするために

―工藤建築環境設計室は、事務所名にも「環境」の単語が入っているように、周囲の環境や地球環境に配慮した設計に力を入れていると工藤さんは語る。

自宅兼モデルハウス(HPより引用)

工藤:僕の考える「いい住まい」とは「人にも環境にも優しい家」です。建物は「巣」と同じ。住まう人の命を守り、快適に日々の生活を送ってもらえる場所でなければなりません。

子どもたちが安全な「巣」の中ですくすくと育ち、いずれ巣立ってゆく。安心安全で快適な「巣」であるためにも、耐震性や断熱性、防犯や環境性能などの基本設計にこだわりを持っています。

断熱性や気密性にこだわり、エネルギーを極力使わない夏は涼しく、冬は暖かい家を建てることが、結果として地球環境への配慮にも繋がってくるのではないでしょうか。

そしてこのように基本性能にこだわった家をつくり、最終的には子どもたちの代、もしくはその先の代まで「住み継いでもらう」というところまでを目指しています。

日本は一世代ごとに家を建てるという概念が根強いので、毎世代が莫大なローンを組み、ローン貧乏に陥っている家庭が多い傾向にあります。反対に欧米の方では、子どもの世代や孫の世代まで建物を残す、残るような家を建てる概念があるため、結果として経済的ゆとりが生まれ、がむしゃらに働かなくても豊かに暮らせるのです。

日本も、欧米のような家づくりの価値観にシフトしていかなければ、せかせかとした生き方がこれからもずっと続いてしまうでしょう。僕たちの次の世代が人間らしく豊かに暮らすためにも、住み継げる高性能で高耐久な家を僕らの代でつくっていくことが大切だと考えています。

長持ちする家にするためにも、定期的なサイクルで取り換えが必要になる新建材ではなく、日本古来から使われている左官材料や無垢の素材などを僕たちはおすすめしています。

そして、断熱性・気密性などの基本的な性能が兼ね備えられているという条件も外せません。これらを取り入れたからといって大幅にコストアップするわけではないので、取り入れない理由は無いのです。せっかく一戸建てを建てるのであれば、そのような性能が確保された家を建ててほしいと思っています。仮に僕のもとへ、「一戸建ての家を建てるお金はあるけれども、どうしても性能にかけるお金がない」とのご相談が来た場合は、中古マンションのリノベーションを勧めますね。

中途半端にコストを落とし、性能の悪い一戸建ての家をつくってしまうよりも、中古マンションを全面リノベ―ションしたほうが快適です。そのようなことを良く知らずに家を建ててしまうと、のちのち後悔してしまうことになるので、まずは「知ること」から初めて欲しいなと思っています。

自分たちにとって大切な「要素」を見つけてほしい

―世の中の多くの方は、家づくりを考え始めるとまず大手ハウスメーカーの住宅展示場に赴き、「こんな家を建てたい」「あんな家を建てたい」と夢を膨らませるだろう。特定のハウスメーカーだけを基準にして家づくりを進めてしまうと、のちに後悔してしまうことになりかねないと、工藤さんは話す。

工藤:家づくりにはさまざまな「要素」があります。例えば、優れたデザインが好きという方もいれば、大きな家が良いという方もいますし、耐震性能や断熱性能がしっかりとした家が良いという方、長持ちする家が良いという方もいるでしょう。

これらのすべての「要素」を知ったうえで依頼先の検討をしてほしいですね。というのも僕の設計事務所にも、ハウスメーカーさんの工事が進んでいる途中で高断熱・高気密の家の存在を知ってしまい、ご相談に来られるお客様もいらっしゃいます。

僕はそういった方を何人も見てきていますし、そのたびに本当に気の毒な気持ちになってしまうんです。そうならないためにも、まず初めは依頼先を決めるというより、いろいろな家づくりの「要素」について知り、それぞれの「要素」が自分たちにとってどれぐらい大事なのか、必要なのか不必要なのかを見極めたうえで、理想を叶えてくれる設計事務所なり工務店なりを探してみてください。

そして依頼先を決める際には会社の規模で決めるのではなく、その依頼先に自分たちの理想の家をつくってくれる知識を持った方がいて、自分たちの要望をくみ取り、理想の家づくりをしてくれるのかという基準で決めることがとても大事。ぜひ大手ハウスメーカーさんだけでなく、こだわりを持った設計事務所や工務店も視野に入れ、家づくりに取り組んでほしいなと思っています。

(2021/09/29 取材:平井玲奈 写真:家づくり百貨)