フラット35を検討しているなら、最安水準の金利は2026年7月時点で年1.820%前後(借入期間21年以上、融資率9割以下)です。ただし金利だけで比較するのは危険で、融資手数料(定率型か定額型か)によって総支払額が数十万円単位で変わります。
この記事では金利ランキングから手数料の損得計算まで、フラット35選びに必要な情報をすべてまとめました。
- 2026年7月のフラット35最安金利は年1.820%前後(借入期間21年以上・融資率9割以下)
- 融資手数料は定率型(借入額×約2.2%)と定額型(数万円〜)の2種類があり、借入額が多いほど定額型がお得になりやすい
- 金利・手数料・団信の3点セットで比較しないと「安く見えて実は高い」罠にはまる
- 変動金利が不安な人・収入合算や審査が通りにくい人にフラット35が向いている
- 金利引下げ制度(ZEH・子育てプラス等)を活用すると最大1.0%の金利優遇が受けられる
目次
1. フラット35とは?基本的な仕組みと特徴

1-1. フラット35の概要
フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する全期間固定金利型の住宅ローンです。返済期間は最長35年で、借り入れ時の金利が完済まで変わらないため、毎月の返済額が一定に保たれます。
民間銀行の変動型や固定期間選択型とは異なり、途中で金利が上がる心配がありません。2024年以降、日銀が利上げに転じたことで改めて注目を集めています。
1-2. 取扱金融機関の仕組み
フラット35は住宅金融支援機構が直接貸し付けるのではなく、全国の銀行・信用金庫・モーゲージバンクが窓口となります。金利の設定は各金融機関に委ねられているため、同じフラット35でも申し込み先によって金利・手数料が変わります。
各機関は機構が毎月発表する「基準金利」を参考に独自の金利を設定しており、その基準金利は住宅金融支援機構が発行する機構債の利回りに連動します。長期金利の動向を追っていると、翌月のフラット35金利をある程度予測できます。
1-3. 審査基準の特徴
フラット35の審査は民間銀行より柔軟とされています。申込時70歳未満であれば申請でき、親子リレー返済を使えば70歳以上も利用可能です。審査金利は借入時の適用金利がそのまま使われるため、銀行の変動金利審査のような「上乗せ金利」がかかりません。配偶者や親子との収入合算にも対応しています。
自営業者やフリーランスなど銀行審査が通りにくいケースでも、確定申告書類で安定した収入が証明できれば承認されやすい傾向があります。
2. フラット35の金利比較【2026年7月最新】

2-1. 2026年7月の金利水準
2026年7月時点のフラット35(借入期間21〜35年・融資率9割以下)の主要金融機関の金利は以下の通りです。
| 金融機関 | 金利(年) | 手数料タイプ |
|---|---|---|
| ARUHI(スーパーフラット) | 1.820% | 定率型 |
| 楽天銀行 | 1.840% | 定率型 |
| SBI証券(フラット35) | 1.820% | 定率型 |
| じぶん銀行 | 1.860% | 定率型 |
| 優良住宅ローン | 1.820% | 定額型(約5.5万円〜) |
※金利は借入額・返済期間・融資率によって変動します。最新情報は各社公式サイトで必ず確認してください。
この月は長期金利(10年国債)が落ち着いた動きをしたことで、フラット35金利は前月比でわずかに低下しました。変動金利が上昇傾向にある中、対照的な動きとして注目を集めています。
2-2. 借入期間・融資率による金利の違い
フラット35の金利は、借入期間と融資率の2軸で変わります。借入期間が20年以下の場合は金利が低めに設定されることが多く(0.1〜0.2%ほど低い場合がある)、21〜35年が標準的な金利帯です。
融資率(物件価格に対する借入割合)が9割以下であれば通常の金利が適用されますが、9割を超えると0.3〜0.5%程度上乗せされます。自己資金をできるだけ用意して融資率を9割以下に抑えることが、金利を下げる基本的な戦略です。
2-3. 金利引下げ制度(フラット35S・ZEH・子育てプラス)
住宅金融支援機構は、省エネ性能や子育て支援の観点から複数の金利引下げ制度を設けています。
フラット35S(ZEH)は当初5年間に年0.5%の引下げが受けられます。フラット35子育てプラスは子どもの人数に応じて最大1.0%の引下げ(5人以上で当初5年間1.0%引下げ)が適用されます。リノベーション物件が対象のフラット35リノベでは当初5年間0.5%の引下げです。
これらは重複適用できるケースもあり、条件を満たす物件・世帯では実質金利を大幅に下げられます。認定取得が必要な制度もあるため、住宅購入前に早めに確認しておきましょう。
3. フラット35の手数料(融資手数料)の種類と比較

3-1. 融資手数料の2種類
フラット35の諸費用のなかで特に注意したいのが融資手数料(事務手数料)です。大きく分けて定率型と定額型があります。
定率型は借入金額に一定の料率をかけた金額で、多くの金融機関では融資額の2.2%(税込)が相場です。3,000万円借りると66万円になります。定額型は借入金額にかかわらず一定額で、安い金融機関では5万円台〜、平均的には10万〜20万円程度です。
3-2. 主要金融機関の手数料比較
| 金融機関 | 手数料タイプ | 手数料額(3,000万円借入の場合) |
|---|---|---|
| ARUHI | 定率型 2.2% | 約66万円 |
| 楽天銀行 | 定率型 1.1% | 約33万円 |
| 優良住宅ローン | 定額型 | 約5.5万円〜 |
| 住信SBIネット銀行 | 定率型 2.2% | 約66万円 |
| ソニー銀行 | 定率型 2.2% | 約66万円 |
優良住宅ローンは定額型手数料が業界最安水準として知られており、借入額が大きくなるほどコスト優位性が際立ちます。ただしその分、金利がわずかに高めに設定されているケースもあるため、手数料と金利をセットでシミュレーションすることが欠かせません。
3-3. 手数料以外にかかる諸費用
融資手数料のほかにも、いくつかのコストが発生します。印紙税は借入金額によって異なり、2,000万円超〜3,000万円以下では2万円です。登録免許税(抵当権設定)は借入金額×0.1%(軽減税率適用時)で、火災保険料はフラット35で加入必須のため35年一括払いにすると数十万円になることもあります。団体信用生命保険(団信)は任意加入で、機構団信に加入する場合は金利上乗せとなります。
4. 定率型・定額型どちらがお得?総支払額で比較

4-1. 借入額別の損益分岐点
定率型と定額型のどちらが有利かは、借入額によって変わります。金利1.82%・返済期間35年で試算すると、借入2,000万円では定率型(2.2%)の手数料が44万円、定額型(5.5万円)の手数料が5.5万円で、差額38.5万円ぶん定額型が有利です。借入1,000万円でも16.5万円の差が生まれ、定額型が上回ります。
借入額が少額でも定率型が逆転するラインはほぼ存在しません。ただし定率型は金利が低めに設定されているケースが多く、金利差×返済期間で計算するとトントンに近づく場合もあります。
4-2. 金利と手数料を合わせた総支払額シミュレーション
3,000万円・35年・元利均等返済で2パターンを比較します。
パターンA:金利1.820%・定率型手数料2.2%(66万円)
– 月返済額:約97,000円
– 総利息:約778万円
– 手数料込み総支払:約4,644万円
パターンB:金利1.900%・定額型手数料5.5万円
– 月返済額:約99,000円
– 総利息:約815万円
– 手数料込み総支払:約4,621万円
0.08%の金利差があっても、手数料込みの総支払はパターンBの方が約23万円安くなります。金利の低さだけで判断すると損をする典型例です。
4-3. 繰り上げ返済を予定している人は要注意
繰り上げ返済を早期に予定している人は特に気をつけてください。定率型は初期に高い手数料を払っているにもかかわらず、残存期間が短くなると金利差のメリットを十分に享受できなくなります。10〜15年での繰り上げ完済を想定しているなら、初期費用を抑えられる定額型の方が有利です。
5. フラット35のメリット・デメリット

5-1. メリット
金利が一生変わらない安心感
返済額が毎月一定であることは、家計管理の面で大きな強みです。2024年以降は日銀の政策変更で変動金利が上昇し始めており、長期的な金利上昇リスクをゼロにできる点の価値が改めて見直されています。
保証料・保証人不要
民間銀行の住宅ローンでは保証会社への保証料(借入額の約2%相当)がかかることがありますが、フラット35には保証料がありません。融資手数料は発生するものの、定額型の金融機関を選べば諸費用全体を抑えられます。
審査の柔軟性
自営業・フリーランス・転職直後など、銀行審査が難しいケースでも通りやすい場合があります。物件の担保評価が出れば、収入の種類や雇用形態を問わず対応できる幅があります。
5-2. デメリット
変動金利より初期金利が高い
2026年7月時点で、ネット銀行の変動金利は0.3〜0.5%台が主流です。フラット35(1.82%〜)との差は約1.3〜1.5%あり、金利が大幅に上昇しなければ変動金利の方が総返済額は少なくなります。
団信への加入が任意(金利上乗せ)
民間銀行では団信が金利に含まれているケースがほとんどですが、フラット35の機構団信は年0.28%の金利上乗せで任意加入する形です。がん保障・3大疾病保障などの特約を付けるにはさらに上乗せが必要で、実質コストを比較する際に見落としがちな点です。加入しない場合は生命保険で別途カバーする必要があります。
物件の技術基準を満たす必要がある
住宅金融支援機構が定める技術基準(床面積・耐久性・省エネ性など)を物件が満たしていなければ利用できません。中古物件や一部の特殊物件では適合しないケースがあるため、購入前に確認しておきましょう。
6. フラット35の選び方:金利・手数料・団信の3つのポイント

6-1. 金利の確認方法
フラット35の金利は毎月1日前後に更新されます。住宅金融支援機構の公式サイトで取扱金融機関の金利一覧を確認できますが、すべての機関が掲載されているわけではありません。実際に比較するなら、ARUHIやモゲチェックなどの比較サービスを活用するのが効率的です。機構債の利回りをチェックすることで、翌月金利の方向性もある程度読めます。
6-2. 手数料込みの実質コストで選ぶ
選び方の基本は「金利だけで選ばない」ことです。金利が最安でも定率型2.2%の手数料がかかる金融機関と、金利が0.1%高くても定額型5.5万円の金融機関では、借入額・返済期間によって後者の方が安くなります。各社の無料シミュレーターに自分の借入条件を入力して、手数料込みの総返済額を必ず比較してください。
6-3. 団信の充実度で選ぶ
フラット35の団信は任意加入で、機構団信(死亡・高度障害)に加入すると年0.28%が上乗せされます。がん保障・3大疾病保障などの特約にはさらに金利上乗せが必要です。一方、民間銀行ではがん50%保障などが金利に含まれているケースも増えています。保障内容と上乗せ金利のバランスも含めて判断しましょう。
7. フラット35がおすすめな人・向かない人

7-1. フラット35がおすすめな人
金利上昇リスクを避けたい人
2024〜2026年にかけて変動金利は上昇傾向にあり、今後の返済額がどう変わるか読みにくいと感じている方は多いでしょう。フラット35なら完済まで返済額が変わらないため、長期的な家計設計が立てやすくなります。
自営業・フリーランス・転職直後の人
審査金利が適用金利そのままである点、勤続年数の縛りが比較的緩い点から、雇用形態や収入の安定性に不安がある方に向いています。
子育て世帯で金利引下げ制度を活用できる人
フラット35子育てプラスを使えば、子どもの人数に応じて最大1.0%の金利引下げが受けられます。条件が合えば、変動金利と遜色ない水準まで実質金利を抑えることも可能です。
7-2. フラット35が向かない人
当面の返済コストを最小化したい人
変動金利との差が現時点で1.3〜1.5%ある状況では、金利が大幅に上昇しない限り変動金利の方が総返済額は少なくなります。繰り上げ返済を積極的に行い、リスクを自己管理できる方は変動金利の方が合っているかもしれません。
物件が技術基準を満たさない人
築古の中古住宅や接道に問題がある物件は、フラット35の技術基準に適合しないことがあります。物件選定の段階でフラット35適合証明書が取得できるか確認しておきましょう。
8. フラット35に関するよくある質問

8-1. フラット35は途中で金利が変わることはある?
ありません。借り入れ時に決まった金利が完済まで適用されます。団信の特約付加や繰り上げ返済の条件変更といった手続きとは別の話ですので、混同しないよう注意してください。
8-2. 変動金利からフラット35への借り換えはできる?
できます。ただし、借り換え時には改めて融資手数料・登録免許税・司法書士費用などの諸費用がかかります。一般的にこれらの回収には3〜5年かかることが多く、残存返済期間が短い場合は割に合わないケースもあります。借り換えコストの回収期間を試算してから判断しましょう。
8-3. フラット35とフラット35Sの違いは?
フラット35Sは、省エネ基準や耐震性能などの一定基準を満たした住宅向けに設けられた金利引下げオプションです。フラット35の一プランという位置づけで、基本的な仕組みはフラット35と共通です。2024年度からはZEH基準の住宅向け引下げが拡充されています。
8-4. 頭金ゼロでも借りられる?
借りられますが、融資率が9割を超えると金利が上乗せ(概ね0.3〜0.5%)されます。頭金を1割以上入れて融資率を9割以下に抑えることが、金利コストを下げる基本です。自己資金が少ない場合でも、諸費用分だけは現金で賄えるよう準備しておくことをおすすめします。
8-5. フラット35の審査に通りやすい職業はある?
特定の職業が有利というより、安定した収入が証明できるかが審査の核心です。会社員・公務員はもちろん、自営業者でも3年以上の確定申告書類があれば申請できます。ただし直近の収入が著しく落ち込んでいる場合は、承認が難しくなります。
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