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株式会社 北村建築工房

「冷房エアコン一台でいけるのか?」

こんばんは

お盆を挟んで気づくとサボり過ぎ
でした、すいません。

前回お知らせした28日(日)の
次回見学会は夕方の4~5時枠に
空きが出ましたので、ご都合つく
かたは是非お越しください。

葉山町一色「寧日の家」

「寧日の家」で完成見学会

葉山町一色に[KINARI:STYLE]らしい「寧日の家」が完成しました。夏はロ…
ki-kobo.net

さて、今日は

「冷房エアコン一台でいけるのか?」

というお題について少々。

昨日は加盟させて頂いている
「新住協」の東京支部主催による
現場見学会と代表理事の鎌田先生の
講評&セミナーのセットになった
勉強会が近くの横浜で開催されました。

現場見学会のほうは、「新住協」理事
でもあり、今春からは神奈川大学の
建築学部の教授に就任された
鈴木アトリエの鈴木氏設計のお宅。

実は鈴木さん、私の同大学時代の
先輩でして、地元も同じ横須賀。
かれこれ40年近く前、同じ研究室の
3つ上で長年お世話になりながら
今に至ります。

準防火地域内でコンパクトな
ボリュームに全スキップフロアという
複雑で難易度大のお宅。密集する街区
でも暮らしやすい導線や窓の取り方は
勿論ですが、耐震等級も3等級でしっかり
と成立させていて、断熱気密と耐震も高い
スペックを備えているもので、多くの
学びと気づきをもらえました。
昔から超優秀な人でしたので
さすが鈴木先輩!というところ。
いや大学教授に失礼ですね(汗)

ご本人曰く、今回の課題は

「吹き抜けの無い4層近い建物」

で床下とロフトに設けた夏冬用の1台
エアコンの効果がどうでるか?

という点で、ロフトにつけた冷房
エアコン一台(循環ダクトファン無)
で実際に下まで落ちてくるか?
温度ムラがどれ程になるか?

でしたが、それもしっかりと
体感することができました。

勿論、感覚だけでなく、
各所室内温度や素材の表面温度
なども支部長さんが計ってくれて
いたのでデータでもしっかり差が
確認できました。

施主様のご理解ご協力も
あっての試行錯誤とのことで
対応策もバッチリ出来ていました。

このように我々プロでもお施主様
の後押しがあってのことですが、
様々な試行錯誤を繰り返しながら
最適化を常に探っています。

私も自分の実例で経験値が
随分と増えてきましたので
冷気がどれだけ落ちていくかは
感覚としては知っています。

理屈では冷たい空気は質量が大きく、
「重い」わけだから自然と下降する・・
のですが、それで話は終わりません。

ドライアイスの溶けているように
川の流れのごとく低いほうに流れ
込んでいくという感覚は正しい
のですが、日射取得・遮蔽など
外皮からの輻射熱や換気方式、
空気の通り道の広さ・抵抗などの
要因も大きく影響することもあり、
そう単純にはいかないわけです。

逆に単に大きな吹き抜けが開いて
いればOKという話でもないのが
悩ましいところです。
色々な方に教わる機会のおかげで
この理屈も理解できてきました。

ここでも「対流」をどう読み切るか。

自然対流と人工対流のバランスの良い
プランニングとセッティング。

ポイントはその感覚も踏まえて

「上下階をつなぐルート」
の数とサイズ、そして

「動力による対流システム」の有無

この組み合わせで
少ない熱源とエネルギーでうまく
各所を快適にするかの着地点を
どう見つけるかが大層な空調システム
に頼らない設計の勘所なのかなと。

北村建築工房ではどう考えて
いるかというと、新住協をはじめ
全国のトップランナーの会社さんの
取り組みなどから学びつつ進化して
きました。

まだまだ温熱環境のレベルでは
「模範」どころか「不良」工務店
から全く抜け出れてませんが(汗)
今のところ、私は3台のエアコンを
使い分けて住まい手さんの暮らし方
を読み解きつつ、一軒ごとに着地点を
見つけるようにしています。

既に暮らし始めた住まい手さんも
室内の各所にデータが取れるロガー
をおいて温度や湿度の違いなどを
記録してフィードバックして頂いて
いたりと、暮らしぶりや住み心地も
教えてもらったりと助けて頂ています。

新住協メンバーでも「階間エアコン」
一台で冷暖房する仕組みを採用する
会社さんも増えてきています。
皆さん色々試行錯誤しています。

住宅に限ったことではないですが、
家づくりは本当に踊り場というものがなく、
ずっと走り続けているマラソンみたいなもの。
ずっと日々更新している感覚ですね。

素人の皆さんからすれば各社の違いに
戸惑い、少しづつ変化していくのを
見つつ、そんな中で吟味するのだから
ご心労、お察しいたします(苦笑)

検討先の会社さんが「ドコ」や「ナニ」を
学び、根拠としているのかなど、例えばこの
温熱環境や熱源の話などを考えているかなど
もしっかりと聞くことが皆さんの大事な
オシゴトでもあります。

考え方も細かく聞けばいろいろと見えてきます。
お近くで検討している方なら細かなお話は直接
お答えします(汗)

「答えがあるようでない」のが家づくり

ではでは。

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