家百マガジン

こんばんは。あすなろ建築工房の関尾です。 このところ朝晩はめっきり冷え込むようになりましたね。自転車で夜遅くに帰るときは、少々分厚い上着とグローブが必要になってきました。冬ももう近いです、、、。 寒いという流れで、さらに寒い話。このところ、材料の値上がりが留まる感じがしません。毎日のように「値上げのお知らせ」が届きます。こんな感じのFAXやメールが届きまくっています。https://asunaro-studio.jp/l/m/gluXXRghWHmwLh 昨年の春から年末にかけて、木材が値上がりし、ウッドショックという形で、皆様に知られるようになりました。ウッドショックと呼ばれる木材の価格上昇は、ピークを越えて、今後徐々に値下がりしてくると思われます。 というのは、すでにニュースなどでご覧になられているように、北米の材木価格がこのところどんどん下がってきているからです。https://asunaro-studio.jp/l/m/SxSMsmtVkyWJMQ しかしまだ、この北米での価格減少が日本の市場価格へ反映されていない状況です。輸入された木材は、港湾在庫と呼ばれ、日本の各地域の港近くの倉庫に保管されています。実はこの保管されている材木は、半年前以上に商社が買ったもので、まだ木材の価格が高かった時のものなんです。北米の価格が下がったからと言っても、まだまだ日本国内に在庫がたくさんあるので、安く大量に買ってくることも出来ない状況です。 高値で買った材なので、安く売りたくはありません。大量に市場に出すと値崩れしてしまいます。だから、値崩れしないように少しずつ小出しに市場に出してきています。 とは言っても倉庫代も相当なものなので、商社さんとしては早く市場に出したい。商社さんの本音としては「市場に出したいけど、出すと安く売らないといけなくなる」ので、頑張って持ち続けているようで、今は我慢比べしている状態なんだそうです。いつまでも各商社が抱えておくわけにもいかないようで、我慢比べに負けた商社さんが市場に出すことで、時間の問題で値崩れして流通してくるものと予想されています。 そこで「ウッドショックが終わった」と安心することは出来ず、先にお話ししたように今年に入ってから原油価格の上昇に伴った、化学製品を用いた建材や設備の値上がりが続いていました。そこにロシア・ウクライナ問題が起き、落ち着いたと思った木材がまた値上がりしました。そこへきてこの数か月の「円安問題」です。日本で家をつくるには、ほとんどのモノが輸入に頼っています。日本で家づくりをするうえで、国産に頼ることが出来るのは構造材くらいで、その他はなにかしら海外のモノが使われています。 この円安の影響で、この２か月くらいはあらゆる建材の値上がりが起こってしまっています。特に鉄関係、セメント関係が顕著です。基礎の材料である鉄筋とセメント（生コン）の値上がりが著しいです。基礎工事や擁壁工事は、価格が一時期の倍になってしまっています。 建材費用の値上がりについては、皆様も気になる話題と思いますので、改めて別のメルマガでお伝えしていきたいと思います。 さて、本日の本題。 この２年間は、皆さんもコロナ感染対策で家で過ごす時間がこれまでより多くなり、「家の居心地」の大事さを改めて感じている方も多いと思います。ということで、本日は「落ち着ける家にする秘訣（ホテルの理論）」のお話をしたいと思います。 モデルハウス兼自宅の「六ツ川の家」にお越しのお客様から「この整理された環境を維持するのは大変ではないですか？」とご質問を受けることがあります。実は、皆さんが思われているほど大変ではないのです。もちろん見学にお越し頂く前には、数時間かけての掃除はしています。窓ガラスを吹いたり、トイレを掃除したり、浴室を掃除したりと、通常のお掃除をいつもよりちょっと丁寧にする感じです。 お客様をお迎えする際の作業に「片付け」という作業がほとんどないのです。「清掃」はしますが、「片付け」が無いというのが勘所です。この「片付け」が少ないというところが「家の居心地」に大きく関係しています。 リビングソファの上に載せられたリモコンや雑誌、ダイニングテーブルの上に置かれた文房具や新聞紙、洗面所の棚の歯ブラシや整髪料、このようなものを片付ける作業というのは、なかなか大変ですね。我が家にも多少は出しっ放しの物はありますが、その片付けはそれほど難しくはありません。それはそれぞれに住所みたいな物があって、そこにしまえるようになっているからです。 片付けの方法については、親しくさせて頂いている建築家の増田奏さん、鈴木信弘さん、水越美枝子さんの書籍に詳しく書かれており、私も設計の際には取り入れさせて頂いています。 ・「住まいの解剖図鑑」増田奏著https://asunaro-studio.jp/l/m/GppTYo7E3vX5LF ・「片づけの解剖図鑑」鈴木信弘著https://asunaro-studio.jp/l/m/6C63XMgpAc4Azg ・「いつまでも美しく暮らす収納のルール」水越美枝子著https://asunaro-studio.jp/l/m/4Viow2oHDpQVqK 「片付け方法」について詳しく知りたい方は、是非これらの書籍に一度目を通していただければと思います。 先輩方から習ったこれらのテクニックの他に私が常に考えていることがあります。それは私が勝手に言っていることですが「ホテルの理論」というものです。 住宅の設計の仕事に携わる前は、大手設計事務所にて、五つ星ホテルの設計に長く携わっておりました。東京駅前にある「フォーシーズンズホテル丸の内東京」や東京ミッドタウン内にある「ザ・リッツ・カールトン東京」のローカルアーキテクトの立場でした。 高級と呼ばれるホテルの客室ってなぜか落ち着きますよね。それは「置かれている調度品がよい」「座り心地のよいソファがある」「寝心地のよいベッドがある」ということもありますが、実はその理由は別にあります。何より「くつろぐことに特化した空間」になっているということです。 設計の際には、「くつろぐため以外のものの姿がくつろぐ場所から見えないように」と、それはそれは検討に検討を重ねながら設計が進められています。くつろぐためには、それを「阻害するもの」が見えてしまってはダメなのです。見えてしまうと、くつろげなくなってしまうからです。 高級ホテルの客室は、そこをとことんまで、追及した空間づくりがなされています。モックアップと呼ばれる実際と同じ大きさでのモデルルーム（実物大の模型みたいな感じ）を作り、そこにテーブルや椅子などの家具類を入れて、ソファやベッドからの見え方などを細かくチェックしています。とにかく「くつろぐ」ことをとことん追求しているので、「あそこの照明スイッチが見えるな。もっと位置を下げよう」「この位置からだと洗面のタオルが見えてしまう。タオル置き場の位置をもう少し高い位置にしよう」「テーブルの艶がありすぎて落ち着かない。艶を落とそう」「ベッドに横になると空調吹き出し口が見える。見えない位置に移動できるか」などの検討を重ねています。 ビジネスホテルとの違いは顕著です。とことん「くつろぐ」ために検討された空間なのです。 滞在時間の違いはあれど、基本的に高級ホテルも住宅と同じ「居住の場」です。居住の場となるので、高級ホテルの客室にもベッドメイキングするためのリネンもあるし、ルームサービスのための食器やゴミ箱もあります。ランドリーのボックスもあります。住宅に必要なものは、高級ホテルの客室にもあるのです。 高級ホテルと住宅の違いはその置き方にあります。これらのものは客室には無く、扉を隔てたリネン庫やパントリーに整然と置かれています。https://asunaro-studio.jp/l/m/d9csiQEWSig8ep もし客室内にあったとしても、上手に存在が隠されています。探している人には、見つけることが出来るけど、用のない人には分からないように上手に隠してあります。 これは住宅でも同じことと思います。住宅にとって、くつろぐ場所である、ダイニング、リビング、主寝室は、ホテルの客室と同じ。ダイニング、リビング、主寝室に、洗濯物やストック類、ゴミ集積物などが見えていては、くつろぐことが出来ません。 住宅は「団らん」という大事な時間を過ごすための「くつろぎの場」でもあります。特に外で働くパパやママにとっては、仕事から帰ってきてからの食事の時間や団らんの時間は、少しの時間であれ、家事を忘れて、ゆっくりとくつろぎたいもの。くつろぎの時間であるはずが、リビングソファの上に載せられた洗濯物の山や、ダイニングテーブルの上に置かれた子供のプリントの山を見たら、気になってしまってくつろぐことも出来なくなってしまいます。 そこで、それらを見せないための片付けの場所が必要となります。キッチンの裏の見えない部分に配置したパントリーや、階段下の収納、家事室のリネン収納、洗面所の鏡裏のメディシンボックス、ダイニングテーブル脇のダイニング収納、畳小上がり下のムカデ収納などが活躍します。 特に「キッチンの裏の見えない部分に配置したパントリー」と「家事室のリネン収納」は有効です。家にあるゴチャゴチャしたものを高密に収納できる空間を確保しておくのです。これは高級ホテルのリネン庫に当たるものです。https://asunaro-studio.jp/l/m/V2ig2auN5n2bta 上記写真は私の自宅兼コンセプトハウス「六ッ川の家」のパントリーの今朝の様子です。相当いろんなものが詰め込まれていることが分かると思います。急なお客様がいらっしゃるような時にはこの空間に散らかっていたモノたちを押し込む感じです。(^^;子供たちが学校から持ち帰ったプリント類もココにあります。給食の献立やごみ出しの曜日のビラもダイニングやキッチンに貼るのではなく、ココにあるママデスクの壁に貼っておきます。 この空間はどんなに散らかっていてもいいのです。散らかしてよい場所と散らかさない場所の双方が設けておくことが秘訣です。家じゅうすべてをキレイにすることは相当大変なことです。「散らかしてよい場所」があれば、気も楽になります。このような場所を計画時からしっかりと検討しておくことが大事です。 また収納についても「使う場所の近くに収納する」「使ったらすぐにしまえる場所をつくる」「子供にもしまえる簡単さ」「急な来客時に押し込めて隠せる」「見せてもよいデザインのものにする」などのいろいろなテクニックがあります。 具体的な収納のテクニックについては、今後もメルマガやセミナーやyoutubeでもお伝えしていきたいと思います。 「ホテルの理論」については六ッ川の家のルームツアーでも少し説明をしています。https://asunaro-studio.jp/l/m/uQW74Y2xPTcPHT こちらもご参考にしていただけるものと思います。 本日は「落ち着ける家にする秘訣（ホテルの理論）」のお話でした。

長持ちする外壁が竣工していきます

住宅ローン金利。

～IFOO幸野さん参加～

セラトレーディングの混合水栓

昭和好きな私

大事な事は　たいてい小さい

断熱上位等級の意味　等級６が既存不適格になる？！

2022年社員研修旅行　2日目　讃岐緑想は凄かった！

状況は変わる。

～共通感覚～

「イベント告知です　『Canvas house』完成見学会の予約開始は明日！」

これだけでもまあまあ貴重な資料

家百パートナー企業様