雑草対策にグランドカバーを使うなら、地面を密に覆って光を遮断できる植物を選ぶのが最短ルートです。防草シートと違い、景観も同時に整えられるのが最大の強みで、一度根付けば何年も草取りの手間が減ります。
ただし「植えてはいけない」と言われるほど繁殖力が強すぎる品種も存在するため、種類選びと植え付け前の土壌処理が成否を分けます。この記事では、目的別おすすめ15種の詳細から植え方・管理法、防草シートとの比較まで、実際に庭に導入する流れに沿って解説します。
- グランドカバーは光を遮断して雑草の発芽を抑制する仕組みで、根付けば草取り不要になる
- 選び方のポイントは「日当たり条件」「耐踏性」「管理のしやすさ」の3点で絞り込む
- 初心者にはクリーピングタイム・リシマキア・ヒメイワダレソウが特におすすめ
- ミントやスギナなど繁殖力が強すぎる植物は隣地への侵出リスクがあり要注意
- 植え付け前に既存雑草を完全除去・土壌改良することが長期的な成功のカギ
目次
1. グランドカバーとは?雑草対策になる仕組みとメリット

1-1. そもそもグランドカバーとはどんな植物か
グランドカバー(ground cover)とは、文字どおり地面を覆うように横へ横へと広がる低草丈の植物の総称です。芝生も広義にはグランドカバーの一種ですが、一般的には芝以外の多年草・宿根草・匍匐性(ほふく性)の低木を指すことが多いです。
背丈が低く地面に密着するように葉を広げるため、1株植えれば横に走るランナー(匍匐茎)や地下茎でどんどん広がっていきます。その特性がそのまま雑草対策のメカニズムにつながっています。
1-2. 雑草を抑える3つの仕組み
グランドカバーが雑草を抑えるのには、主に次の3つの物理的・生物的メカニズムがあります。
光の遮断が最も大きな要因です。雑草の種子は土の中に大量に存在しますが、発芽には光が必要なものが多い。グランドカバーが地面を隙間なく覆えば、光が届かず発芽が著しく抑制されます。
次に物理的スペースの占有。根がすでに張り巡らされた土壌では、雑草が根を張るための空間が限られます。
そして水分・養分の競合。グランドカバーが先に養分を吸収することで、後から芽吹く雑草の生育を阻害します。YouTubeで話題の「カーメン君」の動画でも「植えて3か月後には雑草がほぼ消えた」という実例が紹介されており、密度を上げて植えることが効果を最大化するコツとして強調されています。
1-3. 防草シートや薬剤と比べたときのメリット
防草シートは初期費用が安い反面、5〜10年で劣化・交換が必要で、景観的にも殺風景になりがちです。除草剤は即効性がありますが、定期的なコストと土壌・周辺植物への影響が気になる方も多いでしょう。
グランドカバーの場合、
- 一度根付けば半永久的にコストゼロで機能し続ける
- 花が咲くものも多く景観が美しく整う
- 夏場の地温上昇を抑える保水・断熱効果がある
- 益虫の生息地になり生態系のバランスを保てる
といったメリットがあります。ただし「効果が出るまで3か月〜半年かかる」「初期の草取りは必要」という点は正直に認識しておく必要があります。
2. 雑草対策に効くグランドカバーの選び方3つのポイント

2-1. 日当たり条件で絞り込む
グランドカバー選びで最初に確認すべきなのが、植え場所の日照条件です。どんなに雑草抑制効果が高い植物でも、適さない環境では育たず、かえって雑草に負けてしまいます。
| 日照条件 | おすすめタイプ |
|---|---|
| 日当たり良好(6時間以上) | クリーピングタイム・ヒメイワダレソウ・芝桜 |
| 半日陰(3〜5時間) | リシマキア・アジュガ・ユキノシタ |
| 日陰(3時間未満) | ツルニチニチソウ・フッキソウ・ヘデラ(アイビー) |
特に建物の北側や木陰になる場所は「何を植えても育たない」と諦めている方が多いですが、耐陰性の強い品種を選べば雑草対策として十分機能します。
2-2. 人が歩くかどうかで耐踏性を考慮する
アプローチや駐車場の目地など、踏まれる可能性がある場所には耐踏性(踏圧への耐性)が必須条件です。反対に花壇の縁取りや土手など踏まれない場所なら、見た目重視でより花の美しい品種を選べます。
踏圧に強い代表格はヒメイワダレソウとクリーピングタイムで、造園プロも目地植えにしばしば採用しています。
2-3. 管理のしやすさ(刈り込み・水やり頻度)で選ぶ
「ずぼらガーデニングで大活躍」という言葉がYouTubeで多数共感を集めているように、管理の手間は継続性を大きく左右します。乾燥に強く刈り込みがほぼ不要な品種を選ぶか、年1〜2回の刈り込みが必要でも花や香りを楽しみたいか、ライフスタイルに合わせて判断しましょう。
3. 【目的別】雑草対策におすすめのグランドカバー植物15選

3-1. 日向・踏圧あり:アプローチや駐車場まわりに
① クリーピングタイム
ハーブの一種で、踏むとさわやかな芳香が漂います。乾燥・踏圧・暑さに強く、初夏にピンクの小花が一面に広がります。根付きさえすれば真夏でも水やり不要レベルの強健さが魅力。
② ヒメイワダレソウ(リッピア)
繁殖力が非常に高く、1㎡あたり30円程度とコスト面でも最強クラス。夏場の踏圧にも強く、小さな白〜ピンクの花が次々と咲きます。ただし繁殖力の高さから境界管理が必要(後述)。
③ 芝桜(フロックスサブラータ)
春に花で地面が埋め尽くされる景観は抜群。日当たりが良い傾斜地や法面で特に力を発揮します。乾燥に強く、根付いた後はほぼ放任でOK。
3-2. 半日陰:建物の東西側や木の下に
④ リシマキア・ヌンムラリア
コイン状の丸い葉が可愛く、地面をじゅうたんのように覆います。黄花品種と黄金葉品種があり、半日陰でも旺盛に広がります。
⑤ アジュガ
濃紫の花穂が美しく、シェードガーデンの定番。耐陰性・耐乾性ともに高く、ロゼット状の葉が密に重なるため雑草抑制効果は高いです。
⑥ ユキノシタ
日本の庭で昔から使われてきた和風グランドカバー。湿り気のある半日陰が得意で、初心者でも枯らしにくい強健種。
3-3. 日陰・樹木の根元に
⑦ ツルニチニチソウ(ビンカ)
春に青〜紫の花を咲かせながら旺盛に広がります。耐陰性が非常に強く、樹木の根元という「何も育ちにくい場所」でも活躍。ただし繁殖力は強め。
⑧ フッキソウ
常緑の小葉が美しい日本原産の植物。日陰の定番で、管理がほぼ不要なため「植えっぱなし」を希望する方に特に人気です。
⑨ ヘデラ(アイビー)
丈夫で旺盛。日当たりから深い日陰まで適応幅が広く、斜面の土留め効果も期待できます。ただし壁面への侵出と繁殖には注意が必要です。
3-4. 花で楽しみながら雑草対策したい方に
⑩ クローバー(シロツメクサ)
種まきで広げられるコスパの高い選択肢。花が咲き蜜蜂が集まるため、ミツバチアレルギーの方や子どもが遊ぶ庭には不向きですが、ナチュラルガーデン向きの自然な雰囲気を作れます。
⑪ ナスタチウム
一年草ですが種で自然に更新しやすく、食べられる花(エディブルフラワー)としても楽しめます。
⑫ クリーピングフロックス
芝桜と似た使い方で、花色のバリエーションが豊富。春の花期は圧巻です。
3-5. 法面・斜面の土留め兼用に
⑬ ノシバ(野芝)
在来の芝で管理が比較的楽。斜面の土留め力が高く、踏圧にも強いです。
⑭ ハーブ系セダム(マンネングサ)
乾燥地・砂地・岩場でも育つ驚異的な耐乾性。多肉質の葉が地面を覆い、夏の黄花も可愛い。
⑮ ポリゴナム(ヒメツルソバ)
ピンクのポンポン花が可愛く、秋まで長く咲き続けます。半日陰でも育ち、斜面をカラフルに彩ります。
4. 植えてはいけない繁殖力が強すぎる植物と注意点

4-1. 要注意植物リストと理由
雑草対策として植えたはずが、「別の意味でやっかいな存在」になりかねない植物があります。YouTubeでも「意外な落とし穴」として複数の動画で言及されています。
| 植物名 | 問題点 |
|---|---|
| ミント類全般 | 地下茎で庭全体に広がり、除去が困難 |
| ドクダミ | 強烈な繁殖力。薬草としての需要はあるが庭での制御は難しい |
| ツルニチニチソウ | 旺盛すぎて隣地や側溝へ侵出するリスク |
| ヒメイワダレソウ | 境界を越えて隣家の庭や歩道へ進出するケースあり |
| タデ類(ポリゴナム) | こぼれ種で意図しない場所に広がる |
4-2. 侵出リスクへの対策
繁殖力の強い植物を使う場合は、根止め板(エッジング材)を地中10〜15cm埋めるのが最も確実な対策です。また、植えてから最初の2〜3シーズンは境界チェックを怠らないことが重要です。
特にミントは「どうせ広がるから」と地面に直植えするのは避け、プランターごと埋める方法(sink planting)で地下茎の横展開を物理的にブロックするのがプロの現場でも一般的です。
4-3. 近隣トラブルを避けるために
繁殖したグランドカバーが隣地に侵入すると、民法上「枝の切除・根の切取り」に関するルールが適用されるケースがあります。植える前に隣家との境界線から十分な余裕を確保するか、コンクリートブロックなどで物理的に区切ることを検討してください。
5. グランドカバーの植え付け前にやるべき土壌処理の手順

5-1. まず既存の雑草を完全に除去する
「雑草に先手必勝」という発想が重要です。グランドカバーを植えた後に残った雑草が勢いよく再発すると、グランドカバーが負けてしまうケースがあります。
除去方法は大きく3パターン:
- 手除草:根まで確実に抜くため最も確実。ただし労力がかかる
- 除草剤(ラウンドアップ系):グリホサート系は分解性が高く、効果後に植え付けが可能。1〜2週間後を目安に植え付けへ
- 遮光シート(黒マルチ)の活用:植え付け1〜2か月前から黒マルチで覆い、雑草を遮光枯死させる方法。薬剤を使いたくない方に向いている
5-2. 土壌改良で根張りを助ける
グランドカバーが素早く広がるためには、根が張りやすい土壌環境を作ることが不可欠です。粘土質で固い土や砂地で水はけが悪すぎる土は、植え付け前に改良しておきましょう。
- 腐葉土・堆肥を5〜10cm混ぜ込んで有機物を補給
- 粘土質の土には川砂やパーライトを加えて排水性を改善
- 極端に酸性が強い場所(pH5以下)は苦土石灰で中和
ただし、リシマキアやアジュガなど「やや痩せた土のほうが強健に育つ」タイプもあるため、品種ごとの好む土壌条件を確認してから改良の程度を判断してください。
5-3. マルチングで初期の雑草を抑える
植え付け直後はグランドカバーがまだ広がっていないため、すき間から雑草が出やすい「最も危険な期間」です。バーク堆肥や木材チップを3〜5cm敷いておくことで、この期間の雑草を最小限に抑えられます。グランドカバーが広がるにつれてマルチは自然に土に還ります。
6. グランドカバーの基本的な植え方と日常管理方法

6-1. 植え付け時期と株間の目安
植え付けに最も適した時期は春(3〜5月)か秋(9〜10月)です。夏の猛暑期と冬の霜の時期を避けることで、根付きがスムーズになります。
株間は品種によって異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。
| 品種 | 推奨株間 | 被覆完成までの目安 |
|---|---|---|
| クリーピングタイム | 20〜30cm | 1〜2シーズン |
| ヒメイワダレソウ | 30〜40cm | 1シーズン |
| アジュガ | 20〜25cm | 2シーズン |
| フッキソウ | 20〜30cm | 2〜3シーズン |
「早く広げたい」からといって株間を狭くしすぎると通気が悪くなり蒸れや病気の原因になります。逆に株間を広げすぎると初期に雑草が入り込みやすいので、上記の範囲を基準に品種の成長速度に合わせて調整してください。
6-2. 水やりと肥料の基本
植え付け直後〜根付くまでの1〜2か月は、土が乾いたらしっかり水やりします。根付いた後は基本的に雨任せでOKな品種が多いですが、真夏の連続乾燥時(7〜10日以上雨なし)は補水が必要です。
肥料は「多すぎると徒長して逆に広がりが遅くなる」品種もあるため、植え付け時に緩効性肥料を元肥として施す程度で十分なことがほとんどです。
6-3. 刈り込みと更新作業
クリーピングタイムや芝桜は花後に軽く刈り込むと、株のボリュームが出て翌年の花付きも良くなります。ツルニチニチソウやアジュガは徒長した茎を年1回リセット刈りすると、密度が保たれます。
数年経つと株の中心部が蒸れて枯れ込む「老化」が起きることがあります。その場合は枯れた部分の土を軽く耕し、挿し芽や株分けで更新すると再びきれいに広がります。
7. グランドカバーvs防草シート:どちらが効果的か

7-1. コスト・効果・見た目で比較する
「1㎡30円」のグランドカバーと防草シートを実際にコスト比較した動画が話題になっているように、長期的なコスト効率はグランドカバーが優位に立ちます。
| 比較項目 | グランドカバー | 防草シート |
|---|---|---|
| 初期費用 | 中〜高(苗代) | 低〜中 |
| ランニングコスト | ほぼゼロ(根付き後) | 5〜10年で交換 |
| 雑草抑制効果 | 根付き後は高い | 施工直後は高い |
| 景観 | 美しい・自然な印象 | 景観を損ねやすい |
| 効果が出るまでの時間 | 3か月〜半年 | 即日 |
| メンテナンス | 年数回の刈り込み | シート上の雑草除去 |
7-2. 組み合わせるのがプロの現場での実際
結論として「どちらか一方」ではなく、植え付け初期は防草シート+グランドカバー、根付いてからシートを取り除く(または分解性シートを使う)という組み合わせが最も合理的です。
プロの植栽工事では、防草シートを敷いてから穴を開けてグランドカバーを植える手法が採用されることもあります。シートがグランドカバーの株間から出る雑草を抑え、グランドカバーが育つにつれてシートを補完する形で機能します。
7-3. 砂利との組み合わせはどうか
砂利敷き+防草シートは一般的な選択肢ですが、シートの上に土が堆積すると雑草が生えてしまいます。砂利エリアとグランドカバーエリアをゾーニングで分ける方法も、見た目と実用性のバランスが取れた選択肢として検討に値します。
8. よくある質問:グランドカバー雑草対策の疑問を解消

8-1. グランドカバーを植えても雑草が生えてきます。どうすれば?
グランドカバーが地面を完全に覆うまでは、どうしても雑草が侵入します。最初の1〜2シーズンは月1〜2回の手除草が必要と考えてください。特に植え付け直後の初夏〜夏は雑草の成長が旺盛なため、グランドカバーが広がりきる前に負けてしまわないよう、こまめなチェックが必要です。
株間にバーク堆肥を厚めに敷くと、この時期の手間を大幅に減らせます。
8-2. 日当たりが悪い庭全体をグランドカバーで覆いたい
日陰向けにはフッキソウ・ヘデラ・ツルニチニチソウが定番です。ただし「完全な日陰(北側で直射が全く当たらない)」は植物にとって非常に過酷な環境のため、砂利や防草シートと組み合わせるほうが現実的なケースもあります。
8-3. 子どもやペットがいる庭でも使える?
クリーピングタイムやクローバーは子どもがいる庭でも一般的に安全です。ただし、ビンカ(ツルニチニチソウ)は毒性があるため、犬や猫が葉を口にする可能性がある場合は避けたほうが安心です。植物の毒性は品種によって異なるため、ペットがいる場合は必ず事前に確認してください。
8-4. 植えてから効果が出るまでどのくらいかかる?
YouTubeで紹介された実例では「植えて3か月後にはかなりの面積を覆えていた」という報告が多く見られます。ただし品種・季節・初期の密度によって差があり、完全に被覆が完成するまでには最短で1シーズン、標準的には1〜2年を見ておくのが現実的です。
8-5. マンション・アパートのベランダでも使える?
プランターにグランドカバーを植えてこぼれ落ちるように育てる「スピリングタイプ」の使い方は可能ですが、雑草対策としての地面被覆効果は専用庭でないと得られません。ベランダの雑草は基本的に土がないため発生しにくく、グランドカバーよりも防草シートや専用タイルの活用が向いています。
グランドカバーを使った雑草対策は、「すぐに楽になる」魔法ではなく「今の手間を将来への投資に変える」アプローチです。植え付け前の土壌処理をしっかり行い、場所の日照条件に合った品種を選べば、翌年・翌々年には草取りにかける時間が劇的に減っていくのを実感できるはずです。
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