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注文住宅でつなぎ融資が必要な理由と費用・注意点を徹底解説
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注文住宅でつなぎ融資が必要な理由と費用・注意点を徹底解説

注文住宅を建てるとき、住宅ローンの融資は建物完成後にしか実行されないのが原則です。しかし土地代や工事の着手金は「今すぐ」払わなければならない。この資金ギャップを埋めるのがつなぎ融資の役割であり、注文住宅購入者の多くが避けて通れない手続きです。

この記事では、つなぎ融資の仕組みや費用シミュレーション、分割融資との比較まで、実際に手続きを進める前に知っておきたい情報をまとめました。

この記事の結論はこちら
  • つなぎ融資は住宅ローン実行前の資金不足を一時的に補う短期ローンで、注文住宅では必要不可欠なケースが多い
  • 土地購入・着手金・中間金など複数の支払いタイミングに合わせて、何度でも借り入れ・利息のみ返済ができる
  • 金利は住宅ローンより高め(年2〜4%台)で、融資期間が長いほど利息負担が増えるため期間管理が重要
  • ネット銀行はつなぎ融資非対応が多く、利用できる金融機関が限られる点に注意が必要
  • 手元に十分な自己資金がある場合や、分割融資・土地先行融資を使えるケースでは不要になることもある

目次

1. つなぎ融資とは?注文住宅で必要な理由をわかりやすく解説

必要性のつなぎ融資とは?注文住宅で必要な理由をわかりやすく解説を表す図解イラスト

1-1. 住宅ローンが「完成後払い」である根本的な理由

住宅ローンは、担保となる建物が完成してはじめて融資が実行される仕組みです。まだ存在しない建物を担保に大金を貸し出すのはリスクが高いため、銀行は建物の登記が完了するまでお金を動かせません。

一見当然のルールですが、注文住宅を建てる施主には深刻な問題を引き起こします。

1-2. 注文住宅で発生する「資金ギャップ」の実態

建売住宅や中古住宅なら引き渡しと同時に住宅ローンを実行すれば済みます。注文住宅はそうはいきません。工務店やハウスメーカーと工事請負契約を結ぶと、支払いが段階的に発生します。

  • 土地の購入代金(契約時・引き渡し時)
  • 建築工事の着手金(着工時、工事費の約30%が相場)
  • 中間金(上棟時、工事費の約30%が相場)
  • 残金(引き渡し時)

住宅ローンが実行されるのは最後の「引き渡し時」だけです。それ以前の土地代・着手金・中間金は、自己資金か別の融資で用意しなければなりません。この「ローン実行前に払わなければならないお金」を一時的に立て替えてくれるのが、つなぎ融資(つなぎローン)です。

1-3. つなぎ融資の基本的な定義

つなぎ融資とは、住宅ローンが実行されるまでの間に必要な資金を金融機関が短期的に貸し出す融資です。住宅ローンとは別の契約で、建物の完成・引き渡し時に住宅ローンが実行されたタイミングで元金を一括返済します。

「住宅ローンの前払い」と思いがちですが、正確には独立した借り入れです。返済期間中は利息のみを毎月支払い、元金は最後に一括で返す「利息先払い型」の構造が一般的です。


2. つなぎ融資が必要になる具体的なケース

必要性 注文住宅のつなぎ融資が必要になる具体的なケースを表す図解イラスト

2-1. 土地を購入してから家を建てるケース

つなぎ融資の必要性がとりわけ高いのが、土地を先に購入するパターンです。土地は建物と一体での担保設定が必要なため、建物が完成するまでは住宅ローンで土地代を支払えません。

土地の購入代金は数百万〜数千万円に上るケースも珍しくなく、この金額を自己資金だけでカバーするのは難しいのが現実です。

2-2. 工事の着手金・中間金が大きいケース

ハウスメーカーや工務店との工事では、着工時に「着手金」、上棟時に「中間金」として工事費の30%ずつを要求されるのが一般的です。工事費が3,000万円なら着手金と中間金だけで合計1,800万円になります。これを自己資金でまかなえる人はほとんどいません。

2-3. 完成まで期間が長い大型物件

施工期間が長くなるほど、つなぎ融資の利用期間も延びます。一般的な木造住宅なら4〜6ヶ月程度ですが、大型物件や仕様が複雑な場合は1年以上かかることもあります。期間が延びれば利息負担も膨らむため、施工期間の見積もり精度がコスト管理の鍵を握ります。


3. つなぎ融資の仕組みと利用の流れ

必要性 注文住宅のつなぎ融資の仕組みと利用の流れを表す図解イラスト

3-1. つなぎ融資の借り入れ〜返済の全体像

ステップ1:住宅ローンの本審査と同時につなぎ融資を申し込む

つなぎ融資は住宅ローンとセットで扱う金融機関が多く、本審査を通過することが前提です。住宅ローンの審査が通った銀行で、つなぎ融資も申し込みます。

ステップ2:土地購入・着工・上棟のタイミングで資金を引き出す

つなぎ融資は必要なタイミングで必要な分だけ引き出せる「極度額方式」を採用しているケースが多く、複数回に分けて借り入れできます。引き出すたびに、その金額に対して利息が発生します。

ステップ3:利息のみ毎月返済

借り入れ期間中は元金の返済は不要で、利息分だけを毎月支払います。借入残高が増えるほど毎月の利息支払いも増えます。

ステップ4:建物完成・引き渡しで住宅ローンが実行され一括返済

住宅ローンが実行されると、その資金でつなぎ融資の元金を一括返済します。ここでつなぎ融資は終了し、以降は住宅ローンの返済だけになります。

3-2. 申し込みに必要な書類

必要書類は住宅ローンとほぼ同じです。土地売買契約書・工事請負契約書・建築確認申請書・印鑑証明書・住民票・源泉徴収票などが求められます。金融機関によって細かい要件が異なるため、早めに確認しておきましょう。


4. つなぎ融資にかかる費用・金利のシミュレーション

必要性 注文住宅のつなぎ融資にかかる費用・金利のシミュレーションを表す図解イラスト

4-1. つなぎ融資の金利水準

つなぎ融資の金利は、住宅ローンの変動金利(2025年時点で多くが年0.3〜0.6%台)と比べて大幅に高くなります。金融機関によって差がありますが、年2.0〜4.5%程度が一般的な水準です。短期融資であるため金利優遇が効きにくく、住宅ローンほど金利競争が起きていないのが実情です。

4-2. 実際の利息負担シミュレーション

具体的な数字で確認してみましょう。

前提条件
– 土地代:2,000万円
– 建築費:3,000万円(着手金30%・中間金30%・残金40%)
– つなぎ融資金利:年2.5%
– 土地引き渡しから竣工まで:6ヶ月

各借り入れと利息の計算

引き出しタイミング 金額 融資期間 発生利息(概算)
土地購入時 2,000万円 6ヶ月 約25万円
着工時(着手金) 900万円 4ヶ月 約7.5万円
上棟時(中間金) 900万円 2ヶ月 約3.75万円
合計 3,800万円 約36万円

この試算では総利息は約36万円になります。金利が3.0%に上がれば約43万円、融資期間が1年に延びればさらに膨らみます。見落としがちな出費ですが、資金計画にしっかり組み込んでおく必要があります。

4-3. 利息以外にかかる諸費用

つなぎ融資には利息のほかにも費用が発生します。

  • 事務手数料:借り入れのたびに数万円かかる場合あり
  • 印紙代:金銭消費貸借契約書に必要
  • 登記費用:抵当権の設定が必要な場合(金融機関による)

これらを合計すると、トータルの負担は数十万円規模になることを頭に入れておきましょう。


5. つなぎ融資のメリット・デメリット

必要性 注文住宅のつなぎ融資のメリット・デメリットを表す図解イラスト

5-1. つなぎ融資を使うメリット

自己資金が少なくても注文住宅が建てられる

土地代や着手金・中間金を自己資金でまかなえなくても、建築を進めることができます。まとまった現金が手元になくてもマイホームを実現できる手段として、多くの建築主が活用しています。

元金返済は後回しにできる

借り入れ期間中は利息だけ払えばよいので、毎月の支出を抑えながら工事期間を乗り越えられます。建物完成後に住宅ローンで一括返済する構造のため、二重のフルローン返済に追われることもありません。

住宅ローンの選択肢が広がる

金利の低いネット銀行の住宅ローンをメインに据えながら、つなぎ融資部分は地方銀行に依頼するといった組み合わせも可能です。ただし審査や手続きが複雑になる点は覚悟しておく必要があります。

5-2. つなぎ融資のデメリット

金利が住宅ローンより大幅に高い

年2〜4%台という金利は、現在の住宅ローン金利の3〜10倍以上に相当します。期間が長くなれば利息負担は膨らみ、数十万円の出費になることも珍しくありません。

対応している金融機関が限られる

住信SBIネット銀行・楽天銀行・PayPay銀行など人気のネット銀行の多くは、つなぎ融資に非対応です。ネット銀行で住宅ローンを組みたい場合は、別途地方銀行でつなぎ融資を手配するか、ネット銀行が提供する分割融資の仕組みを利用することになります。

二重の借り入れ管理が必要

つなぎ融資と住宅ローンを並行して管理しなければならない時期が生じます。書類管理や返済スケジュールの把握など、手間がかかる点は避けられません。


6. つなぎ融資と分割融資・土地先行融資の比較

必要性 注文住宅のつなぎ融資と分割融資・土地先行融資の比較を表す図解イラスト

6-1. 分割融資(分割実行)との違い

分割融資とは、住宅ローンそのものを複数回に分けて実行する方式です。着工時・上棟時・引き渡し時など各段階で住宅ローンの一部を引き出せるため、つなぎ融資が不要になります。

地方銀行や信用金庫に多い方式で、住宅ローンの金利がそのまま適用されるため利息負担を抑えやすいのが特徴です。申込先の銀行が分割実行に対応しているかどうかが条件になります。

項目 つなぎ融資 分割融資
金利 年2〜4%台(高め) 住宅ローン金利(低め)
扱い 住宅ローンとは別の借り入れ 住宅ローンの一部
利用できる銀行 地方銀行・一部ネット銀行 地方銀行・信用金庫中心
手続き やや複雑 比較的シンプル

6-2. 土地先行融資との違い

土地先行融資は、建物が完成する前に土地部分だけを担保として設定し、土地分の住宅ローンを先行実行する方式です。住宅ローン金利が適用されるため利息面では有利ですが、取り扱う金融機関が少なく、審査条件も厳しい傾向があります。

6-3. どれを選べばいいか

「ネット銀行の低金利住宅ローンを使いたいが分割実行ができない」→つなぎ融資を別の金融機関で手配する。

「地方銀行でまとめて借りるつもりで、手続きをシンプルにしたい」→分割融資を検討する。

「土地購入資金が大きく、少しでも金利を抑えたい」→土地先行融資を取り扱う金融機関を探す。

住宅ローンの総コストで比較すると、つなぎ融資が必ずしも割高になるわけではありません。2025年時点では「ネット銀行(低金利)+つなぎ融資」と「地方銀行の分割実行」のどちらがお得かは、金利差・融資期間・諸費用をトータルで試算して判断することが必要です。


7. つなぎ融資を利用する際の注意点

必要性 注文住宅のつなぎ融資を利用する際の注意点を表す図解イラスト

7-1. 施工期間の延長リスクに備える

つなぎ融資の最大のコストリスクは期間の延長です。天候不順・資材不足・職人の手配遅れなどで工期が当初予定より延びると、利息負担がそのまま膨らみます。余裕を持ったスケジュール設定と、工期遅延が生じた場合の責任範囲をハウスメーカー・工務店と事前に取り決めておくことが重要です。

7-2. 住宅ローンとセットで審査が通ることが前提

つなぎ融資単体で申し込める金融機関はほとんどありません。「住宅ローンを借りる前提で、つなぎ融資も利用する」という申し込み形式が一般的です。住宅ローンの審査に落ちた場合はつなぎ融資も利用できなくなるため、事前審査は早めに動くことが肝心です。

7-3. 利息は住宅ローン控除の対象外

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンの元金残高に対して適用される制度です。つなぎ融資で支払った利息は控除の対象にならないため、年末調整や確定申告でつなぎ融資の利息分が控除されると思い込まないよう注意してください。

7-4. 金融機関によって費用体系が大きく異なる

つなぎ融資の金利や事務手数料は金融機関によって差が大きく、1社だけで決めずに複数を比較することが重要です。金利が0.5%違うだけでも、借入総額・期間によっては十数万円単位の差になり得ます。


8. つなぎ融資が不要になるケースと代替手段

必要性 注文住宅のつなぎ融資が不要になるケースと代替手段を表す図解イラスト

8-1. 手元に十分な自己資金がある場合

土地代・着手金・中間金をすべて自己資金でまかなえるなら、つなぎ融資を使わずに済みます。建築総額の30〜40%以上を現金で用意できる方は、つなぎ融資のコストを払う必要がありません。ただし手元資金が極端に減ることで生活費や急な出費への対応が難しくなることもあるため、バランスを見ながら判断してください。

8-2. 分割融資・土地先行融資が使える場合

前章で解説した通り、地方銀行や信用金庫の分割融資を利用できる場合はつなぎ融資が不要になります。金利面でも有利なケースが多いため、住宅ローンをどこで組むかを決める前に分割融資の可否を確認しておくと選択肢が広がります。

8-3. ハウスメーカーの「つなぎ融資不要プラン」を利用する

一部の大手ハウスメーカーでは、提携ローンや独自の支払い猶予制度を設けており、着手金・中間金の支払いを引き渡し後にまとめて請求する仕組みを提供していることがあります。担当営業に「つなぎ融資なしで進めることはできますか?」と直接確認するのが最短の方法です。

8-4. 住み替えの場合は売却資金で対応できることも

現在の自宅を売却して住み替える場合、売却代金を受け取ったタイミングで土地代や着手金を支払えるケースがあります。ただし売却と建築のスケジュールがうまく噛み合わないときは、やはりつなぎ融資が必要になります。なお、住み替え時のつなぎ融資は「住み替えローン」と呼ばれることがあり、通常のつなぎ融資とは用途が異なるため混同しないよう注意してください。


つなぎ融資は「必要だから使う」ものですが、コストを正しく理解した上で選ぶことが大切です。金融機関の比較・施工期間の管理・分割融資との使い分けをしっかり押さえれば、資金計画の失敗を防げます。注文住宅の契約を進める前に、住宅ローンの事前審査とあわせてつなぎ融資の取り扱い可否を確認しておくことをおすすめします。

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