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凰建設 株式会社

部屋干とワイシャツと乾き

凰建設の森です。

本日は、朝から草刈り。
今シーズン最後の草刈り。

また来年の6月から、始まる
草刈りシーズンの為に、
草刈り機は冬眠です。

夏真っ盛りに比べると、
非常に爽やかでいいですね。
作業も楽々。

さて、本日の話題は、
質問箱からになります。
↓     ↓
https://ohtori1.com/l/m/zcFiVQRqIdrBHB

洗濯物が一晩で乾く状態。
その時の絶対湿度はどのくらい?

沢山の質問を頂き
ありがとうございます。

大変いい質問なので、
今日はここに触れさせていただきます。

まず、乾く乾かない、乾きすぎ、
そういう定性的な言葉だけで
捉えていきますと、恐らく
混乱するかと思います。

同じ絶対湿度でも、
一晩で乾く家とそうではない家が
あるのはその通りですし、

一晩で乾く家が乾燥しすぎな
場合もあればそうではない場合も
あるからですね。

サーキュレーターを使わないと
乾かない家もあれば、そういうのは
無くても乾く家だってあります。

人が乾燥感を感じるかどうかは、
絶対湿度によるところが多く、
洗濯物が乾燥するかどうかは
相対湿度によるものが多いから。

絶対湿度?相対湿度?
なんだそれ?ですよね。

しかし、この概念を
理解しなければ、あなたは
永遠に、定性的な言葉に、
惑わされ続ける事になります。

高気密高断熱住宅に住む方に
まずはこの環境を目指しましょうと
お勧めしている絶対湿度の目安。

5g/kgDA(6g/m3)
という数字があります。

絶対湿度というのは空気中に
蒸発して溶け込んでいる水の量。

対して、相対湿度というのは、
その温度の空気に目いっぱい
溶け込める水の量のうち、
何割くらいまで入っているか。

イメージで言うと空気の
満腹具合を表しています。

だから、同じ絶対湿度でも、
温度が違えば空気の満腹具合は
変わってきます。
↓     ↓
https://ohtori1.com/l/m/PzLVWmelE9DY3w

5g/kgの絶対湿度において、空気が

4.5℃なら満腹度(湿度)100%
洗濯物は当然乾きません。

14.5℃なら満腹度(湿度)50%
部屋干しを始められるギリギリ。

18℃なら満腹度(湿度)40%
まあ、匂いは付かないかな?

22℃なら満腹度(湿度)30%
大概のものは一晩でカラカラ

30℃なら満腹度(湿度)20%
乾燥機に近い状態です。

同じ5g/kgという絶対湿度でも、
18℃未満で暮らしている家は
洗濯物は一晩では乾きませんし
22℃以上で暮らしている家は
一晩でカラカラになります。

次に、同じ絶対湿度でも
一晩で乾く温度では過乾燥で
そうじゃない温度は適切か。

過乾燥の状態を何から見て、
「過」だと評価するのか、
私も良く分かりませんが、
仮に相対湿度で40%を
下回ると過乾燥だとしましょう。

2021年の岐阜県岐阜市
8月8日13時時点での
相対湿度は36%です。

この時屋外にいた岐阜市民で
空気の乾燥を感じた人は、
誰一人としていないと思います。

なぜなら気温は38.1℃
絶対湿度は15.1g/kgであり
空気中の水分も高いけど、
空気が高温すぎて、
満腹度が低かったからです。

俺、岐阜市民じゃないしという方
サウナに入って、乾燥を
感じたことがある人、います?

サウナの相対湿度は3~7%。
80℃のサウナで5%の
相対湿度なら15g/kg。
さっきの岐阜市と同じです。

※サウナはもっと湿っている
事が殆どです。

深呼吸をすると、肺が
むせ返るような感じがするかと。

相対湿度だけを見て過乾燥かどうかを
決めるのはとてもナンセンス。

岐阜市の2021年1月1日
01:00時点での湿度は
76%になります。

でも初詣に行っている人が、
空気が湿ってるなあ
なんて、誰も思いません。

気温は1.4℃
絶対湿度は3.2g/kg

大きく息を吸い込むと
喉の奥がヒリヒリするかと。

外気温がどれだけ上下しても
人間の吸気は喉を過ぎれば
30℃90%程度になります。

絶対湿度が低ければ、喉から
蒸発する水分が増えて、
乾燥を感じる事になり、
絶対湿度が高ければ、喉から
蒸発する水分が減り、
乾燥を感じにくくなります。

昔の家だと、頑張って暖房しても
18℃位にしかならなかった。

大して加湿の工夫をしなくても、
湿度40%以上はそんなに
難しい話ではなかった。

高気密高断熱の家であれば、
22℃でも24℃でもできてしまう。

絶対湿度が同じであれば、
相対湿度は低くなりますので
湿度計の目盛りは下がりがち。

それをもって、乾燥すると
言われる方はとても多いです。

加湿控えめで室温だけが高い
高気密高断熱の家(22℃30%5g/kg)
であれば、洗濯物はカラカラですが
やはり乾燥感を覚えるかと。

加湿はするけど室温の上がらない
高断熱(?)の家(18℃60%7.7g/kg)
であれば、乾燥感は少ないけど
洗濯物は乾きにくいかと。

家の温度が上がるかどうかは、
断熱によるところが大きいです。
家の湿度が上がるかどうかは、
換気によるところが大きいです。

十分に高断熱で、十分に高性能な
全熱交換換気システムを入れていて、
比較的コンパクトな家住んでいて、
部屋干しや浴室の湿気戻しを
されていて、日射取得を
十分に考慮された、パッシブ設計が
上手になされている家の
お施主様だと、冬にこういう
事が起きたりもします。
↓     ↓
https://ohtori1.com/l/m/acY5yRrtgSeHQb

暖房も加湿もしていないのに、
明け方が25℃70%(14g/kg)で、
クワトロガラスのサッシに結露が。
暑くて寝苦しいくらい。

クリスマスイブの朝の話です。
なんて贅沢な悩みでしょう。

是非、外のキンキンに冷えて、
カラカラに乾いた空気を
家の中に入れてあげてください。

混ざりあって丁度よくなります。

熱も湿気も交換しない、
レンジフードの換気扇を、
あえて回すと丁度いいです。

エアコンを冷房運転してもいい。

冷媒が勝手に外の冷たい空気を拾って
家の中に届けて除湿してくれます。

COPは20でも30でも行くでしょう。

勿論、高性能住宅に住んで初めての
冬なので真剣に悩んでおられたかと
思うのですが、普通の家に住んでいる
人からしたら、
「お金が有りすぎて仕舞う場所が
 ありません。どうすればいいの?」
って言っているのと同じです。

答えは「捨てればいいと思うよ」
みたいなものですね。

色々言いましたが、定性的な
言葉だけでは、判断がつかないことが
多いのが温度と湿度になります。

なのでまずは冬の環境として
5g/kgの絶対湿度以上を目指す。

18℃40%=20℃35%=22℃30%

乾燥を感じると思うので、
それ以上は自分の肌感覚で、
いい感じを目指していただければ。

乾太くんは乾燥によって発生する
水分を屋外に放出するので、
冬の加湿にはマイナス、
夏の除湿にはプラスに働きます。

乾燥機能付きの洗濯機は、水分を
屋内に排出しますので、
冬はプラス、夏はマイナス。

部屋干しも冬はプラス夏はマイナス。

私はどちらかというと、
乾燥機能付きの洗濯機の方が
好きです。

夏のマイナスは、建物の
空調換気設計で打ち消すことが
できますが、冬に屋外に
水分を捨てられてしまうのは、
何ともしがたいからです。

ただ、乾燥の速さにおいては、
やっぱり乾太くんの方が、
圧倒的に早いですね。

弊社のお客様で乾太くんを
導入される方の割合は、
1~2割くらいになります。

でも、冬はなるべく、
使わないでほしいなと、
密かに思ったりしています。

乾太くんが放出する数Lの
水分を、加湿に使わせて
欲しいんですね。

乾太くん+数Lの加湿器と、
部屋干し。

加湿量は同じですが、
使うエネルギーは違います。

結局どうしたらいいのか?
といいますと、まずは
住まい手であるあなたが、
どんな感じで暮らしたいのかを
きちんと設計者に伝える事。

部屋干しをしたいのかどうか。
一晩で乾いてほしいのかどうか。
乾燥を感じてもいいのかダメなのか。
加湿器を無くしたいのか使いたいのか。
乾太くんを使いたいのか、
乾燥機能付き洗濯機を使いたいのか。
部屋の温度は18℃なのか22℃なのか。

それができると言ってくれる
設計者さんに依頼をしてください。

出来るという人には2種類います。
本当にできる人と、
よくわかってないけどYESと
答えるのが癖になっている人。

契約書と別でもいいので、
覚書を取り交わしてください。

こういう生活をした時に、
こういう温湿度にならなければ
予定通りになるまで直し続ける。
もしくは違約金を払う。

私たちにとっては恐ろしい話ですが、
民法が改正された今、その書面は
あなたを永遠に守ってくれる。

その書面にサインをしてくれる
人なら、本当にできる人。

渋るなら、出来るか怪しい人。

出来ないのにサインをするなら、
もう建築会社をやらない方が
いい会社なので、徹底的に、
追及してあげてください。

温度と湿度を理解することと、
それを空調換気設計に反映
できる事には大きな隔たりが。

ちょっとかじっただけの人や
出来るつもりになっているプロが
世の中から居なくならなければ、
質問者さんのように、何が
本当なのか分からないという
悩みを抱える人は無くなりません。

設計者さんに対して、
そこまで言うと嫌われそう、、
って、誰もが思うはずかと。

でも、あなたなりの言い回し、
あなたなりの聞き方でいいので、
設計者さんを試してほしいです。

私のお施主様でも同じです。
毎日磨いていたいから
時々知識を試してね、と。

それが、設計者の知識や技術を
育て、あなたの後に続く住まい手の
よりよい家づくりにつながります。

10年後に家づくりをされる方が、
質問者さんのように悩まなくても
いい家が建てられるよう、
今の施主が住宅業界を突き上げる。

是非そんな思いで家づくりに
取り組んでいただけると、
嬉しいなと思います。

どうぞ、よろしくお願いします。

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