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有限会社 水戸工務店

同じ家なのに断熱性能が”下がる”? 11月からの計算ルール変更

水戸工務店代表の小林弘典です。

10月7日・8日の2日間、新住協(新木造住宅技術研究協議会)の全国総会に参加するため、北海道に行ってきました。

新住協は、北海道から九州まで、全国の工務店や設計事務所が集まる団体です。
良質な高断熱住宅に誰しも住める社会を目指して、技術の研究や普及に取り組んでいます。

中心となっているのは、室蘭工業大学名誉教授の鎌田紀彦先生。

1980年代から、日本の木造住宅の高断熱化の工法づくりを引っ張ってこられた方です。
ご高齢になられたこともあって代表は退かれましたが、
今も理事として活動の中心にいらっしゃいます。

当社が断熱性能の計算に使っている「QPEX」というソフトも、新住協で開発されたものです。

新住協でよく顔を合わせるのは、現場を知る実務者がほとんど。

それぞれが自社でいろいろな工夫を重ねながら、
お互いに刺激し合い、切磋琢磨している仲間です。

今回は会場が北海道ということもあり、
寒さの厳しい土地で断熱に先進的に取り組んでいる会社の発表や、
現地の会員さんとの交流も、とても面白く、刺激になりました。

そして毎回楽しみなのが、鎌田先生の基調講演です。歯に衣着せぬ語り口で、
業界の「当たり前」にもズバズバ切り込んでいくので、聞いていて本当に面白いんです。

今回の講演では、11月から基礎断熱の計算方法が変わることについて、
どう対応すべきかという話題も取り上げられていました。

施主にとっても重要な話になるので、できるだけわかりやすくお伝えしたいと思います。

■ 11月1日から「基礎の断熱」の計算ルールが変わります

家の断熱性能は「UA値」という数字で表します。家全体からどれだけ熱が逃げるかを表す数字で、小さいほど高性能です。

このUA値を計算するとき、基礎(家の足元のコンクリート部分)から逃げる熱の計算方法が、2026年11月1日から新しい方法に統一されます。国が2024年の夏に予告していたもので、これまで使えた旧い計算方法は10月31日で使えなくなります。

何が変わるのか、と言えば、
これまでは、基礎の「地面ぎわ」と「立ち上がりの壁」から逃げる熱を、
まとめてひとつの数字で計算していました。
これからは、それぞれを別々に計算して足し合わせます。

家計簿にたとえると、「食費と日用品はだいたいこれくらい」とまとめて概算していたのを、
レシートごとにきちんと分けて付けるようになったイメージです。

きちんと数えてみると、思っていたより出費が多かった、ということがありますよね。

実際、業界団体の試算では、新しい方法で計算すると家全体のUA値が1割ほど悪く出る可能性があるそうです。

もともと「旧い方法は性能が良く出すぎる」という声は、
省エネにうるさい新住協のなかでは当然のように出ていました。

https://m-mitok.jp/l/m/73fbXEKYr1KSvt

さて、計算方法が変わると、どんな影響があるのでしょうか。

たとえば柏市周辺の地域では、断熱等級6の基準はUA値0.46以下です。
旧い計算方法で「UA値0.45、等級6ギリギリ」で設計していた家が、
新しい方法で計算し直すと1割ほど悪化して0.50前後に。
そうなると、等級6ではなく等級5の家、ということになってしまいます。

もちろん、すでに建っている家の性能が実際に下がるわけではありません。
変わるのは「計算のものさし」です。

ただ、ここに補助金が絡むとそうも言ってられません。
GX補助金のように、建物の断熱性能で補助が出るか出ないか変わります。

補助金、もしかしたら金利なども影響が受ける可能性があるので、
これから家を建てる方は、契約時に聞いた断熱等級やUA値、断熱等級が
11月以降の新しい計算でも変わらないかを、一度確認しておくと安心です。

ここで気になるのは当社の基礎はどうだったか?ですが、
当社では、設計の段階からQPEXを使い、基礎まわり断熱計算方法も旧基準ではなく、
厳しめの値が出る条件で断熱の計算をしてきました。

現在進めているお住まいで、計算してもUA値は0.25前後。
最高等級である断熱等級7の基準(0.26)をクリアできていました。

当社の基礎は、コンクリートの立ち上がりの「外側と内側の両方」に断熱材を張り、さらに床下の土間の上にも、壁ぎわから幅約90cmにわたって厚さ75mmの断熱材を敷き込んでいます。

ただし、勘違いしてはならないのが、UA値は大事な指標ですが、あくまで計算上の数字、
本当に大切なのは、実際に住んだときの暖かさや、室内の温度差の少なさのはずです。

ルールは時代とともに変わっていきます。

だからこそ、基準ギリギリを狙うのではなく、
余裕を持った設計と、それを形にする丁寧な施工で、
ものさしが変わっても揺らがない家をつくる必要があります。

北海道で全国の仲間たちと話しながら、
あらためてそう感じた2日間でした。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

また次回もよろしくお願いします。

それでは!
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