こんばんは菊池組・キクチです。
質問を頂いていたのでお答えします。
Q:
メルマガ再開して楽しみが戻ってきて嬉しいです。
菊池組さんのたてているような性能の高い
高気密高断熱の家でピアノなどの楽器を演奏する場合、
防音性能を持たせた部材を使わなくても、
ある程度の防音性はあるのでしょうか?
それとも防音性のある部材を採用しているのですか?
A:
屋内で発生する音が外に聞こえるかどうか、
屋外の音が、室内で聞こえるかどうか
そういう意味では高気密・高断熱にする事で
かなり聞こえにくくなります。
それでも、屋内で発生する音が屋内の別の場所で
聞こえるかどうかはまた別の問題で、
外に音が漏れにくくなった分、屋内の別の部屋で
よく聞こえてしまうという事もありえます。
その音を軽減するためには、
音を出す部屋と、聞こえる側の部屋の間に対策が必要になります。
一般に、部屋と部屋を区切る間仕切り壁の中身は空洞。
その石膏ボードと石膏ボードの間に、グラスウール等のフワフワしたものを詰めると空洞の音の響きを軽減する事ができます。
また、ガラスや石膏ボードのように質量が重いものは
音を遮音する効果が大きいので、防音室をつくりたい場合は
間仕切りにグラスウールやロックウールなどを詰めた上で、
石膏ボードを2枚張りするのが特別な物を使わず
比較的安価に室外に伝わる音を減らせます。
入り口の建具は引戸よりも開きドア。
既製品建具でも防音ドアタイプがあります。
また、表面が硬くて平滑なものほど、音を反響させ、
表面が柔らかくて粗面なものほど、音を吸音します。
そこまでやってもピアノを屋内に置く場合、
他の部屋では聞こえなくする、というのはかなり難しいです。
片付けの解剖図鑑(鈴木信弘 著)の中に、
「おそらくピアノは、ある程度オープンな場所で家族にほめられながら弾くのが楽しい楽器なのです」
と書かれていますが、なるほどと思います。
多くの場合、そうするのが良い気もします。
以前、ピアノを弾く事も仕事の一部である、
とあるプロの方のお住まいを設計させて頂いた事がありますが、
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