家百マガジン

前回のメルマガから間があいてしまいました、すみません。最近登録して頂いた方は登録できたか不安だったかもしれません。書けるときは頻繁に書きますが、書けないときは１ヶ月以上書きません。 さて、この３年ほどの間で建築工事費は10% ～ 30%も上昇してしまいました。 新築するには以前よりも、かなり高額。メディアでも、もう庶民には新築注文住宅は無理などと言われていたりしますが、 その一方で、空き家問題が騒がれています。 新築しなくても日本は家の総数は足りているはずなんですね。 そんな家が余っている日本で、「建築費が高騰しているから、建てられるレベルは下がってしまったけど、低スペックでもいいから、なんとか建てよう」 という感じで新築してほしくないと私は思います。 特に寒冷地では、ゴリゴリに断熱したつもりでも 次の冬からまともに直撃するエネルギー価格の中では 全館暖房をあきらめるか、 あるいは 年間１０万、２０万の暖房費を支払って全館暖房するか。そんな時代に突入します。 ※３地域「むつ」で、省エネ基準=UA0.56のモデルプラン（南向き約36坪）での試算では、エアコンなどのヒートポンプ暖房であっても年間暖房費は約20万円かかります。家電や給湯含まず、暖房費のみで！ だから、建てるなら少なくとも温熱環境は、めちゃくちゃいい家をつくって欲しい。 でも金銭的にそれができない人はどうすればいいのでしょう。 前回のメルマガでは、一条工務店i-smartの中古住宅のお話をしました。 既存の家がある人は減築と断熱改修を伴うリノベーションをするという方法もあるでしょう。 新たに中古住宅を購入してリノベーションをする前提の物件選びにおいて、東北エリアで特に有効な１つの方法を紹介します。 それは、古いFP工法、スーパーウォール工法（SW工法）の家。 FP工法はウレタンと木枠をパネル化した断熱材を柱の間にはめこむ工法。1985年に誕生し、東北には1987年に上陸しています。1987年当初の仕様でいうと、一般に100mmのウレタンが柱間に充填されており、※現在は他の厚みのものもあります。天井はセルローズファイバーが200mm以上ブローイングされています。床は硬質ウレタン88mmを組み込んだパネルで枠組工法のようなプラットフォーム工法で床が組まれています。開口は樹脂サッシにペアガラス、玄関ドアは当時、ガデリウスのスウェーデンドアが採用されている事が多かったです。 SW工法は、先述のFP工法の特許が切れた1995年に類似のウレタンパネル工法として生まれ、こちらは60mmのウレタンパネルが入っています。※現在は他の厚みのものもあります。 なぜFP工法に詳しいかというと、菊池組は、北海道生まれのFP工法が1987年に本州に上陸した時の、旗揚げメンバーだったんです。弊社はずいぶん前にやめていますが、1987年当時に普及していた技術では難しい性能を実現しつつ、様々なリスクが回避できる合理的な選択であったと思います。 なぜ、「低スペックでもいいから、なんとか建てよう」はできればやめてほしいと言うのか。 今、現行の省エネ基準というのは、こういった住宅であれば1987年当時でもクリアできてたりするからなんですね。 そして、なぜこれらがリノベーションの素材の中古住宅としてオススメなのかというと、 ・充填断熱部分の性能と、躯体の気密・防湿がおそらく安心なレベルで完結している事。 ・壁体内結露などで躯体が傷んでいる可能性が低い事。 付加断熱なしのFP工法の100mm厚のウレタンパネルの性能は、ツーバイシックスなどの140mmの高性能GW16Kと同程度です。（壁の平均熱貫流率） 付加断熱なしのSW工法の60mm厚のウレタンパネルの性能は、90mm厚の高性能GW16Kと同程度です。（壁の平均熱貫流率） どちらも、光熱費爆上がりした世の中で、これから新たに手を入れて住もうという寒冷地の住宅としては弱いので、外壁の張り替えと合わせて、トリプルガラス樹脂サッシと、耐震診断と補強、付加断熱を合わせて行うためのベース素材として向いていると言えます。 そしてなぜ「古い」ものを勧めているかというと、外壁の張り替え、屋根の葺き替えなどの時期を迎えているけど、それらが直されていないまま、とても安い価格で売られていたならば、「付加断熱」「トリプル樹脂サッシ」「耐震補強」を行う前提であれば都合が良いからですね。 2000年は品確法がスタートし、住宅の品質が確保されやすくなっています。阪神大震災を踏まえた、引き抜き金物の設置など、現在と同じ耐震基準が運用されるようになったのもこの頃ですから、これ以後の住宅の方が安心だと思うかもしれませんが、外壁剥がして、耐震診断し、さらに安心なレベルまで持っていく前提なのであれば、どうせ剥がしてしまう外壁はボロくても安い方がいいですね。 2000年以降は樹脂サッシに収まっているガラスも普通複層ガラスからLow-Eペアガラスになっている物件も増えるでしょうけど、外壁剥がして付加断熱するなら（構造面材もプラスされる場合もあるでしょうし）サッシも樹脂トリプルに変更したい。という事で2000年以前に建てられた、建物のポテンシャルをわからないまま、叩き売りされているような住宅がベストです。 FP工法、SW工法、 もうひとつ似たような工法でジョイコス工法というのもあります。先述のFP工法を開発、全国にパネル販売していたのは松本建工という会社でしたが、これを退社された方が岩手県に類似のウレタンパネル工場をつくり、VC展開を始めたもののようです。こちらは2000年から始まっているようなので、古くて安い物件はまだ出回っていないかと思いますが、もしその中でも古くて安いものが見つかれば、それもリノベ素材として良いと思います。 今挙げた工法の住宅は、どれも基本的には普通の在来軸組工法＋充填断熱なので、改修工事についてはどの工務店でもいじる事ができます。樹脂ボード系断熱材で付加断熱するならば、壁体内結露リスクについては充填のみ（パネルのみ）よりは一般に夏も冬も安全側になります。 施工した会社はもう廃業していたり、その工法を採用していない事も多いと思いますが、他社であっても、その工法をやめてしまった施工会社であっても躯体をさわる改修工事は可能です。 なお、古巣だからと言って贔屓しているわけではないです。別にしがらみはないですし、技術や知識が深まる事により、新築する上でもっと高い性能をもっと合理的に経済的に実現できるようになったからやめているわけですしね。（弊社の場合） そして、寒冷地で新築するならこれらの工法を採用する場合でも絶対に付加断熱した方がいいと思います。付加断熱無しでは、温暖地における、省エネ基準レベルよりも暖房負荷が大きいです。（同じプランで比較した場合） あ、そういえば、お知らせです。↓これの最新号の巻頭特集は、なんと！！https://my164p.com/l/m/IkCdb6rjM5LAsh

玄関も引戸

コスパのよい住宅会社は？

シャノンさんの新商品が。

全館空調は良いのでしょうか？

設計には意図があるよ～

フェンスはいるの？

ルームツアー動画です～

～外を取り込む家づくり～

住宅設計に一級建築士は不要です。

名も無き家事を無くす第一歩はコレじゃないですかね？

花粉症対策に1種換気どうですか？

ブラックです（笑）

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