家づくりを考え始めたとき、「まず誰に相談すればいいのか」は多くの人が迷うところです。ハウスメーカーや工務店に飛び込む前に、AIとの対話が強力な最初の一手になる——今回の家百講座では、プロの工務店目線でその理由と具体的な使い方が語られました。
- 工務店の特定にAIを使うのは不向き・誤情報リスクあり
- AIは「夫婦の価値観・趣向性・予算感」を整理する相談相手として最適
- ChatGPTとGeminiをクロス利用して回答の精度を上げる
- AIで候補を2〜3社に絞り込んでから直接訪問する流れが正解
- 最終的な情報の「仕入れ力」はリアルな工務店が圧倒的に速い
目次
1. 家づくり初心者が最初に直面する「相談相手問題」

1-1. 「どこに行けばいいかわからない」がスタート地点
家づくりを考え始めたご夫婦がまず感じる壁は、「どこに相談に行けばいいかわからない」という問題です。工務店は星の数ほど存在し、ハウスメーカー・設計事務所・地域の工務店と選択肢も多岐にわたります。
北川さんは動画の中でこの点を率直に指摘しています。「どこにお願いしたいかという工務店を決めておかないと、そもそも相談に行けない」——この”ニワトリと卵”状態こそが、多くの家づくり初心者が最初につまずくポイントです。
1-2. Webの情報に「支配」される危険
大沢さんは情報収集のリスクをこう語っています。「最初にWebで情報を集め始めるところから始まるが、この時点ではご夫婦の家づくり知識は極めて少ない。Web情報に最初から支配された状態になる」と。
判断の軸を外側に委ねてしまうのが、受動的な情報収集の怖さです。大沢さんが強調するのは、Webで蓄積した知識を夫婦自身の力に変換すること。そのプロセスを経て初めて、情報に左右されない自分たちの軸が育つというわけです。
2. AIは「工務店探し」には使えない——竹内さんの明快な指摘

2-1. 特定の工務店をAIに聞いてはいけない理由
動画の中で最も明確に語られたのが、「AIで工務店を特定するのは間違い」という点です。竹内さんはこう断言しています。
「どの工務店がいいかとAIに聞くとハルシネーションを起こして、適当な発言をします。工務店の特定をAIでするというのはちょっと間違っていると思うんですよ」
飲食店探しでも閉店済みの店が出てくるように、AIはリアルタイムの事業者情報を正確に把握していません。「その工務店、ググっても出てこないな」を繰り返すだけで、時間を浪費するだけです。
2-2. AIが得意なのは「絞り込みの前段階」
竹内さんが提唱するのは、AIを「価値観・趣向性・予算感の整理」に使うという発想の転換です。「自分たちはどんな家づくりの趣向性があるか」「予算感はどのくらいか」「住むエリアはどこか」「ハウスメーカーと地元工務店のどちらが合うか」——こうした問いに向き合い、自分たちの軸を言語化するプロセスにこそ、AIは力を発揮します。
3. 具体的なAI活用の手順

3-1. 画像・写真をAIにインプットして趣向性を確認する
竹内さんが語る実践的な使い方のひとつが、SNSやインターネットで「こんな家がいい」と思った写真や画像をAIに投げかける方法です。「自分たちはどんなスタイルが合っていますか?ハウスメーカーが合いますか、地元のアーキテクトビルダーが合いますか?」と問いかけることで、夫婦の好みの輪郭が浮かび上がります。
モダンでスタイリッシュが好きなのか、自然素材系なのか、イタリアンモダンなのか——画像ベースでAIと対話を重ねることで、それまで言葉にしにくかった好みが少しずつ明確になっていきます。
3-2. 予算・ローン・エリアもAIで先に整理する
資金計画についても、AIは強力なツールになります。竹内さんは「月の返済がこれくらいで、何年ローンで、ボーナス返済はどうするかまで全部出てくる」と語っています。以前は専門の資金計画ソフトが必要だった試算が、今はAIとの対話だけで可能になりました。
「このエリアで、予算はこのくらい、ローンは何年で」という条件を先に整理しておけば、工務店を訪問したとき営業トークに振り回されず、自分たちの軸を持って話を進められます。
3-3. ChatGPTとGeminiをクロスさせて精度を上げる
竹内さんが強く推奨するのが、ChatGPTとGeminiをクロス利用する方法です。同じ質問を複数のAIに投げかけて回答を比較・照合することで、情報の精度が上がります。
「ジェミニとChatGPT、私はClaudeはあまり使っていないんですけど、ChatGPTの結果をクロスさせて対話してください」
ひとつのAIの回答を鵜呑みにせず、複数で検証する姿勢が情報の質を高めます。
4. AIで価値観を絞り込んだ後にすること

4-1. キーワードでのネットサーフィンが次のステップ
AI対話によって「自分たちが求めるものの言語化」が進んだら、そのキーワードを手がかりにした検索へ移行します。竹内さんが挙げた例では、「パッシブハウス」「自然素材」といったキーワードが出てきたら、それで工務店のホームページや施工事例を探し、「こんな家がいいな」という候補を絞り込んでいく流れです。
4-2. 候補を2〜3社に絞ってから直接訪問する
工務店への訪問前に候補を2〜3社に絞ること——これが竹内さんが語る一連の流れのゴールです。先に絞り込んでから会いに行くことで、フィーリングや予算感が合うかどうかを冷静に判断できます。何も準備せず飛び込んでしまうと、北川さんが指摘するように「一般の方では気づかない落とし穴にはまってしまった後では取り返しがつかない」事態になりかねません。
5. AIと工務店それぞれの「得意領域」

5-1. AIは「営業されない相談相手」
竹内さんがAIの最大のメリットとして挙げたのが、「売り込みがない」という点です。
「AIはね、聞きたくない話もバッと答えてくれますから。人に知られずに、プライバシー設定はオフで質問された方がいい」
総合住宅展示場に足を運べば必ず営業が入ります。自分たちの価値観や予算が本当に合っているかどうかを正直に教えてくれる人はいません。AIはプライベートかつ忖度なしに答えてくれる、その点が大きな強みです。
5-2. リアルタイムの現場情報は工務店が圧倒的に速い
一方で、清水さんは工務店の強みをこう語っています。「工務店の人間って毎月仕入れをしているので、そういった情報も一番早い。ハウスメーカーの営業の方はちょっとわからないですよね、やっぱり仕入れ担当が別にいるので」。
資材価格の変動や建築コストのリアルな最新情報は、AIよりも現場で毎月仕入れをしている工務店の方が正確です。コロナ禍以降の建築費高騰のような急激な市況変化が起きると、AIの学習データが追いつかないケースも出てきます。
5-3. 「AI対話→自力でのネット収集→工務店訪問」の三段階
清水さんはこの流れを整理して「作り手の時で、実際現場に出ている人たちに投げかけていただくと、きっとAIよりもまともな回答が得られると思います」と語っています。AIはあくまで準備段階の相談相手であり、最終的な判断は現場を知る工務店との対話によって深まります。
6. よくある質問

Q. AIに「近くで自分たちの好みの家を建ててくれる工務店を教えて」と聞いてもいいですか?
A これは竹内さんが明確に「間違い」と語っています。AIは特定の工務店情報を正確に把握しておらず、誤った情報(ハルシネーション)を出す可能性が高いです。工務店の特定はAI対話後のネットサーフィンや、SNS・YouTubeでの施工事例確認で行うのが正しい順序です。
Q. どのAIを使えばいいですか?
A 竹内さんはChatGPTとGeminiをクロスして使うことを推奨しています。同じ質問を複数のAIに投げかけて回答を比較することで精度が上がります。ひとつのAIだけに頼るより、複数で検証する姿勢が重要です。
Q. 資金計画もAIで調べていいですか?
A 竹内さんは「月の返済額、借入額、ローン年数、ボーナス返済の有無まで全部出てくる」と語っており、資金計画の概算整理にはAIが非常に有効だとしています。ただし最終的な正確な試算は、金融機関や工務店に確認することが必要です。
Q. AIで絞り込んだ後、工務店には何社くらい訪問すればいいですか?
A 竹内さんは「2〜3社程度に絞ること」を目安として語っています。AI対話とネットサーフィンで候補を絞り込んだ上で直接会い、フィーリングや予算感が合うかどうかを確かめる流れが理想的です。
Q. AIより工務店に直接相談した方が早くないですか?
A 北川さんは「最初からどこかに行って途中でいろんな落とし穴にはまってしまうと取り返しがつかないことがある」と語っています。AIで先に価値観・趣向性・予算感を整理しておくことで、工務店訪問の質が大きく上がります。準備なしの飛び込みは、かえって遠回りになるリスクがあります。
家づくりにおけるAI活用の具体的なシーン、つくり手たちのリアルな声、そしてAIと工務店をどう組み合わせるかの全体像は、動画ではさらに詳しく語られています。より詳しく知りたい方はぜひ動画をご覧ください。
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