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「手仕事」が生み出す、確かな品質と心地よさを届けたい
ハンドワークハウス (株式会社 田村建設)

「手仕事」が生み出す、確かな品質と心地よさを届けたい

2021年9月1日

ー本日紹介するのは、広島県広島市にて工務店を経営されている田村さん。田村さんの工務店「HAND-WORK HOUSE(田村建設)」では、時間をかけて培ってきた職人さんの技術を生かした「手仕事」の家づくりを行っている。また田村建設は、地元「沼田町」で50年以上もの間、地域の工務店として家づくりを行ってきた歴史と信頼のある会社だ。

今回はそんな工務店「HAND-WORK HOUSE(田村建設)」の田村さんに、「手仕事」へのこだわりや、ご自身の建築観、家づくりにおいて大切にされていることなどについてお伺いした。

「手仕事」の先にある心地よさを届けたい

田村さんは2019年、田村建設の3代目として社長に就任された。田村さんのお父様の代までは「田村建設」として家づくりを手掛けられていたそうだが、田村さんの代から「HAND-WORK HOUSE(ハンドワークハウス)」という新しい名前で、家づくりをされるようになったそうだ。そして、この新しい名前「HAND-WORK HOUSE」には、田村さんの家づくりに対する思いが込められている。

田村さん(以下田村)HAND-WORK HOUSEの「ハンドワーク」には、「手仕事でモノをつくっていくことを大切にしたい」という想いが込められています。田村建設はもともと大工であった祖父が始めた建設会社。そのため、祖父や父の代からのお弟子さんや職人さんがずっと続いています。私たちの考える家づくりは、職人さんたちが誇りに感じられる家づくりです。ひとつひとつの家にじっくりと時間をかけ、こだわりを持ってお仕事をしていただける職人さんに家づくりをお願いしています。

工務店の仕事は、もちろん良質な住宅をつくり、お客さまに提供すること。ですがそれ以外にも、これから先も家づくりを継続していくために、職人さんを育てる、大事にしていく、職人さんが家づくりを持続できる環境を整える、ということも私たち工務店の仕事だと考えています。職人さんが、どのような仕事をしてくれるのかで家の仕上がりは大きく変わってきます。彼らが誇りをもって仕事ができるような環境にすることが、結果としてお客さまに良い住まいを提供できるということに繋がってくると考えているのです。

工務店の名前にも「HAND」という言葉が入っているように、田村さんの、職人さんを大切に想う気持ちが、お話からとても伝わってきた。そんな田村さんのもとで働く職人さんたちが気持ちを込めてつくった家には、既製品にはない良さがたくさん詰まっていそうだ。

田村:私たちが考える「手仕事」とは、職人さんたちが1つの作業を前にして「どうしたら綺麗に仕上がるだろうか」「こうすれば長持ちするだろうか」頭を悩ませながら、知識や経験をすべて活かし、最良の結果を出していく仕事のこと。ただ単に、手を使って作業をこなしていくこととは異なります。丁寧に心を込めて仕事を行うため、時間も手間もかかりますが、確かな手仕事でつくられた家には、目には見えない細部までこだわった確実な品質があるのです。それは数値では表せない、隠れた性能だと私たちは考えています。そして本物の素材を使って、手仕事でつくられた家からは、既製品でつくられた家にはない安心感や温かみ、心地よさが生まれるのです。私たちはお客さまに、そのような「手仕事」の先にある心地よさを届けたいと考えています。

家も家族と同じ時を過ごすパートナー

私には、家づくりをされる方に「永くその家を愛してもらいたい」という想いがあります。「いい家」の答えは、家を建てる人や条件によって変わってくるので、一つには搾れるものではありません。ですが、一点だけ挙げるとすれば「家族が大切にできる家」。すごく愛着を感じていただける家が、いい家なのではないかなと思います。旅行から帰ってきたとき、仕事から帰ってきたときに「ほっとするね」「やっぱり家が一番だね」と思えたり、家が傷んできたときにも「直してあげようよ」と気づいてあげたり、家のことが好きであれば居心地よく感じるものですし、大切にしてあげたくなるものではないでしょうか。

少し話が変わるのですが、今はスマートハウスと呼ばれるものがありますよね。IOT技術によって電気をつけたり消したり、電力を見える化してくれたりするなどの機能を持つ家です。これから先、そのような技術がどんどん発達すると、家の人格をつかさどるAIのようなものができてくると思います。そうすると、家に対する愛着がグンと増すと思うんです。

ペットのように家に名前がつき、「ジョージ(家)が困ってるから直そうよ」などと言う未来が来るかもしれません。そのように、家を家族の一員として接するようになることが、愛着の終着点のようなものだと考えています。家も、家族と一緒に毎日を過ごしていくパートナーのような存在になる。そのように愛着を持ってもらえるような家が理想の家ですし、そう感じていただけるような家づくりをしていけたらなと考えています。

ともに家づくりを楽しむ。

ーHAND-WORK HOUSEの家づくりには「家はひとつひとつ違うもの」という考え方がある。家族にぴったりの心地よい家をつくっていくために、大切にしていることがあると田村さんは語る。

お客さまと一緒に、家づくりを楽しむということを大切にしています。家はひとつひとつ違うものですし、10人いれば10通りの違った家ができるもの。お客さまにとって理想の家に近づけるためにも、まずはお客さまの話をよく聞き、それぞれに合った家づくりを提案させていただきます。そして一緒にプランや、自分たちの理想の暮らし方について考えたり、色んな方法で家づくりに参加していただいたりしながら、「ここはもっとこうだよね!」「こっちがいいよね!」というふうに、前向きに家づくりを楽しんでいただきたいですね。私自身も一緒に楽しんでやりたいという想いもあります。

ーそんな田村さんに、心に残っているお客さまとのエピソードをお伺いしてみた。

これはお庭の話になるのですが、ご夫婦で来られたお客さまがいらっしゃいまして、旦那さまと私で「やっぱりお庭っていいよね!やろうやろう!」と盛り上がっていました。

ですが、奥さまはずっとマンション暮らしをされていた方で「お手入れとか、葉っぱ拾いとか大変でしょう?」とあまり乗り気ではなかったのです。最終的に旦那さまの後押しもあり、奥さまを説得する形でお庭を取り入れることになったのですが、驚いたことに反対をしていた奥さまが、一番お庭のお手入れを楽しまれるようになったのです。

ハーブを植えたり、バラを咲かせたりして、お庭を満喫されているということをお聞きしたときは、とてもうれしかったですね。奥さま自身も「まさか自分が庭を楽しむようになるなんて!」と驚かれていました。

お庭を楽しむ余裕を持つ。

愛着を持って建てた一軒家だからこそ、新たに発見できた生活の楽しみ方ではないだろうか。昔の奥さまのように、賃貸マンションだとどうしても「お庭を手入れしたい」という気持ちにもなりにくい。お家とともに、新しい暮らし方や趣味を見つけていけるというのは、一軒家の醍醐味でもある。

家づくりは多くの人にとって一生に一度の大きなイベント。

家を建てる際には、ぜひいろんな形で参加していただいて、とにかく家づくりを楽しんでいただきたいなと思います。もちろん、しんどいことや悩むことも沢山あるかと思います。ですが、そこをほんの少し頑張って、楽しむことができれば、その分いい家になるはずです。ぜひ、つくり手と一緒に楽しんで、一生懸命に家づくりをしていただきたいですね。また、つくり手を選ぶ際には、ハウスメーカーでも地域の工務店でも、自分に合う担当の人を探してください。信頼できそうな人、苦楽を共にできそうな人と家づくりをすることが、家づくり成功へのカギだと私は思っています。

(2021/06/07 取材:平井玲奈 写真:家づくり百貨)