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自然素材で五感をくすぐる「+」の家づくり
エンズホーム

自然素材で五感をくすぐる「+」の家づくり

2021年4月2日

「五感に訴えかけるような家は、人々に豊かさを『+』してくれます。」

ーそう語るのは、愛知県で家づくりをされているエンズホームの小縣さん。「エンズホーム」では、「手の届く、低燃費で長持ちする家+」というコンセプトを掲げ、価格や省エネ、そして「+」にこだわった家づくりをしている。

今回はそんな小縣さんに、エンズホームの「+」とはなにか、小縣さんの考える「いい家」とはどんな家なのか、「長持ちする家」とはどのような家なのかについてお伺いした。

五感をくすぐる「+」の家づくり。

エンズホームの掲げる「手の届く、低燃費で長持ちする家+」、この言葉にはどのような意味や想いが込められているのだろうか。

小縣さん(以下小縣)僕たちのつくる家は「手の届く、低燃費で長持ちする家+」。「手の届く」には、家づくりにおいてその費用が手の届く価格帯であることが大前提であるということ。

「低燃費で長持ちする家」には、目先の金額がただ安ければいいのではなく、長く生活をしていくうえで無駄なエネルギーを使わないような住宅をつくりたいという想いと、生涯のメンテンナンスコストも意識していきたいという想い。そして「+」には、各家庭の価値観や住まい方などの個性をプラスしていきたいという考えがあります。

僕たちにとって高気密・高断熱な家であること、耐震性能がきちんとしていることは最低限で当たり前のこと。そのうえでどうお客さまの個性を「プラス」ていくのかが大切だと考えています。

目指すのは「五感をくすぐる快適な家」

人は、五感のどれかにストレスを感じてしまうと、どれだけその家の他の面が良くても、不快に感じてしまいます。先ほどの話にも繋がりますが、隣から音の聞こえる家、化学物質のニオイがする家、窓からの景色が美しくない家、「だけれども数値はいいです!」という家には誰も住みたいとは思わないですよね。一つでも五感にとって不快な要素があると、すべてが残念になってしまいます。

一方で、ここに窓を設置すればこんな景色が見えて暮らしが豊かになりますよ(視覚)、無垢の木からは落ちつくようなにおいがしますよ(嗅覚)、無垢のフロアを歩く音は優しくて心地いいですよ(聴覚)、床や壁などの肌触りが気持ちいいですよ(触覚)など、最後に(味覚)は、無機質な空間で食べるおにぎりよりも、仲間や家族とピクニックで食べるおにぎりが美味しいと感じる、あの感覚です。五感に訴えかけるような家は、プラスの「豊かさ」を人々に与えてくれます。

このような情緒的な要素と、理論的な数値の要素が両立された家が「いい家」なのではないでしょうか。

ー情緒的な要素と、理論的な要素。家を建てるときに、つい理論的な「数値」にこだわってしまう人は多いのではないだろうか。家づくりにおいて情緒的な要素や「+」の要素も大切だと語る小縣さんに、私たちはこの「数値」とどう向き合っていけばよいのか、ご自身の考えをお伺いした。

事務所と併設しているアウトドアショップ

小縣:数値は「あいさつ」代わりみたいなものだと僕は思っています。

多くのお客さんが「UA値いくつですか?」「C値いくつですか?」などと口に出されるのですが、その数値は人間でいう「おはよう」や「こんにちは」とかその程度のもの。ないと少し印象が悪くなる。

けれども挨拶をするって当たり前のことですし、わざわざアピールするようなものではありません。数値が特別いいからといって、快適な家かというとちょっと違うんです。人間も同じで、挨拶がきちんとできるからといってその人が特別なわけではありませんよね。

数値を男性の年収で考えていただいても分かりやすいかと思います。

例えば、男性の年収が低すぎると女性は心配ですし、かといって高年収だからといって、人間性を無視して結婚するとは限りません「数値」はあくまで一つの判断基準。

「絶対ではないけれども、無いよりあったほうがいいよね」ぐらいのものなのです。それだけが幸せのモノサシとは考えていません。

ー年収の例えがとても面白く、つい大きく頷いてしまった(笑)高年収だけれども性格がとても残念、高年収だけれども話が全く合わない、だと結婚したいとはやはり思わない。かといって働いていないと困る。かたや高年収(=高数値)ばかりにこだわる人もいる。年収(=数値)ばかりにとらわれると、大切なことを見失いそうだ。

いい家を建てることで、大切にする気持ちも生まれる。

ーエンズホームのコンセプトには「長持ちする家」というワードがある。多くの一軒家は、平均53年で取り壊されるようだが、さらに長持ちする家を建てたい場合、私たちはどのような選択をすべきなのだろうか。

小縣:家が長持ちするかどうかは、家の躯体を腐らせない事と、メンテナンスをどれだけするかによって変わってくると思います。躯体とは家の柱や梁、土台などの骨組みの事です。この腐食を防ぐには壁内結露計算をする事としっかり断熱材を隙間なく施工する事が大切です。きちんとメンテナンスをすれば、100年単位で住むことも可能です。車でも同じことですよね。500万円の車を買ったとしても、洗車やオイル交換をしなければそのうちダメになります。家は車以上に高価な買い物なのに、みんなメンテナンスをあまりしないんです。

そして長持ちする家にするのであれば、大前提に論理的に家を建てること。

ここで言う論理的とは温熱性能や耐震性を担保する事を指します。次に、よい素材や自分の好きなモノを組み込んで建てる。自分の【好き】が詰まった家を、建てた人はより大切にします。

自分の好きなものだという認識があればあるほど、丁寧に扱いますし、当然愛着もわいてくるもの。安くてそこそこの家をポンっと建てても、気持ち的にどこか大切にできず、あとあとのメンテナンスを怠ってしまうんです。

そもそもの話になってしまうのですが、安くていいものなんて、僕はないと思っています。長持ちさせたいものに対して安さを求めると、絶対にどこかで安い素材を使わないといけなくなるんです。

だから安いものに対して、長持ちとかそのようなものを求めるのは、少し違うかな?という気がします。手が届く価格帯でよい素材を使い、いい家を建てれば、大切にメンテナンスする気持ちも生まれ、結果的に長持ちするのではないでしょうか。

建てた瞬間の喜びだけでなく、建ててからもきちんと家と向き合い、家も「一緒に暮らしていく」ということを忘れないようにしていきたい。5年10年20年と、大切なマイホームも人間と同じで「生きている」という意識で向き合うことが大切だ。

メリットとデメリットは表裏一体。

「ともに考え、ともに家づくりをしていく。」

ー小縣さんが家づくりにおいて大切にされていること、それはお客さまとの関わり合い方だそうだ。どのようにして小縣さんは、お客さまとの信頼関係を構築されているのかお聞きした。

小縣:お客さまとの関わり合いのなかで、大切にしていることは2つあります。1つ目は「正直である」こと。あたかも自分のつくるものが一番かのように伝えたり、オーバートークをしたり、デメリットを伝えなかったり、という事が無いように気を付けています。

僕はメリットとデメリットは表裏一体だと考えています。

良いこともお伝えしたら、そこから起こるデメリットの話をしたり、違う側面からの話もお伝えしなければなりません。お客さんとしても、良いも悪いも両方の情報を得たうえで判断していただかなければ、一緒に家づくりをしている感覚にはなれないと思います。その上で、価値観の一致も大切にしたいです。

2つ目は「強引に話を進めない」こと。

「目の前のお客さんが何かに迷っているな」と感じるときは、その引っかかりが解決するまで次のステップには進めません。わだかりがあるまま家づくりを進めてしまうと、お客さまにとってずっと変な思いが残ってしまうことになるんです。建てるまでのプロセスも家づくりの思い出になるといいなと思います。お客さまは単純に「家」だけが欲しいのではないと思います。

ー最後に、これから家づくりを検討される世代の方へメッセージをいただいた。

まず第一に、情報に左右されすぎず自分を見失わないこと。

他人の価値観に左右されることがないよう、色んな所で家づくりに関する情報に触れてください。自分が最終的に選んだ選択肢が間違ってなかったと思えるくらい、一通り勉強したほうがいいと僕は思っています。そうでなければ、どこかで家づくりの軸が揺らぎかねないからです。

家づくりに関する勉強をする際の大切なポイントがあります。

それは「自分と反対意見にも耳を傾ける」こと。

人間は無意識に、自分と同じような意見を探すために情報収集をすることが多いものです。そうでなく、あえて自分と反対の意見にも耳を傾ける余裕を持った方がいいかもしれません。

ある一方からの意見で家づくりを決めてしまった場合、違う意見が入ってきたときに凄く心が揺れ動くと思うんです。両極からの視点で家づくりを見ることで、結果的に自分の選択により確信を持てるようになります。

家づくりを考えられている皆さんは、初めは大手のハウすメーカーに行かれると思います。そうすると、家の大きさや性能に関しての捉え方が、ハウスメーカー基準になってしまうんです。

「家は大きくなければいけない」「小さい家はダメ」というように、植えつけられてしまう。その気持ちも分かるのですが、「小さい家」と「狭い家」は違うということを知っていただきたい。

窓からの視線の抜け方一つで、広く魅せることもできますし、スペースの使い方一つで、広く感じる家にすることもできます。

先ほどの話にも通じますが、一方の意見だけを取り入れてしまうと、「広さ」や「性能」それだけが価値というような捉え方になってしまいます。

だけれども本当に大切なのは、大きさや性能だけではなく、そこで家族がどんな時間を過ごせるか。それを見失ってはいけません。つねにニュートラルな状態で、家づくりに関しての勉強をし、ありとあらゆる意見を知ったうえで、自分たちの軸や価値観に合った家づくりをしてほしいです。

(2021/6 /7 取材:平井玲奈 写真:家づくり百貨)