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家族に住まいという「宝箱」を届ける
株式会社高橋工務店

家族に住まいという「宝箱」を届ける

2021年8月31日

―「家づくりは、笑顔溢れる『幸せと暖かさを包む宝石箱』をつくるお手伝い」。そう語るのは、京都・山科において親子4世代にわたり工務店を営まれている高橋さん。

高橋さんの経営される「高橋工務店」では、高断熱・高気密に特化し、京都の街並みにマッチした快適な家づくりを行っている。今回はそんな高橋さんに、高橋工務店の“こだわり”についてお伺いした。

お客さまに喜んでいただける幸せ

―長年、家づくりをされてきた家系に生まれた高橋さん。意外にも、幼い頃はあまり建築に興味はなかったそうだ。そんな高橋さんは、どんなきっかけで家づくりに携わられるようになったのだろうか。

高橋さん(以下高橋):高橋工務店は、曾祖父の代から京都で長年家づくりをしてきた工務店ですが、正直なところ若い頃は家づくりにほとんど興味はなかったんです。

「絶対に家の仕事はしない」なんて思っていたのですが、ちょうど僕が就職活動を開始し始めた頃、世の中は就職氷河期。働かずに何もしないでいるのも気が引けたので、家業を手伝うことになりました。そんな僕が「家づくりを一生の仕事にする」と決意したのは、あるお客さまとの出会いがきっかけ。

その当時、僕には3つ年上の兄弟子がおり、その兄弟子の下につき、60代のお施主様の家づくりをすることになったんです。そしてその家が完成したとき、まだまだ工務店で働き始めて間もなく、仕事がほとんどできなかった僕に対し、そのお客さまは「ありがとう!ありがとう!」と涙を流しながら感謝してくださりました。

今まで悪さをして親を困らせて泣かせたことはありましたが、誰かを喜ばせて涙を流していただいた経験がなかったので、ものすごく感激しましたね。そして、この仕事をずっと続けていきたいと心から思うようになったんです。今でも、お客さまの喜びの声が一番の励み、そして僕自身の喜びになっています。

長持ちし、愛着のわく家をつくる

高橋:しばらくの間、実家の工務店で大工見習として働いていたのですが、「これだけではだめだ、もっと家づくりを勉強しなければ」と思い、他社で働くことを決意。関西のハウスビルダーさんで現場監督として働くことになりました。

そこでは数年間働かせていただき、非常に勉強になった反面、お客さま第一の家づくりができないことにジレンマを抱えるように。「ここをもっと大きくしたら、丈夫な家になるのにな…」と僕が思っても、コストや基準が厳しく管理されていますから、顧客第一の家づくりをさせてもらえなかったということが度々ありました。

何百件と家を建てましたが、ビルダーさんの規定に則って家をつくっているだけでしたので、当時の僕には“こだわり”のようなものはありませんでした。

―他社で学ばれた高橋さんは、家業に戻られ、当時注目されていたリフォーム業に注力。そこでも新たな発見があったそうだ。

高橋:リフォーム業では、築何十年の建物の壊れ方や、腐り方を自分の目で見ることができ、たくさんの発見がありましたね。「ここの処理をこうしたら、さらに長持ちする家になる」「水の処理はこうしたほうが良い」といった内部構造が、非常によく見えてくるようになりました。

また、長持ちするいい家を建てるには、可能な限り自然素材を取り入れた建物のほうが良いことにも気づきました。やはり工業製品でできたフローリングや外壁、内装はすぐにボロボロになってしまうんです。メンテナンスでお金を使ってもらうために、あえてそういった劣化する素材が使われている可能性も否めません。実際に、古き良き京都の街並みを見渡してみると、無垢板を使った築100年以上のお家やお店が当たり前のように残っていますよね。

もちろん定期的なメンテナンスは必要ですが、それでも工業製品を使ったお家よりは少ない回数・価格で済むのではないでしょうか。杉板などの自然素材を取り入れたお家のほうが長持ちもしますし、きっとそのぶん愛着もわきますよ。

住まいという「宝石箱」をお届けする

―「『幸せと暖かさを包む宝石箱』をつくる」。高橋工務店は、このような言葉をコンセプトに掲げ、家づくりを行っている。この言葉には、高橋さんのどんな思いが込められているのだろうか。

高橋:僕たちは「幸せ」という宝石を直接的につくることはできません。ですが、幸せを育んでいけるような空間「宝石箱」をつくることはできると思っています。

あたりまえかもしれませんが、家づくりは僕らのエゴで進めてはいけません。「僕がつくった家いいでしょ?」「僕がつくったかっこいい家に住みなさい」という考え方ではダメだと思うんです。工務店はあくまで“サブ”的な存在。お手伝いをするのがあくまで僕らの仕事。

家づくりは、お父さん、お母さん、子供たち…「家族」がいて成り立ちます。例えば、他の人にとっては住み心地の悪い家だったとしても、そのご家族にとってその家がベストなのであれば、それは紛れもなく「いい家」。

そこに住まうご家族が、一番幸せに暮らせるプランを提供する。それが僕ら工務店の仕事だと思っています。

ご家族としっかりと向き合い、ご家族にとっての良い家をつくるためには、「腹を割って話すこと」は欠かせません。

ときには厳しい意見を伝えることもあるかもしれませんが、本音ですべてをさらけ出さないと、きちんとしたヒアリングはできないと思っています。なのでお客さまも、僕に対してなんでも意見してほしいですね。

少しでも僕の人柄や、本当の姿が伝わるよう、日常生活を記したインスタやFBなんかもやっています。最近ではラーメンばっかり映しているので、「またラーメン食べてる!(笑)」って突っ込まれたりもするんですけど、そういうところからも僕の人となりを知っていただけたらなと思っていますね(笑)

また、京都には「景観条例」と呼ばれる、家づくりにおいての決まりごとがあります。

京都の街並みを壊さないために建物の条件が細かく定められていたり、火事に強いお家をつくらなければならないだったり、炎が広がらないように木を見せてはだめだったり、本当に沢山の決まりがあるんです。

特殊な住宅事情の中で、お客さまにとって何がベストなのか一生懸命考えながら、日々改良に改良を重ねさせていただいています。

―最後に、これから家づくりをされる方へ向けて高橋さんからメッセージをいただいた。

高橋:「一生懸命働いて、ぜひ良い家をつくってください!」これが一番に伝えたいことですね。

世の中にはたくさんの工務店さんやハウスメーカーさんがありますから、妥協しようと思えばいくらでも安い家は建てられると思うんです。

だけれども一生懸命働いて建てた最高のお家と、安く建てたお家では、満足度や住み心地、耐久年数、断熱気密、何もかもが違ってきます。家は一生ものです。後悔がないように、たくさん働いて、お金を貯めて、妥協ナシの最高の家づくりをしてください!

(2021/09/21 取材:平井玲奈 写真:家づくり百貨)