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「耐震等級1でも十分です」っていう馬鹿な設計士が言うのはなぜなのか?
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「耐震等級1でも十分です」っていう馬鹿な設計士が言うのはなぜなのか?

2024年12月7日

家づくりを検討する際、あなたは「この家が本当に地震に耐えられるのか?」という不安を抱いたことはありませんか?地震大国・日本において、安全な住まいを選ぶことは、家族の命と財産を守る上で欠かせない要素です。

先日スレッズをみていたらこんな投稿がありました。

正直まだまだこんな業界である事が情けなく思えてきます。まだ一部の建築士が「耐震等級1でも十分」と言い切ってしまう現状があるのをご存知でしょうか?これは建築基準法の誤解や、コスト優先の姿勢によるもので、結果的に多くの施主がリスクを知らないまま家づくりを進めてしまう可能性があります。

本記事では、住宅性能表示制度や耐震等級の詳細を解説し、さらに安全な住まいを選ぶための具体的な基準をご紹介しています。耐震性能に関する知識を深めることで、あなたの家づくりを成功に導く一助となるでしょう。

この記事を読むことで、なぜ耐震等級3を選ぶべきなのかが明確になり、安全性と快適性を兼ね備えた住まいを手に入れるためのヒントを得られます。最終的に、「耐震等級1でも十分」と軽率に発言する建築士のリスクを回避し、信頼できるパートナーを見つける方法が分かるはずです。

安心と安全を両立する家づくりの第一歩は、正しい情報を知ること。今すぐ本記事を読み進め、家族の命と財産を守る住まい選びを始めてください。

この記事の結論はこちら
  • 耐震等級1は最低限の基準であり、命を守るだけで家族や財産を十分に守れる基準ではない。
  • 耐震等級3を選ぶことで、地震による被害を最小限に抑え、安心して暮らせる住環境を得られる。
  • 耐震等級1でも十分」と発言する設計士はリスクが高く、そのような建築士とは家づくりを進めるべきではない。
  • 耐震性能を高めることは、命や財産を守るだけでなく、保険料の割引や資産価値の維持にもつながる。
  • 信頼できる建築士を選び、耐震等級や設計手法について正確な情報を得ることで、後悔しない家づくりができる。

1. 耐震等級とは何か

1-1. 耐震等級の基本的な定義

耐震等級とは、建築物の耐震性能を表す指標であり、建物が地震に対してどの程度の耐久性を持っているかを数値化したものです。日本では、住宅性能表示制度に基づき、耐震等級は1から3の三段階で定められています。

耐震等級1は建築基準法を満たす最低限の基準であり、大規模な地震で倒壊や崩壊しないことを目指しています。一方、等級3はその基準の1.5倍の耐震性能を有する建物を指します。

これらの等級の違いは、建物の強度や安全性だけでなく、建築コストや設計にも影響を与えるため、設計士や施主が特に意識すべきポイントです。

特に、日本は地震が多発する国であるため、耐震等級の適切な選択は、生命や財産を守る重要な鍵となります。

そのため、耐震等級を軽視することは避け、建物の利用目的や居住者の安心感に応じた選択をすることが必要です。

1-2. 耐震等級1から3の違い

耐震等級1から3は、それぞれ建物の耐震性能の強度に差があります。耐震等級1は、建築基準法に定められた最低基準で、大地震が発生した際に倒壊や崩壊しないことを目的としています。

耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の耐震性能を持つ建物を指します。これは、学校や病院など、多くの人が集まる施設にも適用される基準です。

耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の耐震性能を持つ建物を示し、警察署や消防署など、地震災害時に重要な機能を維持する必要がある建物に適用されます。

等級が高いほど、建物の設計や施工に工夫が求められますが、居住者の安全性や建物の資産価値が向上するメリットがあります。

耐震等級を適切に選ぶことで、地震が発生した際の被害を軽減し、安心できる住環境を提供することが可能です。

1-3. 日本の建築基準法と耐震等級

日本の建築基準法は、地震大国である日本において建物の安全性を確保するための最低限の基準を定めています。この法律の基準を満たす建物は耐震等級1に相当します。

建築基準法では、数百年に一度発生する大規模地震において建物が倒壊せず、生命を守ることを主な目的としています。しかし、この基準は「壊れない」ではなく「致命的な崩壊を避ける」という最低限のものに過ぎません。

一方、住宅性能表示制度により、耐震等級2や3の建物は、建築基準法よりも厳しい基準で設計されており、災害時の被害を大幅に軽減できる可能性があります。この制度は消費者が選択肢を持つための指標となっています。

耐震等級1が「最低限」である一方、等級2や3の建物は地震後の生活再建や被害コストを大幅に軽減できるため、多くの専門家は可能な限り高い耐震等級を選ぶべきと推奨しています。

これらの点を総合的に考えると、一般的には耐震等級3を勧めるのが正しい建築士の姿と言えます。耐震等級3は最も高い耐震性能を持ち、家族の安全を最大限に守るだけでなく、建物の資産価値や災害後の復旧の迅速性にも寄与します。

2. 耐震等級の重要性

2-1. 耐震性能と地震被害の関係

耐震性能は、建物が地震に対してどの程度の耐久力を持つかを示します。日本は地震が多発する国であり、その被害の大小は耐震性能に大きく依存します。

地震の際、耐震性能が低い建物では、壁のひび割れや柱の損傷などの軽微な被害にとどまらず、建物全体が倒壊する可能性もあります。一方、耐震等級が高い建物では、同じ規模の地震でも被害を最小限に抑えることができます。

特に、耐震等級3の建物は、災害時の避難場所としても使用できるレベルの安全性を有しており、地震後の安心感に繋がります。

地震による建物の被害が甚大であれば、復旧コストが膨らむだけでなく、住む人の精神的な負担も大きくなります。そのため、耐震性能を高めることはリスクマネジメントの観点からも重要です。

耐震性能を向上させることは、一時的なコスト増につながることもありますが、長期的に見れば地震被害による修繕費や精神的な負担を軽減する効果があります。

2-2. 家族や財産を守るための耐震等級

地震が発生した際に家族の安全を守ることは、住宅設計において最も重要な目標の一つです。耐震等級はその実現に大きく貢献します。

耐震等級1の住宅では、建物の倒壊を防ぐことを最低限の目標としていますが、内部での家具の転倒や一部の損傷が発生する可能性は避けられません。一方で、耐震等級3の住宅では、これらのリスクが大幅に軽減されます。

財産の面でも、建物が被害を受けると修繕費が発生し、場合によっては居住不能になり、生活再建が必要となる場合があります。耐震等級が高い住宅は、こうしたリスクを回避する助けとなります。

地震後に家族が避難所で長期間生活を余儀なくされるケースは、精神的な負担が大きいものです。耐震等級3の住宅であれば、地震後もそのまま自宅で生活を続けられる可能性が高まります。

家族や財産を守るためには、耐震等級を軽視せず、より高い基準の住宅を選ぶことが、長期的な安全と安心につながる重要な要素となります。

2-3. 耐震等級と保険や資産価値の関係

耐震等級は、地震保険や建物の資産価値にも大きく影響します。特に耐震性能の高い住宅は、保険料が割引される制度があるため、長期的な経済的メリットをもたらします。

日本の地震保険では、住宅が耐震性能を証明する書類を持つ場合、最大で50%の保険料割引が受けられることがあります。耐震等級3の住宅であれば、この割引を受けられる可能性が非常に高くなります。

また、不動産市場では、耐震等級の高い住宅は資産価値が維持されやすく、将来的な売却時にも有利な条件で取引されることが期待できます。これは買い手が安全性を重視するためです。

反対に、耐震性能が不十分な住宅は、購入希望者が敬遠する傾向があり、資産価値が下がる可能性があります。耐震等級は、住宅を選ぶ際の大きな判断材料の一つとなっています。

以上の理由から、耐震等級を高く設定することは、災害リスクの軽減だけでなく、経済的な観点からも非常に重要な判断となります。

2-4. 高い耐震等級を選ぶメリット

耐震等級を高く設定することは、建物の安全性向上だけでなく、様々な面でメリットをもたらします。これは、住宅を所有する際の長期的な安心感と経済的価値に直結する重要な要素です。

第一に、高い耐震性能を持つ住宅では、地震が発生した際に倒壊や重大な損傷のリスクが減少します。これにより、建物の修繕費を大幅に削減でき、居住者の生命も確実に守ることができます。

第二に、災害後の生活の安定性が確保されます。耐震等級3の住宅は、地震後もそのまま生活を続けられる可能性が高いため、避難所生活を避けることができ、精神的な安心感も得られます。

2-5. 許容応力度計算した耐震等級3が必須になる時代がくればいいのに

現在、多くの住宅は簡易的な壁量計算で設計されていますが、より高度な「許容応力度計算」を用いて耐震等級3を取得することが、将来的に住宅設計の基準となるべきです。

許容応力度計算とは、部材や接合部にかかる力を綿密に計算し、建物全体の強度を正確に評価する設計手法です。この方法を採用することで、地震時の安全性が格段に向上します。

もし全ての住宅が許容応力度計算に基づいた耐震等級3を標準とする時代が来れば、多くの人々が地震から守られるだけでなく、災害復興にかかる社会的コストも削減されるでしょう。

この話題については別記事で詳しく解説しています。興味のある方はぜひそちらも参考にしてください。許容応力度計算の利点や具体的な計算手法について詳細に取り上げています。

高度な設計基準が当たり前になることで、日本の住宅業界全体が進化し、地震大国である日本の安全性がさらに高まることを期待しています。

3. 設計士が「耐震等級1でも十分」と言う理由

3-1. コスト重視の設計による誤解

設計士が「耐震等級1でも十分」と言う理由の一つは、コストを重視した結果の発言である場合が多いです。耐震等級を上げると、部材や施工の質が向上し、結果的に建築コストが増加します。

多くの設計士は、施主が予算を抑えたいと考えていると仮定し、耐震等級1を提案することで建築コストを削減しようとします。しかし、これは短期的な視点に基づく判断であり、地震のリスクを十分に考慮していません。

実際には、耐震等級を上げるためのコスト増加は、地震被害後の修繕費や家財の損失を考えれば、長期的に見て合理的な投資である場合がほとんどです。

耐震性能を高めることは、施主にとって安心感や安全性を向上させるだけでなく、将来のトラブルを回避するための重要な要素です。

設計士が施主の予算だけを重視するのではなく、耐震性能の重要性を適切に説明し、施主と共に最適な選択肢を模索する姿勢が求められます。

3-2. 建築基準法の最低基準を誤解している可能性

建築基準法の最低基準を満たしている建物は、安全だと思いがちですが、これは必ずしも正確ではありません。建築基準法は最低限の基準であり、それ以上の安全性を保証するものではありません。

耐震等級1が基準を満たしているからといって、地震時に「無傷」であるわけではありません。実際には建物が倒壊しないことを目指した基準であり、壁の損傷や内部の被害が発生する可能性が高いです。

このような最低基準を満たしていることだけを根拠に「十分」と判断する設計士は、建築基準法の意図を誤解している可能性があります。建築基準法はあくまで「倒壊を防ぐ」ことを目的としており、快適な住環境や資産保全を保証するものではありません。

また、設計士がこの誤解を施主に伝えることで、耐震性能に対する意識が低下する恐れがあります。施主は十分な説明がなければ、「耐震等級1で十分」と思い込んでしまうかもしれません。

設計士は建築基準法を単に遵守するだけでなく、建物の利用目的や地震リスクを考慮した設計提案を行い、施主に高い耐震等級の価値を説明することが求められます。

3-3. 設計士の経験や知識不足

設計士が「耐震等級1でも十分」と発言する背景には、設計士自身の経験や知識の不足が影響している場合があります。特に若手や経験の浅い設計士は、最新の耐震設計手法やその重要性について十分に理解していないことがあります。

設計士の教育や研修の過程で、耐震設計に関する深い理解が不足していると、建築基準法を最低限満たす設計にとどまり、高い耐震等級の重要性を認識できないことがあります。

また、地震が頻発する地域や特定の条件下での設計経験が不足していると、地震の実態や被害の可能性を想像しにくくなり、耐震等級1の限界に気づかない場合もあります。

特に、小規模な設計事務所や地方での設計業務では、予算や工期が優先される場合があり、耐震性能への意識が薄れがちです。知識不足はこれらの環境によってさらに助長されることがあります。

さらに、2025年4月からの四号特例廃止も設計士にとって重要な転換点となります。これまで小規模建築物に適用されていた簡易な構造計算の特例が廃止されることで、すべての設計士に高度な構造計算の知識と技術が求められるようになります。四号特例廃止に関しては別記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

3-4. 施主の希望に沿った結果としての発言

設計士が「耐震等級1でも十分」と言う背景には、施主の希望に配慮した結果である場合があります。特に予算や工期に制約がある場合、設計士は施主の希望に応えるために耐震性能を妥協することがあります。

施主が住宅に求める要件が「コストを抑えたい」というものであれば、設計士はその希望を尊重し、耐震等級1を選択肢に挙げる可能性があります。しかし、これは施主が地震リスクを十分に理解していないことを前提とした対応である場合が多いです。

施主の中には耐震性能に対する知識が乏しい人も少なくありません。そのため、設計士が耐震等級の選択肢を十分に説明しないと、施主は「耐震等級1で十分」と思い込むことがあります。

設計士には、施主の希望に寄り添うだけでなく、地震のリスクや耐震性能の重要性を丁寧に説明し、施主が情報に基づいて判断できるようサポートする責任があります。

施主にとって最善の選択肢を提供するには、設計士が単に施主の希望を聞くだけでなく、専門的な視点から最適な耐震性能を提案することが不可欠です。結果的に、これが施主と設計士の信頼関係を深めることにもつながります。

3-5. 業界全体の意識の問題

設計士が「耐震等級1でも十分」と言う背景には、建築業界全体の意識や文化が関与している場合があります。業界全体で耐震性能に対する意識が十分に高まっていないことが、設計士の発言や行動に影響を与えています。

建築業界では、建築コストや工期の短縮が重視される傾向があります。そのため、耐震性能を重視する姿勢が二の次になるケースが多く見られます。特に住宅価格競争が激しい市場では、この傾向が顕著です。

また、設計士や施工業者が耐震等級に関する正確な情報を提供しないことも問題です。情報の不足により、施主が耐震等級の違いを理解せず、業界全体の耐震意識の向上が阻まれています。

さらに、建築基準法が最低基準を定めていることが、「これを満たせば十分」との誤解を生む要因にもなっています。業界全体で基準を超える設計を推奨する文化を育てる必要があります。

業界全体の意識を変えるには、耐震性能の重要性を啓発する取り組みが必要です。講習会や勉強会の開催、優れた耐震設計の事例を共有することが、業界の意識向上に繋がるでしょう。

まとめ: 「耐震等級1でも十分」な訳ない・・・

耐震等級1は建築基準法を満たす最低限の基準であり、命を守ることを目的としています。しかし、命を守るだけでなく、家族や財産を守り、災害後も生活を続けられる住まいを求めるなら、耐震等級3が現代の住宅のスタンダードであるべきです。

「耐震等級1でも十分」と言い切ってしまう建築士は、地震大国である日本の現状や施主の安全への責任を軽視している可能性があります。そのような設計士は淘汰されるべきです。

家づくりは人生で最も大きな投資の一つです。信頼できる設計士と協力し、地震リスクを正しく理解したうえで、耐震等級3を目指した住まいを選ぶことが重要です。

建築士を選ぶ際には、単にコストやデザインだけでなく、耐震性能への意識や提案力を重視しましょう。特に、「耐震等級1で十分」という意見を鵜呑みにせず、より高い安全性を追求する姿勢が求められます。

地震の多い日本では、耐震性能が命や財産を守る要です。耐震等級1が十分でない理由を理解し、家づくりのパートナーとして信頼できる建築士を見つけることが、後悔しない住まいづくりへの第一歩です。

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