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凰建設 株式会社

箱の性能でどこまでいけるか

凰建設の森です。

本日は月末ですね。
社内での会議がメイン。

建材ショックにどう対応するか。
本当に現場のスタッフには、
負担を掛けているなと思います。

今の所お施主さまにクリティカルな
ご迷惑を掛けていないのはひとえに
現場スタッフのおかげです。ありがたい。

昨日のメルマガでもお話しましたが
引き渡して3か月のお施主様宅に
訪問をしてきました。

14:45時点でリビングの
温湿度は27℃41%。

UA値0.24W/m2K(旧計算式)
C値0.1(完成時)パッシブ換気
という家です。今の所まだ
無暖房で生活をされている。

人間の快適性を表す指標にPMV
というのがありますが、
27℃41%だと、短パンTシャツで
PMV+0.26という、丁度いい感じに。

普通に秋の格好をして家の中に入り
撮影だ何だと動き回っていた
私があまりにも汗だくなので、
見かねたお施主様が窓を開けて
涼風を家に入れてくださいました。

その家の1階リビングの昨日の
温湿度CO2濃度記録がこちら
↓     ↓
https://ohtori1.com/l/m/zD2sBdByr8BOMB

この室内環境を作っているのは
箱の性能以外には3万円程の、
デマンド対応の個別換気扇1個。

全館空調も熱交換換気もありません。
夏は扇風機を使う事をお勧めしてますが
冬はサーキュレーター等もお勧め
しておりません。

換気扇はCO2濃度の為の設備なので
暖かさは作ってくれませんが、
家がどんな使われ方をしていようが
一律で空気を抜いてしまうのではなく
空気の汚れ具合に応じて換気が
なされるようにしてくれる為、
無駄に捨てる熱は少ないです。

必要な時だけ換気扇を動かし、
家に人がいない等、不要な時には
風量を押さえると、思考停止で
連続換気をするよりも、換気量を
半分くらいまで抑える事が可能。

動かしっぱなしで全熱交換効率
50%の熱交換換気を使うのと、
平均風量を50%抑えられる
3種換気システムを使うのは、
同じ効果があります。

デマンド機能を使わなければ、
法定通りの2時間に1回換気する
思考停止換気にすることも可能。

そうじゃないと確認申請は
通りませんからね。

家づくりを勉強していくと、
色んな設備の情報が手に入ります。

数年前からの全館空調ブームで、
多くの人が全館空調を取り入れた。

私も高性能な全館空調は大好き。
夏冬にあり得ない室内環境を
実現するためにはあった方がいい。

しかし、それをやる前に、
まずは箱の性能です。

全館空調を入れてても、既に
暖房のスイッチをつけている
という人の方が多いと思います。

日射取得の望めない立地なら、
仕方がない話なのですが、
日射取得が出来る立地で、
全館空調を入れてて暖房ONは
少しもったいない話です。
(今の時期の6地域の話です)

同じように暖かくするためには、
断熱に全振りをする方法もあれば
断熱はそこそこで設備にお金を
割り振る方法もあります。

建築会社の立場からすると、
断熱に全振りをした家は面白くない。

だって、将来の設備交換という
ビジネスストックが無くなるから。

設備は15年くらいで壊れてくれるけど
残念ながら、断熱は壊れてくれない。

また、断熱とパッシブデザインに
全振りをしてしまうのは怖い。

気まぐれでコロコロと気分を変える
気象や天気にどこまで対応が出来るか。

自分の知識や対応力は、
それについていけるか。

だから、断熱に振り切れない。
振り切ったとしても、設備は
割としっかり目につけておく。

そういう建築会社の方が多いかと。

勿論、全部が上手く行くわけでは無い。
チキンランみたいなものでして、
どこまでギリギリを責められるかを
突き詰めていくと、たまには
事故をすることもある訳です。

だから、事故をした時の保険を
かけつつ、ギリギリを突き詰めていく。

すると、箱の性能だけでかなりの
所まで行けてしまう訳ですね。

設備の容量と使用時の負荷は
どんどん軽くなっていくし、
使用する期間はどんどん短くなる。

壊れにくく、省エネな物を長く使う。

それが後でお金のかからない家の秘訣。
家に限らずなんでもそうだと思います。

断熱の力、パッシブデザインの力。
どこまで信じられるかですね。

設備を入れてつくる快適はかんたん。
箱だけでつくる快適は難しい。

勉強しがいがあるのは後者。
後でお金のかからないのも後者。

ぜひ、箱の性能に沢山頼れる家を
作ってくださいませ。

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