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株式会社あすなろ建築工房

現場で働く職人さんの人件費

こんばんは。

あすなろ建築工房の関尾です。

関東地方は台風の一日ですが、
皆様被害などございませんでしょうか。

もしも被害があった方は
前々回のメルマガ(9月17日)
でお伝えした内容を
ご確認いただければと思います。

まずはウッドショック情報から。

日刊木材新聞の9月25日の記事。
https://asunaro-studio.jp/l/m/CmT26K7YVGvp3E

「ローン減税の駆け込み発生 
優遇薄れ空白期間長期化の予測」
とあります。

住宅ローン減税は、
2019年10月の消費税増税に伴って、
増税の負担減のために
「住宅ローンの減税期間を
10年から13年に延長」
されるものでした。

本来であれば、
この措置は1年限りだったのですが、
昨年からのコロナ禍での混乱を
踏まえて1年延長されていました。

この住宅ローン減税は、
今年の9月末までに契約し、
来年の12月末までに
入居することが条件となっています。

そのため、この「9月末までに契約」
ということで駆け込み需要が
生まれていました。

特にハウスメーカーなどは
勢いづいていたようです。

あすなろ建築工房にも
「9月中に契約できますか?」
というお問合せも多くありました。

私たちのような地域工務店は、
設計期間と施工期間に
時間をかけている場合も多く、
お待ちいただいている期間も含めると、
「来年の12月までに入居」
という条件に当てはまらないことも
多いため、駆け込み需要が
発生していないところも多くありました。

9月末で期限が切れる
「住宅ローン減税」ではありますが、
実はこの期限の再々延長について、
今年の春から話題になっていました。

JBN全国工務店協会も所属する
「(一社)住宅生産団体連合会(住団連)」
から「景気が回復するまでの当分の間、
継続実施されたい」という
要望書を提出済みで
政府関係者間で検討がなされています。
https://asunaro-studio.jp/l/m/z2fuyzQYzenIk8

情報筋からの話によると、
政府側もこれについては
前向きに検討されていて、
閣議決定後に再々延長の
発表がなされる模様です。

あすなろ建築工房に
お越しのお客様にも
「再々延長が予定されています」
とご説明させて頂いています。

先の木材新聞の記事中にもあるように、
税制改正は年末にかけて討論されて、
来年早々の国会にて審議され、
閣議決定後に発表となります。

衆議院の選挙後の
新政権になってからの
国会となりますので、
例年通りとはならずに、
記事にあるように
空白期間が長くなる可能性は
十分にあるかと思います。

また、過去のメルマガでも
お知らせしているように、
現時点では金利が1%を下回っており、
金利分の支払いがとても
少なくなっており、
ローン減税を受けることで、
逆に「住宅ローンを
借りた方がお得になる」
という逆転現象が起こっています。

記事中にもあるように、
支払い金利より減税額が多いという
逆転現象については、
会計検査院から
「見直しが必要」と指摘されており、
減税が延長されたとしても
減税の率は、
「年末の住宅ローン残高の1%」
とはならずに、
金利に応じて引き下げられることに
なると思われます。

あすなろ建築工房では、
この駆け込み需要自体は
ありませんでしたが、
お問合せもご依頼も
例年以上の数となっています。

昨年からのコロナ禍にあって、
自分たち家族にとっての
「家の在り方」や
「理想の暮らし方」を
考える方が多くなり、
性能や材料や設計力に
注目されて家づくりを
ご検討されてる方が
増えていることが要因と思われます。

今後もこの傾向は
続くのではないかと思います。

日経新聞の9月30日に
「カナダ産製材品2年ぶり下落 
ウッドショック緩和の兆しも」
の記事がありました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/KmSLI0rPb8rP0g

「カナダ産木材の対日価格が
2年ぶりに下落に転じた」とありますが、
これはツーバイフォー(2×4)
住宅用の材となるSPF材についての
情報となります。

ウッドショックの引き金となったのは、
北米での住宅需要増だったので、
北米での住宅建設の主流工法である
ツーバイフォーの材料、つまりSPF材は
早々に品薄になりました。

そもそも国内での生産が
ほとんどなかった材でもあるので、
春以降はSPF材は
ツーバイーフォーでの
建設を行う業者間で
取り合いになっていました。

やっとこの材の落ち着きが
見られるようになったようです。

「在来工法に使う木材の
価格上昇が続いていることも
SPF材の対日価格の
下落幅を抑えた一因」
ともあります。

「在来工法に使う米松製材品や
集成材は、値上がりピッチは
鈍化しているものの、
まだ上昇基調にある」とあります。

しばらくは私たちが
必要とする在来工法に用いる
梁材は高値推移はしていきそうです。

9月28日の木材新聞には
「トイレ不足が台頭 
給湯器やサッシなども納期遅延」
の記事がありました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/O4Kv3fxgMF3qhb

アジア地域でのコロナの感染が
広がっていて、ロックダウンにより
様々な製品の製造が出来ていないことが
大きな原因です。

これは前回のメルマガで
お伝えしたとおりです。

トイレや洗浄便座やガス給湯器が
顕著に品不足になっていますが、
その他の建材や住宅設備も
今まで通りの納期では
入ってこない状況です。

ということもあって、
工事請負契約が済んだと同時に、
発注できるものは発注し、
材料不足に備えるとともに、
急激な価格上昇のリスクを
回避するようにしています。

契約後には、
すぐに発注しなければなりませんので、
設計段階で未決定のことが
無いようにして進めていくことが
大事になっています。

この記事の中にもありますが、
グリーン住宅ポイント制度が
延長になりました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/zoKOYPH0wmkPEQ

先ほど本日の14時に
発表されたばかりのホットな情報です。

申請期限は、
2021年10月31日→2021年11月30日
と1か月延長となりました。

契約期限は10月31日のままで
変わりはありません。

材木屋さんからの
9月27日時点での建材の状況。
https://asunaro-studio.jp/l/m/KeJ0sDzQ226Lmn

合板の値上げもあって、
今後もジワジワと
値上げが続く予想です。

あすなろ建築工房では、
過去のお付き合いもあって、
構造材の手配も
プレカット工場の予約も
遅延なく出来てはいますが、
まだまだ予断を許すことが
出来ない状況です。

以前のメルマガでも
お伝えしましたが、
ウッドショックは
「建材全般ショック」に
変化してきていおり、
「夏にピークがあって、
秋には落ち着く」と
予想していたものが
その他の建材や住宅設備の
異常な値上がりもあって、
「年末にかけてピークがあって、
来年春以降に落ち着く」
という見込みに変わって来ています。

これまでウッドショックの影響が
少なかった地方の工務店さんにも
時間差で影響が出てきているようで、
「300万円も上がってしまって、
契約に至らない」
と嘆きの声も聞こえてきています。

地方は、首都圏と比べて
労働賃金も安く
建設コストを低く抑えることが
出来ていました。

材料高騰となると、
もともと工事金額に占める
材料費率が大きかったので、
その割合が大きくなってしまって、
影響が大きいようです。

中国では中国恒大集団の破綻が
騒がれています。

これが引き金になって
世界金融危機が起ころうものなら、
もっと状況は悪くなってしまう
可能性もあるかとは思います。

家づくりをご検討中の方には、
なかなか先が見えない状況が
続いてしまっています。

引き続き、世界情勢も見つつ、
情報収集を続けていきたいと
思います。

ウッドショック情報は
これくらいで、
本題に入りたいと思います。

台風の中でも、
家づくりの現場は動いており、
大工や職人さんは
雨に濡れながらも
仕事をしてくれています。

ということで、
雨の日も風の日も
炎天下の日も
雪が降る日も
もくもくと仕事をする
「現場で働く職人さんの人件費」
の話をしたいと思います。

コロナ渦で、自宅勤務が多くなり、
書斎の間仕切りを設置したいと
思われる方が多いようで、
小さなリフォーム工事の
お問い合わせを多く
頂くようになりました。

出来るだけ分かりやすく
工事内容を捉えて頂くために
あすなろ建築工房では、
「間仕切り工事一式〇〇円」などの
「工事一式」の見積ではなく、
「材料費」や「人件費」などと
分けて詳細な見積を
するようにしています。

「人件費」は職人の場合は
「手間代(てまだい)」とか
「日当(にっとう)」と
表現する場合もあります。

意味はまったく同じです。

リフォーム工事などでは、
作業が半日程度の場合もあったり、
数日間の場合もあります。

その場合には
「人工(にんく)計算」と
呼ばれる見積となることが
多くなります。

「人工」とは
「作業する人の労働の日数」
を表します。

「人工」の前に数字を付けて
作業の日数を表す単位としても
使われています。

例えば、間仕切り工事に
一人の大工さんが
4日間かかる場合には
「4人工(にんく)」と
表現されます。

大工さんが二人で
二日間かかる場合も
「2人工×2人=4人工」
となります。

新築の場合も同じで、
大工を含め職人の作業の見積は
「人工」で計算します。

ちなみに新築の大工の手間代算出は、
「坪当たりいくら」で
計算する場合もあります。

これは一棟の木工事にかかる費用を
坪面積で割って、算出しています。

元となる一棟の木工事の価格は、
これまでの実績をもとに
算出しています。

「見積では『4人工』だったのに、
実際に作業は
2人で一日しか居なかった」
という場合もあります。

そのような場合は
「加工作業」が作業場などで
事前に行われています。

現地での作業をスムーズに行うため、
作業場で事前に材料の加工などを行い、
実際の現地での作業は
1日となる場合です。

人工と呼ばれる職人の手間代は
「ではいくらくらい?」と
思われますでしょうか?

職種にも寄りますが、
2万円~3万5千円くらいです。

地方に行くと安いのですが、
東京や横浜エリアは、
全国で人件費が
一番高いエリアなので、
上記の金額になります。

地方だと、住む土地も、物価も、
駐車場代も安く住みますが、
東京、横浜はすべてが高いので、
おのずと人件費も高くなっています。

ちなみに作業が「半日」となる場合も
人工計算上は「1人工」となる場合が
あります。

基本的に職人さんには
「一日いくら」で
お支払いをするので、
もし半日しか作業が
かからなかったとしても、
残りの時間で
他の仕事がなければ
機会損失となってしまうので、
慣例上「1人工」と計上するからです。

半日仕事が二つあるような
状況であれば、「0.5人工」と
いうこともあります。

上記の一日あたりの
人件費2万円~3万5千円を見て
「高いな」と思ったりしますでしょうか?

そんな時には
「皆さんの年収を
労働日数で割ってみてください」と
お話しています。

1年間は365日、
これを週で割ると365÷7=52週
となります。

週休二日の方は、
お休みの日を数えると
2日×52週=104日。

そして国民の祝日は
年に16日あります。

その他、年末年始と夏季休日が
4日ずつある企業が多いと思います。

そして、有給休暇の取得の全国平均が
18日です。

公務員の方はもっと多くなります。

以上から休日の日数は、
104+16+4+4+18=146日となります。

よって労働日数は、
365-146=219日となります。

実際は会社のお休みや
祝日と日曜日に挟まれた休日なども
あるので、労働日数は
もっと少なくなります。

年収が仮に600万円の方の場合、
600万円÷219日=2.7万円となります。

皆さんの場合は、
社会保険などは会社が
半分負担されていたり、
その他の福利厚生が
あったりしますが、
大工や職人の場合は、
個人事業主の場合がほとんどで、
手間代からそのような
社会保険や福利厚生費用を
払うことになります。

社宅があったり、
家賃補助があったり、
通勤手当があったりと
年収以上に得ている
ものも多いと思います。

大工さんや職人さんは、
ガソリン代や駐車場代、
高速代や道具代も
そこから捻出する
必要があるので、
実質的には手にする金額は
もっと少なくなります。

そう考えると、
人件費2万円~3万5千円って
決して高くはない数字で、
職人さんの手間代って
意外に安いと思いませんか?

普通の人ならすぐにでも
熱射病になってしまうような
うだるような炎天下でも、
真冬の凍えるような日にも、
朝早くから夜遅くまで仕事を
してくれています。

冷房も暖房もない場所で
もくもくと作業を続けて
くれています。

ありがたいですよね。

皆さんのお家を建ててくれる
大事な大事な人たちです。

この人たちの賃金を
減らしてまで家づくりをしたいと
思わないですよね。

本日は
「現場で働く職人さんの人件費」
のお話でした。

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