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株式会社 夏見工務店

木の暮らしの原点

短パン半そでの楽しい暮らしを実現するぜ!
【たぶん日刊】

いつもありがとうございます、夏見です。
本日もメルマガご愛読ありがとうございます!

『木の香りのする夢』

中学校を卒業して間もない息子が
「大工になりたい」と言い出したのは、
春の終わりのことだった。
通学路の途中にある建築中の一軒家に、
毎日のように立ち寄っては、
帰りが遅くなる。
何度も迎えに行った私は、
そのたびに、
どこか土のにおいと木の香りを
まとった息子に、
少しだけ心を動かされていた。

高校進学の時も、
息子は工業高校を考えていた。
しかし、サラリーマンで銀行勤めの夫は、
「まだ考える時間がある」と言って、
より一般的な進学校を勧めた。
息子は渋々うなずき、その道を選んだ。

それでも想いは消えなかったのだろう。
高校2年の夏休み、
埃っぽい服で帰ってくる日が続いた。
どこに行っていたのか問いただしても
「ちょっとバイト」としか答えない。
まさか、本当に大工さんのもとで
働いていたとは思わなかった。

夏休み明け、進路相談の場で息子は突然
「大工になります。もう決めてます」
と言った。
動揺した私は曖昧な返事しかできなかった。
その夜、3人で話し合った。
夫は「理解できない」と
真っ向から反対した。
私は、父が職人だからこそ
ものづくりの世界の厳しさを知っていた。
でも、どこかで息子のまっすぐな目が、
昔見た父の背中と重なっていた。

数日後、息子が私たちを
大工さんの作業場に誘った。
小さな倉庫のような場所に
木材がずらりと並び、
木の香りが立ちこめていた。
親方が、笑顔で迎えてくれた。
夫はぎこちなくも作業を手伝い、
私はただその香りに包まれて、
息子の未来を少しだけ想像した。

翌朝、夫はぽつりと
「この仕事は幸せになれないんじゃないか」
と言って、半分しか朝食を取らずに
出かけた。
その日、私は思い立って、
父に電話した。

「染物工場、見せてくれない?」

父は「今ならええ」とだけ言った。

久々に訪れた工場には、
年季の入った道具たちが
整然と並んでいた。
息子は目を輝かせ、
父の話にうなずいていた。
夜、父から電話があった。

「あいつ、本気やな」

その言葉に、私は初めて
心から息子の夢を信じられた。

その晩、就寝前に私は夫に言った。

「私たちの終の家、建ててもらわない?」

沈黙が流れた。

驚いた顔のまま、夫はゆっくりとつぶやいた。

「どんな住まいになるんかな…」

そのとき、私たちは息子の夢を、
本当に受け入れたのだと思う。

手に職を持つ職方さんは
安心も安全もないと言われています
しかしものつくりの原点であり
機械ではできない部分の
多くは人が行っています。
人しかできない感性も
人しかできないものつくりも
当たり前ではなくなっています
木の暮らしの原点を大切に
していこうと思います。

皆様が丁寧に豊かに暮らしていく
参考になりますように。

では!また明日!

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