こんにちは。
プレゼントデザイン 川端です。
昨日は「1985アワード」が開催されました。
もともとは「自立循環型住宅研究会アワード」と呼ばれていたもので、
全国の実務者が、実際に建てた家について
シミュレーションと実測を行い、その成果を発表するという、
少しマニアックな取り組みです。
今でこそ、さまざまな省エネのシミュレーションソフトがありますが、
私が独立した頃は、そうしたツールはほとんどありませんでした。
照明、給湯、空調、換気などを一つひとつ分けて、
「これを改善すると、◯%エネルギーが下がる」と
地道に数字を積み上げていく時代でした。
当時は、まだ省エネの黎明期。
断熱よりもまず、
・昼間の光をどう取り入れるか
・風をどう通すか
・太陽の熱をどう使うか
といった、自然エネルギーの活用が中心に議論されていたように思います。
一方で、私はドイツや北海道で学ぶ中で、
「外皮性能(断熱や窓の性能)が高いほど、
暮らし方や設計の自由度が広がる」
と考えるようになりました。
現在、1985のメンバーの中でも、
付加断熱まで行っている会社は、まだ多くはありません。
いわゆるG2レベルの家づくりをしている会社が中心です。
私はというと、今はほぼG3レベルの家を設計しています。
もちろん、私自身も最初から高性能だったわけではなく、
G1、G2、G3と段階的に性能を高めてきました。
正直に言えば、
コストパフォーマンスだけを考えると、
6地域ではG2がとてもバランスの良い性能だと思っています。
ただ、最近こんなお話を聞くようになりました。
「ペアガラスの窓の近くや、付加断熱していない壁のそばに座ると寒い」
私に対する期待値が上がっている、ということでもあるのですが、
その声を受けて、
付加断熱やトリプルガラスを標準的に採用するようになりました。
とはいえ、性能は一律である必要はありません。
住む人の暮らし方によって、選び方は変わってよいと思っています。
たとえば、アルミ樹脂サッシでも、
障子や雨戸を組み合わせ、
「開口部のレイヤー」を重ねることで、
晴れた日は開け、寒い日は閉める、
そんな暮らしの中で調整できる家も、とても良いと思います。
障子は、引き込めるようにしておけば景色を邪魔せず、
実はとても優秀な断熱部材でもあります。
アルミ樹脂サッシ+障子であれば、
性能的にはトリプルガラスに近づきます。
それでも、私が高性能にこだわる理由は「未来」にあります。
暮らし方を設計通りに使ってくれるのは、
基本的には、その家を建てた施主さんです。
でも、私たちがつくる家は、
次の世代、さらにその次の世代へと使われていくもの。
50年後、
どんな人が住んでも、
無理をせず、自然に快適に暮らせる家。
そんな「寿命の長い家」を、
私は届けたいと思っています。
それでは、また次回。
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