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株式会社あすなろ建築工房

地鎮祭のススメ

こんばんは。
あすなろ建築工房の関尾です。

昨日は「よこはま健康・省エネ住宅推進コンソーシアム」設立記念イベントに参加してきました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/VIToqNx1sdyM2d

このコンソーシアムにあすなろ建築工房もメンバーとして参加しています。
横浜らしい省エネ住宅の在り方を議論したくて参加したコンソーシアムなのですが、議論が始まる前にお披露目会的な今回のイベントが先行されました。
私としては、早く、鳥取県のような地域性を取り入れた性能基準の制定に向かって欲しいのですが、なかなか議論が始まらなくてもどかしく感じております。

当日は、お知らせしていた「スミレはうす」の完成見学会と重なってしまっていて、当日の見学会はスタッフに任せて、私はコンソーシアム会場の横浜市役所アトリウムにて、説明員として詰めることになりました。

そこで、大事な情報をゲットしてきました。
今年度の横浜市の補助金の情報です。
「横浜市省エネ住宅住替え補助制度」
https://asunaro-studio.jp/l/m/YoHtsQH7m5jDif

横浜市内で、子育て世帯の方が等級6以上の住宅に住み替えたり、ZEH基準以上にリフォームする場合に70~100万円の補助があります。
住み替え促進なので、建て替えは補助対象外です。
4月1日以降の契約で、申請予約が可能となります。
予算は限られていますので、昨年同様に相当早い段階での早い者勝ちになります。
「こどもエコすまい支援事業」「先進的窓リノベ事業」「給湯省エネ事業」との併用が可能です。

国の予算と違って自治体の予算なので予算はかなり限られます。
「令和5年度 建築局 予算概要」の19ページ目に予算額が記されています。
https://asunaro-studio.jp/l/m/VeXQgz6faGndhU

予算額は1億円で、新築が50件、リノベが50件とのこと。
昨年よりはいいですが、すぐに予算額に達してしまって、受付終了になりそうです。
あすなろ建築工房で設計中のお客様で、対象となりそうなお客様には、担当より近日中にご連絡申し上げます。

さて、そろそろ本題に。

「地鎮祭は開催した方がいいですか?」とご質問を頂くことも時々あります。
このメルマガをご覧の方の中にも「必要なの?」と思われている方もいらっしゃるのではないかと思います。
まずは「地鎮祭」についての基礎知識を知っておいて頂きたいと思います。

「地鎮祭」とは、新しくその土地に住まいを建てる際に、土地の神様(八百万(やおよろず)の神)に工事の無事や安全と建物や家の繁栄を祈る儀式のことを言います。
工事の着工にあたり、神職(神主さん)をお招きして神様にお供え物をし、祝詞をあげ、お祓いをして浄め、土地に手を入れる最初の儀式として鍬(くわ)や鋤(すき)を入れ、工事の無事を祈ります。
出席するのは、施主ご家族、設計者、施工会社、工事関係者(鳶、大工など)となります。

祭事中はこんな感じ。
https://asunaro-studio.jp/l/m/23HcJtwAgyaGtJ

祭事を執り行う神職つまり神主さんは、地元の神社さんに依頼して、現地に来ていただくことになります。
一般的にはその土地の「氏神神社」の神主により、祭事が執り行われることになります。
「氏神神社」とは、地元で「氏神様」と呼ばれる神社さんです。
しかし、最近は神主がいる神社も少なくなっていることもあり、「氏神様」にこだわらずに神社を選ぶことも多くなっています。
実際のところ、積極的に地鎮祭の祭事に取り組まれている神社さんもあれば、そうでない神社さんも多くあります。
「神社の拝殿はあるけど、社務所は無人で管理を別の神社に委託している」という神社も増えています。
そんなこともあって、特に決まった「氏神様」がいらっしゃらない場合には、住宅会社がいつもお願いしている神社さんにお願いすることになります。
あとで詳しくご説明しますが、地鎮祭を積極的に行われている神社さんは、当然ながら神社さんも地鎮祭に慣れているし、準備も行き届いていて当日の行き違いが少なくて結果として安心という感じです。

地鎮祭の日取りですが、慣例的には吉日を選んで行なわれます。
地鎮祭の吉日とされるのは、大安、先勝の午前、先負の午後、友引の日です。
2週間前くらいまでに神社に日時の予約をします。
神社さんの予定が空いていれば、1週間前などでも予約することは可能です。
当然のことながら「お日柄のよい」日程は早めの予約が必要です。
年始や七五三の時期などは、予約が出来ないことが多いので、予定をズラす方が賢明です。

当日準備するものは、いろいろあります。
下記に事例を示しておきます。
【カッコ内】は準備する人です。

【神社】
・祭壇

【施工者】
・テント(雨天時)
・しめ縄
・砂
・笹竹4本
・鋤、鍬、鎌
・奉献酒

【お施主様】
・榊30cm 参加人数+神主分 玉串奉納用
・榊70cm~80cm×3本 祭壇用(近所の花屋で購入出来ます)
・紙コップ(献杯用)
・神饌(お供え物)(詳細後述)
・初穂料(玉串料)(3万円~5万円)
・神饌(お米 一合、お酒 一升(奉献酒)、塩 一合、水 一合、海の幸(3種くらい))、山の幸(3種くらい)、果物(3種くらい)

祭壇の様子はこんな感じです。
https://asunaro-studio.jp/l/m/eeh48v4LxBqwE4

以上となります。
施主が用意するものに含まれている「榊」は、神社さんが用意してくれる場合もあります。
神饌も神社が用意してくれる場合もあります。
この差は、先にご説明した「地鎮祭に積極的な神社かどうか」に寄ってきます。
最近は地鎮祭自体を神社さんもビジネスのように捉えている部分もあって、サービスに組み込んでいるような感もあります。
そういう意味では「積極的な」神社さんの方が、施主様にとっては事前に準備するものが少なくて、結果として費用も少なくて済むような感じがします。
サービスのよい?神社さんの場合には、初穂料だけ用意すれば、他は神社さんで用意くださる神社さんもあります。

地鎮祭の依頼費用となる「初穂料」の額は、神社によってまちまちです。
車に神主さんが自らの車で乗っていらっしゃる場合は、お車代をお渡しする場合もあります。
お車代を込で初穂料を設定されている神社さんもあります。
榊代、神饌代が別途かかる神社さんもあります。

当日の地鎮祭の流れですが、下記となります。
下記は私たちが普段行っている儀式となります。
地方によってかなり内容は変わってきます。

神棚に向かって最前列にお施主様およびご家族、2列目以降に設計者および施工者、工事関係者と並びます。
当日の進行は神主さんが行い、丁寧に都度説明もしてくれますので、特に事前に覚えることなどはありません。
手順や作法を間違えても大丈夫です。
神様は寛容です。(^^)

①修跋(しゅばつ)の儀
神主さんが祭壇、土地、参列者をお浄めします。

②降神(こうしん)の儀
神主さんが祝詞をあげ、祭壇の榊に神様をお迎えします。
降神の際には神主さんが「うぉ~」と唸りをあげます。

③献饌(けんせん)
神主さんが神様にお供え物を差し上げます。

④祝詞奏上(のりとそうじょう)
神主さんが神様に工事の安全を祈る祝詞を読み上げします。

⑤切麻散米(きりぬささんまい)
神主さんが榊でお払いをし、切紙を撒いて工事を行う土地を清めます。
お施主様も神主さんの後に続き切紙を撒きます。

⑥地鎮(じちん)の儀
その土地で初めて草を刈る「刈初(かりぞめ)」、初めて土をおこす「穿初(うがちぞめ)」、初めて土をならず「土均(つちならし)」を行います。
設計者が「鎌」、施主が「鋤」、施工会社が「鍬」をもち、順番に行います。
大きな声で『えい。えい。えい。』と掛け声をかけながら行います。 

⑦玉串奉奠(たまぐしほうてん)
玉串とは、榊を神前に供えるものです。
順に玉串を神主から受け取り神前に進みます。
順番は、神主、施主、同居の施主家族、同居しない施主の家族、設計者、施工者となります。
1)右手で根元を上からもち、左手で葉の方を下から支えるように持ち、神前に進み一礼します。
2)玉串を時計回りにし、右手で持っている根元を自分の前に持ってきます。葉の方の左手は神前に差し出すように下から葉を支えます。
3)玉串を額に近づけるように掲げ、工事の無事を祈念します。
4)玉串をもとの高さに下げ、左手で根元の方を持ち、右手で葉の方を持つように、手を持ち替えて更に時計回りにします。
5)根元が祭壇の方を向いたところで、 神前に一歩進み、玉串を胸の高さに掲げ、玉串案にお納めします。
6)一歩下がって二礼二拍手一礼をします。

⑧撤饌(てつせん)
神主さんが神様にお供えした神饌をお下げします。

⑨昇神(しょうじん)の儀
神主さんが神様に帰っていただくための儀式をします。
降神の際と同じく神主さんが「うぉ~」と唸りをあげます。

⑩閉式の辞
地鎮祭の終了を告げます。

⑪神酒拝戴(しんしゅはいたい)(直会(なおらい)の儀)
参列者でお神酒をいただきます。
コロナ禍ではこの儀式は、感染防止の観点で省略されています。

祭事は以上となります。

ちなみにですが、以前に神主さんにお伺いしたところ、初穂料(玉串料)は祭事の前にお渡しするのがよいそうです。
その理由は「初穂料は神様に捧げるものなので、祭事の後では神様に直接届かない」からだそうです。
ということで、地鎮祭が始まる前に、神主さんに初穂料をお渡しして、祭壇に奉納頂くのが正しい納め方なんだそうです。
補足ですが、もし忘れてしまって地鎮祭が終わってしまってからお渡しされた場合ですが「地鎮祭の後からお納めいただいても、ちゃんと神職より神様にお納めします」とのことでしたので、ご安心ください。(^^)

祭事が終わると、施主様家族と工事現場担当者と一緒にご近所に工事のご挨拶に回ります。
地鎮祭の前に行う場合もあります。
ご挨拶の品としては1,000~2,000円程度の菓子折りをお施主様が御用意されることが多いです。
地域によって、品や額は変わりますので、住宅会社さんに事前にご相談されることがよいと思います。
施工者は、工事の案内のビラとタオルと監督の名刺をお渡しします。

当日の服装は、特に正装である必要はありませんが、神様に失礼のない服装がよいかと思います。
写真にも残りますので、Tシャツや短パンなど、ラフすぎる服装は避けておいたほうがよいと思います。
儀式としては30分から45分くらいかかります。
夏場は熱射病対策、冬場は防寒対策をしておくことをお勧めします。
通常の雨程度であれば決行となります。
祭壇のお供えが飛んでしまうような強風の際には延期もあります。

地鎮祭の概要としては以上となります。

ちなみにですが、あすなろ建築工房ではほとんどのお客様が地鎮祭を行っていらっしゃいます。
開催するのは施主様なので、正しく言うと「地鎮祭を開催していただいています」です。
出席するのは、施主ご家族(同居者以外のご両親様なども)、設計者、施工者、大工などです。

先にご説明したとおり、日本のすべての土地は、八百万(やおよろず)の神様からお借りしている土地であり、地鎮祭は、新しくその土地に住まいを建てる際に、土地の神様に工事の無事や安全と建物や家の繁栄を祈る儀式のことを言います。
工事の安全とご家族の繁栄を祈る儀式ですので、「特にやらない理由が無い」のであれば、開催しておく方がよろしいかと思います。
もちろん地鎮祭を開催しないからと言って罰が当たるとかそんなことはないと思います。
建売住宅の場合には、地鎮祭をやることは皆無でしょうし、ハウスメーカーで建てる場合も地鎮祭を開催することはかなり少ないものです。

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