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凰建設 株式会社

優先順位を間違えないで

凰建設の森です。

昨日は全館空調設計講座の
皆さんと忘年会。

昨年、殆どできなかった分
今年はどんだけ忘れるんだと
いうくらい忘年会やってる気が。

全館空調設計講座なんて
開催をしていると、よく
全館空調を勧めていると
思われるのですが、
実は私が設計する家は、
普通の壁掛けエアコンが、
2~3台あるだけの事が多い。

勿論全館空調もやります。

やるかやらないかの判断は
優先順位によります。

住宅のエネルギー消費が
最も多いのは冬です。

エネルギー(熱)が逃げるのは
UA値0.5程度の家の場合、
外皮3:換気1程度の割合。

UA値0.3程度の家の場合、
外皮1.5:換気1程度。

UA値0.2程度の家の場合で
やっと1:1の割合に。

熱交換換気を含む全館空調を
すると、換気から逃げる熱が
半分くらいになります。

住宅の断熱レベルが
低いまま全館空調をしても、
エネルギーロスは大して減らない。

UA値0.46程度の家であれば、
全館空調にお金を
使うのではなく、断熱に
お金を使った方がいい。

家が冷えやすいまま全館空調を
導入した場合、家中に次々と
暖かい空気を供給し続けねば
家がすぐに冷えてしまう為、
どうしても空調の風量が上がる。

一定の風量を越えてしまうと、
家の中で空気が動くのが分かる。

人は空気の流れを感じると
寒く感じてしまいます。

寒さを感じない為に、空調の
設定温度を上げていきます。

すると、今度は相対湿度が下がる。
乾燥感が増してしまいます。

折角、快適な生活を送るために
全館空調を導入したのに、
すごく勿体ない話になります。

冬に家の中の温度差を
解消するためにサーキュレーターを
導入している家もあるかと
思いますが、その場合も同じ事。

外皮の断熱レベルが低いから
内気循環の風量が上がるんです。

先日、住団連の断熱ワーキング
グループの会合にオブザーブで
参加させていただきましたが、
断熱がそこまでできていない
会社さんが想定している、
内気循環風量は、1200m3/h
程度だと話しておられました。

キッチン換気扇の最強運転の
2倍の風量をぐるぐる回さないと
家中が同じ温度にならない。

風もですが、音もうるさい。

それ、良質な室内環境って言える?

夜、寝ている時にもうっすらと
ファンが動く音が聞こえ続ける。

慣れれば気にならないでしょうが、
静寂な家と比べると、かなり違う。

理想は換気の風量に乗せて送り
届ける熱だけで十分暖かい事。

パッシブハウスクラスになると
それが可能になってきます。

いつも、UA値が0.3位になるまでは
断熱に予算を全振りしてください。
と言っておりますが、それが理由。

UA値0.56程度で全館空調を入れても
うるさい家が出来るだけです。

優先順位を間違えないで。

というのが冬の話。
夏になると少し勝手が違います。

夏の不快を作るのは、高い湿度。

湿度を下げるためにはエアコンが
きっちり動くことが大事です。

高断熱になればなるほど、家が
すぐに冷えてくれるので、エアコンが
休みがちになってきます。

エアコンが休むと湿度が下がらない。

という事で、高断熱な住宅で
あればあるほど、湿度が下がりにくい
というジレンマが発生してきます。

なので、きちっと計算されていない
家の場合、実はUA値0.56程度で
全館空調が入っている家の方が、
湿度は下がりやすかったりもします。

きちっと計算されていれば、
UA値0.3の方が快適な環境を
つくることができます。

風が吹き荒れませんからね。

だから、高断熱な家を作ったうえで
きちっと計算をして、夏も冬も
快適な家を作りましょうねと
開催しているのが全館空調設計講座。

依頼先がきちっと計算してくれる
設計士さんなのであれば、
迷いなくUA値を低くしていきましょう。

依頼先がきちっと計算してくれない
設計士さんなのであれば、
低いUA値の場合、夏の除湿が
思ったようにできなくなる
という可能性もあることを念頭に
家づくりをした方がいいかもです。

断熱技術と空調技術は
似て非なるものになります。

きちっと計算してくれる
依頼先を探しましょう。

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