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株式会社あすなろ建築工房

今年一年を振り返る ウッドショック建材ショックの今後

こんばんは。

あすなろ建築工房の関尾です。

メルマガをお読みいただき
ありがとうございます。

本日は、大晦日。

ホントに一年は早いものです。

この一年は、コロナ禍の一年であり、
業界的には
「ウッドショック・建材ショック」
に振り回された一年となりました。

そこで今年最後のメルマガは
今年一年を総括するほか、
「ウッドショック・建材ショック」
をまとめておきたいと思います。

まずはこの数週間の近況の報告から。

相変わらずの状況が続いています。

資材がとにかく時間がかかっています。

現場の方も造成工事の土留めに使う
鋼材が手に入らなかったりで、
現場が遅れてしまっている
ところが出てきてしまっています。

合板の納期が予定よりも
遅れてしまっていて、
上棟日も予定よりも
遅れてしまっています。

どんなに早く手配をしていても
直前になって納期が変わってしまう
(遅れてしまう)という事態が
頻繁に起きてしまっています。

業界全体では、まだまだ混乱は
続いてしまっています。

関係各所、多方面にヒアリングを
続けていると、やはりこのような時は
商社がバックに控えている
大手住宅会社は変化に強く、
価格や材料不足の変動は
緩やかに抑えることが
出来ているようです。

一方で、一品生産的な
つくり方をしている我々のような
小さな工務店などは、
多くの在庫を抱えることは出来ないので、
どうしても都度発注、都度納品と
なってしまい、市場の状況を
ダイレクトに受けてしまっている
ように感じます。

木材であれば、知人のツテを使って
なんとか手当をすることが
出来てきましたが、
その他建材や住宅設備機器となると、
小さな工務店の主(あるじ)程度では
付き合いの幅も限られてしまい
もどかしく感じています。

だからといって、
急に大手になることも出来ないし、
フランチャイズの傘下に入りたいとも
思わないので、ここはもうしばらく
我慢するしかありません。

ということで、
他の工務店さん同様に
あすなろ建築工房の工事予定も
ジワジワと遅れが生じてきて
しまってきております。

現在工事中のお客様には、
個別にご連絡させて頂いておりますが、
工事遅延という形で、
ご迷惑をおかけしてしまっております。

1週間くらい前のテレビニュースなどで、
「ポテトショック」の話題がありました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/lx3FCi5SmHlotu

マクドナルドのフライドポテトが、
Mサイズ、Lサイズの販売を休止し、
Sサイズのみの販売になるとの報道でした。

原因が「輸入ジャガイモの不足」で、
主原因は以前にもメルマガで
ご紹介した「カナダの大洪水」
の影響とのこと。

木材の輸出が止まっているときには、
一般紙やテレビでは
報道されていませんでしたが、
マックフライドポテトのMサイズ、
Lサイズが休止になると、
すべてのテレビ局の
ニュースになるのですね、、、。

そのカナダの洪水の余波が
私たちの業界にも続いています。

12月14日の木材新聞に
「北米製材市況 
15種平均が前週比113ドル高」
「過熱懸念、SPFは4周で6割高」
の記事がありました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/Ul6A515iyuCvkj

カナダの洪水被害の影響で
相変わらずカナダからの
木材供給が遅れていて、
価格が上昇を続けています。

北米からの材は、もうしばらくは
価格が下がることはなさそうです。

この記事の左側には
「住宅ローン減税4年延長」
の記事があります。

前々回のメルマガで
「2022年度の税制改正大綱」
の概要をお伝えしましたが、
内容的にはその内容と同じ内容です。

高性能な住宅を建てた場合の
税制優遇の延長と
固定資産税の延長についても
記載があったので、ご参考まで。

12月15日に
「12月さらに合板ひっ迫」
の記事がありました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/CbEDvX2rste7DZ

これまでお伝えしてきているとおり、
とにかく合板が不足しています。

先にも書いたように、
合板の納期次第で
上棟日が決まる感じです。

合板メーカーにツテはないので、
残念ながら「待つしかない」
という状況が続いています。

トイレなどの住宅設備不足の様子が
12月30日の日経新聞で
報じられています。
https://asunaro-studio.jp/l/m/MGgTtykMUp3ACi

「便器無しでは引き渡せない」
ということで、
「仮の便器を設置して
とりあえず引き渡しをする」
という苦渋の選択を迫られている
住宅会社の状況が報じられています。

「交換設置」ということなので、
仮設置された便器は取り外される
ことになります。

この交換された便器が問題です。

一度使われた便器が
再利用される可能性はかなり低いので、
おそらくは、取り換えされた便器は
おそらくそのまま「廃棄」される
ことになると思います。

それでも仮の便器を設置するしかない
という住宅会社の厳しい状況が
読み取れます。

記事は住宅設備と
樹脂サッシについてですが、
以前のメルマガでも
お伝えしているように、
給湯器やインターホンや
照明器具などなど
他の住宅設備にも納期遅れが
目立ってきています。

今後の新型コロナ オミクロン株の
世界的な感染状況によっては、
さらなる遅延や他の建材への
影響も考えられることから、
出来るだけ早い手配を
しておく必要性があります。

このような品不足の時には、
大手から「予測発注」がなされるので、
流通から急激に在庫が
無くなっていきます。

多くの建材を囲い込まれる形です。

本当に困りものです。

記事にもあるように中小の企業では
多くを在庫することが出来ないので、
しばらくは苦しい状況が続きそうです。

そして、品不足だけでなく、
住宅設備や建材の価格上昇も
ジワジワと続いています。

12月22日に
「在来工法向け輸入米材製品 
羽柄材のスキップ続く」
の記事がありました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/7iUnbe4osXBEz1

日本で建設されている住宅の多くは、
構造材に海外製材が使われていることは、
以前からお伝えしているとおりです。

特に羽柄材と呼ばれている下地材は、
北米とロシアの材が多く使われています。

その主となる供給地となっていた
カナダの港が洪水の影響で、
シッパー(荷送人)が積み荷を
スキップしているということです。

来年春ごろには価格も落ち着くと
予想していたので、
それが長続きしてしまわないことを
願うばかりです。

12月21日に
「グラスウール断熱材 
全品種で20%値上げ 
パラマウント硝子」の記事。
https://asunaro-studio.jp/l/m/CYu0nFeovmyMHw

すでに大手の旭ファイバーグラスが
値上げを発表していたので、
他のメーカーも追随してくるとは
予想していたので想定内ではあります。

「グラスウールって
どこのメーカーでも同じでしょ」
と思っている方も多いと思うのですが、
実はけっこう違います。

巾や長さや厚みの種類が
メーカーによって違います。

日本国内でのグラスウール断熱材の
需要のほとんどが「袋入り」の
断熱材のために、
各社ともに「袋入り」の種類は
あるのですが、我々のような
高気密住宅に取り組んでいる
住宅会社が使用する
「裸のグラスウール」
は種類が限られます。

西日本に工場がある
旭ファイバーグラスは
「袋入り」の種類が多いのですが、
北海道に工場がある
パラマウント硝子は、
「裸のグラスウール」の種類が豊富です。

地域的な断熱への考え方の差が、
メーカーの製品レパートリーにも
影響が出ることが分かります。

そして、製品自体を比較してみると、
実際のグラスウールのフカフカ具合
つまり弾力性に違いがあります。

袋入りではなく、
裸のグラスウールを比べてみると、
旭ファイバーグラス製の
グラスウールは柔らかい感じで、
パラマントガラス製のグラスウールは
堅い感じがします。

前者は柔らかいので、
どちらかというと「腰」がない感じで
充填すると「ヘナ」っとなりますが、
後者は「腰」がしっかりしていて、
間柱の間に充填しても
しっかりとハマっている感じです。

実際に断熱材を充填する作業に
携わる職人に話を聞いても、
「パラマウント硝子のグラスウール方が
きちんと充填しやすい」
という声を聞きます。

新住協などに加盟する高断熱住宅を
施工する住宅会社の多くが
パラマウント硝子製のグラスウールを
使っているのはこんな理由からです。

話が脱線してしまいました。(^^;

記事内にもあるように、
石油原料の不足も深刻化しているので、
今後は吹付ウレタン断熱材の不足が
深刻化してくるので、
グラスウールの値上がりも
加速してしまう可能性があります。

今後の動きが要注意となる材料です。

12月21日に
「ダイロートンやダイライト値上げ 
大建工業」の記事がありました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/UUpqBdme1wwC4d

大建工業は住宅用建材の大手メーカーで、
ハウスメーカーや大手ビルダー向けの
新建材を多く販売している会社です。

新建材の値上げについては、
以前のメルマガでお伝えしましたが、
今回は構造面材で使われる
ダイライトの値上げです。

ダイライトは、火山性ガラス質複層板
と呼ばれる耐力面材で、
耐震性・耐火性・耐風性・耐久性
の高いボードとされています。
https://asunaro-studio.jp/l/m/mHyjXLYADp8fg3

火山性ガラス質を用いているので
硬くて丈夫なのですが、
一方で「脆(もろ)い」という部分も
あります。

構造耐力壁として使用するので、
柱や梁や土台には、
定められたピッチで、
認定された釘で
留めつけていく必要があるのですが、
この釘の管理が難しい材とも
言われています。

釘が埋め込みすぎてしまったりすると、
地震時に力を受けた際に
割れてしまう可能性があります。

構造用合板などに比べると
構造耐力的にみて
地震時に「粘り」が足りないように
感じていて、何年か前にモイスに
乗り換えた経緯があります。

ダイライトはかなり多くの
出荷量があると思うので
業界への影響はかなりのものと思います。

12月23日に
「木材・建材の価格推移」がありました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/zYFKZIjbwVYOo5

この1年の価格の推移が分かります。

おさらいになりますが、
今年に入ってからじわじわと
価格が上がってきて、
3月末に大手プレカット会社が
受注停止をしたため、
業界では大騒ぎになりました。

先の表でも4月以降の価格の
上がり方が尋常でないことが分かります。

私もこの情報については、
いち早く得ていたので、
4月9日のメルマガで
皆様にお知らせしています。
https://asunaro-studio.jp/l/m/B5Swm54ZTPiNhu

この時のメルマガを
見返してみると自分でも
「1週間でよくこれだけの
情報を集めたな」と
感心してしまいます。(^^;

この頃は、ウッドショックの主原因が
「アメリカの住宅事情の好調」と
「世界的なコンテナ不足」である
と見ていたので、それらが
消する時期として
「夏ごろにピークが来て、
秋には落ち着く」
とお話していました。

しかし、その予測は
外れてしまいました。

夏以降の豪雨や山火事などの
世界各地での自然災害発生と
日本の国力低下に伴った
円安影響が続き、
ウッドショック自体は
大幅に長引き、
ピークアウトしないまま
年を越してしまう形です。

そして秋以降には、
世界的な原油高、
流通人材の不足と
日本の世界的な購買力低下に伴って、
ウッドショックだけでなく、
建材ショックが起こってしまいました。

メルマガでもお伝えしている通り、
すでに各種建材メーカーが
来年以降の製品値上げを
発表されているように、
まだ建材の値上がりは続きます。

現時点では、複数のメーカーから
来年1月と2月の
値上がり発表が続いていますので、
その他の建材や設備の値上がりも
3月位にいろいろと
出てくると思われます。

「春までにはこの価格上昇も
いい加減落ち着いて欲しい」
と願うばかりです。

このウッドショックと
建材ショックの影響は、
「家づくりを行おう」と
考えていた方には
大打撃となってしまいました。

以前のメルマガでも
お伝えしていますが、
昨年の工事費と現在の工事費を
単純比較すると15%~20%程度
工事費があがってしまっています。

1年前に3000万円の
工事費だったお家が、
同じものと今立てると
3400万円~3600万円に
なってしまっています。

住宅ローンの限度額に
余裕のないお客様にとっては、
大きな計画変更が
余儀なくされてしまいました。

これほどの短期間での
建材価格の高騰は
予期することも出来ず、
業界は大混乱することになりました。

業界的には、コロナ禍での
戸建てニーズと住宅ローン減税
駆け込み需要新型コロナの影響で、
忙しくしている住宅会社がある一方で、
材料や住宅設備の納期遅延により、
着工や完工が遅れたり、
計画が途中で中止になってしまって、
予定していた入金が無くて
資金繰りに四苦八苦している
ところも多くあります。

新型コロナの緊急融資がなされているので、
目立った倒産などは
一部に留まっていますが、
緊急融資も借金であることは
変わりはないので、
数年後に運転資金がショートして
倒産に追い込まれてしまう建設会社も
多く出てくるのではないかと予想されています。

その影響が出てくる頃に、
また業界も大きな変化を
余儀なくされるのではないかと思われます。

しばらくは業界を俯瞰して
様子を見続ける必要もありそうです。

今年最後のメルマガですので、
あすなろ建築工房の現時点での状況も
お伝えしておきたいと思います

ウッドショック、建材ショックに
翻弄された一年でしたが、
一方で我々が考える家づくりに
共感頂くお客様にも恵まれ
とても多くのご依頼を
頂くことになりました。

現時点では、設計開始までに
2年ほどお待ちいただいており、
設計開始から半年間の設計期間と
半年ちょっとの施工期間を経て、
お引渡しとなっています。

ご依頼を頂いてからお引渡しまでには
約3年半ほど要してしまう状況が
続いてしまっています。

お待ちいただく期間が
長くなりすぎてしまって
おりますので、人員を強化して
お待ちいただく期間を
極力短くできるるように
いろいろ策を講じています。

今年の春に
現場管理スタッフを一名増強し、
秋には設計スタッフを
2名増強しました。

来春には設計広報スタッフ、
リフォームメンテナンススタッフも
増強する予定です。

大工の増強と大型パネル工法の
一部導入を進めており、
現在年間12棟の施工棟数を
増やすことで、お待ちいただく期間を
短くできるように考えています。

このお待ちいただく期間の短縮については、
施策の効果が出次第、メルマガなどで
お知らせして参ります。

ご家族が安心して安全にお住まい頂ける
住まいを引き続き安定して
供給できるようにスタッフともども
頑張ってまいります。

本年はメルマガを
ご購読いただきありがとうございました。

来年も家づくりのお役立ち情報を
お伝えしていきたいと思います。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

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