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株式会社あすなろ建築工房

エコハウス大賞審査発表!

こんばんは。
あすなろ建築工房の関尾です。

この1週間はいろいろとイベントがあり大忙しでメルマガも間が空いてしまいました。(^^;
先週の火曜日は「エコハウス大賞」の公開審査会、水曜日は「住宅空調設計講座」、木曜日は「Tetris House(テトリスはうす)」の竣工写真撮影、金曜日は長女の高校の文化祭、土曜日は「Tetris House(テトリスはうす)」の完成見学会、日曜日はスタッフの結婚式、とイベント続きでした。
そして本日は「はんもっくハウス(Hammock House)」の竣工写真撮影。
土曜日は見学会です。

それぞれお伝えしたいことがいろいろあるのですが、本日は「エコハウス大賞」の審査の結果についてご報告したいと思います。

まずは結果のご報告です!
以前のメルマガでもお伝えしていた「U-project ~築140年の古民家を住み継がれる家へ~」がエコリノベ部門で「最優秀賞」に選ばれました!!
応援頂きありがとうございました。
本日のメルマガでは、その審査での様子をお伝えしたいと思います。

「エコハウス大賞」は『建築知識』や『建築知識ビルダーズ』を出版する建築系雑誌社のエクスナレッジが主催する建築コンクールで、2015年に第一回が開催され、脱炭素時代の美しい住宅を表彰する設計実例コンテストです。
2016年の第2回では、あすなろ建築工房のモデルハウス兼私の自宅の「六ッ川の家」で奨励賞を頂いております。
https://asunaro-studio.jp/l/m/xJfEoJc7yoMyVi

年々、性能だけでなくデザイン的にも優れた作品が応募されるようになり、近年は激戦が繰り広げられていました。
2020年、2021年と開催されず、今年は3年振りの開催の年となりました。
そんなこともあって、今年は3年分の作品が押し寄せることになり、例年にない超激戦となったようです。

あすなろ建築工房でもエコハウスと呼ばれる(呼んでよい)住宅は、普段から手掛けておりますので、今回も応募させて頂いたものとなります。
今年は「エコリノベ部門」が新設されるということだったので、南馬込で行った築140年の古民家の改修工事を応募させて頂きました。
「U-project ~築140年の古民家を住み継がれる家へ~」の竣工写真はこちら。
https://asunaro-studio.jp/l/m/V1qtFO1a4hZNHt

以前のメルマガでもお知らせしておりましたが、この計画「U-project ~築140年の古民家を住み継がれる家へ~」がエコリノベ部門での最終ノミネートに選出されておりました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/NeJmWOlLvoR15g

先週の火曜日に公開審査会が開催されました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/X1fPNipzWzQkfM

審査会は、ZOOMのウェビナーでのウェブ開催で、ノミネート作品をそれぞれ1分間で簡単に自己紹介し、審査員の方から質問を受け、最後に審査員とウェブ参加者の方が投票する形で、審査されました。
ノミネート作品を選定する際には、5名の審査員の先生方での審査だったのですが、最終審査はそこにゲスト審査員として5名の方が加わり、合計10名の審査員とウェブ参加者の方からの審査を頂くことになりました。

U-projectは、以前のメルマガでもお伝えしたように、今から4年前の2018年の初めに、お客様からお問合せを頂いたことが始まりとなります。
相当な設計の知識と時間を要することから、私の大先輩である鈴木アトリエの鈴木さんをお客様にご紹介し、設計として統括をお願いしました。

母屋にはご両親様がお住まいとなっており、昭和の初期に増築した部分を主にお使いでした。
そこで明治期時代に建設された部分と昭和の初期に増築された部分とを分離して、明治期時代の部分を現代の住まいに改修する計画することになりました。
その明治時代の建設部分だけでは、3人ご家族がお住まいになるには少々手狭となってしまうので、北側に2階建てを新築として増築することになりました。

公開審査会は、オーナー様と鈴木さんと私と3人で出席しました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/oVVnhDlTBeO5Fm
おじさん三人が狭い画面に肩を並べた画面で少々暑苦しい感じです。(^^;

審査会当日は、審査員の先生方からいろいろとご質問を頂きました。
特に建築家の堀部安嗣先生からは、かなり踏み込んだ質問を頂きました。
この2階建ての増築部分の扱いについて「この2階の増築部分で日射取得エネルギーを得るなどの工夫が出来なかったか?」というご質問です。

ご質問への私たちの答えとしては「面積的にも限られていたので、日射取得までは考えていなかった」というものでした。
審査会後の鈴木さんとオーナーさんとの反省会で「確かに工夫の余地はあった。我々は増築することで必要面積を確保でき、構造的に断熱性能的にクリア出来て、確認申請にも合致できたとことで満足してしまっていた。ここをもう少し踏み込んでもう少し考えを巡らせるべきであった」と反省することになりました。

建築って、答えは一つではないので、あらゆる条件を満たす形で最適解を求めていく作業です。
「正解が得られた」と思っていても、違った見方をすれば、もっとふさわしい「正解」があるかもしれません。
ただその条件や可能性に気が付いていないという場合も多々あります。
今回の審査会ではその建築的な答えの在り方や探り方を再認識することになりました。
さすが常に思考を続ける建築家の先生の方々と思います。
ツッコミどころがとても深いです。

今回の審査会で評価をいただいたのが「将来へのストーリー」です。
確認申請もない時代の建物で、耐震的にも断熱的にも考えられていないものを、まずはこの基本性能そのものを確保させ、世の中の価値基準の一つである「検査済証を得る」という努力を評価頂きました。

そしてオーナー様の「この地域を良くしたい。そのためには地域のコアになるような古き良きものが必要」という高い意識についても高い評価頂きました。
「意識」だけでは、古い建物を残すことは出来ません。
古いものを残すには、相当な費用がかかることになります。
お金のことだけを考えたならば、この古い家は解体してしまって、マンションなどの収益物件を建てた方がよいことになります。
この家を残して継承していくために、オーナー様は数年前から資金計画を立案し、事前に調査と審査機関との調整を行ってきていらっしゃいました。

その下準備をしたうえで、マンションへの建て替えという選択肢ではなく「古いものを残して活用する」ことを選ばれました。
そのためには、税金対策をはじめとする資金計画をしっかりと練られていました。
先祖から受け付いた資産をトータルでしっかりと受け継いで、残すべきものは残して地域として活用していくという考え方です。
そのオーナー様の熱い想いが、行政や審査機関を動かし、そして設計の鈴木さん、施工したあすなろ建築工房に届いた形となります。
現場と担当した監督や大工や職人さんたちにも伝わりました。
そして今回の審査員である伊礼智さんや三澤文子さんに伝わり、評価頂くことになりました。

また今回は単なる省エネとかデザインというハードな観点でのエコハウスという捉え方ではなく、脱炭素や街並みや人の関わりなどソフトの面での「エコな家」という観点で評価されていたと思います。
単体そのものの性能や住まい心地だけではなく、地域との関わりや将来への負荷などの低減などが求められる時代がやってきた感がします。
今後もこのような広い視野での既存建物利用が広がっていくものと思います。

エコハウス大賞ですが、このあとはジャパンホーム&ビルディングショーの会場で、審査員によるリレートークシンポジウムと表彰式が行われます。

ジャパンホーム&ビルディングショーの詳細はこちら
https://asunaro-studio.jp/l/m/W2Izdga8nHkUzQ

Japan Home & Building Show 2022
会期:2022年10月26日(水)~28日(金)
会場:東京ビッグサイト 東展示棟

シンポジウムと表彰式は展示会の最終日の午後に行われます。
詳細はこちら(プラチナセミナーの一番下にあります)
https://asunaro-studio.jp/l/m/m59EZsNgY8lOuY
10月28日(金)14:00~17:00
会場:プラチナセミナー会場(講演会場A)

もし最終日に会場にお越しであれば、是非シンポジウムと表彰式にもご参加ください。

本日は「エコハウス大賞審査発表!」でした。

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