U-project　～築140年の古民家を住み継がれる家へ～

こんばんは。
あすなろ建築工房の関尾です。

今日は「海の日」お休みですね。
世間一般的には休日ですが、私はやることが溜まってしまっているので、自宅で朝からメルマガまでしっかり仕事しております。(^^;

本日は、お知らせがあります。
あのエコハウス大賞に「U-project　～築140年の古民家を住み継がれる家へ～」がエコリノベ部門で最終ノミネートに選出されました！

【第6回日本エコハウス大賞 設計審査 結果のお知らせ】
https://asunaro-studio.jp/l/m/8AE7hjPfg5rTQM

【「U-project　～築140年の古民家を住み継がれる家へ～」】
https://asunaro-studio.jp/l/m/0dIon9hYn6mIw0

日本エコハウス大賞は、２０１５年に第一回が開催され、脱炭素時代の美しい住宅を表彰する設計実例コンテストになります。
主催は、建築知識や建築知識ビルダーズを出版する建築系雑誌社のエクスナレッジ社です。
２回目の２０１６年には、あすなろ建築工房のモデルハウス兼私の自宅の「六ッ川の家」が奨励賞を受賞しております。
年々、強力な作品が応募されるようになり、近年は激戦が繰り広げられていたコンテストになります。
2020年、2021年と開催されていなかったのですが、今年は３年振りに復活し、３年分の作品が押し寄せて例年にない超激戦だったと聞いています。

そんな激戦の中で最終ノミネートの１１作品に残ったことはとても光栄なことです。
ということで、本日は「U-project　～築140年の古民家を住み継がれる家へ～」の概略をご説明したいと思います。

この計画は、今から４年前の２０１８年の初めに、お客様からお問合せを頂いたことが始まりとなります。
某大手設計事務所にお勤めで、大きな再発などのプロジェクトなどを手掛けるお客様がご両親様がお住まいのご実家の今後についてご相談頂きました。
築年数１４０年の古民家の実家のリノベーションをご計画されていました。
すでにお仕事の関係で、構造建築家として有名な山辺構造設計事務所の山辺豊彦先生に構造躯体の調査をお願いされていました。

明治１１年（1878年）の棟札が小屋裏にあることから、築年数は１４０年以上の建物なのですが、現行法規に合致した「確認申請の取得」と「耐震等級の確保」と「HEAT20のＧ２基準断熱性能の確保」そして、家族３人が快適にお住まい頂ける「間取り改修」をご希望されていました。
４年前はちょうど多くのご依頼を頂くようになってきた時期で、設計にかけることが出来る時間が限られていたこともあり、「設計に相当な時間を要するプロジェクトになる」「自社での設計には人的と時間的に限界がある」と判断し、私の大先輩である鈴木アトリエの鈴木さんをお客様にご紹介し、設計として統括をお願いすることになりました。
構造設計の監修を、引き続き山辺豊彦先生にお願いし、この「U-project　～築140年の古民家を住み継がれる家へ～」が始まりました。

まずは過去の事例を知ることから始めました。
住環境価値向上事業協同組合（SAREX)で交流のある古民家再生を得意とする輝建設さんのモデルハウスをお客様と鈴木さんと３人で見学にも行ってきました。
【輝建設】
https://asunaro-studio.jp/l/m/mcrG5fKtKusMaf
【訪問時のブログ】
https://asunaro-studio.jp/l/m/OaX1FgHlP9hNGa
ブログを見返してみると、北村建築工房の北村さんもご一緒されていました！

母屋は、ご両親様がお住まいなのですが、昭和の初期に増築した部分を主にお使いであったことから、明治期時代の部分と昭和の初期部分とを分離して、ご両親様のお家とお客様の２棟に分けて計画することになりました。
明治時代の部分だけでは、３人ご家族がお住まいになるには少々狭いので、北側に２階建てを新築として増築することになりました。

そこで問題となるのが、「確認申請に合致させる」という部分です。
平成26年に７月に国土交通省から策定・公表された「検査済証のない建築物にかかる指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」に基づき、既存部分を対応させることで、適合させることが可能かどうか協議しました。
https://asunaro-studio.jp/l/m/5XWDhZpf8lNJWt
お客様と鈴木さんと山辺先生とで、関係検査機関と協議を重ね、「指摘事項を是正すれば建築基準関係規定への適合性は確保される」との見解を得ることが出来、既存部分の構造補強を行って、新築増築部を含めて確認申請を取得する方針が決まりました。