家百マガジン

水戸工務店代表の小林弘典です。 本日は松戸市にて、上棟作業中です。 昔は上棟というと、一日で骨組みを組み立て、夕方に上棟式、という事が多かったのですが、安全面から足場を作りながら作業を行う、高性能住宅のために工程が増えたことなどから、一日では終わらず、数日掛けて行うことが増えました。 土曜日には上棟式があるので、それまでに屋根の下地までは終わる予定です。 さて、昨日は私の所属するJBN工務店協会の会議に参加。その中の、既存改修委員会があり、JBN会員に向けて情報提供などを行うために、色々と活動を行っています。 もちろん、委員会参加者に最新の情報が手に入るので、それが最も大きい理由だったりします。 さて、来年の4月に建築基準法の法改正があります。新築についても、いろいろと変わるのですが、実は大きな問題を抱えているのが既存改修、つまりリフォーム工事だったりします。 法改正で懸念されることを、簡単に言えば、今までのリフォームでは必要が無かった、確認申請を求められるようになる、ということ。 今までは、10ｍ2を超える増築には、確認申請が義務付けられていましたが、来年4月からは、大規模修繕と呼ばれる、屋根の改修や外壁の改修などにも、確認申請を求められる場合があります。 一般の方はそれが何が問題なの？となりますが、20年ほど前の建物は、完了検査という、確認申請通りに家が建っているかどうかの検査、を行っていないところが非常に多くあります。 そういう物件の場合、リフォーム工事に合わせて現行の基準に合うように改修計画を作成して、工事時に改修をする必要が出てきます。 国が掲げる、中古住宅を良質なストック資源にする、という目標は立派なのですが、昔の基準で建てられたものを、現行基準にする、これはなかなか大変で、現況調査、図面作成などにとても時間とお金がかかります。 その必要なお金は、施主が出さなくてはなりません。100万や200万では出来ない金額です。 屋根の改修をしたい、150万の工事です、でも改修計画と工事を同時に行うので、プラス500万必要です、なんてことが起こることが考えられるのですが、そんな予算だせますか？って話です。 そもそもリフォーム計画が頓挫することもたくさん出てくるでしょう。 問題なのは、そんな手続きを無視してやってしまうモグリ業者も出ることです、、、必ず出るでしょう。 これは建築基準法なので、違反すれば罰則があります。私たち建築業者に課せられます。罰則罰金もありますし、建設業許可も取り上げられます。 建設業の許可を取るのは、かなり大変なので、数百万の工事で、許可が無くなるのはダメージが大きすぎる。 なので、まともな建築会社は適法な手続きを取ります。施主は自分の家なので、支払いが増えるのは了承するしかありません。 ですが、モグリ業者など建設業の許可を持たない小規模工事メインのリフォーム会社などは、違反なんて怖くない。取り締まられたら、名前変えてもう一度店をつくればいい。 そんなリフォーム会社があるとして、おそらく勉強は足りていないし、働いている職人の技術も拙い。大きな問題として、そういった業者の多くは、来年の法改正を理解してないでしょう。 そんな会社がリフォームを行ったとしたら、、、 良質なストックを作るための法改正なのに、それを行える業者は、真面目さゆえに費用が掛かりすぎるため、顧客から避けられる。 そして法律を理解しない、違反が怖くない、安さが売りの業者に依頼し、粗悪な中古住宅ストックが増えていく。 これでいいわけがないのに、どうにかならなかったのでしょうか？ JBNとして、国交省に意見は言っているのですが、混乱なって起こらないでしょ？とタカをくくっています。 ですが、実際は、新築の法改正のための準備に追われて、既存住宅の法改正は、全然調整が進んでいないだけなんです。あまりに未解決の部分が多すぎます。 なので、あと5か月後に迫った法改正、その後は、混乱が落ち着くまで、大きなリフォームに手を付けるのは当社としては難しいだろうな、と考えています。 とはいえ、抜け道も無いわけではない、大きな声で言う事も出来ないので、ケースバイケース、ということで。 今日もお読みいただき、ありがとうございました。 また次回もよろしくお願いします。 それでは！

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