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漆喰と珪藻土の違いを解説します!
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漆喰と珪藻土の違いを解説します!

2025年3月31日

「素材選び、正直めちゃくちゃ迷いました。」
これは、リノベーションや模様替えを考える多くの方が抱えるリアルな声です。見た目の好みだけでなく、調湿性や消臭、施工のしやすさ、そして健康面まで考えると、選択肢は無限大に感じてしまいますよね。

特に人気のある「漆喰」と「珪藻土」。どちらも自然素材として注目されており、プロの現場でも多数採用されていますが、違いを知らずに選ぶと後悔することも少なくありません。

この記事では、漆喰と珪藻土の基礎知識から性能の比較、メリット・デメリット、施工方法、メンテナンス、活用事例までを網羅的に解説しています。

読むだけで、「自分の暮らしにはどちらが合っているか」が自然とわかるので、壁材選びに迷いがなくなるはずです。快適でおしゃれ、そして健康的な住空間を手に入れるためのヒントが、ぎゅっと詰まっています。

迷ったまま決めてしまう前に、この記事を一度読んでみてください。
あなたの理想の住まいづくりに、一歩近づけるはずです。

この記事の結論はこちら
  • 漆喰と珪藻土の違いと共通点が明確に理解できる
  • それぞれのメリット・デメリットを比較し、自分に合った選択ができる
  • 施工方法の難易度や注意点がわかる(DIYとプロの違い)
  • 日常ケアやトラブル時の対応など、具体的なメンテナンス方法が把握できる
  • 活用事例を通して、理想の空間づくりの具体的なイメージが描ける

1 漆喰と珪藻土の基本概要

1-1 漆喰とは

漆喰(しっくい)は、古くから日本の建築に使われてきた伝統的な壁材です。主な原料は消石灰(水酸化カルシウム)で、これに麻すさや海藻糊などを混ぜて作られます。その特性から、古民家やお城の壁などでも多く見られ、長年にわたり高い耐久性を誇ってきました。

漆喰は、時間の経過とともに硬化しながら強度を増していく特性を持っています。また、石灰の性質により、抗菌作用や防カビ効果が期待できる点も注目されています。自然素材を主成分とし、健康的な室内環境づくりにも貢献します。

表面は滑らかで美しく、光を柔らかく反射するため、室内に落ち着いた印象を与えてくれます。そのため、近年ではモダンな住宅の内装にも取り入れられることが増えてきています。

一方で、施工にはある程度の技術が必要とされるため、DIYにはややハードルが高いと感じる方もいるかもしれません。しかし、近年では初心者向けの製品も登場しており、手軽に漆喰の風合いを楽しめるようになってきました。

環境面でも漆喰は注目されています。原材料が自然由来であり、製造時のエネルギー負荷も比較的低いため、エコ建材としての評価も高まっています。伝統と現代をつなぐ素材として、今後も注目が集まりそうです

1-2 珪藻土とは

珪藻土(けいそうど)は、植物プランクトンの一種である珪藻の殻が堆積してできた堆積物から作られる自然素材の建材です。主成分はシリカ(ケイ酸)で、多孔質構造をしているのが特徴です。この構造が、調湿性や消臭性など、さまざまな機能を生み出しています。

珪藻土の最大の特徴は、調湿効果の高さです。室内の湿度が高いときには湿気を吸収し、乾燥しているときには放出するという性質があり、快適な室内環境を保つのに役立ちます。これは、日本の四季に適した素材として重宝されています。

また、消臭効果や有害物質(ホルムアルデヒドなど)の吸着効果も期待でき、シックハウス症候群の対策としても有効です。アレルギー体質の方や小さなお子様がいる家庭にも安心して使える素材として注目されています。

珪藻土は、ナチュラルな風合いとマットな質感を持ち、優しい印象のインテリアを作り出すのに適しています。施工性も比較的高く、DIYでも扱いやすいため、個人での壁リフォームに選ばれることも多いです。

ただし、市販されている珪藻土製品の中には、樹脂や化学物質が多く含まれているものもあるため、選ぶ際には成分表記を確認することが大切です。自然素材の特性を活かすためには、できるだけ純度の高い製品を選ぶようにしましょう。

1-3 漆喰と珪藻土の主な違い

漆喰と珪藻土はどちらも自然素材を原料とする内装材ですが、その成分や性質、機能には明確な違いがあります。まず、漆喰は石灰を主成分とし、化学反応により固まっていく「硬化性」の素材です。一方、珪藻土は乾燥によって硬化する「乾燥性」の素材であり、施工方法にも違いが見られます。

漆喰はその高いアルカリ性によって抗菌・防カビ性に優れ、表面は滑らかで硬質な仕上がりとなります。耐久性や防火性も高く、安心して長期間使用できるのが特徴です。一方で、珪藻土は多孔質構造により、調湿性能と消臭効果が非常に高く、住環境の快適性を高める役割を担います。

外観にも違いがあります。漆喰はツルっとした光沢感のある表情を持ち、モダンで清潔感のある印象を与えます。対して珪藻土はマットで素朴な質感が特徴で、ナチュラルな空間づくりに適しています。どちらを選ぶかで、インテリア全体の印象も大きく変わります。

施工性についても差があります。漆喰は左官技術が求められる素材で、DIYではやや扱いづらい面があります。珪藻土は比較的施工しやすく、初心者でも扱える製品が多いため、DIYユーザーに人気です。

また、価格帯にも違いがあります。漆喰はやや高価ですが、耐久性やメンテナンスの手間を考えると、長期的に見てコストパフォーマンスが高いと言えます。一方、珪藻土は初期コストが抑えられ、導入しやすい点がメリットですが、傷がつきやすく、耐久面ではやや劣ります。

1-4 漆喰と珪藻土の共通点

漆喰と珪藻土には異なる特徴がある一方で、共通するメリットも多く存在します。まず挙げられるのは、どちらも自然素材であることです。化学物質を含まない安全性が高く、健康志向の住宅や自然派リノベーションに最適な素材として人気を集めています。

また、両者ともに調湿性を持ち、湿気が多いときには吸収し、乾燥しているときには放出するという性質があります。これにより、室内の湿度を快適に保ち、結露やカビの発生を防ぐ効果が期待できます。日本のような四季のある国には非常に適した機能です。

さらに、空気の清浄効果も共通の特徴です。漆喰はアルカリ性によって抗菌・防臭性を発揮し、珪藻土は多孔質構造でにおいや有害物質を吸着する作用があります。これにより、快適で安心な住環境を実現できます。

デザイン面でも両者は優れています。塗り壁ならではの立体感と温もりのある質感を持ち、クロスでは表現できない風合いが得られます。左官仕上げや模様付けによって個性を演出できるのも魅力です。

そして、環境負荷の少なさも見逃せないポイントです。どちらも自然由来の原料を使用しており、製造時のエネルギー消費が少ないうえに、廃棄時にも土に還る環境負荷の低さが評価されています。サステナブルな暮らしを目指す人々にとって、有力な選択肢と言えるでしょう。

1-5 漆喰と珪藻土の選び方

漆喰と珪藻土のどちらを選ぶかは、住まいの目的や空間の用途によって変わります。まず重視したいのは性能面です。調湿や消臭機能を重視するのであれば、珪藻土の多孔質構造による吸湿性が効果的です。一方、抗菌性や防カビ性を求める場合は、アルカリ性が強い漆喰が適しています

次に、インテリアデザインの好みも大きな選定基準になります。清潔感のある白い壁や光沢感を求めるなら漆喰が向いており、ナチュラルで柔らかな風合いを重視する方には珪藻土が適しています。いずれもカラーリングや模様のアレンジが可能なので、自分らしい空間演出が楽しめます。

また、施工性にも注目しましょう。DIYでの施工を検討している方には、扱いやすく市販品も豊富な珪藻土がおすすめです。漆喰は施工に技術が必要なため、美しい仕上がりを求めるならプロへの依頼が安心です。

コスト面では、初期費用を抑えたいなら珪藻土が適しており、予算に限りがある場合にも導入しやすい点が魅力です。漆喰はやや高価ですが、耐久性が高くメンテナンスの頻度が少ないため、長期的に見ればコストパフォーマンスに優れています

最後に、空間の使い方に応じた選び方も重要です。リビングや寝室などの快適性を重視したい空間には珪藻土が適し、水回りや湿気の多い場所には漆喰が適しています。それぞれの特性を活かし、住まい全体の快適性と美観を高める工夫を取り入れていきましょう。

2 漆喰の特徴とメリット・デメリット

2-1 漆喰のメリット

漆喰の最大のメリットは、高い調湿性能と抗菌性にあります。漆喰の主成分である石灰は空気中の湿度をコントロールする機能を持ち、湿気を吸収・放出することで快適な室内環境を維持します。また、強アルカリ性によりカビや細菌の発生を抑える効果もあるため、健康的な住空間づくりに貢献します。

さらに、漆喰は非常に高い耐火性を備えています。石灰を主原料とするため燃えにくく、火災時にも有毒ガスを発生しにくい安全な素材です。この特性は、防火対策として住宅の安心感を高める重要な要素になります。

デザイン性の高さも漆喰の大きな魅力です。左官仕上げによって自由な模様や表情をつけられ、オリジナリティのある内装を演出できます。表面は滑らかで光をやわらかく反射し、和風にもモダンにも調和する万能な素材です。

漆喰は時間の経過とともに独特の風合いを増す「経年美化」が特徴です。細かな変化を楽しむことができ、アンティーク調のインテリアや自然素材との相性も抜群。住まいに深みと味わいを加えることができます。

そして、環境負荷の低さもポイントです。自然素材である漆喰は製造時のエネルギー消費が少なく、廃棄しても土に還るエコな建材として注目されています。持続可能な住まいづくりを目指す人にとって、最適な選択肢の一つと言えるでしょう。

2-2 漆喰のデメリット

漆喰には多くの魅力がありますが、いくつかのデメリットも理解しておく必要があります。まずは施工の難しさです。漆喰は乾燥が早く、塗りムラやひび割れが起こりやすいため、美しい仕上がりには熟練した技術が求められます。DIYで挑戦するにはややハードルが高く、プロの施工が推奨されることが多いです。

次に挙げられるのは、ひび割れしやすいという点です。温度や湿度の変化、建物の揺れなどにより、表面に細かなクラック(ひび)が発生する場合があります。これは素材の特性上、ある程度避けられず、美観を損ねる要因となることがあります。

コスト面でも注意が必要です。漆喰は素材自体の価格に加えて、左官職人による施工費が必要になるため、初期費用が高くなりがちです。特に広い面積を施工する場合には、予算に十分な余裕を持っておく必要があります。

さらに、漆喰は汚れやすいというデメリットもあります。白系の色味が主流であることや、吸水性の高さから、手あかや油汚れが付きやすい点に注意が必要です。特にキッチンや玄関などの使用頻度が高い場所では、慎重な取り扱いが求められます。

最後に、メンテナンスの難しさもあります。補修には同じ材料と技術が必要となるため、部分的な修復でも色や質感の再現が難しいことがあります。補修箇所が目立つと全体の美観を損なう恐れがあるため、専門的な対応が必要になるケースもあります。

2-3 漆喰の施工方法

漆喰の施工は、いくつかの工程を丁寧に進める必要があります。最初のステップは下地づくりです。漆喰は下地の状態に影響を受けやすいため、石膏ボードやモルタルなどの安定した下地を使用し、シーラーなどで処理を施しておくことが重要です。

下地処理が完了したら、「下塗り」の工程に進みます。この段階では、漆喰の密着性を高める下塗り材を使ってベースを整えます。漆喰は乾燥が早いため、スムーズかつ丁寧な作業が求められます。

続いて、「中塗り~仕上げ塗り」を行います。コテを使って漆喰を塗り広げ、表面を滑らかに整えると同時に、模様や表情を自由に加えることも可能です。仕上げ次第でモダンにも和風にもアレンジができ、デザインの幅が広いのも魅力です。

塗り終えたあとは、乾燥の工程が非常に重要です。表面はすぐに乾いたように見えても、内部の水分が完全に抜けるまでには数日を要します。換気を行い、直射日光を避けてゆっくり乾燥させることで、ひび割れの発生を防ぐことができます。

最近では、初心者でも扱いやすい練り済みの漆喰製品が登場しており、DIYでの挑戦も可能になっています。しかし、広範囲の施工や高い完成度を求める場合は、やはりプロの左官職人に依頼するのが安心です。施工範囲や予算に応じて適切な方法を選びましょう。

2-4 漆喰のメンテナンス方法

漆喰は基本的にメンテナンスの手間が少ない素材ですが、美しい状態を長く保つためには日常的なケアが大切です。通常の掃除は、乾いた布やハンディモップなどでホコリを軽く払うだけで十分です。水拭きはシミや劣化の原因になるため避けるようにしましょう。

もし汚れが付着した場合は、消しゴムやサンドペーパーを使って表面を軽くこすることで落とせることがあります。ただし、強くこすりすぎると表面を削りすぎてしまい、色ムラや質感の変化が出ることもあるため、慎重に行う必要があります。

ひび割れが生じた場合でも、小さなクラックであれば構造上の問題は少ないことが多いです。ただし見た目が気になる場合には、補修用の漆喰材を使って埋めることで目立たなくできます。広範囲の補修や色味の再現が必要な場合は、専門業者への依頼が安心です。

カビやシミが発生した場合は、アルコールスプレーや薄めた酢水でのふき取りが効果的です。化学洗剤や漂白剤の使用は避け、素材に優しい方法でのケアを心がけることで、漆喰の風合いを損なうことなくメンテナンスが行えます。

また、住まい全体の湿度管理も重要です。漆喰の調湿性能を最大限に活かすためには、過度な乾燥や高湿度を避け、換気や空調設備を適切に使うことが推奨されます。これにより、漆喰の劣化を防ぎ、長く快適な住空間を維持することができます。

3 珪藻土の特徴とメリット・デメリット

3-1 珪藻土のメリット

珪藻土の最大のメリットは、優れた調湿性能です。珪藻土は目に見えない微細な孔(多孔質構造)を持っており、湿度が高いときは水分を吸収し、乾燥時には放出する性質があります。これにより、室内の湿度を自然に調整し、結露の防止やカビの発生を抑える効果が期待できます。

また、珪藻土は消臭効果にも優れています。生活臭やタバコ、ペットのにおいを吸着し、空気中の不快なにおいを軽減します。特に玄関やトイレ、リビングなど、においがこもりやすい場所に適しています。

さらに、珪藻土は有害物質の吸着能力も持ちます。ホルムアルデヒドなどのVOC(揮発性有機化合物)を吸着する働きがあり、シックハウス症候群の予防にも効果的です。アレルギー体質の方や小さなお子様がいるご家庭にも安心して取り入れられる素材です。

デザイン面でも珪藻土は魅力的です。マットで温かみのある質感が特徴で、ナチュラルな空間演出にぴったりです。塗り方や着色によって多彩な表現ができ、個性的でオリジナリティのある壁面を作ることができます。

そして、施工のしやすさも大きな魅力です。市販されている珪藻土塗り材は、DIY初心者でも扱いやすい製品が多く、必要な道具も比較的少ないため、初めての壁リフォームにもおすすめです。自分の手で仕上げる喜びを感じながら、理想の空間を作り上げることができます。

3-2 珪藻土のデメリット

珪藻土には多くのメリットがありますが、注意すべきデメリットもいくつか存在します。まずは強度の低さです。珪藻土は多孔質構造ゆえに柔らかく、衝撃に弱いため傷や欠けが生じやすいという特性があります。家具の移動や物の接触に気をつける必要があります。

また、珪藻土は水に弱い素材です。高い吸水性を持つため、水が直接かかる場所では劣化しやすい傾向にあります。キッチンや洗面所などの水回りで使用する際は、防水性能を高めた専用商品を選ぶことが重要です。

汚れに関しても、しみ込みやすい性質があるため注意が必要です。特に油分や液体汚れは内部まで染み込むことがあり、一度付いた汚れが落としにくい点がデメリットと言えます。キッチンなどでは使用範囲を限定するなどの工夫が求められます。

DIY施工がしやすいという利点の一方で、塗りムラが出やすいという点もあります。素材の特性上、均一な仕上がりを実現するにはコツが必要で、特に初心者は仕上がりに差が出やすい傾向があります。失敗を避けたい場合は、事前に小面積で試すのもおすすめです。

最後に、珪藻土製品の中には、品質にばらつきのあるものが存在します。市販品の中には、化学樹脂などが多く混合された商品もあるため、購入前には成分表示をしっかりと確認し、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要です。

3-3 珪藻土の施工方法

珪藻土はDIYでも比較的扱いやすい素材として人気があります。まずは下地処理が必要です。珪藻土は吸水性が高いため、石膏ボードやベニヤ板などの下地には、吸い込みを防ぐためのシーラーをしっかり塗布しておくことがポイントです。

次に、「塗り材の準備」に入ります。市販されている珪藻土塗り材には、粉末タイプと練り済みタイプがあり、初心者には手間がかからない練り済みタイプがおすすめです。内容物をしっかりかき混ぜ、適切な粘度に調整することで作業がスムーズに進みます。

塗布作業では、コテやローラーを使って壁面に塗り広げていきます。コテを使えば自由な模様や立体感が表現でき、ローラーなら均一な仕上がりが得られます。塗り重ねる厚さによって、質感や色の見え方が変わる点も魅力です。

施工後は乾燥の工程が重要です。表面は数時間で乾いたように見えても、内部の水分が抜けるまでには数日かかることがあります。施工後はしばらくの間、換気を良くして、湿気がこもらないように配慮しましょう。

万が一塗りムラや失敗があった場合でも、乾燥前であればやり直しが可能です。また、乾燥後でも上から塗り重ねができるため、補修性が高く扱いやすい素材と言えます。初めての方でも気軽に挑戦しやすい点が珪藻土の大きな魅力です。

3-4 珪藻土のメンテナンス方法

珪藻土は基本的にメンテナンスフリーに近い素材ですが、長く美しさを保つためにはいくつかの注意点があります。日常の掃除では、乾いた布やハンディモップでホコリを軽く払う程度で十分です。水拭きは避けるのが基本で、シミや変色の原因になります。

もし汚れが付いた場合は、消しゴムやサンドペーパーで軽くこすって落とす方法があります。ただし、削りすぎると表面の質感や色味が損なわれる可能性があるため、少しずつ様子を見ながら作業することが大切です。

ひび割れや欠けが発生した場合には、市販の補修用パテや塗り材で部分補修が可能です。色合わせが難しいこともありますが、小さなクラック程度であればDIYでも対応可能です。広範囲に及ぶ場合は、専門家への相談も視野に入れましょう。

また、珪藻土は臭いを吸着する性質があるため、長年使用していると吸着力が低下してくることがあります。そんなときは、表面を軽く削ることで吸着機能をある程度回復させることができます。さらに、塗り重ねもできるため、定期的なリフレッシュも可能です。

室内の環境管理もメンテナンスの一環として重要です。過度な乾燥や湿気は素材の劣化を招く要因となるため、定期的な換気や加湿・除湿のコントロールを行い、珪藻土の機能を長く維持することをおすすめします。

3-5 珪藻土の活用事例

珪藻土はその機能性とデザイン性の高さから、さまざまな住空間に活用されています。もっとも一般的なのは、リビングや寝室の内壁への使用です。調湿性能に優れており、四季を通じて快適な空気環境を保つことができます。

特に注目されているのが、においがこもりやすい玄関やトイレでの活用です。消臭効果が高いため、清潔感のある爽やかな空間を保ちやすく、多くの家庭で取り入れられています。小さなスペースでのDIYにも最適です。

インテリアのアクセントとしても人気があり、テレビ背面やベッド周りの壁、書斎の一角などに使用することで、柔らかく落ち着いた雰囲気を演出できます。塗り方や色の選び方によって、デザイン性を自由にカスタマイズできるのも魅力です。

また、珪藻土は子供部屋にも適した素材です。ホルムアルデヒドの吸着や湿度調整機能により、アレルギーやカビのリスクを軽減できるため、健康的な空間づくりに貢献します。自然素材の温もりも、感性を育む環境として効果的です。

近年では、カフェや美容室、アトリエなどの商業空間にも珪藻土が使われています。居心地の良い空間演出と空気環境の向上が両立できるため、おしゃれで健康的な店舗づくりに最適な素材として注目を集めています。

まとめ

本記事では、自然素材である漆喰と珪藻土の違いについて、特徴・性能・施工方法・メンテナンス・活用事例と多角的に解説しました。漆喰は石灰を主成分とし、抗菌性・防火性・耐久性に優れる素材です。光沢のある美しい仕上がりと、高い安全性を兼ね備えており、伝統的な建築から現代住宅まで幅広く利用されています。

一方、珪藻土は多孔質構造による調湿・消臭・有害物質の吸着効果が魅力です。マットでナチュラルな風合いが人気で、DIYでも扱いやすく、初めての壁リフォームにも適した素材といえます。それぞれの特徴を踏まえて、住まいの用途や目的に応じた使い分けが重要になります。

漆喰は施工に技術を要するものの、経年変化を楽しみながら長く使えるという魅力があります。珪藻土は仕上げの自由度が高く、自分らしい空間演出に向いています。どちらも自然素材ならではの心地よさと安全性を兼ね備えており、住まいの快適性を高める重要な要素です。

メンテナンス面では、汚れやひび割れへの対応方法を事前に知っておくことで、トラブル発生時も安心です。素材の特性を理解し、適切に手入れをすることで、長く美しい状態を保つことができます。どちらも補修が可能なため、気軽に取り入れやすい点もメリットです。

最後に、漆喰や珪藻土の導入を検討している方には、まずは一部屋または壁の一部から試してみることをおすすめします。実際に触れて、見て、空間の変化を体感することで、自分にとって最適な素材が見つかるはずです。自然の恵みを住まいに取り入れて、快適で美しい暮らしを実現してみてはいかがでしょうか。

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