家百マガジン

こんばんは。あすなろ建築工房の関尾です。 新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。あすなろ建築工房は、今日までが正月休みで、明日から仕事始めとなります。 昨年は本当に建築の業界においては波乱の一年となりました。想像以上の建築資材の高騰に悩まされ続ける一年でした。年末のメルマガでもお伝えしたように、建材の価格は今年に入ってもまだまだ上がってしまうものと思います。 そして建材の後には人件費のアップも予想されています。今年の10月1日から「インボイス制度」が始まります。詳しいことはまたのメルマガでお伝えしますが、大工さんを中心に一日の労務費が高くなってしまうものです。 「家を建てるのはいつがいいのか？」とご質問を頂くことも多いのですが、答えは「建てたいと思った時」となります。今後、政府が進める経済成長の効果？も出てくると思いますので、物価は上がり続けます。賃金もさすがに上がることでしょう。「上がった建材が安くなる」とか「労務費が安くなる」ということは考えにくいです。待っていても高くなりますから、「思った時」に動くことが大切と思います。 ５月からはいわゆる「ゼロゼロ融資」の利払いが一斉に始まります。「ゼロゼロ融資」とは、新型コロナウイルスの感染拡大で苦しむ中小企業の資金繰りを支援するために、３年前に国が行った実質無利子・無担保の保証付き融資のことです。住宅業界にもこの「ゼロゼロ融資」を使って生き延びてきた「ゾンビ企業」と呼ばれる会社がたくさんあります。このゾンビ企業が５月以降に返済に行き詰って倒産していく可能性が高いと言われています。 厳しい状況の中ですが、しっかり策を立てて、皆さまのニーズに合わせて家づくりのサポートに徹していきたいと思います。 さて新年早々、暗い話ばかりですが、明るい話も。こんな時代だからこそ本質を重視した性能とデザインと居心地の良さを確保した住宅のニーズが高まっており、あすなろ建築工房がつくる家に共感頂く方がとても増えています。お陰様で、こんな厳しい時代にも関わらず、引き続き多くのご依頼をいただいております。厳しい時代にありがたいことです。あすなろ建築工房では、そんなこともあって、１月と４月に増員を行い、新しいメンバーを迎える予定です。即戦力になる優秀なスタッフです。是非お楽しみにしていてください。 さてそろそろそろ本題に。 お客様から「お勧めの室内外環境のモニタ機器を教えて」と質問を頂くことも多くあります。ということで、本日は「自宅に設置しておきたい温湿度測定機器」についてご紹介してみたいと思います。 コンセプトハウス兼自宅の六ッ川の家ではいろいろな温湿度のを計測できる機器を設置して実験しています。 玄関下のデッキの下（外部環境）の様子。https://asunaro-studio.jp/l/m/A4TfEOXBc9VpZl ダイニングの計測機器とモニタ類の様子。https://asunaro-studio.jp/l/m/Y0XinYVZ94zV6h 床下エアコンの稼働状況を知るための床下の計測機器の様子。https://asunaro-studio.jp/l/m/8KSboW8UMhzLCB こんな感じで外部や内部の温湿度状況を測定しています。 実際に測定している機器を一つ一つご紹介してみたいと思います。六ッ川の家で設置している機器は下記となります。 ①エー・アンド・デイ 温湿度計 AD-5687 みはりん坊ダブルhttps://asunaro-studio.jp/l/m/HhpFpVAbmHocJK 価格は2000円位です。 全体湿度が表示される数少ない温湿度計の一つです。我が家では、ダイニングと２階のエアコンの吹き出し口の前にぶら下がっています。https://asunaro-studio.jp/l/m/9q8gBg9aq4wK3n 正確にその場の温度を知りたい場合には、信頼がおける計測機器と思います。業界関係の方で使われている方も多いです。一番のメリットは安価であることと、絶対湿度が表示されること。https://asunaro-studio.jp/l/m/Z2AbEq4KhGOdFZ 絶対湿度を表示できる機器は限られるために、パッと見で絶対湿度を知りたい場合には、必需品となります。気を付けなければならないことが一つあります。この絶対湿度の単位が「ｇ/m3」であることです。体積絶対温度（容積絶対温度）と呼ばれ、1m3の空気中に含まれる水蒸気量を重さで表したものです。「ｇ/m3」は熱中症やウィルス対策の乾燥対策に使われる単位で、建築工学（熱力学）で使うものとは違います。熱力学の場合には「g/kg(DA)」という単位が使われます。重量絶対湿度と呼ばれ、乾燥空気1kgに含まれる水蒸気量を重さで表したものです。単位内のDAとは「乾燥空気Dry Air」の頭文字です。医療で使われる場合と工学で使わる場合で、分母となるものが「1m3」と「1kg」との違いが生じています。単位の補正が必要で、「1m3＝1.2kg」または「0.83m3＝1kg」となります。空気線図で使われている単位は「kg/kg(DA)」です。なので「みはりん坊」で表示されている絶対湿度は、頭の中で数字を0.8掛けしておく必要があります。「みはりん坊」で絶対湿度を扱いたい場合には、ご注意ください。 ②シチズン コードレス温湿度計 THM527https://asunaro-studio.jp/l/m/0wbRONCzvur6I0 我が家にあるのは、一つ前の機種のTHD501ですが、見た感じはほぼ同じ機能と思われます。室内と室外の２か所の温度を同時に表示できるものです。価格は、5000円前後と思います。昔からあるので長く使っている方も多いと思います。シチズン製ということで安心感も高いです。パッと外部の環境と室内の環境を知りたい場合には表示が大きくて、便利な温湿度計です。データロガーの機能はありませんので、記録を残したい場合には後述の機器が必要となります。 ③MISOL HP3001マルチ温湿度計 5チャンネルhttps://asunaro-studio.jp/l/m/FFc4RwEr7C5a5N モニターが付いていて、計測器も５つセットとなっています。我が家では外部、床下、１階、２階、ロフトと測定するので便利に使っています。いろいろな部屋の温度をパッとモニター見られるので、家の状況をその場で見る場合の主役です。https://asunaro-studio.jp/l/m/TPsjKa0saJIZjn モニター部にmicroSDカードを差し込むことで、CSV形式で保存されたデータをダウンロード出来るようなのですが、我が家の場合はその必要性に駆られていないので、やったことはないです。すみません。(^^; 価格はamazonで20000円位なのですが、以前は10000円位で売っていました。現在はaliexpressで買う方がいいかもしれません。https://asunaro-studio.jp/l/m/ekY2UmPIJPMfqg amazonで高くなってしまったので、以前にaliexpressで買ったこともあるのですが、以前はここで5000円位で買ったように思います。いまは10000円位していますね。円安の影響でしょうか、、、、。amazonの半額位で買うことが出来ますが、aliexpressで買った場合は、船で運ばれてくるので到着までに日数がかかります。aliexpressってなんか怪しそうですが、これまでaliexpressで何回か購入していますが、ちゃんと届いています。(^^; ④NETATMO(ネタトモ) ウェザーステーションhttps://asunaro-studio.jp/l/m/MSnHOMH8lQdme1 上記は基本モジュール（室内＋外部）のセットとなります。現在は上記の正規品が国内販売が無くなってしまったので、並行輸入品になります。https://asunaro-studio.jp/l/m/JBQfHyCOljcuEx 内部を複数測定する場合には、子機追加モジュール（１万円位）を追加する必要があります。https://asunaro-studio.jp/l/m/BGZXNKRARXTQW0 スマフォやPCで状況をグラフでパッと見ることが出来るほか、ログが自動で保管されていて、必要な時に必要な分だけダウンロード出来、計測値としても信頼がおけるものです。https://asunaro-studio.jp/l/m/QLwvLzlGULp2ba グラフが見やすいことが一番の特徴です。https://asunaro-studio.jp/l/m/JPIIXpWAfaJ381 PC画面ではいろいろと情報を見ることが出来ます。https://asunaro-studio.jp/l/m/bhX0Fq7SJ1tJbbこの画面でデータダウンロードが出来ますのでとっても使いやすいです。 データは５分ごとに計測されています。グラフが見やすくて、使いやすいので、我が家での計測の主軸はこのNETATOMOです。CO2センサーもあるので、換気状況も同時に計測できるので便利です。 デメリットは価格です。計測点を外気＋室内２点にすると４万円位イニシャルにかかってしまいます。少しお高いですが、CO2センサーもあり、信頼もおけて使いやすいのでお勧めです。 ⑤SwitchBot 温湿度計https://asunaro-studio.jp/l/m/qPFeVQmSbAIVIb 上記は温湿度計だけとなるので、ネット環境でデータを見たい場合には、ハブが必要になります。https://asunaro-studio.jp/l/m/ZeOieNN62bhnGt 計測点を増やす場合には、温湿度計を買い足す必要があります。外部１か所と内部２か所の合計３か所の測定の場合、イニシャルコストは１万円かからない位です。データログが採れて、リアルタイムでネット環境でデータをいつでも見ることが出来ます。https://asunaro-studio.jp/l/m/8Rm9cSu0rZDziV １分ごとに計測しているので、細かくデータを採ることが出来ます。NETATOMOより、アプリが少し見にくいことと、ダウンロードが面倒なことがデメリットです。 アレクサなどのＡＩ音声認識サービスとも連動していますので、「アレクサ、外気温は何℃？」と聞くと「現在の外気温は8.5℃です」と答えてくれます。 また、このスイッチボットのデータを使って、絶対湿度を表示させるアプリが公開されています。https://asunaro-studio.jp/l/m/AHPEqDelQe1ayL 絶対湿度をパッと見たい時には、とっても便利です。https://asunaro-studio.jp/l/m/gITPpCs9dkLHyA 上記は、プロ施主として有名なさぬきペンギンさんのブログでの紹介記事です。このアプリですが、絶対湿度を「ｇ/m3」と「g/kg(DA)」と切り替えできるようになっているのが便利です。実務者には必携アプリと言われています。 ⑥TESSAN WiFi温度計https://asunaro-studio.jp/l/m/aDPq8gVEfbMNgw 最近買い足してみた機器です。計測機器が３つ付いて、データログが採れて、リアルタイムでデータを見ることが出来ます。https://asunaro-studio.jp/l/m/HuHBdoqnouoUVB スイッチボットと同様に、アレクサなどのＡＩ音声認識サービスとも連動しています。３計測点で5000円以下で揃います。安価に測定器をそろえたい場合には、ありだと思います。残念なことにアプリが少し見にくいです。そして計測が１時間ごとなので、細かくデータが欲しい人には不向きかもしれません。 以上のように、我が家では上記３種とデータログが無いものなど複数（６種）で計測しています。どのデータも大きな差異はなく、データの信頼的にはどれも問題ないと思います。（過去には信用できないものもありましたが、とうに外してしまいました。(^^;） ちなみに温湿度測定には、業界的には昔から「おんどとり」という計測器が使われてきました。 ⑦Ｔ＆Ｄ おんどとり 温湿度記録計https://asunaro-studio.jp/l/m/eza5DaZiEezxhj 歴史と実績のあるＴ＆Ｄのものなので、測定値としては間違いないものです。学会などの論文に提出するデータなどには、先に紹介した海外のメーカーのモノでは信用性に足りないので、このおんどとりのデータが必要になるかと思います。それだけ確かなものなので、価格もそれなりです。測定器一つで２万円以上してしまいます。https://asunaro-studio.jp/l/m/bAeEQKzO2g5Mpx 自宅で「どんな感じか知りたい」という程度だとそこまでの精度は必要がないかもしれません。 以上、７つの測定器をご紹介してきましたが、「家に新しく測定器を設置して、外出先でも温湿度環境を見てみたい」ということであれば、⑤のSwitchBotの温湿度計がよいかと思います。アフター的なことも考えると、国内メーカーであるグリーンハウスが販売していますので価格的にも信頼的にもよいかと思います。 どの機器も１年くらい前と比べると１割～２割くらい高くなってしまっています。円安の影響ですね。仕方ないことです。 以上、ご参考いただけると幸いです。 本日は「自宅に設置しておきたい温湿度測定機器」についてでした。

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