家百マガジン

こんばんは菊池組・キクチです。 10月5日に新住協総会が青森市・浅虫温泉で開催されました。 今回のメルマガでは、総会の中から一般ユーザーの方、プロユーザーにそれぞれ役立つ情報やこぼれ話を含め、お伝えしていこうと思います。 コロナ開け一回目という事でコンパクト開催を目指して会場を温泉ホテルに設定し、総会～講演・研修会～懇親会～宿泊までをワンストップで行いやすい環境（ただし会場の大きさから定員は200人）として開催された４年ぶりのリアル開催でした。 事務局、理事の話によると200人でも余裕だと思っていたそうですが、募集してみると満員で、多くの方を定員オーバーでお断りしてしまうほどだったようです。 翌日の分科会むつコースは総会と同時の申し込み頂くようになったおり、募集開始後、短い期間ですぐにいっぱいになってしまったとの事で、同一社内の人数を減らして貰うようにお願いしたり、遠慮して貰ったりしたそうです。「むつに行くために青森の総会を申し込んだのにいっぱいだった」総会後の懇親会の中で、元々知り合いの方にも初めましての方にも、多くの方にそのように言っていただきました。 今回の全国総会の盛況に少しでも貢献できたのだとしたら私としても嬉しいですし、ご自宅の公開にご協力いただいたすまい手さんも喜んでくれると思います。 総会では新住協の創設者であり象徴でもある鎌田先生が代表理事を退き、これまで事務局として新住協の屋台骨を支えてきた久保田さんが新しい代表理事になる事が決まりました。 鎌田先生は新住協から居なくなるわけでなく、「会社で言えば社長を退いて会長になるようなもので、今まで通りやる事は変わらない」だそうです。 鎌田先生による基調講演はこれまで色々なシーンで言ってきた事とほとんど変わらず、等級６とか等級７が新設されたものの、新住協としてはUA値という数値自体は大きな意味を持たないし、国の省エネ基準による一次エネルギー計算webプログラムはおかしいので、これまで通りQPEXでの計算による年間暖房負荷、年間冷房負荷を下げていく事をがんばっていこうじゃないか、、という内容。 新住協としては全棟「Q1.0住宅LEVEL-3」を目指していこうという事。地域やプランによって大きく差はあるものの、Q1.0住宅レベル３以上を実現していくには付加断熱、熱交換換気は必須。特に省エネ基準の等級ばかり気にしていると熱交換換気の効果を甘く見ている人が多く、等級７（関東以西の６地域だとUA=0.26以下）なんて外皮性能にしながら換気は３種にするなんてバカな事をやる人がいっぱいいる（キツい言い方ですが、鎌田先生の言葉です）。 この辺の話について後ほど私からお知らせがありますので、最後までメルマガにお付き合いください。 会員の事例発表の１つ目は青森県十和田市・ジェイホームの瀬川副社長から最近の取り組みについて。 2021年のウッドショック以降の資材および工事費の高騰により家づくりが大きく変わり、現在は間取りやプランも無駄を削ぎ落とし、24坪（私の記憶では）のモデルハウスが好評だというお話でした。工法についても様々な合理化の取り組みをお話いただきました。 会員の事例発表の２つ目は青森市の小松工務店さんより、断熱改修の話。寒い家の場合は気流止めが施されていないので、床から天井に空気が移動しいくら暖房しても天井に暖気が抜けていってしまう。（暖房して空気が暖まって軽くなった空気が天井から小屋裏に抜けていくのと同時に床や巾木、間仕切り壁の隙間から冷たい外気が侵入してきます）部屋単位の部分的なプチリフォームの際に天井を気流止めするのが有効で、優先順位は「天井→壁→床」の順番である、という話が多くの人に響いたと思います。 間仕切り部分はガッチリ気流止めをしなければいけないという事でなく天井断熱を施工するついでに間仕切りのところもざっくりと断熱材を詰めるだけで、これまでスカスカだった状態で床から天井に抜ける気流が走っていたのがおおまかに止まり、室内環境は大きく変わる。天井を断熱したのに床が暖かくなる、という話は興味深いです。 さて、ここでお知らせがあります。 ８月に発売した建築知識ビルダーズで９ページ原稿を担当した特集、「外皮性能と冷暖房費の関係」の話について掘り下げて解説するオンラインセミナーを、断熱材の販売や断熱工事の施工を行うこちらの会社主催でご依頼していただきまして、１１月２日に登壇します。（リンクはメルマガの最後に） 主催は、失礼ながらこれまで詳しくは存じ上げない会社でした。最近では東京大学の前准教授や近畿大学の岩前教授、松尾設計室の松尾さんやオーガニックスタジオ相模さんなども講演をされているという事でしたので、すぐに承諾のお返事をし、聴講者には秘伝の計算ツールを差し上げるという約束もしてしまいました。（その後、新住協の総会でもリアルにお会いできました） 自分でQPEXやPHPPのようなプログラムをバリバリ操れる方は１棟ごとに細やかに検討しているでしょうが、そもそも同じプランで外皮性能を色々ならべてみたら？換気の熱交換の効果はいつも同じ？標準仕様をどこに設定すればいいの？６地域と一言でいうけれどホントに同じなの？という所がよくわかると思います。 ビルダーズの内容を掘り下げて解説するだけでなく、ここでしかしない話もたくさんします。 この新住協の全国総会でも、「菊池組は（やっている事の割に）安すぎておかしい」と言われました。１０日ほど前も、菊池組の家づくりや仕様を毎回よく知っている県内の住宅実務者に仕事で会った時に「こないだの図面の住宅、いくら位でできる？」と聞いたら「同じくらいの事をやったら自分なら今は◯万円位になる（５００万円以上高くなる）」と言われました。 弊社のコストダウンの秘訣は１つでなく、多くの要因が重なっています。 https://my164p.com/l/m/9YpJqG8a5Rxman超高性能の割に断熱工事が比較的安く済ませられているというのも大きな理由のひとつ。このセミナーでは計画～設計～施工を通して高断熱化のコストダウンを実現するヒントも見つけてもらえるかもしれません。 次回は新住協総会２日目、分科会むつコースのお話をしますね。たぶん。 ではでは。

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