3000万円を35年・金利0.5%(変動)で借りたときの月々返済額は約7万8千円、同じ元本を金利1.8%(固定)にすると約9万6千円です。5000万円では同条件でそれぞれ約13万円・16万円まで上がります。借入額と金利の組み合わせだけで月5万円以上の差が生まれるため、まず自分の借入条件に近い数字を確認するところから始めましょう。
- 3000万円・35年・変動0.5%なら月約7万8千円、固定1.8%なら月約9万6千円が目安
- 5000万円・35年では変動0.5%で月約13万円、固定1.8%で月約16万円になる
- 返済負担率を手取り年収の25%以内に抑えることが家計破綻を防ぐ基本
- 変動金利は今後の利上げリスクを考慮し、1%上昇した場合の返済増加額を必ず試算しておく
- 頭金・繰り上げ返済・借り換えをうまく使えば総返済額を数百万円単位で圧縮できる
目次
1. 3000万・5000万円の住宅ローン月々返済額シミュレーション(金利・期間別)

1-1. 計算の前提条件と見方
月々返済額は「元利均等返済」を前提に計算しています。毎月の支払額が一定になるこの方式は日本の住宅ローンで広く採用されており、審査上の返済比率計算にも使われます。なお元金均等返済は序盤の支払いが重い代わりに総利息が少なくなる方式ですが、本記事では扱いません。
金利は変動型の目安として0.5%・1.0%、固定型の目安として1.8%・2.5%の4パターンを使います。2024年以降、日銀の利上げ継続により変動金利の基準となる短期プライムレートは上昇局面に入っており、かつて主流だった0.3%台の商品は減りつつあります。
1-2. 3000万円借入の月々返済額(返済期間別)
| 金利 | 20年返済 | 25年返済 | 30年返済 | 35年返済 |
|---|---|---|---|---|
| 0.5% | 約13.1万円 | 約10.7万円 | 約9.0万円 | 約7.8万円 |
| 1.0% | 約13.8万円 | 約11.3万円 | 約9.7万円 | 約8.5万円 |
| 1.8% | 約14.9万円 | 約12.4万円 | 約10.8万円 | 約9.6万円 |
| 2.5% | 約15.9万円 | 約13.4万円 | 約11.8万円 | 約10.7万円 |
月々の負担を減らしたいと35年を選ぶ人は多いですが、返済期間を35年から20年に縮めると金利0.5%でも月5万円以上の差が出ます。また3000万円を35年・金利1.8%で借りると総返済額は約4,032万円になり、元本より1,000万円以上余分に払う計算です。月々の楽さと生涯コストのどちらを優先するか、数字を見ながら判断してください。
1-3. 5000万円借入の月々返済額(返済期間別)
| 金利 | 20年返済 | 25年返済 | 30年返済 | 35年返済 |
|---|---|---|---|---|
| 0.5% | 約21.9万円 | 約17.8万円 | 約15.0万円 | 約13.0万円 |
| 1.0% | 約23.0万円 | 約18.8万円 | 約16.1万円 | 約14.1万円 |
| 1.8% | 約24.8万円 | 約20.7万円 | 約18.0万円 | 約16.0万円 |
| 2.5% | 約26.5万円 | 約22.4万円 | 約19.7万円 | 約17.8万円 |
5000万円の借入は都市圏の一戸建てや広めのマンションでは珍しくない水準ですが、月16〜18万円のキャッシュアウトは多くの家庭で最大の支出になります。ボーナス払いを組み合わせて月額を抑える方法もありますが、雇用環境が変わってボーナスが激減した場合のことも想定しておく必要があります。
2. 借入額別・金利別の毎月返済額早見表

2-1. 35年返済での一覧表
35年返済・元利均等の早見表です。自分の借入額と金利が交わるセルで月額の目安をすぐ確認できます。
| 借入額 | 0.5% | 1.0% | 1.5% | 1.8% | 2.5% | 3.0% |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 約5.2万円 | 約5.6万円 | 約6.1万円 | 約6.4万円 | 約7.1万円 | 約7.7万円 |
| 2,500万円 | 約6.5万円 | 約7.1万円 | 約7.6万円 | 約8.0万円 | 約8.9万円 | 約9.7万円 |
| 3,000万円 | 約7.8万円 | 約8.5万円 | 約9.2万円 | 約9.6万円 | 約10.7万円 | 約11.6万円 |
| 3,500万円 | 約9.1万円 | 約9.9万円 | 約10.7万円 | 約11.2万円 | 約12.5万円 | 約13.5万円 |
| 4,000万円 | 約10.4万円 | 約11.4万円 | 約12.3万円 | 約12.8万円 | 約14.2万円 | 約15.4万円 |
| 4,500万円 | 約11.7万円 | 約12.8万円 | 約13.8万円 | 約14.4万円 | 約16.0万円 | 約17.4万円 |
| 5,000万円 | 約13.0万円 | 約14.2万円 | 約15.4万円 | 約16.0万円 | 約17.8万円 | 約19.3万円 |
※端数処理の関係で若干の誤差があります。審査・契約前には金融機関の公式シミュレーターで正確な数字を確認してください。
2-2. 20年返済での一覧表
繰り上げ返済を見越して当初から期間を短く設定するケースや、定年前の完済を目指す場合は以下の数字を参考にしてください。
| 借入額 | 0.5% | 1.0% | 1.8% | 2.5% |
|---|---|---|---|---|
| 3,000万円 | 約13.1万円 | 約13.8万円 | 約14.9万円 | 約15.9万円 |
| 5,000万円 | 約21.9万円 | 約23.0万円 | 約24.8万円 | 約26.5万円 |
月々の支払額は増えますが、3000万円・金利1.8%を20年で返すと総利息は約588万円で済み、35年返済(約1,032万円)と比べて450万円近く節約できます。月々のキャッシュフローと生涯コストの両面から返済期間を決めるのが基本です。
3. 3000万・5000万円を借りるのに必要な年収の目安

3-1. 返済負担率の基本的な考え方
金融機関の審査では返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)が重視されます。審査上の上限は年収の35〜40%に設定されているケースが多いですが、これは「借りられる上限」であって「無理なく返せる上限」ではありません。
手取り年収ベースで25%以内を目標にすると、教育費・老後資金・急な出費にも対応しやすくなります。額面で計算すると数字が良く見えすぎるため、必ず手取りベースで確認してください。
3-2. 3000万円を借りるのに必要な年収
| 返済期間 | 金利 | 月額返済 | 年間返済額 | 負担率25%に必要な年収(手取り換算目安) |
|---|---|---|---|---|
| 35年 | 0.5% | 約7.8万円 | 約93.6万円 | 手取り375万円(額面目安500〜550万円) |
| 35年 | 1.8% | 約9.6万円 | 約115.2万円 | 手取り461万円(額面目安600〜650万円) |
| 30年 | 1.8% | 約10.8万円 | 約129.6万円 | 手取り518万円(額面目安680〜720万円) |
実際の審査では、他のローン残高や養育費なども年間返済額に合算されます。年収が基準を上回っていても、他に債務があれば希望額を借りられないことがあります。
3-3. 5000万円を借りるのに必要な年収
| 返済期間 | 金利 | 月額返済 | 年間返済額 | 負担率25%に必要な年収(手取り換算目安) |
|---|---|---|---|---|
| 35年 | 0.5% | 約13.0万円 | 約156万円 | 手取り624万円(額面目安800〜850万円) |
| 35年 | 1.8% | 約16.0万円 | 約192万円 | 手取り768万円(額面目安950〜1,000万円) |
| 30年 | 1.8% | 約18.0万円 | 約216万円 | 手取り864万円(額面目安1,050〜1,100万円) |
固定金利1.8%・35年返済を基準にすると、手取り770万円前後が最低ラインです。単独では難しい場合は、夫婦それぞれが主債務者となる「ペアローン」で二人分の収入を合算する方法も現実的な選択肢です。
4. 年収別の返済負担シミュレーション

4-1. 年収500万円の場合
額面500万円(手取り約390万円前後)では、手取りの25%は月約8.1万円です。35年返済で逆算すると、金利0.5%なら約3,100万円、金利1.8%なら約2,500万円が「無理のない借入額」の目安になります。
年収500万円で5,000万円を借りると審査をギリギリ通る可能性はあっても、食費や教育費を削らなければ家計が回らない状況になりかねません。借りられる金額と返せる金額は別物です。
4-2. 年収700万円の場合
手取り約530万円として、月額11万円前後(手取りの25%)が許容範囲です。
- 金利0.5%・35年返済 → 約4,200万円が安全ライン
- 金利1.8%・35年返済 → 約3,400万円が安全ライン
年収700万円でも、現実的な上限は3,000万円台後半〜4,000万円です。4,000万円を超えると、教育費やリフォーム費用が重なるタイミングで資金繰りが苦しくなるケースが目立ちます。
4-3. 年収1,000万円の場合
手取り約720万円として、月額15万円(手取りの25%)が目安です。
- 金利0.5%・35年返済 → 約5,800万円
- 金利1.8%・35年返済 → 約4,700万円
返済負担率だけ見れば5,000万円は射程内に入りますが、私立学校の学費や老後資金を加えると住居費への配分は絞りたいところです。手取りの20〜22%を住居費の上限と設定しておくと、長期的に家計が安定しやすくなります。
5. 金利上昇リスクと変動・固定金利の選び方

5-1. 変動金利が上昇すると返済額はどう変わる?
2024年以降、日銀は利上げ姿勢を明確にしており、変動金利の動向に注目が集まっています。一般的な変動金利型住宅ローンには「5年ルール」と「125%ルール」による急激な支払増を抑える仕組みがありますが、未払い利息が発生するケースもあるため注意が必要です。
3,000万円・残債3,000万円・現行0.5%の場合:
| 金利 | 月額返済(35年残り) | 月額増加分 |
|---|---|---|
| 0.5% | 約7.8万円 | ― |
| 1.0% | 約8.5万円 | +約7,000円 |
| 1.5% | 約9.2万円 | +約1.4万円 |
| 2.0% | 約9.9万円 | +約2.1万円 |
月額の増加幅だけ見ると小さく感じるかもしれませんが、5,000万円の借入なら1%上昇で月3.5万円以上増えます。35年という長い返済期間を通算すると、金利が1%上昇した場合の総支払増は数百万円規模に達します。契約前に「もし金利が上がったら」という前提でシミュレーションしておくことを強くお勧めします。
5-2. 変動vs固定、どちらを選ぶべきか
変動・固定のどちらが合うかは、借りる人の状況によって異なります。判断の軸として次の3点を確認してみてください。
資金的な余裕があるか:金利が上がっても追加返済できる貯蓄や収入があれば変動でも対応できます。家計の余剰がほとんどない場合は、固定で返済額を確定させるほうが安全です。
返済期間はどのくらいか:10〜15年で完済できるなら、変動でも金利上昇の影響を受ける期間が短くて済みます。35年フルに借りるなら、固定の安心感はより大きくなります。
精神的なストレス耐性:金利ニュースのたびに不安になるタイプなら、固定のほうが生活の質を維持しやすいという面も無視できません。
最近はフラット35(全期間固定)と変動型を部分的に組み合わせる「ミックスローン」も広がっており、リスクを分散する手段として検討する価値があります。
6. 頭金・繰り上げ返済・借り換えで返済額を抑えるコツ

6-1. 頭金を入れる効果
物件価格5,000万円に対して500万円(10%)の頭金を用意すれば借入は4,500万円になり、同じ金利・期間でも月々の返済が約3万円減り、総利息も数百万円単位で変わります。
ただし、頭金を入れすぎて手元の流動性(生活費の半年〜1年分以上)が枯渇するのは逆効果です。住宅ローンの金利が低い局面では、現金を手元に残しながら低利のローンを活用するほうが資産形成の観点から合理的という考え方もあります。頭金の額は「残せる現金との兼ね合い」で決めるのが基本です。
6-2. 繰り上げ返済の効果と注意点
繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。
- 期間短縮型:毎月の支払額は変わらず完済時期を早める。総利息の削減効果が大きい。
- 返済額軽減型:完済時期は変わらず毎月の支払額を減らす。月々のキャッシュフローが楽になる。
3,000万円・35年のローンを実質20年で返したい場合、毎年100万円前後の繰り上げ返済を15年続ければ概ね目標を達成できる計算です。繰り上げ返済の手数料は金融機関によって異なるため事前に確認を。ネット銀行を中心に手数料無料の商品が増えています。
6-3. 借り換えで返済額を下げる
すでにローンを組んでいる方は、現在の金利との差が1%以上あれば借り換えを検討する価値があります。一般的な目安は「残債1,000万円以上・残期間10年以上・金利差1%以上」の3条件です。
ただし借り換えには登記費用・保証料・事務手数料など数十万円のコストがかかります。「何年で元が取れるか」を総コストベースで試算してから判断してください。
7. 住宅ローンを組む際の注意点(諸費用・ライフプランなど)

7-1. 諸費用は物件価格の5〜8%を別途用意する
住宅購入にかかるコストは物件価格だけではありません。仲介手数料・登記費用・ローン保証料・火災保険・不動産取得税などを合算すると物件価格の5〜8%が別途必要になり、5,000万円の物件なら250〜400万円規模になります。
この諸費用をローンに組み込む方法もありますが、借入総額が増えるぶん月々の負担も増します。できる限り自己資金で賄う計画が望ましいです。
7-2. ライフイベントと返済計画のすり合わせ
住宅ローンは最長35年の長期契約です。その間には子どもの進学・車の買い替え・親の介護・病気・転職など、さまざまな出来事が起こります。特に教育費は、小学校から大学まで私立ルートを選ぶと一人当たり2,000万円超になるケースもあります。
ファイナンシャルプランナーが共通して伝える基準は「手取りの25%以内で、かつ教育費・老後資金を並行して積み立てられる額」です。返済計画を立てる際は、住居費だけでなく人生全体のお金の流れと照らし合わせてください。
7-3. 団体信用生命保険(団信)の内容を確認する
住宅ローンには通常、死亡・高度障害時にローン残高がゼロになる団信(団体信用生命保険)が付帯します。がん・三大疾病・就業不能まで補償を広げた「ワイド団信」は金利に0.1〜0.3%程度上乗せされます。返済期間が長いほど保険料の代替コストも積み上がるため、現在加入している生命保険との重複も考慮しながら判断してください。
8. よくある質問(Q&A)
Q. 3000万円を35年で借りた場合の総返済額はいくらですか?
金利0.5%なら約3,276万円、金利1.8%なら約4,032万円、金利2.5%なら約4,452万円です。低金利に見えても、35年間の利息は数百万〜1,000万円以上に達します。
Q. 変動金利と固定金利、どちらが得になりますか?
過去の日本では結果として変動が有利になるケースが多かったものの、今後は利上げが続く可能性があります。返済額を安定させたい人は固定、ある程度のリスクを許容できる人は変動というのが基本的な考え方です。
Q. 住宅ローン控除はどのくらい受けられますか?
2024年以降の制度では、新築認定住宅で借入限度額4,500万円・控除率0.7%・控除期間13年が標準的なケースです。年間最大31.5万円の所得税・住民税が軽減されます(所得要件あり)。控除限度額は物件の省エネ性能によっても変わるため、購入予定物件の性能等級を事前に確認してください。
Q. フラット35は変動金利が上がっても影響を受けませんか?
フラット35は全期間固定のため、借入後に変動金利が上昇しても返済額は変わりません。ただし借入時の金利は変動より高めに設定されることが多く、金利が低水準のまま推移した場合には総コストが変動より割高になるリスクがあります。
Q. ペアローンを使えばより大きな金額を借りられますか?
夫婦それぞれが主債務者となるペアローンは二人分の収入を基準に審査されるため、単独ローンより多く借りやすくなります。ただし、どちらかが育休・転職・退職した場合にもう一方が全額返済を担う義務が生じます。離婚時の手続きも複雑になるため、契約前に十分な話し合いが必要です。
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