「マンションだから、木の温もりのある暮らしは諦めるしかない」——そんな風に感じていませんか。
コンクリートに囲まれたマンションは、確かに新築の木の家のような質感を手に入れるのは難しいと思われがちです。しかし実は、床や壁、天井に無垢の木材を取り入れることで、マンションでも戸建てのような木の空間を実現するリノベーション手法が、今静かに注目を集めています。
本記事では、住宅業界で20年以上のキャリアを持つ視点から、「木のマンションリノベーション」の基礎知識、メリットと注意点、そして実際にこの分野を専門に手がける埼玉県のToivo、愛知県名古屋市のN.style建築工房という2社の実例を交えながら、成功のポイントを徹底解説していきます。
木がもたらす調湿性や香りによるリラックス効果、デザイン性の高さといった魅力はもちろん、管理規約や構造上の制約、費用や工期といった事前に知っておくべき注意点まで、余すことなくお伝えします。
この記事を読み終える頃には、あなたの理想のマンション暮らしを実現するための、確かな判断材料が手に入っているはずです。
ちなみに木のマンションリノベーションをする上での注意点があります。こちらのコラムも要チェックです。
無機質だと思っていたマンションの暮らしに、木の温もりを取り入れる。その第一歩を、ここから一緒に踏み出してみませんか。
- マンションでも無垢材や自然素材を使えば、戸建てのような木の温もりある住まいが実現できる
- 木は調湿性・香り・肌触りの良さで、健康面にもプラスの効果をもたらす
- その分費用や工期はかかるため、価値を理解した上で計画することが大切
- 管理規約や構造上の制約を踏まえた設計・施工ができる会社選びが成功の鍵
- ToivoやN.style建築工房のように、少数精鋭で理念を持ち一貫対応する会社が信頼できる
目次
1. 木のマンションリノベーションの基礎知識

1-1. 木のマンションリノベーションとはどのようなものか
マンションと聞くと、コンクリートに囲まれた無機質な空間をイメージする方が多いのではないでしょうか。
実際、多くの分譲マンションはRC造やSRC造といった鉄筋コンクリートの構造で建てられており、壁もドアも床も、素材の主役はビニールクロスやフローリング材といった工業製品です。
しかし近年、そんなマンションの中に「木の家」のような温かみのある空間をつくり出すリノベーションが注目を集めています。
これが「木のマンションリノベーション」と呼ばれる手法です。
単に木目調の建材を使うということではなく、無垢材や自然素材をふんだんに取り入れ、まるで戸建ての木の家に暮らしているかのような質感と居心地を、マンションという箱の中で再現しようとする試みなのです。
具体的には、床材に杉やヒノキなどの無垢フローリングを採用したり、天井や壁の一部に木の板を張ったりすることで、視覚的にも触覚的にも「木」を感じられる空間をつくります。
さらに、建具や造作家具、収納なども既製品ではなく、大工が現場で手刻みして仕上げるケースが多いのも特徴です。
これにより、部屋の隅々まで木の質感が行き渡り、既製品を組み合わせただけのリフォームとは一線を画す仕上がりになります。
単に「見た目がおしゃれ」というだけでなく、木という素材そのものが持つ調湿性や香り、肌触りの心地よさを暮らしの中に取り込むことができる点も、多くの人を惹きつける理由になっています。
もっとも、マンションという構造には戸建てとは異なる制約もあります。
管理規約による工事範囲の制限や、遮音等級の指定、共用部分と専有部分の境界といった、集合住宅ならではのルールを踏まえたうえで設計・施工を進める必要があるのです。
だからこそ、木のマンションリノベーションを手がける会社には、単なる木材の知識だけでなく、マンション特有の構造や規約への深い理解が求められます。
1-2. 一般的なリノベーションとの違い
一般的なマンションリノベーションといえば、間取りを変更したり、キッチンやユニットバスといった水回り設備を新しくしたりすることを思い浮かべる方が多いでしょう。
もちろんそれも立派なリノベーションですが、多くの場合、床にはフローリング「風」のシート材を、壁にはビニールクロスを、収納には既製品の建材を採用するのが一般的です。
見た目こそ新築のように整いますが、素材そのものに触れたときの質感や、部屋にこもる空気の匂いまでは、なかなか変わりません。
これに対して木のマンションリノベーションでは、床・壁・天井・建具といった、暮らしの中で日常的に触れる部分にできる限り無垢の木材や自然素材を使うことを重視します。
既製品を組み合わせて「早く・安く」仕上げるのではなく、大工が現場で一つひとつ手刻みしながらつくり上げていく。
そのぶん工期や費用は一般的なリノベーションより掛かる傾向にありますが、出来上がった空間の質感、香り、経年変化による味わいは、既製品にはない魅力を放ちます。
つまり両者の違いは、「見た目を新しくするか」「暮らしの質そのものを変えるか」という、リノベーションに対する考え方の違いだと言えるでしょう。
もちろんどちらが優れているというものではなく、ご予算やライフスタイル、住まいに求めるものによって選ぶべき道は変わってきます。
1-3. 木を活かしたリノベーションが注目される背景
ここ数年、中古マンションを購入してリノベーションするという選択肢が、住まい探しの中でごく当たり前のものになってきました。
新築価格の高騰も相まって、「立地の良い中古を安く買い、自分たちらしく手を入れる」という考え方が広く浸透しています。
そうした流れの中で、単に間取りや設備を新しくするだけでなく、「素材そのものにこだわりたい」という声が増えてきたことが、木を活かしたリノベーションが注目される大きな背景のひとつです。
また、在宅で過ごす時間が増えたことも見逃せない要因でしょう。
仕事も暮らしも同じ空間で完結する時間が長くなるほど、人は住まいの「居心地」に敏感になります。
冷たいビニールクロスの壁よりも、木の温かみを感じられる空間の方が、長時間過ごしても心地よい。
そうした肌感覚での気づきが、木質空間への関心を後押ししました。
加えて、シックハウス症候群やアレルギーへの意識の高まりから、化学物質を含む建材よりも自然素材を選びたいという健康志向も、木のリノベーションを後押しする力になっています。
さらに、SNSや住宅系メディアの発達により、木を活かした施工事例が以前よりも目に触れやすくなったことも大きいでしょう。 「マンションなのに、こんなに木の温もりが感じられるんだ」という驚きが写真や動画を通じて拡散され、憧れを持つ人が増えていく。
こうした複合的な要因が重なり合って、木のマンションリノベーションは一部の愛好家だけのものではなく、多くの人にとって現実的な選択肢へと育ってきたのです。
1-4. 使用される木材の種類と特徴
木のマンションリノベーションと一口に言っても、実際に使われる木材にはいくつかの種類があり、それぞれに異なる表情と役割があります。
床材として特に人気が高いのが、杉やヒノキといった針葉樹の無垢フローリングです。
杉は赤みを帯びた温かな色合いと柔らかな肌触りが特徴で、素足で歩いたときのやわらかさは、既製品のフローリングにはない心地よさを生み出します。
ヒノキは香りの良さと耐水性の高さから、洗面所や水回りに近いエリアでも重宝される木材です。
天井や建具まわりには、米栂(べいつが)やシナ材といった、白っぽく木目が穏やかな木材が使われることが多くあります。
これらは主張しすぎない上品な表情を持つため、床材の杉やヒノキと組み合わせても空間全体がうるさくならず、落ち着いた雰囲気にまとまります。
建具枠や框戸(かまちど)に木を使う場合も、こうした木材が選ばれることが一般的です。
また、壁の仕上げには漆喰や珪藻土といった塗り壁材が合わせて使われることも多く、木の質感と自然素材の風合いが調和することで、より深みのある空間がつくり出されます。
このように、木材にはそれぞれ色味や香り、硬さ、耐久性といった個性があり、使う場所や暮らし方に合わせて選び分けることが、心地よい空間づくりの鍵になります。
ただし、無垢材は反りや収縮といった性質を持つため、マンションという気密性の高い環境の中でどう扱うかには専門的な知識と経験が欠かせません。
この点については、後の項目で施工会社選びのポイントとして改めて触れていきます。
1-5. マンションで木を取り入れられる範囲
マンションで木を取り入れたリノベーションを検討する際、まず知っておきたいのが「専有部分」と「共用部分」という区分です。
壁の中の柱や梁、外壁、バルコニー、玄関ドアの外側などは共用部分にあたり、区分所有者が自由に手を加えることはできません。
一方、住戸の内側にあたる床・内壁・天井・建具・キッチンや浴室などの設備は専有部分とされ、リノベーションで木を取り入れられるのは基本的にこの範囲に限られます。
専有部分の中でも、床材については特に注意が必要です。
マンションには管理規約で遮音等級(L値など)が定められていることが多く、無垢フローリングをそのまま張ると、下階への音の伝わり方が規約の基準を満たさない場合があります。
そのため、遮音性能を持つ下地材と組み合わせたり、管理組合が認めた工法を選んだりするなど、木の質感を活かしながらもルールの範囲内で工夫する必要があります。
壁や天井についても、防火区画に関わる制約がある場合があるため、事前の確認が欠かせません。
このように、木のマンションリノベーションは「どこにでも自由に木を使える」というものではなく、マンションごとのルールを踏まえたうえで、可能な範囲を見極めながら計画していくものです。
だからこそ、管理規約の内容を正しく読み解き、共用部分と専有部分の境界を踏まえた提案ができる施工会社を選ぶことが、満足度の高いリノベーションにつながります。
2. 木のマンションリノベーションのメリットと注意点
2-1. 木材がもたらす住環境へのメリット
マンションに木を取り入れると、まず感じられるのが空気の変化です。
無垢の木材は呼吸をしていると言われるように、湿度が高いときには水分を吸収し、乾燥しているときには水分を放出する調湿作用を持っています。
コンクリートに囲まれ、閉め切ると湿気がこもりやすいマンションだからこそ、この木の性質が住環境に与える効果は小さくありません。
ジメジメとした梅雨時期でも、サラッとした空気感を保ちやすくなるのは、木を暮らしに取り入れる大きな利点のひとつです。
もう一つ見逃せないのが、木の香りがもたらすリラックス効果です。
ヒノキや杉には、フィトンチッドと呼ばれる香り成分が含まれており、森林浴をしているようなリラックス感を室内で得られると言われています。
一日の疲れを持ち帰る住まいだからこそ、玄関を開けた瞬間にふわりと木の香りが漂う空間は、暮らす人の心をそっと緩めてくれるものです。
また、木は肌触りが柔らかく、素足で歩いたときにひんやりしすぎないという特性もあり、フローリング材が冷たく感じやすい冬場でも快適に過ごせます。
こうした調湿性や香り、肌触りの良さは、単に「気持ちがいい」という感覚的な満足にとどまりません。
カビやダニの発生を抑えたり、ハウスダストによるアレルギー症状を軽減したりと、健康面にも関わってくる部分です。
実際、アトピー性皮膚炎などに悩む家庭が、住環境を見直すきっかけとして木のマンションリノベーションを選ぶケースも少なくありません。
2-2. デザイン面での魅力と暮らしへの影響
木のマンションリノベーションが多くの人を惹きつけるのは、機能面だけでなく、その見た目の美しさにも理由があります。 無垢の木は一枚として同じ表情がなく、木目の流れや節の位置、色の濃淡までもがその木材だけの個性です。
ビニールクロスや複合フローリングのような工業製品には出せない、素材そのものが持つ豊かな表情が、部屋全体に温もりと奥行きを与えてくれます。 また、木を使った空間は経年変化を楽しめるという点でも独特の魅力を持っています。
新築時は白木の明るい色合いだったものが、月日を重ねるごとに飴色に変わっていく。
この変化は劣化ではなく、むしろ住まいに深みを与える味わいとして受け止められています。
傷や色の変化さえも「暮らしの記録」として愛着の対象になる。
これは、経年劣化を隠すことに主眼を置いた工業製品にはない、無垢材ならではの魅力だと言えるでしょう。
こうしたデザイン面での魅力は、単に「見た目が良い」という満足感だけでなく、暮らし方そのものにも影響を与えます。 木の温もりに囲まれた空間で過ごす時間が増えると、自然と家で過ごすことが心地よく感じられ、外出よりも自宅でゆったり過ごす時間を大切にするようになった、という声も少なくありません。
2-3. 断熱性・調湿性など機能的な効果
木のマンションリノベーションというと、見た目の温かみやデザイン性に注目が集まりがちですが、実は機能面での効果も見逃せません。
特にマンションの場合、コンクリートという素材の特性上、外気の影響を受けやすい部分があり、結露やヒートショックといった問題が起こりやすい住環境です。
木を内装材として使うことは、こうした課題に対しても一定の効果を発揮します。
木材そのものが持つ熱伝導率の低さは、冬場に床や壁がひんやりと冷え込むのを和らげ、素足で歩いても心地よい室温を保ちやすくしてくれます。
もっとも、木材そのものが持つ断熱性能はあくまで補助的なものであり、本格的な温熱環境の向上には、別途、断熱改修を組み合わせることが欠かせません。
実際、木のマンションリノベーションを専門とする施工会社の多くは、内装の木質化と並行して、サッシまわりの気密処理や壁の断熱材の見直しなど、目に見えない部分にも手を入れています。 表面的な仕上げだけでなく、こうした構造的な工事まで踏み込んでこそ、本当に快適な住環境が実現するのです。
調湿性についても同様で、木材が湿気を吸放出する働きは、室内の空気環境を穏やかに保つ助けにはなりますが、それだけで結露やカビの発生を完全に防げるわけではありません。
給排水管の断熱処理や換気計画といった、目に見えない部分の設計も含めて初めて、木の調湿効果が十分に活きてきます。
つまり木のマンションリノベーションの機能的な価値は、内装材としての木そのものと、断熱・換気・配管といった裏側の工事が組み合わさって、初めて最大限に発揮されるものだと言えるでしょう。
次の項目では、こうした機能性の高さと引き換えに気になる、コストや工期についての注意点を見ていきます。
2-4. コストや工期に関する注意点
木のマンションリノベーションは、その質感や機能性の高さと引き換えに、費用面でのハードルがあることも正直にお伝えしておかなければなりません。
無垢材は既製品のフローリングや建材に比べて単価が高く、さらに大工が現場で手刻みしながら仕上げていく工程が多いため、人件費もかさみやすくなります。
実際、専門会社の受注単価を見ても、一般的なリフォームより高めの水準になっているケースが多く見られます。 工期についても、既製品を組み合わせるリフォームに比べて長くなる傾向があります。
木材の乾燥状態を見極めたり、現場で建具や造作家具を一つひとつ手作業でつくり上げたりする分、どうしても時間がかかるためです。
加えて、断熱改修や配管の刷新など、目に見えない部分まで丁寧に手を入れる場合には、さらに工期が延びることもあります。
「思っていたより時間がかかった」と感じないよう、事前にスケジュール感をすり合わせておくことが大切です。 もっとも、費用や工期がかかるからといって、必ずしも「損」というわけではありません。
無垢材や造作の仕上げは経年劣化ではなく経年変化として味わいを増していくため、長い目で見れば、既製品を数年おきに交換するよりも結果的に満足度の高い住まいになることも少なくありません。
大切なのは、費用と時間をかけることの意味を正しく理解し、納得したうえで計画を進めることです。
2-5. 管理規約や構造上の制約
木のマンションリノベーションを検討するうえで、避けて通れないのが管理規約という壁です。
マンションは戸建てと違い、住戸ごとに好き勝手にリノベーションできるわけではありません。
床材の遮音等級、工事可能な時間帯、使用できる工法などが管理規約で細かく定められており、これに違反すると近隣とのトラブルに発展するだけでなく、最悪の場合は原状回復を求められることもあります。
木を活かしたリノベーションを計画する際は、まず自分のマンションの管理規約をしっかり確認することが第一歩です。
構造上の制約も見逃せません。
マンションの柱や梁、耐力壁は建物全体を支える重要な部分であり、専有部分であってもこれらを撤去したり大きく傷つけたりすることはできません。
特に木を使ったリノベーションでは、床の遮音構造を保ちながら無垢フローリングを張る工夫や、二重床・二重天井の懐(ふところ)の中でどこまで木材を仕込めるかといった、構造への深い理解が求められます。
見た目の美しさだけを追い求めると、思わぬところで規約や構造上の制約に引っかかってしまうことも少なくありません。
だからこそ、木のマンションリノベーションを成功させるには、デザインや素材の知識だけでなく、管理規約の読み解き方や構造の制約を熟知した施工会社の存在が欠かせません。
管理組合への申請書類の作成や、工事内容の事前説明といった手続き面まで丁寧にサポートしてくれる会社であれば、施主側の負担も大きく減らすことができます。
3. 木のマンションリノベーションを手がける2社に学ぶ、成功のヒント
3-1. 埼玉県Toivo:信頼をベースにした木のマンションリノベーション
埼玉県さいたま市に拠点を置く株式会社Toivoは、木のマンションリノベーションを専門に手がける工務店です。
代表を務める友政伸也氏は、自身と妻がともにアトピー性皮膚炎に長年悩まされてきたという経験から、カビやハウスダストの少ない、マンションでも安心して暮らせる住環境づくりを志すようになりました。
断熱や給排水といった目に見えない部分にまで手を入れなければ、本当の意味で暮らしは良くならない。
そうした強い問題意識が、Toivoの木のマンションリノベーションの原点になっています。
Toivoの特徴は、あえて受注数を絞り込んでいる点にあります。
年間の受注は8棟までと自ら上限を設け、友政氏と社内大工2名、整理収納コンサルタントとインテリア担当の女性2名という、わずか5名体制で一件一件と丁寧に向き合っています。
大工の2人は一級・二級建築士の資格も持ち、友政氏が設計したプランを手刻みでカタチにしていく。
設計から施工、そして完成後の整理収納やアフターメンテナンスまでを一貫して担うこのスタイルは、全国的にも珍しいと言われています。
「いい人と、いい仕事だけをしたい」という友政氏の言葉に象徴されるように、Toivoは信頼関係を何より大切にしています。 OB顧客の住まいを見学させてもらうことを前提とした家づくりを行っており、そうした考え方に共感できない依頼は断ることもあるといいます。
ホームページからの発信のみで、コンセプトに共感した顧客と高い確率でマッチングできているというのも、この一貫した姿勢の賜物でしょう。
さいたま市浦和区にはショールーム「OLO」もオープンしており、木のマンションリノベーションの居心地を実際に体感できる場も用意されています。
3-2. 愛知県名古屋市N.style建築工房:自然素材を活かした小規模専門会社の強み
愛知県名古屋市に拠点を置く株式会社N.style建築工房は、自然素材を扱う工務店・仲建設の子会社としてスタートし、2019年に完全独立を果たしたマンションリノベーション専門の会社です。
社名の「N」には、自然(nature)、次の(next)、標準の(normal)、斬新な(novelty)という意味が込められており、自然素材を活かした新しい暮らしの標準をつくりたいという想いが込められています。
杉材を使った幅広の床材や天井、米栂の建具枠など、木をふんだんに使った内装が最大の特徴です。
同社の体制は、現場経験1000件以上を誇る代表の猪飼氏、設計とウェブ担当の仲田氏、経理担当の鈴木氏という、わずか3名という小規模なもの。
だからこそ、複数の現場を同時に抱えることはできませんが、その分一つひとつのリノベーションに丁寧に向き合うことができるといいます。
マンション特有の回遊動線を活かしたプランニングにも定評があり、狭くなりがちな水回りや玄関まわりを、機能的かつ心地よい空間へとつくり変える提案力が強みです。
同社に依頼した施主の多くが「マンションなのに木をたくさん使っていたから」という理由で選んだと話しているといいます。 創業当初は知名度がほとんどなかったにもかかわらず、木と自然素材を使ったリノベーションへの反響は想定以上に大きく、多くの依頼が寄せられているのが実情です。
量よりも質を重視し、丁寧なものづくりにこだわり続ける姿勢が、口コミや評判を通じて広がっていったことがうかがえます。
3-3. 2社の事例から見える、施工会社選びで大切にしたい視点
埼玉県のToivoと愛知県名古屋市のN.style建築工房、この2社の事例を見比べてみると、規模も地域も異なるにもかかわらず、共通する姿勢が浮かび上がってきます。
それは、量をこなすことよりも、一件一件の住まいと丁寧に向き合うことを優先している点です。
Toivoは年間受注数をあえて8棟までに絞り、N.style建築工房も3名という小規模体制のまま、複数現場を同時に抱えることをせずにきました。
木のマンションリノベーションという手間のかかる仕事だからこそ、こうした「絞る」という選択が、結果的に高い満足度につながっているのでしょう。
もう一つの共通点は、木材や自然素材そのものへの強いこだわりを、明確な言葉やコンセプトとして持っていることです。
Toivoは自身の体験から「安心して暮らせる住環境」を、N.style建築工房は社名に込めた「自然でニューノーマルな住まい」を掲げ、それぞれの理念が設計や素材選びに一貫して反映されています。
施工会社を選ぶ際は、単に施工実績の数や価格の安さだけでなく、その会社がなぜ木にこだわるのか、どんな暮らしを届けたいと考えているのかという理念に共感できるかどうかも大切な判断材料になるはずです。
加えて、両社ともに設計から施工、そしてアフターフォローまでを一貫して自社で担っている点も見逃せません。
窓口が分かれていないぶん、施主の要望が現場の隅々まで伝わりやすく、木という扱いの難しい素材を活かしきるための連携が取りやすくなります。
信頼できる施工会社を見極めるうえでは、実績や価格だけでなく、こうした体制の一貫性や、担当者との相性、理念への共感度合いを、じっくり時間をかけて確認していくことが、後悔のないリノベーションへの近道と言えるでしょう。
家づくり百貨のメンバーには他にも木のマンションリノベーションが得意な会社があります
ここまで、「木のマンションリノベーション」について、基礎知識からメリットと注意点、そして実際にこの分野を専門に手がける2社の事例まで見てきました。
木のマンションリノベーションとは、単に木目調の建材を使うことではなく、無垢材や自然素材をふんだんに取り入れ、コンクリートに囲まれたマンションの中に、まるで戸建ての木の家のような温かみと居心地を再現しようとする試みでした。
既製品を組み合わせて仕上げる一般的なリノベーションとは異なり、大工が現場で一つひとつ手刻みしながらつくり上げていく点に、その大きな特徴があります。
中古マンションを購入してリノベーションするという選択肢が身近になり、在宅時間が増え、住まいの居心地への関心が高まる中で、木を活かした住まいづくりが多くの人に選ばれるようになってきた背景も、あわせて確認してきました。
木を取り入れることで得られるメリットは、見た目の美しさだけにとどまりません。
調湿性や香りによるリラックス効果、肌触りの心地よさは、暮らしの質そのものを底上げしてくれます。
一方で、こうした心地よさを実現するためには、費用や工期がかかること、そして管理規約や構造上の制約をきちんと踏まえる必要があることも、忘れてはならない注意点でした。
無垢材ならではの経年変化を楽しみながら、遮音等級や共用部分・専有部分の境界といったマンション特有のルールと向き合う。
この両方をバランスよく理解したうえで計画を進めることが、後悔のない木のマンションリノベーションへの近道だと言えるでしょう。
埼玉県のToivo、そして愛知県名古屋市のN.style建築工房、この2社の事例からは、規模や地域が違っても共通する姿勢が見えてきました。
・ 受注数をあえて絞り、一件一件の住まいと丁寧に向き合うこと。
・木や自然素材へのこだわりを、明確な理念として持っていること。
そして、設計から施工、アフターフォローまでを一貫して自社で担うことで、施主の想いを隅々まで反映させる体制を整えていること。
これらは、木のマンションリノベーションを検討するうえで、施工会社選びの大切な指針になるはずです。
もし今、無機質に感じているマンションの暮らしに、木の温もりを取り入れてみたいと感じているなら、まずは気になる施工会社のショールームや完成見学会に足を運び、実際に木の空間を肌で感じてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
木のマンションリノベーションが得意なつくり手はこちら
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