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2026年版!1種換気と3種換気どっちが良いのか?解説しました。

家づくりにおいて、間取りやデザインの打ち合わせは楽しい反面、「本当にこの設備で、住み始めてから快適に過ごせるのだろうか?」と不安を感じることはありませんか?特に、目に見えない「換気システム」選びは、専門用語も多くて自分たちに合っているのがどちらなのか迷ってしまいますよね。

「1種換気は性能が良いと聞くけれど、初期費用やメンテナンスが大変そう…」「3種換気は安いけれど、冬は冷たい風が入ってきて寒いのでは?」と、疑問に思う方も多いはずです。実は、換気システムを単なる「初期費用の安さ」や「設備単体の性能」だけで選んでしまうと、住み始めてからエアコン代が跳ね上がったり、結露やカビの発生に悩まされたりと、取り返しのつかない後悔に繋がる危険性があるのです。

これまで多くの高性能住宅を手掛け、気密性能(C値)や断熱基準、さらには初期費用と維持費を含めた「生涯コスト」のリアルな資金計画を数多く分析してきた知見から、本当に長持ちして快適なエコハウスの真実をお伝えします。

この記事は、1種換気と3種換気それぞれの仕組みとメリット・デメリットを徹底比較し、あなたの予算とライフスタイルに「ちょうどいい塩梅」の換気システムを見つけ出すための完全保存版ガイドです。

最後まで読んでいただくことで、複雑な換気システムの仕組みがスッキリと理解でき、将来の光熱費やメンテナンス費といった「見えないコスト」での失敗を防ぐ賢い選択ができるようになります。さらに、ハウスメーカーや工務店の標準仕様を正しくチェックするスキルが身につき、契約後の思わぬ予算オーバーを未然に防ぐことが可能です。

換気システムに「万人にとっての絶対の正解」はありません。大切なのは、家の気密性・断熱性を高めることを大前提として、あなた自身が求める暮らしの心地よさと、生涯コストのバランスを見極めることです。この記事を羅針盤にして、100年先も安心して暮らせる「後悔しない家づくり」をスタートさせましょう!

この記事でわかる結論はこちら

・現代の高気密住宅において、家族の健康と快適な暮らしを守るためには、空気の質をコントロールする計画的な「24時間換気システム」が不可欠である。

・1種換気(熱交換型)は一年中快適な室温を保ちやすく光熱費を抑えられる反面、導入にかかる初期費用やダクトのメンテナンス負担が大きいという特徴を持つ。

・3種換気は構造がシンプルで初期費用や将来の維持費を安く抑えられるが、外気の影響を直接受けるため冷暖房効率が落ちやすい点に注意が必要である。

・換気システムは単なる初期費用だけで決めるのではなく、将来の光熱費や修繕費を含めた「生涯コスト」や、自身のライフスタイル、地域の気候に合わせて選ぶべきである。

・どちらの換気方式を選ぶにしても、家の高い気密性と断熱性が大前提であり、適切な空調計画との連動や、確かな施工技術を持つ信頼できる工務店選びが成功の鍵となる。

1. 1種換気と3種換気の基礎知識と最新トレンド

1-1. 住宅における計画的な換気空調の重要性

家づくりにおいて、100年先も変わらない安心と快適を届けるためには、目に見えない「空気の質」を計画的にコントロールすることが非常に重要になります。

現代の住宅は省エネ化に伴い高気密化が進んでおり、昔の家のような自然な隙間風に頼ることはできないため、家全体に健やかな空気を循環させる計画的な換気空調が不可欠です。

特に、外気の過酷な影響を最小限に抑えつつ、敷地の特性を最大限に生かした設計と換気を組み合わせることで、季節を問わず五感がよろこぶ快適さが保たれる住まいを実現できます。

適切な換気計画がなされていないと、湿気が滞留して結露やカビの温床となり、建物の寿命を縮めるだけでなく、住む人の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

したがって、住宅の基本性能を最大限に引き出し、心地よい居場所のある暮らしを叶えるためには、換気システムの仕組みを正しく理解し、設計段階から入念に計画することが求められます。

1-2. 1種換気(熱交換型換気システム)の特徴と仕組み

1種換気は、給気と排気の両方を機械の力(ファン)で行うシステムであり、住宅内の空気の流れを最も確実かつ計画的にコントロールできる換気方式です。

この方式の最大の特徴は、多くの場合「熱交換型換気システム」が採用されている点であり、室内の空気を排気する際に熱を回収して、新しく取り入れる外気にその熱を移す仕組みを持っています。

熱交換を行うことで、室内の温度を大きく変えることなく新鮮な空気を取り入れることができるため、冷暖房のエネルギーロスを大幅に削減し、低燃費な暮らしに貢献します。

また、給気側に高性能なフィルターを設置することで、花粉やPM2.5といった外部の汚染物質の侵入をブロックし、家中の空気を清浄に保つ効果も高く期待できます。

近年の住宅業界においても、省エネ性と室内環境の快適さを高次元で両立させるテクノロジーとして、この熱交換型の1種換気を標準仕様に採用する高性能住宅が増加傾向にあります。

1-3. 3種換気システムの特徴と仕組み

一方、3種換気は、排気のみを機械(換気扇)で強制的に行い、給気は壁などに設けられた給気口から自然の力で行うという、日本の住宅で最も広く普及しているシステムです。

排気によって室内の気圧が外よりも下がる(負圧になる)性質を利用し、外部の新鮮な空気を自然に室内に引き込むという、シンプルで合理的な物理の法則を応用しています。

機器の構成が非常にシンプルであるため、導入時の初期費用を低く抑えることができ、またダクトなどの複雑な配管がないことから日々のメンテナンスの手間もかかりにくいという特徴があります。

その反面、外の空気を熱交換せずにそのまま室内に取り込む構造であるため、冬は冷たい空気、夏は暑い空気が直接入り込みやすく、室内の温度環境にダイレクトな影響を与えやすいという側面を持っています。

したがって、3種換気を採用する場合には、冷たい風が直接人に当たらないような給気口の配置や、冷暖房設備とのバランスを綿密に計算した空間設計が快適性を保つための鍵となります。

1-4. 気密性能(C値)や断熱基準と換気システムの関係

1種換気と3種換気のどちらを採用するにしても、換気システムがその性能を文字通りに発揮するためには、住宅自体の気密性能(C値)と断熱性能(UA値)が一定以上の水準で確保されていることが大前提となります。

家の隙間が多い状態では、計画した給排気口以外の予期せぬ場所から空気が漏れ出たり入り込んだりしてしまい、いくら高性能な換気システムを導入しても空気がショートサーキットを起こしてしまいます。

そのため、最新の高性能住宅では、平均C値が0.2といった非常に高い気密性や、厳しい断熱基準をクリアすることを標準仕様とするケースが増え、基本性能へのこだわりが強まっています。

さらに、断熱性能が高まれば高まるほど、壁や窓からの熱の逃げが少なくなる分、換気による熱損失の割合が相対的に大きくなるため、換気方式の選択が住まい全体の省エネ性を左右する重要な要素となります。

つまり、まずは家全体をしっかりと断熱・気密化し、「計画通りに空気が流れる確固たるハコ」を作ることこそが、どんな換気システムを選ぶよりも先に考えるべき家づくりの基本性能なのです。

1-5. 2026年最新版・住宅会社の換気に対する考え方の違い

現在の住宅業界において、換気システムに対する考え方は多様化しており、各住宅会社が自社の設計思想や目指す暮らしの形に基づいた独自の提案を行っています。

あるつくり手は、圧倒的な高気密・高断熱性能をベースに、室内の温度を一切変えない熱交換型の1種換気を絶対的なテクノロジーとして推奨し、最高レベルの快適性を追求しています。

一方で、「1種換気はやめたほうがいい」というテーマで情報発信する専門家もおり、コストやメンテナンスの手間を考慮して、あえてシンプルな3種換気を推奨し、予算を他の性能向上に充てる考え方もあります。

また、予算オーバーを防ぐために「ちょうどいい塩梅」をコンセプトとし、オーバースペックにならずに性能とコストのバランスを見極めるための独自の性能基準を設けているところもあります。

このように絶対的な一つの正解があるわけではなく、つくり手たちが考える「快適さ」や「長持ちする家」の定義、そして住み手が求める暮らしの価値観によって、選ばれる換気方式は異なっているのが最新のトレンドです。

2. 1種換気と3種換気のメリット・デメリット徹底比較

2-1. 1種換気のメリット:室内の温度を変えない快適性

1種換気、特に熱交換型を採用する最大のメリットは、換気をしながらでも室内の快適な温度や湿度を維持しやすく、一年中安定した心地よい室内環境を作り出せる点にあります。

冬場であれば、暖まった室内の空気を排出する際にその熱を回収し、外の冷たい空気を室温に近づけてから取り込むため、冷気が直接体に当たる不快感を防ぐことができます。

夏場においても、冷房で冷やした室内の空気を利用して、外からの暑く湿った空気を冷ましてから取り入れることができるため、エアコンの効きを格段に良くすることが可能です。

このように室内の温度を変えない仕組みは、家の中での急激な温度差を無くし、ヒートショックのリスクを軽減するなど、住む人の健康と安全を守る上でも非常に大きな効果を発揮します。

玄関を開けた瞬間の心地よさや、家中どこでも均一な温度を実現したいと考える場合、この熱交換型の1種換気は生活の質を劇的に向上させる魅力的な選択肢となります。

2-2. 1種換気のデメリット:「やめたほうがいい」と言われる理由

高性能でメリットが多い1種換気ですが、一部の専門家から「やめたほうがいい」という声が上がる理由の一つに、導入にかかる初期費用の高さが挙げられます。

家中に空気を循環させるためのダクトを天井裏などに張り巡らせる必要があり、システム本体の価格に加えて大掛かりな配管施工の費用がかかるため、建築予算を大きく圧迫する要因となります。

また、定期的なメンテナンスが必須であり、熱交換素子や高性能フィルターの清掃・交換を怠ると、換気効率が落ちるだけでなく、配管内にホコリやカビが発生するリスクがあります。

機械自体が複雑であるため、長年使用して将来的に故障した際の修理費用や、システム全体の交換が必要になった場合の維持更新費が、3種換気に比べて高額になりがちです。

そのため、メンテナンスの手間を極力省きたいというライフスタイルの方や、初期の資金計画に余裕がない場合には、これらのデメリットを慎重に見極める必要があります。

2-3. 3種換気のメリット:導入コストと構造のシンプルさ

3種換気システムの最も際立ったメリットは、その構造が極めてシンプルであるがゆえに、導入時の初期費用を安く抑えることができるというコスト面の優位性です。

家全体に太いダクトを這わせる必要がない壁付けタイプが主流であり、施工が容易であるため、コストダウンを重視する住宅からこだわりの注文住宅まで幅広く採用されています。

構造が単純であることは、将来的な故障のリスクが少ないことにも直結し、万が一換気扇本体が壊れた場合でも、その部分だけを容易かつ安価に交換することが可能です。

日々のメンテナンスについても、各部屋の給気口に付いているフィルターを定期的に水洗いや掃除機で綺麗にする程度で済むことが多く、住む人の維持管理の負担が少ないことも大きな魅力です。

コストを抑えた合理的な家づくりを目指し、換気設備で浮いた予算を断熱材の増量やより良い無垢材の床などに回すという戦略をとる場合、3種換気は非常に理にかなった選択肢となります。

2-4. 3種換気のデメリット:外気の影響と冷暖房効率

コスト面で優れる3種換気ですが、最大のデメリットは熱交換の機能を持たないため、外の空気がその時の温度のまま室内に直接流れ込んでしまうという点に尽きます。

真冬であれば、給気口の近くでは冷たいすき間風を感じやすく、暖房でせっかく暖めた空気がどんどん外へ逃げてしまうため、足元の冷えなどの不快感につながる場面があります。

この冷気を嫌がって冬場に給気口を意図的に閉じてしまうケースも見受けられますが、そうすると計画換気が機能しなくなり、結露の発生や空気環境の悪化を招くため大変危険です。

また、外気の影響を直接受けるため、室内を目的の温度に保つためにエアコンなどの冷暖房設備がより多くのエネルギーを消費することになり、月々の電気代が上昇する傾向にあります。

家全体の冷暖房効率という観点で見ると、3種換気は熱交換型の1種換気に劣るため、特に寒冷地や猛暑が厳しい地域では、この室温変化のデメリットがより顕著に感じられる可能性があります。

2-5. 住宅の生涯コスト・ランニングコストから見た比較

家づくりでは、建てるときの初期費用(イニシャルコスト)だけでなく、住み始めてからかかる光熱費や将来のメンテナンス費を含めた「生涯コスト」の視点で比較することが非常に重要です。

1種換気は初期費用が高く、機械を動かす電気代やフィルター代もかかりますが、熱交換による冷暖房負荷の軽減効果が大きいため、日々のエアコンにかかる電気代を大幅に削減できます。

一方の3種換気は、初期費用や設備の維持費は安く済みますが、外気の影響で冷暖房に頼る割合が大きくなるため、エアコンによる空調費が高くつく傾向があります。

住む地域の厳しい気候条件や、家族が設定する室温によっても変わりますが、数十年にわたるランニングコストを計算すると、両者のトータルコストの差が逆転するケースも存在します。

したがって、単純な初期費用の「安い・高い」だけで選ぶのではなく、資金計画をシミュレーションするツールなどを活用し、建築後の追加費用や生涯コストを総合的に判断することが求められます。

3. 後悔しない換気システムの選び方と家づくりのポイント

3-1. 予算オーバーを防ぐための初期費用と維持費のバランス

家づくりにおいて多くの人が直面し、最も避けたい失敗の一つが「予算オーバー」であり、換気システム選びも資金計画全体の中で慎重にバランスを取って検討する必要があります。

憧れの設備や高性能な1種換気を次々と要望していくと、建物費用があっという間に膨れ上がってしまうため、「本当に自分たちの暮らしの優先順位が高いか」を見極める冷静な視点が大切です。

予算オーバーを未然に防ぐためには、営業担当者に任せきりにするのではなく、自分自身でリアルな資金計画書を作成し、付帯工事や将来の維持費を漏れなくシミュレーションすることが効果的です。

イニシャルコストを抑えるためにあえて3種換気を選んだとしても、将来の光熱費が負担にならないよう、浮いた予算で断熱性能を強化し、建物の基本性能を底上げするという柔軟な戦略も有効です。

自分たちが無理なく支払える住宅ローンの範囲内で、初期費用と維持費のバランスを俯瞰して「ちょうどいい塩梅」の落とし所を見つけることが、後悔しない家づくりの第一歩となります。

3-2. 自分たちのライフスタイルや地域環境に合う換気方式の検討

換気システム選びにおいて「絶対にこれが正解」というものはなく、住む人のライフスタイルや、家を建てる地域の気候風土によって、最適な選択肢は大きく変わってきます。

例えば、一年中エアコンに頼り切るのではなく、春や秋の気候の良い時期には窓を大きく開けて自然の風や光を取り入れる暮らしを好む方であれば、高価な1種換気よりもシンプルな3種換気が適している場合があります。

一方で、重度の花粉症やアレルギーを持つご家族がおり、窓を開けずに一年中きれいで温度の安定した空気の中で暮らしたいという場合は、フィルター性能が高く室温を変えない1種換気が有力な選択肢となります。

また、冬の底冷えが厳しい地域では、熱交換によって冷気を和らげる1種換気のメリットが最大限に活きますが、比較的温暖で寒暖差の少ない地域では3種換気でも十分快適に過ごせるケースも少なくありません。

したがって、世間一般の「どっちが良いか」という議論に流されず、自分たちが新しい家で「どのような心地よさを求めているのか」を家族でしっかりと話し合い、検討することが重要です。

3-3. 換気システムだけでなくエアコン計画との連動を考える

快適な住環境を実現するためには、換気システム単体で考えるのではなく、エアコンを中心とした空調計画とセットにして、家全体の空気の流れをトータルでデザインすることが必要不可欠です。

どんなに高性能な換気システムを導入しても、エアコンの配置や風の通り道が悪ければ、空気が滞留してしまい「夏は暑く、冬は寒い」という温度ムラが生じる原因となってしまいます。

家の断熱・気密性能が高ければ、床下エアコンなどを活用し、たった1台〜2台のエアコンで家中の温度を均一にコントロールする効率的な全館空調も可能になります。

その際、換気システムが空気をどのように吸い込み、どこへ循環させるかの経路を緻密に計算し、冷気や暖気が生活空間に効率よく行き渡るような間取りを設計することがプロの腕の見せ所となります。

適切なエアコン容量を計算する早見表などを活用し、家の性能に見合った空調と換気の連動計画を立てることで、無駄な設備投資を抑えつつ最高の住み心地を手に入れることができます。

3-4. ハウスメーカー・工務店の標準仕様をチェックする方法

納得のいく家づくりを進めるためには、検討している工務店やハウスメーカーが、どのような換気システムや断熱材を「標準仕様」として設定しているかを契約前に細かくチェックすることが絶対条件です。

会社によっては、最高水準の1種換気を標準としているところもあれば、コスト重視で3種換気を標準とし、1種換気に変更する場合には高額な追加オプション費用が発生するところもあります。

標準仕様を確認する際は、性能基準をチェックする一覧表のようなツールを活用し、その仕様が完全に不足しているのか、ちょうどいい塩梅なのか、それともオーバースペックなのかを客観的に評価することが大切です。

完成見学会やモデルハウスに足を運んだ際には、目に見えるデザインや間取りだけでなく、「どのような換気計画を採用しているか」「実際のC値やUA値はどの程度か」を直接スタッフに質問してみましょう。

契約前に建材や設備の性能レベルを漏れなく把握し、自分たちの希望と会社の標準仕様とのギャップを埋めておくことが、契約後のトラブルや思わぬ予算オーバーを防ぐ強力な防波堤となります。

3-5. 快適な住環境を実現するための工務店選びの重要性

最終的に、1種換気と3種換気のどちらの性能も最大限に引き出し、心地よい暮らしを実現できるかどうかは、依頼する「つくり手(工務店や設計事務所)」の技術力と提案力にかかっています。

特に高い気密性を確保するためには、現場で作業する大工や職人の丁寧な施工技術が不可欠であり、立派な数値だけをカタログで謳っていても現場の施工品質が伴わなければ意味がありません。

プロが本当に信用できる優良なつくり手は、単に高価な設備を勧めるのではなく、施主の予算と要望に真摯に寄り添い、その土地の特性に合った最適な性能と仕様を提案してくれます。

「頼んでよかった」と将来も思えるような家を建てるためには、見学会に参加し、実際の住み心地や現場の裏側を体感して、信頼できる相手かどうかを自分自身の目で見極めることが大切です。

家族の想いやライフスタイルを深く理解し、予算内で「ちょうどいい塩梅」の快適な住環境を共に作り上げてくれる、心強いパートナーを見つけることこそが家づくりの最大の成功の秘訣です。

まとめ

家づくりにおける数多くの決断の中で、間取りや外観デザイン、最新の住宅設備といった目に見える要素は確かに魅力的であり、多くの時間を割いて検討されがちです。

しかし、私たちが新しい住まいで何十年にもわたって日々の暮らしを営むにあたり、常に呼吸によって体内に取り込み、肌で感じ続けている「空気の質」や「室内の温熱環境」こそが、本当の意味での心地よさや家族の健康を根本から支える最も重要な基盤となります。

現代の住宅は省エネルギー化への社会的要請と快適性の追求から、かつての日本家屋のように隙間風が自然と吹き抜ける構造とは異なり、極めて高い気密性を持つように進化してきました。

この「高気密化」という前提があるからこそ、家の中の淀んだ空気や生活臭、湿気を確実に外へ排出し、代わりに新鮮でクリーンな外気を計画的に取り入れる「24時間換気システム」が、これまで以上に住宅の生命線を握る重要な役割を担うようになっているのです。

適切な換気が行われない家では、二酸化炭素の濃度が上昇し、シックハウス症候群の原因となる化学物質が滞留するだけでなく、湿気がこもることで壁内結露が発生し、カビやダニの温床となるなど、建物の寿命を著しく縮め、住む人の健康にも重大な悪影響を及ぼす危険性が潜んでいます。

このような背景を踏まえた上で、換気システムの主役として比較検討されるのが「1種換気」と「3種換気」です。まず1種換気システムですが、これは給気と排気の両方を機械の力(ファン)で強制的に行う方式であり、住宅内の空気の循環経路や換気量を最も確実かつ精密にコントロールできるという絶大な安心感があります。

そして、現代の高気密・高断熱住宅において1種換気が高く評価されている最大の理由は、多くの場合「全熱交換器」と呼ばれる熱回収システムとセットで採用される点にあります。

この熱交換システムは、室内の汚れた空気を屋外へ排出する際、その空気が持っている「熱(温度)」と「湿気(湿度)」を特殊な素子を通して回収し、新しく外から取り入れる新鮮な空気にその熱と湿気を移し替えるという画期的な仕組みを持っています。

これにより、真冬の氷点下の冷たい外気であっても、室内の暖かな室温に近い状態まで温められてから室内に吹き出されるため、冷たい隙間風を感じることがなく、足元の冷えや急激な温度変化によるヒートショックのリスクを劇的に軽減し、家全体を均一で春のような心地よい温度に保つことが可能になります。

さらに1種換気のメリットは温度管理だけにとどまりません。

機械で強制的に外気を取り込む給気口の入り口に、高性能な微粒子用フィルターやHEPAフィルターなどを設置することが容易であるため、春先の花粉や黄砂、あるいは日常的なPM2.5といった外部の有害な汚染物質が室内に侵入するのを物理的に強力にブロックすることができます。

これにより、重度のアレルギーを持つご家族や、まだ免疫力の弱い小さなお子様がいるご家庭においても、窓を開けることなく一年中家の中をクリーンで安全な空気環境に保つことができるという、健康面での計り知れないメリットを享受できます。

また、夏場においても、エアコンでキンキンに冷やされ除湿された室内の空気の冷たさを利用して、外からのうだるように暑く湿った空気を冷やし、さらりとした状態にしてから取り入れることができるため、ジメジメとした不快感をなくし、冷房の効きを格段に向上させます。

結果として、エアコンにかかる負荷が大幅に軽減され、冷暖房にかかる消費電力を長期間にわたって抑えることができるため、月々の光熱費削減という大きな経済的恩恵も同時にもたらしてくれるのです。

しかしながら、これほどまでに理想的に思える1種全熱交換型換気システムであっても、一部の建築のプロフェッショナルから「やめたほうがいい」「慎重になるべきだ」という警鐘が鳴らされることには、決して無視できない正当な理由が存在します。

その最たるものが「導入にかかる初期費用(イニシャルコスト)の圧倒的な高さ」です。

1種換気システムを家全体で機能させるためには、高価な熱交換器本体を天井裏などに設置するだけでなく、各部屋へ空気を送り届け、また各部屋から空気を吸い上げるための太く複雑な「ダクト(配管)」を家中に張り巡らせるという大掛かりな施工が必要となります。

この部材費と施工の手間により、3種換気と比較すると数十万円から、場合によっては百万円近い追加の建築費用が発生し、限られた家づくりの総予算を大きく圧迫する要因となります。

夢のマイホーム計画において、この換気システムへの多額の投資が、本当に自分たちの暮らしの質を向上させるために最優先すべき予算の使い道なのかどうか、他の設備や断熱材、あるいは土地の予算とのトレードオフとして、冷静に天秤にかけて判断しなければならないという厳しい現実があります。

加えて、1種換気システムにおいて最も厄介であり、住み始めてからの生活に重くのしかかってくるのが「継続的なメンテナンスの負担とダクト内の衛生管理リスク」です。

高性能なフィルターで花粉やホコリをブロックするということは、裏を返せばそのフィルターには常に大量の汚れが蓄積していくことを意味します。

そのため、メーカーが推奨する頻度で天井のフィルターを外し、掃除機で吸ったり水洗いしたりするという手間を、数十年間にわたって怠ることなく続けなければなりません。

もしこの清掃をサボってしまうと、フィルターが目詰まりを起こして換気量が低下し、最悪の場合は機械本体が故障してしまいます。

さらに深刻なのは、家中に張り巡らされたダクトの内側の問題です。

長年の使用によりダクト内にホコリや結露による湿気が溜まると、そこがカビやダニの繁殖場所となり、その汚染された空気を家中にばら撒いてしまうという本末転倒な事態を引き起こすリスクがあります。

ダクト内部の本格的な清掃は素人には不可能であり、専門業者に依頼すれば高額な費用がかかるため、この維持管理の難しさが1種換気の最大の弱点と言えます。

こうした1種換気の複雑さと高コストに対する強力なアンチテーゼとして、長年にわたり日本の住宅で最も広く採用され続けているのが「3種換気システム」です。

3種換気の仕組みは驚くほどシンプルで、トイレや洗面所などに設置された排気用の換気扇を使って室内の汚れた空気を強制的に外へ吐き出すという機能のみを持ちます。

空気を外に出すことで室内の気圧が外よりもわずかに低くなる(負圧になる)という物理現象を利用し、各居室の壁に開けられた給気口から、外の新鮮な空気が自然に室内に引き込まれるという合理的なメカニズムで成り立っています。

このシステムの最大の強みは、何と言ってもその「導入コストの安さ」と「構造の単純さがもたらす壊れにくさ」にあります。

高価な熱交換器や、家中に這わせる複雑なダクト配管が一切不要であるため、建築時の初期費用を極めて安価に抑えることが可能です。

限られた予算の中で家づくりを行う多くのご家庭にとって、換気設備のコストを抑えることで浮いた資金を、より性能の高い断熱材の増量や、窓サッシのグレードアップなど、建物の基本性能を底上げする項目に回すことができるという非常に現実的で賢い選択肢となります。

さらに、3種換気が高く評価されるもう一つの理由が、日々の「メンテナンスの手軽さ」と、将来的な「交換費用の安さ」という、住み始めてからの維持管理における圧倒的な負担の少なさです。

壁に取り付けられた給気口のフィルターは、床に立ったまま簡単にカバーを取り外すことができるため、脚立に乗る危険もなくお掃除の手間が格段に軽減されます。

また、ダクトが存在しないため、ダクト内部のカビや汚れを心配する必要も皆無であり、常に壁の向こうから新鮮な空気をダイレクトに取り込めるという安心感があります。

機械というものは、どれほど高性能であっても10年〜15年で必ず寿命を迎え、モーターの劣化などにより交換が必要になる時期が訪れます。

その際、1種換気のように大掛かりなシステム全体を入れ替えるとなれば、再び数十万円の出費と大工工事が必要になりますが、3種換気であれば、壊れた換気扇本体だけを数万円程度で家電感覚でポンと取り替えるだけで済むため、将来の家計に対する修繕費用の不安を劇的に軽減してくれます。

「シンプル・イズ・ベスト」を体現した3種換気は、サステナビリティを重視する現代の家づくりにおいて理にかなった選択です。

しかし、コストとメンテナンス性において無敵に思える3種換気にも、避けては通れない決定的な弱点が存在します。

それは「外の空気を、熱交換せずにダイレクトに室内に取り込んでしまう」という点です。

真夏の猛暑日であれば、35度を超える熱風と不快な湿気がそのまま給気口から流れ込み、せっかく冷やした室内の空気を容赦なく温めてしまいます。逆に真冬の氷点下の夜であれば、刺すような冷気と乾燥した空気が容赦なく室内に吹き込みます。

特に冬場は、給気口の近くにベッドやソファがあると、冷たい風が直接体に当たって寒さを感じやすくなり、これが原因で「寒いから」という理由で住まい手が意図的に給気口を閉じてしまうというケースが後を絶ちません。

換気システムの給気口を閉じてしまうと、家の中の空気は完全に行き場を失い、計画換気は破綻します。

その結果、窓ガラスや壁の内部に結露が大量発生し、新築の家であってもあっという間に構造材が腐朽したり、カビが生えたりするという取り返しのつかない大惨事を招く危険性があります。

3種換気を採用する場合は、冷気が直接人に当たらないような配置設計など、緻密な間取りの工夫が不可欠となります。

このように、1種換気と3種換気にはそれぞれ全く異なるベクトルのメリットとデメリットが存在するため、単なる「初期費用の安い・高い」という一元的な基準だけでどちらが優れているかを判断することは非常に危険です。

家づくりにおいては、家を建てる時に払うお金(イニシャルコスト)だけでなく、そこに住み続ける何十年もの間にかかり続ける光熱費や、定期的な部品交換・修理費(ランニングコスト・メンテナンスコスト)を含めた「生涯コスト(ライフサイクルコスト)」という俯瞰的な視点でシミュレーションを行うことが絶対条件となります。

初期費用が安いからと3種換気を選んでも、断熱性能が不十分であれば、外からの熱気や冷気に抗うためにエアコンが常にフル稼働し、結果として毎月の電気代が跳ね上がってしまいます。

逆に、高額な1種換気を導入したとしても、その優れた熱交換率のおかげで冷暖房にかかる電気代が劇的に安くなり、30年という長いスパンで見れば、初期費用の差額を十分に回収し、トータルでは1種換気の方が安上がりになるという逆転現象が起こるケースも多々あります。

資金計画ツールなどを活用し、未来の出費まで見据えた冷静な計算を行うことが不可欠です。

さらに、生涯コストの計算と同じくらい重要なのが、自分たち家族が新しい家で「どのようなライフスタイルを送りたいのか」、そして建設地の「気候風土」を考慮することです。

例えば、四季の移ろいを感じ、春や秋には窓を大きく開け放って自然の風を取り込む暮らしを好むご家庭であれば、窓を開けることで熱交換機能が無意味になってしまう1種換気はオーバースペックとなる可能性があり、シンプルな3種換気が適しています。

一方で、重度の花粉症を持つ家族がおり、窓を開けずに一年中家の中を「安全でクリーンなシェルター」のように保ちたいと願うのであれば、高性能フィルターを備えた1種換気が最良の投資となります。

また、北海道や東北のような冬の寒さが極めて厳しい地域では、冷気を直接取り込む3種換気では暖房エネルギーが膨大になるため熱交換型の1種換気が推奨されますが、比較的温暖な地域であれば、3種換気でも家の断熱性能を高めることで十分に快適に過ごせます。

交通量の多い道路沿いなど、窓を開けられない環境であれば防音性にも優れた1種換気が有効など、世間の流行に流されず、自分たちの環境と暮らしの軸を明確にすることが肝要です。

換気システムを検討する上で絶対に忘れてはならないのが、換気システムは単独で機能するものではなく、「エアコンを中心とした全館の空調計画」と完璧に連動・統合されて初めて真価を発揮するという事実です。

どんなに優れた換気システムでも、エアコンの配置や風の通り道の設計が悪ければ、空気が滞留して不快な温度ムラが生じてしまいます。

プロの優れた設計者は、換気がどこから空気を吸い込み、どのルートを通って排気されるのかという空気の流れを緻密に計算し、冷気や暖気が生活空間全体に効率よく行き渡るよう間取りをデザインします。

これらを実現するためには、ハウスメーカーや工務店の「標準仕様」を契約前に徹底的にリサーチすることが防衛策となります。

会社によって設計思想は異なり、1種換気が標準の会社もあれば、コスト重視で3種換気が標準の会社もあります。

自分たちが1種換気を希望しているのに3種標準の会社と契約してしまうと、後から莫大なオプション費用を請求され予算が崩壊します。

契約のハンコを押す前に、その会社の標準仕様が自分たちの理想の性能レベルと合致しているかを、客観的な基準表を用いて厳しく見極める必要があります。

結論として、いかに素晴らしい換気システムを採用し、完璧な図面を引き、理想的な標準仕様の工務店を見つけたとしても、最終的にその家の性能を決定づけるのは、現場で実際に作業を行う「職人の施工技術」に他なりません。

換気システムが設計通りのパフォーマンスを発揮するための大前提となる「家の気密性」は、見えなくなる壁の裏側での地道な手作業によってのみ実現されます。

カタログの数値だけでなく、現場で「気密測定」を実施し、実測値として証明できる工務店でなければ、その性能を信用することはできません。

そのため、完成見学会や構造見学会に何度も足を運び、職人さんの仕事ぶりを確認するとともに、モデルハウスでの宿泊体験などを通じて、自分自身の「五感」で空気の心地よさを体感し、直感的に信頼できるつくり手を探し出す努力が不可欠です。

「1種換気か3種換気か」に絶対的な正解はなく、正解はあなた自身の人生の設計図の中にあります。

本記事の知識を羅針盤とし、生涯コストと快適性のバランスを冷静に測りながら、信頼できるプロと徹底的に議論を重ねてください。

皆様の家づくりが、100年先までも愛される素晴らしい成功体験となることを心から応援しております。

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