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有限会社 水戸工務店

UA値だけでは見えない性能、換気について

水戸工務店代表の小林弘典です。

前回は、
「断熱等級6でも、その中身には大きな差がある」
というお話をしました。

今回はその続きとして、
UA値だけでは見えてこない、大切なポイントについて
お話ししたいと思います。

それが、
**換気(とくに熱交換換気)**です。

UA値は、
家全体がどれくらい熱を逃がしにくいか
を表す、とても重要な数字です。

いわば、
家を魔法瓶にしたときの「容器の性能」です。
でも、家は魔法瓶のように密閉していては生活できませんよね。

必ず「新鮮な空気を取り入れる」換気が必要です。

窓を開けるだけで換気はできます。
気温や湿度がちょうどいい、春や秋の一時期なら、
窓を開けて換気もいいでしょう。

しかし、真冬や真夏に窓を開け放していたら、
冬は寒く、夏は暑くなってしまいます。

とはいえ、春や秋でも花粉症の問題もありますので、
通年、窓を開け放すことが出来ない人も多くいると思います。

窓を開けずに、
空調で整えた室内の環境を大きく崩さず、
さらに花粉などをフィルターで抑えながら
新鮮な空気を取り入れる仕組みが、24時間換気システムです。

室内の空気を外に出し、外の空気を室内に取り入れることを、
一日中、休みなく行っています。

このとき、
冬 → 冷たい外気が入ってくる
夏 → 暑い外気が入ってくる
というように、
UA値がどれだけ良くても、
換気による熱の出入りは必ず発生します。

そして、換気システムには大きく分けて2種類があります。
1.外の温度をそのままに空気を取り込むもの、
2.外と室内の温度を交換して、空気を取り込むもの、です。

1の換気に対して、2のほうは熱交換換気、と言われます。

熱交換換気は、簡単に言うと、
捨てる空気の「熱」を、これから入ってくる空気に
あらかじめ渡してあげる仕組み、です。

冬であれば、
室内の暖かい空気の熱を回収し
冷たい外気を少し温めてから取り入れる

夏であれば、その逆です。

結果として、
室温の変化が小さく、空調の負担が減る、
体感的な寒さ・暑さがやわらぐ
といった効果が出てきます。

でも、UA値にはこの差は出てきません。

熱交換換気を使っていても、使っていなくても、
UA値の数字は、ほとんど変わりません。

なぜならUA値は、壁・屋根・床・窓、といった
「外皮(建物の皮)」の性能だけを見ているからです。

換気の仕組みや、換気による熱ロスの大小は、
UA値には反映されません。

つまり、UA値が良く、断熱等級も高い住宅であっても、
換気の方式や熱交換の有無によって
実際の暖かさや、涼しさ、快適性も光熱費も変わってきます。

このあたりは、カタログの数字だけでは
なかなか見えてこない部分です。

実は、UA値、という断熱基準の前に使われてた、
Q値、という基準もあります。
Q値は、換気で入れ替わる空気のロスも表示されていました。

断熱基準がQ値からUA値に変わったことで、
評価はシンプルになりました。

一方で、換気による熱の出入りといった要素は
数字から見えにくくなり、少なくとも一般の施主の方にとっては、
「家全体の性能」が以前より分かりづらくなった面もあると感じています。

断熱性能が高い家になればなるほど、熱交換換気による効果が高まります。

理由は建築基準法では、
家の大きさに対して入れ替える換気量が決まっています。
通常の換気の熱ロスが100wと仮定して、
熱交換した場合、半分の50wになったとします。
(※イメージしやすくするための、単純化した仮定です)

断熱性能が良くない家の外皮から逃げる熱が1000w、
普通換気が100wで「合計1100w」
これが、熱交換になったとしても
合計で「1050w」となり、5%程度しか性能が上がりません。

高断熱な家の場合、家の外皮から逃げる熱が200wと仮定して、
普通換気で300w、熱交換換気で250wとすると、
熱交換換気は17%ほど性能が変わります。

高性能な住まいをつくる弊社では、
数字に表れにくい「住み心地」までを性能と考え、
その一つとして熱交換換気をお勧めしています。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

また次回もよろしくお願いします。

それでは!

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