会員登録・ログイン パートナー企業申請
ロゴ
エアコンで夏の湿度をコントロール!再熱除湿を解説します。
一般社団法人家づくり百貨

エアコンで夏の湿度をコントロール!再熱除湿を解説します。

「エアコンの除湿機能、なんとなく使ってるけど、ほんとうに快適にできてる?」
そんな疑問を感じたことはありませんか?湿度が高いだけで寝苦しい夜、肌にまとわりつく不快感、エアコンをつけてもなんだかベタベタ…。実はそれ、通常の除湿モードだけでは限界があるのです。

特に日本の蒸し暑い夏には、「再熱除湿」という機能が快適な室内環境づくりのカギになります。これは、空気を冷やして水分を除去した後に、ちょうど良い温度まで温め直すという、高性能エアコンならではの機能です。

住宅設備の専門家として、再熱除湿の仕組み・メリット・使い方を徹底解説した本記事では、エアコンの選び方から運転設定のコツ、電気代の考え方やトラブル対処法まで、現場目線でわかりやすく網羅しました。

この記事を読めば、「冷えすぎない」「湿度だけが下がる」「家族が過ごしやすい空気が整う」といった理想の快適空間を、エアコンだけで手に入れる方法がわかります。

この記事でわかる結論はこちら

・冷房が苦手な方、小さなお子様や高齢者がいるご家庭にもぴったりな、体にやさしい除湿の答えがここにあります。
結論:夏の快適さは「再熱除湿」で決まります。

再熱除湿は、湿度を下げながら室温を快適に保てる除湿方法で、冷えすぎず過ごしやすい。

通常の冷房や除湿機能と異なり温度変化を最小限に抑えて湿度だけを効果的にコントロールできる。

・カビや結露の防止、健康管理にも効果的で、特に高湿度の日本の夏に最適

・機種選びや設定方法を工夫すれば、電気代の節約と快適性の両立が可能。

・再熱除湿は冷房が苦手な人や赤ちゃん・高齢者がいる家庭にとって理想的な空調選択肢である。

1. 再熱除湿とは何か

エアコンの除湿と冷房の違い!電気代はどちらがお得?

1-1. 再熱除湿の基本原理

再熱除湿とは、エアコンの除湿機能の一種で、湿度を下げながらも室温を必要以上に下げないことを目的とした仕組みです。冷房運転中に室内の空気を一旦冷やして水分を取り除いたあと、再びその空気を適度に温めてから室内に戻すという工程を経ることで、快適な室温と低湿度の両立を図ります。

通常の除湿機能では、空気を冷やすことで湿気を取り除くと同時に、室温も大幅に下がってしまうことがあります。しかし、再熱除湿では冷やした空気を加熱する「再熱」の工程が加わるため、室温の低下を抑えながら湿度を調整できるのです。

この再熱機能は主に高性能なエアコンに搭載されており、特に梅雨時期や夏場の湿気が多い時期に重宝されます。湿度が高いと不快感が増し、体感温度も上がるため、実際の温度よりも暑く感じてしまうことがあるのです。

再熱除湿は、エアコン内部の熱交換器を活用して空気を冷却・除湿し、その後にヒーターや逆熱交換器を用いて再加熱します。この過程により、温度と湿度のバランスが取れた快適な室内環境が実現されます。

再熱除湿は、特に敏感な体質の人や小さな子ども、高齢者のいる家庭で好まれます。理由は、室温を過度に下げずに快適な環境を保てるからです。温度変化による体調への影響を避けながら、湿度対策ができる点が支持されています。

1-2. 再熱除湿と通常冷房の違い

エアコンの冷房と除湿はどちらがお得? 機能を使い分けるポイントや月々の電気代を節約する方法を解説 |  【公式】TERASEL(テラセル)でんき|伊藤忠エネクスグループ 株式会社エネクスライフサービス

再熱除湿と通常冷房の大きな違いは、温度と湿度の制御方法にあります。通常冷房では、室温を下げることで結果的に湿度も下がる仕組みですが、再熱除湿では湿度の制御を主目的としつつ、温度の低下を抑える工夫がなされています。

通常の冷房運転では、冷却コイルで空気を冷やして水分を除去し、そのままの冷えた空気を部屋に送り出します。そのため、湿度は下がるものの、室温も一気に下がってしまい、寒すぎると感じることがあります。

一方、再熱除湿では、空気を冷却・除湿したあと、再加熱されます。これにより、湿度は下がっても室温が必要以上に低くならず、快適な環境が保たれるのです。

また、再熱除湿は冷房よりも細かい湿度コントロールが可能で、長時間使用しても室内が寒くなりすぎず、冷えすぎによる不快感を軽減できます。特に梅雨時期や夜間の使用には非常に適しています。

一方で、再熱除湿は通常冷房に比べて消費電力がやや高くなる傾向があります。これは、空気を加熱する工程が加わるためで、エネルギー効率の観点では冷房の方が有利な場合もあります。用途や時間帯に応じて使い分けるのが理想的です。

1-3. 再熱除湿のメリット

エアコンの除湿機能、活用していますか? - ウェザーニュース

再熱除湿の最大のメリットは、湿度を効果的に下げながらも、室温を快適な範囲に保てる点です。特に夏場や梅雨時など湿度が高く、しかしそれほど気温が高くない状況下では、冷房だと寒くなりすぎるという問題が生じやすいため、再熱除湿が非常に有効です。

湿度をコントロールすることにより、体感温度も下がりやすくなります。人間は湿度が高いと暑く感じるため、同じ温度でも湿度が低い方が涼しく快適に感じられるのです。この点で、再熱除湿は省エネにも貢献できる可能性があります。

また、再熱除湿は冷房による「冷えすぎ」を防げるため、特に女性や高齢者、子どもなど冷房が苦手な方にとって安心できる機能です。冷えすぎによる頭痛や体調不良のリスクを軽減するのにも役立ちます。

カビやダニの発生を抑える効果も期待できます。湿度が60%以上になるとカビやダニが繁殖しやすくなるため、再熱除湿によって室内を50〜55%程度に保つことで、清潔な住環境を維持する助けになります。

さらに、最新の高性能エアコンでは、再熱除湿を自動で最適に調整してくれるモデルも増えており、使いやすさが向上しています。ユーザーが細かい設定をしなくても、快適な湿度と温度を保てるのは大きな利点です。

1-4. 再熱除湿のデメリット

再熱除湿には多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。まず第一に挙げられるのが、消費電力が通常の冷房よりも高くなりやすいという点です。これは、除湿のために空気を冷却し、その後再加熱するという二重の処理が必要となるためです。

電気代の観点から見ると、再熱除湿を長時間使用することで月々の電気代が上昇する可能性があります。特に夜間に長時間稼働させる場合などは、エネルギー消費に注意が必要です。このため、適切な使い方を工夫することが重要となります。

また、再熱除湿機能はすべてのエアコンに搭載されているわけではありません。再熱除湿が可能なモデルは、比較的上位機種に限られるため、導入時の初期費用が高くなる可能性があります。予算と目的を照らし合わせた慎重な機種選定が必要です。

機種によっては、再熱除湿中に動作音が大きくなることもあります。特に静音性を重視する寝室や書斎などでは、動作音が気になるという声も一部で挙がっています。カタログスペックだけでなく、実際の使用感も確認することが大切です。

最後に、再熱除湿は構造が複雑なため、メンテナンスや修理時のコストが高くなることも考えられます。部品点数が多く、修理に時間や費用がかかる場合もあるため、アフターサービスの充実したメーカーや業者を選ぶことがポイントです。

1-5. 再熱除湿の仕組み詳細

エアコンの除湿・冷房の仕組みとは?|テクノ雑学|TDK Techno Magazine

再熱除湿の仕組みは、エアコン内部の熱交換器を巧みに活用した高度なプロセスで構成されています。まず、室内の空気がエアコンの冷却コイルに送られ、急激に冷やされることで空気中の水分が凝縮され、ドレンとして排出されます。これは通常の冷房運転と同じプロセスです。

この時点で、湿度は確実に下がりますが、同時に空気の温度もかなり低くなってしまいます。再熱除湿では、ここで「再加熱」という工程が加わります。冷やされた空気を、再度エアコン内部の別の熱交換器を通して温め直し、快適な温度に調整してから室内に戻します

再加熱の方法にはいくつかあり、一般的には「電気ヒーターによる加熱」または「コンプレッサー熱を利用した熱交換加熱」が用いられます。後者はエネルギー効率が良いため、省エネ性能が高く、最新のエアコンではこの方式が主流です。

再熱除湿はこのように「冷却→除湿→再加熱」という3段階のプロセスで構成されており、単に温度を下げる冷房とは一線を画しています。この仕組みにより、室温を過度に下げることなく、湿度だけを効率的にコントロールすることが可能になります。

この高度な仕組みにより、再熱除湿はとくに気候が多湿な日本の夏において、快適な住環境を保つために非常に有効な機能とされています。機種ごとの仕組みや制御方式にも違いがあるため、導入前に仕様をよく確認することが望まれます。

2. 再熱除湿の効果と快適性

2-1. 室内湿度への影響

再熱除湿の大きな利点のひとつが、室内の湿度を安定的にコントロールできる点です。特に夏の高温多湿な気候では、室温だけでなく湿度の高さが快適性に大きく影響します。再熱除湿を使うことで、湿度を50〜60%に保ちやすくなり、体感温度の上昇を抑えることができます。

通常の冷房では、室温が低くなっても湿度が意外と高く残ることがあります。これは冷房が設定温度に達すると運転を緩め、除湿効果が薄れるためです。一方、再熱除湿は温度に頼らず湿度を優先して調整するため、湿度の管理が安定します。

湿度が高いと、肌がべたついたり、寝苦しくなったりする原因になります。再熱除湿によって湿度を下げると、汗の蒸発が促進され、身体の熱を効果的に放出できるようになります。これにより、暑さによるストレスが軽減されます。

また、洗濯物の室内干しにも再熱除湿は非常に効果的です。湿度が下がることで乾きが早くなり、部屋干し特有の臭いの発生も抑えられます。リビングや寝室での部屋干しに悩んでいる家庭では、再熱除湿が快適な生活を支えます。

最後に、室内の湿度管理は健康面にも影響します。湿度が高いとカビやダニが繁殖しやすく、アレルギーの原因にもなります。再熱除湿を活用することで、こうした問題を未然に防ぎ、安心して暮らせる環境づくりが可能です。

2-2. 温度の変動と居心地

再熱除湿の特長の一つは、室温を大きく変動させずに湿度を調整できる点です。通常の冷房では、設定温度に達するまで室温がどんどん下がってしまい、寒く感じることがしばしばあります。これに対して再熱除湿では、室温が適度な範囲内に保たれるため、居心地の良さが維持されます。

特に寝室での使用においては、この温度の安定性が非常に効果的です。夜間に室温が下がりすぎると、寝冷えの原因になったり、途中で目が覚めてしまうこともあります。再熱除湿はこうした問題を軽減し、快適な睡眠環境を実現してくれます。

また、エアコンの冷房運転中に感じる「風が寒い」「手足が冷える」といった不快感も、再熱除湿では少なくなります。再加熱された空気が柔らかく部屋全体に広がるため、風あたりがマイルドで冷えすぎを感じにくくなっています。

気温の高低差に敏感な高齢者や子ども、体調を崩しやすい方には、再熱除湿の緩やかな温度変化が特に適しています。暑すぎず、寒すぎず、常に一定の快適さを保てることは、生活の質を大きく向上させます。

さらに、居室だけでなくキッチンや脱衣所など、温度変化が気になりやすい空間にも再熱除湿は有効です。場所ごとの快適性を保ちながら湿度を下げられるため、家全体での居心地が大きく改善されます。

2-3. カビや結露への効果

カビや結露は、室内の過剰な湿度が主な原因です。再熱除湿はこの「湿度コントロール」が得意な機能であるため、住宅内のカビ発生や結露防止に非常に効果的です。とくに梅雨や夏場の湿気がこもりやすい時期には、その真価を発揮します。

カビは湿度が60%を超えると急速に繁殖を始めると言われています。再熱除湿を使うことで、室内の湿度を50〜55%程度に安定させることが可能になり、カビの発生リスクを大きく抑えることができます。これにより、壁や天井、家具、衣類などの劣化も防げます。

また、結露は外気との温度差によって発生しやすくなりますが、再熱除湿を使えば湿度が低く保たれるため、ガラス窓や壁の表面に水滴が付きにくくなります。これにより、建材の腐食やカビの二次的な被害も防ぐことができます。

特にマンションや気密性の高い住宅では、通気が不十分になりやすく、カビや結露の問題が深刻になりがちです。再熱除湿を活用することで、機械的に湿度をコントロールでき、こうした住宅特有の問題にも効果を発揮します。

さらに、カビの予防は健康維持にもつながります。カビは喘息やアレルギー性鼻炎などの原因にもなりうるため、再熱除湿で環境を整えることは家族全員の健康を守る一助となります。快適さと衛生面の両立が可能なのです。

2-4. 電気代とランニングコスト

再熱除湿は快適な湿度管理を可能にする反面、電気代やランニングコストに関してはやや注意が必要です。通常の冷房運転と比べて、除湿後に空気を再加熱する工程が加わるため、消費電力が増える傾向にあります。特に長時間の使用では、この差が電気料金に反映されやすくなります。

特に古い機種や電気ヒーター式の再加熱を採用している場合は、効率が悪くなりやすく、月々の電気代が高くなることがあります。一方で、最新機種ではインバーター制御やコンプレッサー熱を利用した再加熱方式により、消費電力を抑える工夫がなされています。

再熱除湿のコストパフォーマンスを高めるためには、使用時間帯や部屋の条件を考慮することが重要です。日中の暑さがピークの時間帯は冷房モード、湿度が高く温度がさほど高くない時間帯は再熱除湿、といった使い分けが有効です。

また、設定温度を低くしすぎないことも省エネに繋がります。再熱除湿は湿度を下げることで快適性を高める機能ですので、温度設定を28度前後にしつつ湿度を50〜60%に保つことで、過剰なエネルギー消費を防げます

ランニングコストを抑えるためには、フィルターの清掃や定期的な点検も大切です。汚れたフィルターはエアコンの効率を下げ、余計な電力を消費する原因となります。メンテナンスを怠らないことで、再熱除湿の快適性を維持しつつ、コストを最小限に抑えることができます。

2-5. 他の除湿方式との比較

再熱除湿以外にも、エアコンにはいくつかの除湿方式が存在します。代表的なのは「弱冷房除湿」や「除湿専用機能」などで、それぞれの方式にはメリットとデメリットがあり、使うシーンによって最適な選択が異なります

弱冷房除湿は、冷房運転の一種で、コンプレッサーの出力を抑えながら除湿を行う方法です。電力消費が少ないという利点がありますが、室温も下がるため、寒く感じる場合があります。特に夜間や気温があまり高くない日には不向きです。

一方、除湿専用機能は、湿度を下げることを主眼としつつ、温度を極力変えない運転を行います。ただし、再熱除湿のように明確に再加熱を行わないため、温度の安定性ではやや劣ります

一般的な除湿機との比較では、再熱除湿付きエアコンの方が空間全体の温度・湿度を同時に調整できるという利点があります。ただし、除湿能力そのものは専用の除湿機の方が高い場合もあるため、洗濯物の乾燥など特定の用途には除湿機の併用が効果的なこともあります。

これらの方式の中で、再熱除湿は「快適性を優先した除湿方法」と位置付けられます。冷えすぎず、湿度を下げ、健康や暮らしやすさに配慮した機能という点で、他の方式にはない価値を提供しています。

3. 再熱除湿を使いこなす

3-1. 適切な使用条件

再熱除湿を最大限に活用するためには、使用する条件を正しく見極めることが大切です。特に向いているのは、湿度が高く気温がそれほど高くない梅雨時期や、寝室など温度をあまり下げたくない環境です。

冷房では寒くなりすぎてしまうような状況下では、再熱除湿が効果を発揮します。たとえば、外気温が25〜28度程度でも室内がムシムシしていると感じる場合は、再熱除湿を使うことで湿度だけを下げ、体感温度を快適に保つことが可能です。

逆に、外気温が非常に高く、室温も下げたい状況では、再熱除湿よりも冷房モードの方が効率的です。再熱除湿はあくまで「湿度コントロール」が主目的であるため、暑さ対策としての即効性は冷房に劣る場面もあります。

再熱除湿は、体温調整が難しい高齢者や赤ちゃんがいる家庭でも重宝されます。冷えすぎを防ぎつつ、湿度を適切に保てるため、健康への配慮が必要な空間での利用に向いています。

最後に、外出中に使用する場合にも注意が必要です。再熱除湿は冷房よりも消費電力が高くなる可能性があるため、長時間無人の部屋で使用するよりは、在宅中や就寝時など、快適性を重視する場面での活用がおすすめです。

3-2. 機種選びのポイント

再熱除湿を取り入れたエアコンを選ぶ際には、まず「再熱除湿機能付き」と明記された機種かどうかを確認することが基本です。単に「除湿機能あり」と記載されているだけでは、再熱除湿に対応していない場合があります。

再熱除湿機能は中~上位グレードのエアコンに搭載されていることが多く、価格帯としてはやや高めになる傾向があります。とはいえ、快適性と健康を重視する家庭では、投資する価値のある機能といえるでしょう。

カタログやメーカーサイトでは、「再熱除湿」や「温度を下げすぎない除湿」などの表記がされている場合があります。また、実際の使用感を知るために、ユーザーレビューや比較サイトも活用すると選びやすくなります。

機種によっては、再熱除湿の動作音が異なるため、静音性も選定基準に加えるとよいでしょう。寝室や書斎など、静かな環境が求められる場所では、騒音レベルの確認も重要です。

最後に、エネルギー効率(APF値)もチェックポイントです。再熱除湿機能は電力を多く使うため、省エネ性能の高いモデルを選ぶことで、長期的な電気代の節約につながります。購入後の維持費も考慮しながら、バランスの取れた一台を選びましょう。

3-3. 運転設定のコツ

再熱除湿の機能を効果的に使いこなすには、運転設定の工夫がカギとなります。まず基本として、再熱除湿モードを選ぶ際は「温度優先」ではなく「湿度優先」にすることで、過剰な冷却を避けることができます。

温度設定は27〜28℃前後を目安にするとよいでしょう。この温度設定でも湿度が50〜60%程度まで下がれば、体感的には十分涼しく感じられます。低温にしすぎると、再熱除湿の利点が薄れてしまいます。

湿度設定が可能な機種であれば、目標湿度を明確に設定することが重要です。例えば50〜55%程度を目指すことで、カビ・ダニの発生を抑えつつ、快適な空間が保てます。除湿強度を「自動」にするのも、室内状況に合わせて適応してくれるので便利です。

風量の調整も効果的です。再熱除湿中は「弱風」または「自動」に設定することで、室内に自然な空気の流れを作りつつ、冷えすぎを防げます。また、サーキュレーターや扇風機と併用すると、空気の循環が良くなり除湿効率も向上します。

就寝時には「おやすみモード」や「タイマー機能」を活用することで、電力を節約しながら快適性を保つことができます。特に再熱除湿は長時間稼働する傾向にあるため、タイマー設定で使いすぎを防ぐ工夫が大切です。

エアコン上位機種の除湿電気代に要注意!! | 姫路の保険代理店│ほけん未来図

再熱除湿では、空気をいったん冷やして水分を取り除いた後に再び温めることで、空気の「絶対湿度」を下げることができます。これは、空気を温めることで相対湿度が下がり、結果として除湿された快適な空気が室内に供給される仕組みです。湿度を物理的に取り除いたうえで、暖かい空気として送り返すため、冷えすぎずに除湿が可能となります。

3-4. メンテナンスとフィルター管理

再熱除湿機能を長く快適に使うためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。特にフィルターの清掃は、エアコン全体の効率を保つ上で非常に重要です。ホコリや汚れが溜まると風量が落ち、除湿・再熱機能のパフォーマンスも低下します。

一般的には2週間に1回程度、エアコンのフィルターを取り外して掃除するのが理想です。掃除機で吸い取るか、ぬるま湯で洗浄してよく乾かしてから取り付けます。定期的な清掃はエアコンの寿命を延ばし、電気代の節約にもつながります

また、再熱除湿の仕組みには冷却・加熱の熱交換器が含まれるため、内部のカビや汚れも注意が必要です。においが気になる、効きが悪くなったと感じたら、専門業者による分解洗浄を依頼するのが望ましいです。

除湿機能を頻繁に使う季節には、ドレンホースの詰まりや水漏れにも注意してください。ドレンホースが詰まると排水がうまくいかず、水が逆流して本体から漏れることがあります。年に一度は点検すると安心です。

最後に、使用説明書に記載されたメンテナンスサイクルを守ることが重要です。最近の機種ではフィルター掃除のタイミングを知らせてくれるものもあるので、通知機能を活用しながら定期管理を心がけましょう

3-5. トラブル対処法

再熱除湿を使用していると、「除湿されていない気がする」「風が出ない」「変なにおいがする」など、さまざまなトラブルが発生することがあります。これらの問題の多くは、基本的な確認やメンテナンスで対処可能です。

まず「除湿されない」と感じる場合は、設定温度や湿度が適切かを確認してください。室温が高すぎたり、設定湿度が高めになっていると、除湿が機能していても効果を感じにくくなります。また、フィルターが詰まっている場合も風量が低下し、除湿効率が落ちます

「風が出ない」場合は、ファンや送風口に異物が詰まっていないか確認します。また、エアコン内部の霜付きが原因で停止していることもあるため、コンプレッサーの動作音やエラー表示にも注目すると良いでしょう。

においが気になる場合は、内部のカビや雑菌が原因の可能性があります。この場合は、フィルター清掃だけでなく、熱交換器の洗浄が必要です。市販の洗浄スプレーでもある程度対応できますが、完全な対処には専門業者による清掃がおすすめです。

それでも改善されない場合や、異常な音や振動、エラーコードの表示があるときは、早めにメーカーのサポートセンターや専門業者に相談することが大切です。放置すると故障の原因になるため、小さな異常にも注意を払いましょう。

まとめ

本記事では、再熱除湿というエアコンの高度な除湿機能に焦点を当て、原理から仕組み、通常の冷房との違い、そして実際の使いこなし方まで幅広く解説してきました。再熱除湿は、空気を冷やして水分を取り除いた後に再加熱することで、室温を下げすぎることなく湿度を快適な範囲にコントロールできる機能です。

この仕組みによって、冷房で起こりがちな「寒すぎる」「冷えすぎる」といった不快感を避けながら、室内環境を快適に保つことができます特に日本のように湿度の高い夏を過ごす地域では、再熱除湿は大きな力を発揮します。

再熱除湿には、室温と湿度の両立による快適性向上、カビやダニの予防、結露の防止、体感温度の調整といった多くのメリットがあります。

一方で、冷房に比べると消費電力が高くなりやすい、機種によっては価格が高め、そして定期的なメンテナンスが必要といった注意点もあります。これらを踏まえた上で、再熱除湿をより上手に活用するためには、正しい使用条件の見極め、機種選定、設定の工夫、日常のメンテナンスが非常に重要です。

また、最新機種では再熱除湿を暖房運転中にも活用できるタイプもあり、1年を通じて湿度管理を意識した空調が可能となっています。

再熱除湿はただの快適機能ではなく、暮らしの質や健康管理にも密接に関係する重要な設備といえるでしょう。

続きを読むには会員登録が必要です。

無料会員登録で、限定コンテンツ読み放題!