こんばんは
クオホーム本田です。
平日は打ち合わせが
ないですがずっとバタバタ
しています。
さて本日はこちら↓
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「住宅設計の原点」とも言える
ある建築家の話を。
建築に関わって20年以上、
いろんな設計や現場を
見てきましたが
改めて背筋が伸びる、
そんな建物です。
私が過去にみた建築で
一番感動した住宅です。
それが1962年に建てられた
吉村順三さん設計の軽井沢の山荘。
設計の根っこにあるのは
「建築は愛」という言葉。
これは感情論ではなく、
住む人が無意識に「気持ちいい」と
感じる空間を、緻密な論理で
設計しているという意味。
この“気持ちよさ”って、
すごく設計者にとって
難しいテーマです。
間取りが良いとか、
デザインがかっこいいとか、
性能が高いとか、
そういう次元じゃなくて、
「なんか気持ちいいよね」と
感じるあの感覚。
この山荘ではそれを実現してる。
例えば2階リビングは
片持ち構造で「空中に浮いてる」
ような空間をどうやって設計に
落とし込むか、その緻密な
設計手法にあります。
特に印象に残るのが、
外観と内部体験が
心理的に一致していること。
この山荘では、1階が
鉄筋コンクリート、
2階が木造の板張り仕上げ。
あえて1階を小さく
見せることで、
建物全体に「浮遊感」が生まれます。
2階リビングはまるで森の中に
浮かんでいるような感覚。
これ、言われないと
気づかないけど、
空間の重さや高さ、
見える景色まで
すべてが計算されて
設計されています。
それでいて「なんか気持ちいい」。
その「なんか」を言語化して
意識的に空間を作る。
これがプロの仕事かなと。
また1階のテラスも秀逸。
柱を排して、森との一体感を演出。
コンクリートの庇が日射を
やわらげ「世界一気持ちいい場所」と
言われるほど。
これ、単なる構造的な
アイデアでなく人の感覚に
訴えるための仕掛けです。
さらに小さな浴室にも驚きが。
たった1.66㎡の空間に
直火で焚く「長州風呂」を設置。
床から立ち上がるような
温かさと、筒状に落ちる光。
狭さを逆手に取った演出で
とんでもない心地良さが
そこには生まれています。
これらの設計から学ぶことは
「正しさより、気持ちよさ」。
高断熱や耐震、性能を担保するのは
現代の家づくりでは当たり前の話。
そこに“体験としての設計”を
どう落とし込めるか。
最近の家づくりでは
“効率”が重視されすぎて
感覚に寄り添う設計が
抜けがちになっていると感じます。
だからこそ今、こういう建築に
立ち返る価値があると思っています。
設計者としてはもちろん、
住まい手としても「なぜ気持ちいいのか」
という視点で建物を見ると、
住宅を見る目が大きく変わります。
ちなみにこの山荘は
現在も私邸で非公開。
でもこういう話を知るだけで、
次の家づくりにきっと活きてきます。
「広い」「明るい」「便利」だけでなく、
“気持ちいい空間”をどう設計するか。
その本質は、
吉村順三が60年前に
すでに示してくれています。
ご参考に。
では、では。
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