こんにちは。
輝建設のコハラです。
新築、リノベ両睨みの
お客さんが増えているという
話を最近、ちょくちょく書いていますが
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新築やリノベなど
設計が上手になっていく過程で
無駄な線をなくす
ということを設計を生業とする
人たちは意識していく
時期というか、
指導を受けるというか、
それに気づくというか
まあ、いずれにせよ
ごちゃごちゃしないように
図面から
極力、無駄な線を省いて
建物を内外観すっきりしたものに
見せようというか、
それが上手い!と
思ってしまう時があるような
気がします。
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しかし、
設計が上手な人に見せると
ダメと。
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単に線が少ないだけだと
究極、四角四面の箱のような
家が良いということになります。
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その辺りの塩梅は
非常に難しいのですが。
シンプルすぎるとか
すぎないとかの
線が多い、少ないではなく
やはり実際にできたときに
どう見えるのかということ
だと思います。
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例えば、和室なんかは
縦横の線が非常に多いですが、
すごくシンプルに見えます。
マンションの一室や
大量生産系のビルダーさんの
建売なんかの個室に
ありがちな
天井、壁ビニールクロスで
床は白っぽい木目柄の
クッションフロア。
確かにシンプルなんだけど
受け入れ難いシンプルさ。
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とってはいけない線や
あえてあることで
ないよりもすっきり見せることができる
線やルールなども
あるということなのかなと。
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先日、新数寄屋の巨匠、
吉田五十八 大先生に関する
本を読んでいたのですが。
先生は
和室は柱見せるのがいいとか
梁とか天井は竿縁でだとか、
いろいろな和室のルールを
破りながらも
和風に拘りながら
新数寄屋というジャンルを
確立されました。
昭和の高級料亭や
割烹なんかは
新数寄屋の建物が多いと思います。
大先生の名作、猪俣邸の
紹介ブログ
↓↓↓
https://m.terukensetsu.jp/l/m/Jofx1jqWvsKGQk
不要なものを削ぎ落としていくなかで
削ぎ落としすぎずに
要素は残しながらも
バランスを加味しながらデザインされています。
あこがれますが、
もちろんそんな境地には
当然いたりませんが、
昨今、和風といっても
和の建材使っているだけで
和モダンという扱いになりがちな
和のデザインコードなどは
ぜんぜん踏襲されていない
建物が多いですが、
大先生の建物は
今見てもほんとうに
和とそこから発展した
建築の美しさがあると思います。
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ちなみにいろいろな
新数寄屋と評されるデザインのなかで
大先生が開発というか
考えられた見せ方というものが
多いのですが
先生がいろんなことに
手をつけても
和室の内法(うちのり。
敷居から、鴨居までの距離。
建具の開口の高さ)には
絶対手をつけなかったというのを
上に挙げている大先生関連の
本のなかで見つけたときに
やっぱり内法高さが
和室というか
和の窓=間戸=柱と柱の間の戸
が、空間の雰囲気を決めるということ
なのと風に理解しました。
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ちなみに民家の内法の寸法は
五尺七寸(1メートル73センチ)
が目安となっています。
古民家行ったら、
頭が鴨居に当たる当たると
みなさんおっしゃっります。
なので、今時窓を外部の窓を
この高さに設定することなどは
ほぼありません。
が、この内法高さを守ることは
古民家再生や
古民家風の建物にするとき
すごく重要な数字です。
もちろん、日々の生活が優先なので
鴨居をあげたり、
敷居と床を下げたりで
開口寸法を大きくすることも
ありますが、
その際でも内法がそろってみえるように
整えることは
忘れないようにしておかないと
美しくしあがってこないかなと
思います。
ということで、また次回。
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追:
過去に
古建具再利用について
書いたときに
内法高さに触れているブログ
はこちら
「京都の民家の古建具を
大阪で再利用して新築します」
↓↓↓
https://m.terukensetsu.jp/l/m/B9ym4WKY08PtNJ
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