凰建設の森です。
本日は会議、会議、会議。
会社のみならず地域の会議も。
朝から夜までずっと会議。
その合間にメルマガを書いて
明日の準備。
明日は全館空調設計講座。
バタバタしております。
さて、本日の話題は、
昨日と同じような感じですが、
家の長期目線についてです。
というのも、遅ればせながら
家づくり百貨に私のページが
載りましたので。
↓ ↓
https://ohtori1.com/l/m/8bgZTLP9qJvsqv
取材はいつでもいいですから~
と言っておりましたので、
サイトのオープンから少し
遅れての掲載でした。
記事中でも触れておりますが、
語弊を恐れずに言うと、
竣工時の状態は他の設計者さん程
気にしておりません。
家づくりの為に
勉強中のお施主様は、
どうしても、同じ時期に
家を建てた人から
家づくりの情報を集める事に。
仕方のない話ですが、
どうしても今の事に
目が行きがちになります。
竣工時に100点を
目指したくなる。
あなたの家は完成後
すぐに飾り立てないと、
どんどんみすぼらしく
なる家なのでしょうか?
私の好きな建築家の一人に
山田守さんという方が居ます。
日本武道館を設計された方。
竣工は前回の東京五輪に
合わせた1964年になります。
山田守さんはその時70歳。
本当に武道館が完成するのは
もっともっと先の話だ。
恐らく自分はもう生きてはいない。
しかし、その時にどう評価されるか
それを待とうではないか。
それが、50年を経てなお
年間稼働率9割以上を誇る
日本武道館という建築物。
※稼働率はコロナ前の話
未来に完成を見据えたエピソードは
お孫さんにより漫画化されてます
↓ ↓
https://ohtori1.com/l/m/Pd3e8I6rfT01jZ
建物の竣工時に何十年も先を
見据えている設計者さんは、
殆どいらっしゃいません。
殆どいないから日本の住宅は
最低限の法律を守るだけのものに
なってしまっております。
しかし、何十年も先は、
確実にやってきます。
多くの人が今住んでいる家だって
何十年という時を越えて、
今に至っているはずなんです。
あなたの地域にも、数十年の
時を越えてきた家がいっぱい。
そしてそれらは少なからず
空き家になっている状態。
なのに、あなたはあえて
新築を建てようとしている。
空き家を買ったら生涯コストは
随分安く済むのに、なぜ?
意地悪な質問ですね。
住み心地も悪いし今後の
メンテにもお金がかかるし、
あと何年住める家なのかも
分からないし、、だから
日本の中古住宅には価値が無い。
分かっているけど、やはり
数十年後に同じく価値の無くなる
家を建てる人が大多数。
しっかりした箱(家)さえあれば、
100年住み続けられる家があれば、
内装や外装、外構工事は、
後からいくらでも作りこむことが
可能だし、全然もったいなくない。
水回りのリフォームをした10年後に
家ごと建て替えたりする方は、
私のお客様でもいらっしゃいます。
申し訳ないけど、10年前に掛けた
数百万円は、もうどこにも無い。
霞となって空に消えていきました。
それが、勿体ないリフォームです。
しっかり作りこんだ庭や門や塀も
家を建て替える事になったら、
壊さないと重機が入って行けない。
そんな事例は山ほどあります。
家が長持ちしないなら
数十年後に完成する庭なんて
作る意味は無いんです。
しかし、家が100年持つと分かってるなら
家を作るのはおじいちゃん、
庭を作るのはお父さん、
家具をそろえるのは私。
みたいな事が可能になります。
住宅ローンに縛られない人生なら、、
庭だけを作ればいいのであれば、、
500万円でも1000万円でも掛けられる。
家にも庭にもお金が掛らないのであれば
100万円の椅子だって全然買える。
そうやって、後の世代になるほど、
豊かな生活を送ることが可能に。
別に親子で受け継がないといけない
訳ではありませんが
日本の感覚でいるから、親の家なんて
価値が無いと思えてしまうだけです。
親が遺してくれた家が、耐震等級3で
UA値が0.4で、C値が0.5の家なら、
あえて新しい家の為にローンを組みます?
例え年収が200万円下がったとしても、
地元で住宅ローンに追われない生活と
都会で土地+建物のローンを組む生活を
比べた際、親の不動産処分問題が無い分
田舎暮らしの方が豊かになります。
都会で無理して家なんて買わずに定年して、
親が亡くなったら田舎に戻って
親の家に住めばいいか。耐震等級3で
UA値0.4でC値0.5でしょ?十分十分。
となるかと思いますし、
そもそも地元を捨てて都会に行かなくても
経済的にのんびり暮らせるならいいや。
となりません?
今度の基準改正で、ようやく性能基準の
ゴールが見えてきました。
今、耐震や断熱の最高等級を建てておけば
それは何十年先でも通用する。
あなたは苦しいかもしれない。
自分の好きな家具や好きな庭まで
手が回らないかもしれない。
しかし、あなたの子ども達は
好きな庭や好きな家具を
買うことができる生活になる。
50年後、あなたが亡くなった後に、
あなたの家に入ればいいんですから。
それまで好きな場所で賃貸に住んで、
好きな家具にお金を使えばいいんですから。
帰ってきてお金に余裕があるのなら、
庭を好きに作ったっていいんですから。
自分たちの世代よりも、後の世代が
楽になるように頑張ろう。
人類はそうやって発展してきました。
戦後の日本もそうやって復興してきた。
ここ数十年の間です。
自分だけがよければそれでいい。
自分の世代が良ければ後は知らない。
そういう価値観が一般的に
なってしまったのは。
年寄世代よりも若い世代の方が
貧しい暮らしになるなんて、
争乱以外に起こらなかった。
勿論人口減少という原因は
大きいのですけども、日本よりも
先に人口減少と高齢化を迎えた
ヨーロッパは日本よりも
上手くやっています。
自分さえ良ければいいという
考え方をあなたがするのであれば、
若い人が貧しくなるスパイラルは
終わらない。
使い捨てをやめて、価値のある物に
投資をする。家も同じだと思います。
そうしてだんだん、社会が豊かに
なっていくのだと思います。
そういう考え方で家を建ててほしい。
それをポジショントークだと
いう人もいらっしゃいます。
もし、そういうポジショントークで
やった方が儲かるのであれば、
とっくに全国の商魂逞しい会社さんは
そっちにシフトしているはずなんです。
しかし、そんな会社はありません。
性能なんてそこそこで、設備満載の
家を売った方がよほど儲かる。
15年おきの設備メンテという、
仕事が生まれる家を沢山作って
ストックしておいた方が、
その会社は儲かり続ける。
だから、地域で売れ始めた会社は
みんなそっちの方面に舵を切る。
しかしそのやり方では地域が
豊かにならない。近未来は明るくても
地域全体の経済が疲弊してきたら
結局地域と共に建築会社は滅びます。
地域の人が家にお金を払い続けるんだから
建築会社だけが儲かって地域は
貧しくなっていくんです。
高性能で高耐久な家を作ると
建築会社は後で儲からない。
建て替え需要もなくなるし、
そもそも設備の数が少ないから
更新需要もなくなる。
建築会社は儲からない代わりに、
地域のお金が家以外に使える。
当然建築会社の大淘汰が起きます。
私はそれでいいと思う。
絶対にそういう社会の方が
健全で豊かになるから。
私のポジショントークが
あるとするならば、
「ごめん、未来の世代の為に
みんな我慢してください。」
です。地球も、人類も、
未来の子どもたちも、そして
あなたも、私も、
あるべきゴールを目指して
等しく負担をしていく。
誰かだけが裕福になるのではなく
地域全体で裕福になる。
辻褄の合わないことはしない。
みんなが等しく我慢をして、
みんなが等しく豊かになる。
そういう社会を目指しませんか?
という感じでしょうか。
長持ちする性能の高い家が
世の中に増えて行きますように。
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