こんばんは菊池組・菊池です。
北東北の某県の方から
質問が届いていましたので
お答えします。
(改行や誤字、伏字
修正しています!)
Q:
はじめまして!メルマガを
とても楽しみにしてます。
??県で高断熱・高気密の住宅を
建設工事中でもうすぐ完成予定
になっています。
実は自分より少し前に家を
新築した勤務先の上司が、
着工前からずっとマウントを
とってきていて、
イライラしながらも、
適当にあしらっていました。
その上司は
「オレの家は○○工法でUAは0.4を
切るし、C値は0.1だったからよ!
最強の高性能住宅だぜ」というのを
しきりに自慢してきます。
私の方の住宅はといいますと、
壁には高性能グラスウールを
120mm+120mmと二層に入れる
工法で断熱性能はUA0.25と
聞いてます。
先日、気密測定でのC値が
0.3センチでした。
上司が気密測定どうだったと
聞いてくるので0.3と伝えると、
「大した事ねえな!」という
調子でディスられたので、
かなり頭にきてしまいました。
その上司の家の断熱性能は
UA0.4を切るくらいとの事なので
UA0.38とか0.39とかだと思います。
上司の性格からして0.37以下だったら
「0.35くらい」と言ってきそう
だからです。
UA0.38~0.39でC値が0.1位の家と
UA0.26でC値0.3の家、
建てる前から自分なりに勉強してきた
私としては、どうみても自分の家の
住宅会社の方がむこうの会社よりも
高断熱や高気密についての知識も
あるし、家じたいも上司の方より
私の家の方が温熱の面で勝ってる
気がするんですが、菊地さんから
みて、いかがでしょうか。
※注
○○工法はこちらで伏字にしました。
外壁は柱・梁の間に、
床には土台・大引の間に
硬質ウレタンパネルをはめこむ、
断熱工法のFC?VC?
会員制の工法です。
A:
お答えしていきます。
「温熱の面で勝ってる」
かどうかは質問に記載頂いた
条件だけでは判断できませんが、
他の要素が全く同じだった場合、
どう見ても明らかに
質問者さまの住宅の方が断然、
温熱性能が高いと言えます。
質問者さまの住所からすると
おそらく3地域ではないかと思う
ので、読者の方のためにも
改めて条件を整理すると、
●質問者宅がいわゆる
G2グレードで
【UA0.26、C値=0.3】
●上司宅がG1グレードになるか
ならないかというレベル
【UA0.38、C値=0.1】
質問者さまの住宅が上司宅よりも
3倍も隙間が多いので、
気密性能が相当劣っているように
感じる方もいるかしれませんが、
そうではありません。
C値=0.3は素晴らしいレベル。
私が手元にあるQPEXの
自社のプランで試算してみたところ、
C値=0.1と0.3の場合の漏気による
年間暖房負荷の差というのは、
計画換気の熱を交換しない
3種換気同士で比較した場合は
無視できるレベル。
そして、
高効率の熱交換換気を入れている
場合で0.8kW/㎡以下です。
※質問者様の地域の場合です。
外気負荷がより少ない地域
(外気温度が高い地域)の場合は
さらにこの差は小さくなります。
それに対して、UA0.26レベルから
UA0.38レベルまで外皮性能を
落として試算してみると、
年間暖房負荷は30kW/㎡前後も
上昇します。
という事で、
外皮性能と気密性能だけで見たら
どう考えても
その上司よりは質問者様の方が
温熱性能は優れています。
でも、
その上司もかわいそうな人
なのかもしれません。
その建築会社から、
「うちは最高の性能ですよ!
C値0.1をコンスタントに出しますよ!
C値0.5の場合の5分の1の隙間しか
ないんですよ!」
という営業トークをされて、
信じてしまったのかも…。
C値を小さくする意味、
気密測定をする意味としては
◆隙間をより小さく、少なくして
漏気による熱ロスを少なくする為
◆漏気による望まない換気を減らし
計画換気をより計画的に行う為
◆断熱施工の精度の高さを確認する為
◆防湿施工の精度の高さを確認する為
これらが目的と考えています。
熱が逃げないための性能を
測るためではないんですね。
もちろんC値が大きければ
漏気の影響が大きくなっていき、
計画換気も上手くいきにくく
なるので、寒冷地では0.5以下に
した方が良いですし、
寒冷地以外でも1.0は
切って欲しいと思いますが。
他の部分の事や設計はわかりませんが
冬季日射がほとんど期待できない
質問者様の地域で、付加断熱無しの
その程度の外皮性能で、
ただC値が0.1というだけで
「最強の高性能住宅」というのは、
なかなかアレですね。
ぶっちゃけ、その気になれば
C値な……おや、誰か来たようだ。
これは別な機会に。。。笑
さて、
実はコレの10月の回に
登壇する事になりまして…
https://my164p.com/l/m/vpP6vVZgePfV92
まだ資料作成には
全く手をつけておらず、
これからメルマガ配信や
SNSの頻度は少なくなると思います。
すみません。。
ではでは
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