こんばんは。
あすなろ建築工房の関尾です。
先日このメルマガでお知らせした「スミレはうす」の新築見学会ですが、3週連続で見学会を開催することもあって、「2週目となるこちらのお家はご見学お申し込みも少なくなっちゃうかな」と思っていたら、予想が外れて多くのお申込みを頂きました。
そんな状況ではありましたが、あと一枠だけ空きがあります。
時間を分けてご案内しておりますが、⑤15:00~15:45の会だけまだ1組だけ空いてます。
前回の「ほっとはうす(Hotto House)」のお申し込みの際も同じだったのですが、なぜか「⑤15:00~15:45」会はご希望者が少ない感じです。
「小さな3人のお子さんの成長を見守っていかれる共働きのご夫婦の「家事も育児も楽しく」を叶えた家づくり」とご紹介させて頂きましたが、正しくはまだお子様はお二人で、将来もう一人増えても大丈夫なように、子供室に冗長性を持たせた計画となっています。
ご見学希望の方は、是非お申し込みください。
お申し込みはこちらから。
https://asunaro-studio.jp/l/m/JvRu5JQRq4i0eL
もう一つお知らせがあります。
富士ソーラーハウスの大澤さんと一緒にやっている音声コンテンツの「VOICY」ですが、40万再生を超えました。
「家辞典~家づくりとメンテナンス~」という番組を月木の週2回放送しています。
https://asunaro-studio.jp/l/m/dHDMB0gW4owsr2
昨年の3月時点では10万再生でしたので、この1年間で30万回再生いただいたことになります。
このメルマガの内容とも連動したお話をすることも多いので、是非メルマガと合わせて聞いていただけると、家づくりの知識も増やしていただけるものと思います。
さて本題に。
10日前にお送りしたメルマガ「間違った耐震改修工事に気を付けて!」において、「1980年に建築基準法が大きく改定されていて、それ以前の基準で建てられた建物は相当な補強を行わないと現行法に合わせることは出来ません。」とお話させて頂きました。
この「1980年問題」ということで、「1980年以降の新耐震基準の家なら安心なのか?」について、今日は深堀りしてお話していきたいと思います。
1980年(昭和55年)に建築基準法が改正され、「新耐震基準」と呼ばれるようになったと聞いたことがある人も多いと思います。
1980年以前の旧耐震基準では、震度5程度の地震に対して「倒壊または崩壊がなければ良い」くらいの基準で考えられていました。
「新耐震基準」では、震度5程度の地震に対して部材の各部が損傷を受けないことが条件と定められ、耐震基準が明確になりました。
今聞くと、「震度5が基準?それ以上は?大丈夫なの」って感じです。
それくらい旧耐震の基準は、地震に対して甘い基準となってしまっていました。
震度5程度の地震って年に数回起きることもありますので、旧耐震基準のお家は、大地震でなくても繰り返しのちょい大きめの地震で倒壊に至る可能性があるものです。
また新耐震基準では震度6~7程度の地震においては「地震を受けても倒壊または崩壊しない」ことが基準として定められました。
建築基準法の改正の歴史については、こちらが分かりやすいです。
https://asunaro-studio.jp/l/m/hFypbLRR2BvJCX
旧耐震では震度5程度の地震に対しての基準でしたので耐力壁の必要な量も少ないものでした。
新耐震基準では、耐力壁の量や倍率、必要な壁の長さ、軸組の種類などが改定されたので、耐震性能が大きく上がったことになります。
柱や梁と筋交いを緊結するための金物も定められました。
では改正された「新耐震基準」の家であれば安心なのか?
中古住宅を探される際に「『新耐震』以降の建物にしておくと安心」なんて説明を聞いたりすることもあるかと思いますが、本当に安心だと言い切れるでしょうか?
残念ながら現実はそんなことはなく、危険なお家がたくさんあります。
1980年と言うと、43年も前の話になるのですが、築40年にもならない築30年代のお家の改修工事をする際などに「あれ?筋交いが圧縮側でしか効いていない(金物で留められていない)!」となる場合が多くあります。
1980年に法改正されていますので、1981年以降に建てられた建物は、新しい基準で建てられているはずです。
それなのに現状は違っています。
本来使われるべき金物が使われていないことが多くあるのです。
筋交いが引っ張り側では機能しないようなカスガイと呼ばれる金物でしか留められていない例は本当によく見ます。
不思議ですね。
その理由をご説明すると「変更内容が周知されなかった」が原因です。
1980年ってこんな時代です。
https://asunaro-studio.jp/l/m/nZ5ACwWmWDoNkk
初めて携帯電話が登場した年で、家庭用のパソコンなどはなく、ファミリーコンピュータやゲームウォッチが発売された年です。
当然ながら情報は、ラジオやテレビや雑誌から得るもので、今みたいにネット環境などはありません。
新しい情報の情報源はまだまだ限られていた時代です。
姉歯事件以前ですので、建築士の免許も取得した後は更新講習などもありませんでした。
今なら、建築士の義務化された定期講習で法改正の内容を周知させることは出来ますが、当時としては、法改正がされたとしても、お手紙で連絡されるくらいしか周知の方法はありませんでした。
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