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野芝と高麗芝、トヨタの新種TM9(ティーエム9)を比較してみた!
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野芝と高麗芝、トヨタの新種TM9(ティーエム9)を比較してみた!

「芝生を植えたいけど、どれを選べばいいのか分からない…」「手入れが大変って聞くし、できるだけラクに美しい庭を保ちたい」──そんな悩み、ありませんか?

芝生選びは一見シンプルに見えて、実は種類ごとに特徴が大きく異なり、適した環境や管理のしやすさ、美観、コストまで変わってきます。間違った選択をすると、せっかくの庭づくりが手間と後悔に変わってしまうかもしれません

この記事では、全国の公共施設や住宅地で多数の芝施工実績を持つ当社が、特に注目される「野芝・高麗芝・TM9」の3種を徹底比較。芝の特徴・見た目・メンテナンス性・価格などをわかりやすくまとめた、プロ目線での実践的な情報を提供します。

特にトヨタ開発のTM9は「芝刈りが年間4回で済む」と話題の高性能芝。この記事ではその実力と導入の注意点まで詳しく解説しています。

「芝選びで後悔したくない」「子育て中でも手入れの少ない美しい庭を実現したい」という方にとって、理想的な芝ライフを叶えるヒントが詰まった一記事となっています。

あなたの庭にとって、最もふさわしい芝はどれなのか?この記事を読むことで、見た目・手間・コストすべての面で満足できる最適解がきっと見つかります

この記事を読んでわかる事

・野芝・高麗芝・TM9はそれぞれ特徴が異なり、用途・環境に応じて最適な選択が変わる。

・メンテナンスの手間を減らしたいならTM9が最有力候補で、特に家庭用に適している。

・野芝はコストを抑えて耐久性重視の場所に、高麗芝は見た目とバランス重視の場所に適している。

・TM9は初期費用が高いが、長期的に見ると維持費が安くコストパフォーマンスが高い。

芝選びの失敗を避けるには、日照・用途・メンテナンス時間・予算を総合的に考慮することが重要。

1. 野芝・高麗芝・TM9の基本情報

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1-1. 野芝とはどんな芝?

野芝(のしば)は、日本の在来種として古くから親しまれている芝生の一種です。主に関東以西の暖地に自生し、比較的強い日差しや乾燥に耐えることができるため、昔から公園やグラウンド、法面(のりめん)などに多く用いられてきました。特に自然な雰囲気を大切にしたい場所や、メンテナンスの頻度を減らしたい場所に適しています。

野芝の大きな特徴のひとつは、その「葉の太さと硬さ」です。他の芝種に比べて葉がやや太く、見た目としてはやや粗い印象を受けるかもしれません。しかしその分、踏みつけや乾燥に対する耐性が高く、耐久性に優れています。スポーツ施設や交通量の多い場所にも使われる理由は、この耐久性の高さにあります。

また、野芝は「成長が早い」という点も特徴的です。根の広がりも旺盛で、斜面などの土壌流出を防ぐ用途としてもよく活用されています。ただし、成長が早いということは、芝刈りなどの手入れも頻繁に必要になるという点で注意が必要です。放置するとすぐに伸びてしまい、美観を損なう恐れもあります。

その反面、野芝は「緑の期間が短い」という短所も持ち合わせています。晩秋から冬にかけては完全に枯れて茶色くなってしまい、見た目の美しさを保ちづらくなります。また、春先の芽吹きもやや遅く、美しい緑を楽しめる期間は限られてしまう傾向にあります。このため、見た目を重視した庭づくりにはやや不向きとされることもあります。

総じて、野芝は「手間よりも強さ重視」「管理コストを抑えたい」「自然な風合いを楽しみたい」といった方に適した芝種です。住宅の庭というよりは、公共空間やグラウンド向けとされることが多いですが、条件によっては家庭用としても十分に活用できます。芝選びの際には、その特性を理解したうえで活用することが大切です。

1-2. 高麗芝とはどんな芝?

高麗芝(こうらいしば)は、東アジア原産の芝で、日本では古くから庭園やゴルフ場のグリーンなどで親しまれてきた代表的な芝生のひとつです。野芝と比べて葉が細く、柔らかく、見た目にも上品で美しい印象を与えるため、住宅の庭や景観を重視する場所に多く用いられています。

高麗芝の特徴のひとつは、「葉の密度が高く、美しい緑を楽しめる」点です。芝生としての見栄えが非常によく、裸足で歩いても心地よい感触を味わえます。また、葉色が明るく鮮やかで、しっかりと管理すれば美しい緑を長く維持することができます。庭の美観を重視する方には特におすすめされる芝です。

ただし、高麗芝は「管理の手間がかかる」点には注意が必要です。成長期には芝刈りが必要で、放っておくと見た目が乱れやすくなります。さらに、病気や害虫の被害を受けやすい面もあるため、こまめな観察と対策が必要です。見た目の美しさを保つには、ある程度の手入れが前提となります。

高麗芝は「適度な踏圧耐性」がありますが、野芝ほどの強靭さはありません。頻繁に人が通る場所や遊具のある庭などには向いていない場合があります。ただし、適切な養生をすればある程度は回復力も期待できますので、軽度な使用であれば問題ないとされています。

総合的に見ると、高麗芝は「見た目重視」「手入れに手間をかけられる」「住宅庭園など景観を大切にしたい」というニーズに合致した芝種です。野芝と比べるとやや繊細でデリケートですが、その分、しっかりと管理することで非常に美しい芝生を楽しむことができます。庭の第一印象を良くしたい方にとって、有力な選択肢のひとつです。

1-3. TM9とはどんな芝?

引用元:トヨタ様HPより https://www.toyota.co.jp/tm9/

TM9(ティーエムナイン)は、トヨタ自動車が開発した改良型の高麗芝で、「手間をかけずに美しい芝生を維持したい」という現代のニーズに応えるために誕生しました。従来の高麗芝の長所を活かしつつ、管理の手間を大幅に軽減できるよう設計された芝種で、家庭用芝生として特に注目を集めています。

TM9の大きな特長は、「成長が遅い」ことにあります。一般的な高麗芝と比べて成長速度が約半分程度に抑えられており、その結果として芝刈りの頻度が大幅に減ります。これにより、手入れの時間や労力、芝刈り機の稼働時間を抑えることができ、忙しい家庭でも芝の管理がしやすくなります。

見た目の面でもTM9は優れています。葉が非常に細かく、密度が高いため、見た目が美しく均一な緑の絨毯のような仕上がりになります。一般的な高麗芝よりも色合いが濃く、鮮やかな緑を長く楽しめる点もTM9の魅力です。庭に高級感を演出したい場合にも最適です。

TM9は「踏圧耐性」や「病害虫への抵抗性」も高く設計されています。頻繁に人が歩く庭や、子どもやペットが遊ぶスペースとしても、十分な耐久性を発揮します。加えて、耐暑性にも優れており、日本の夏の厳しい気候にも適応できる点で、多くの住宅環境にフィットします。

ただし、TM9には「流通量が少なく、価格がやや高め」という難点もあります。一般的なホームセンターでは取り扱いが少なく、専門業者を通じて購入するケースが多くなります。しかし、その価格に見合うだけの価値とメリットを感じるユーザーも多く、長期的に見れば維持費の削減にもつながるため、コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。

1-4. 芝の成長速度と手入れの頻度の違い

芝の種類を選ぶ際に、成長速度とそれに伴う手入れの頻度は非常に重要な要素となります。芝は生き物であり、時間と共に成長し、環境に応じて変化します。その成長のスピードによって、どれくらいの頻度で芝刈りを行う必要があるのか、あるいはメンテナンスにかかる手間が大きく左右されるのです。

野芝は3種の中で最も成長速度が速く、特に暖かい季節になると一気に広がります。そのため、芝刈りの頻度は非常に高くなり、時期によっては週に1回以上のペースで刈る必要が出てきます。また、根の伸びも旺盛で、放っておくと他の植物のエリアに侵食してしまうこともあります。

高麗芝は野芝よりも成長速度がやや遅く、芝刈りの頻度もやや少なくて済みますが、それでも夏場には2〜3週間に1回程度の芝刈りが必要です。また、葉の密度が高く、伸びたままにしておくと蒸れて病気が発生する可能性があるため、適度な管理が欠かせません。見た目を美しく保つためには、こまめな芝刈りが求められます

一方、TM9は「省管理型芝生」とも呼ばれるほど、成長が非常にゆっくりです。開発段階で意図的に成長スピードを抑えてあるため、年間を通じて芝刈りの回数は非常に少なく済みます。例えば、一般的な高麗芝で年10回程度の芝刈りが必要なところ、TM9なら4〜5回程度で済むと言われています。

つまり、野芝は「手間がかかるが丈夫」、高麗芝は「やや手間がかかるが美しい」、TM9は「美しく、かつ省手間」という位置づけになります。庭の広さや利用目的、日常的な管理の時間に応じて、最適な芝種を選ぶことが、快適な芝生活を送る第一歩と言えるでしょう。

1-5. 見た目・色味・葉の質感の比較

芝生の「見た目」は、住宅や庭の印象を大きく左右する要素のひとつです。芝の色合いや質感は種類によって大きく異なり、それぞれに個性があります。緑の濃さや葉の細かさは、芝選びの際の重要な判断材料となりますので、各種の特徴をしっかりと把握しておくことが大切です。

野芝は全体的に「野性味のある粗めの見た目」が特徴です。葉がやや太くて硬く、色合いもやや淡く、緑の鮮やかさにはやや欠ける印象です。自然の中にある草原のような雰囲気があり、整った芝生というよりは、素朴さを楽しむスタイルに向いています。ラフな庭づくりや自然風景の演出に最適です。

高麗芝は「繊細で密度の高い美しい見た目」が魅力です。葉は細くて柔らかく、密生しており、歩くと柔らかい感触があります。色合いも明るく、鮮やかな緑色を保つことができるため、庭を美しく見せたい方には非常に人気があります。美観を重視した庭園や住宅の芝生には特に適しています。

TM9は高麗芝をベースに改良されているため、「さらに上品で緻密な美しさ」が特長です。葉は非常に細かく、密度が非常に高いため、まるで緑のカーペットのような均一感があります。また、色味も濃く、深みのあるグリーンを長期間保ちやすいのが魅力です。高級感を求める庭に最適と言えるでしょう。

まとめると、野芝は「素朴でワイルド」、高麗芝は「美しく整った印象」、TM9は「さらに洗練された高級感」といった見た目の違いがあります。どの芝を選ぶかは、庭全体のデザインコンセプトや、見る人に与えたい印象によって変わってくるでしょう。見た目の好みはもちろん、メンテナンス性とのバランスも含めて選ぶことが大切です。

2. 使用環境に応じた選び方

2-1. 日当たりと芝の相性

芝生の健康的な育成には「日照条件」が非常に重要です。芝は光合成によって成長するため、日当たりの良し悪しが生育の質に大きな影響を与えます。庭や設置場所の日当たりに合った芝を選ぶことが、枯れにくく、美しい芝生を維持するための第一歩です。

野芝は日照を好む芝であり、「日当たりの良い場所」で最もその特性を発揮します。直射日光がしっかり当たる環境では、旺盛に育ち、地面をしっかりと覆ってくれます。一方で、日陰にはあまり強くなく、建物の北側や木陰などでは成長が鈍化したり、枯れてしまうことがあります。

高麗芝もまた、日当たりを好む芝種です。十分な日照がある環境では密度が高く、美しい緑を維持できますが、半日陰になると徐々に密度が下がり、見た目にもまばらになります。特に、日当たりと風通しが悪い環境では病害虫の発生リスクが高まるため注意が必要です。

TM9も基本的には日照を必要としますが、野芝や従来の高麗芝よりも若干の耐陰性を持っています。開発の過程で住宅環境を考慮しており、多少の日陰や部分的な日照不足でも比較的良好に育ちやすいとされています。ただし、完全な日陰ではやはり成長に影響が出るため、1日のうち数時間は日が当たる環境が望ましいです。

芝を植える前には、1日を通してどれくらいの時間、どの位置に日が当たるのかをしっかり観察しましょう。そのうえで、最も適した芝種を選ぶことが、後々のメンテナンス負担を軽減し、美しい芝生を長く楽しむコツです。特に日陰の多い庭では、芝以外の地被植物の導入も選択肢として検討する価値があります。

2-2. 耐久性と踏圧への強さ

芝生は見た目の美しさだけでなく、「耐久性」や「踏圧への強さ」も重要な評価ポイントです。人が頻繁に歩く場所、子どもが遊ぶ庭、犬が走り回るスペースなどでは、芝がどれだけダメージに耐え、元の状態に回復できるかが大切になります。芝の選定時には、その使用環境をよく想定しておくことが必要です。

野芝は「非常に高い踏圧耐性」を持つ芝として知られています。もともと道路の法面や公園、グラウンドなどの過酷な環境に用いられることが多く、人の往来が激しい場所でもしっかり根を張り、地表を覆います。耐久性重視の場面では、野芝は非常に頼れる選択肢です。

高麗芝は、野芝に比べるとやや繊細ですが、日常的な使用には十分耐えるレベルの踏圧耐性を備えています。とはいえ、激しい運動や頻繁な通行がある場所では、芝がすり減り、薄くなってしまうことがあります。見た目を重視しつつも、適度に使用する場所に向いています

TM9は、高麗芝の改良種でありながら、「高い耐踏圧性」を実現しています。開発時に住宅用としての使いやすさを重視しており、子どもが遊ぶ庭やペットとの生活にも十分対応可能です。また、密度の高い葉が地面をしっかり覆うため、ダメージの受けやすい箇所でも目立ちにくく、美観を保ちやすいのが特徴です。

結論として、最も耐久性が高いのは野芝であり、次いでTM9、高麗芝の順といえます。頻繁に人が出入りする場所や、お子さまやペットが活発に動き回る庭には、耐久性の高い芝種を選ぶことで、芝の状態を長く良好に保つことができます。環境と用途に応じて、最適な芝を選ぶことが快適な庭づくりの鍵です。

2-3. 芝刈り・水やり・メンテナンスのしやすさ

芝生を長く美しく保つためには、「日常のメンテナンス」が欠かせません。なかでも、芝刈り、水やり、肥料散布などの手入れのしやすさは、芝の種類によって大きく異なります。日々の管理にかかる時間や手間を把握し、ライフスタイルに合った芝を選ぶことが重要です。

野芝は成長が早いため、芝刈りの頻度が高く、メンテナンスの負担は大きめです。特に春から秋にかけては一気に伸びるため、週に1回以上の芝刈りが必要になることもあります。一方で、病害虫には比較的強く、過剰な肥料や農薬を必要としない点はメリットと言えます。

高麗芝は、野芝よりも成長速度が緩やかで、メンテナンス頻度はやや少なく済みます。ただし、密度の高さゆえに刈り込みを怠ると通気性が悪くなり、病気のリスクが高まります。水やりは基本的に定期的に必要で、特に夏場は乾燥に注意が必要です。管理の質が仕上がりに直結する芝種と言えます。

TM9はこの点で非常に優れており、「省管理型芝生」として高く評価されています。芝刈りの回数は年間4〜5回程度で済み、水やりも控えめでOK。肥料の使用も最小限に抑えることができ、全体的に非常に管理がしやすいです。芝生の維持にあまり時間を割けない方にとっては、非常に魅力的な選択肢です。

つまり、手入れのしやすさという点では、TM9が群を抜いて優秀であり、次いで高麗芝、野芝の順になります。日常的に手間をかけられるか、あるいは管理の簡便さを重視するかによって、選ぶべき芝の種類は変わってきます。導入前に、自分の生活スタイルや庭の使い方をしっかり見直すことが大切です。

2-4. 価格帯とランニングコストの違い

芝生を選ぶ際には、初期費用だけでなく「ランニングコスト」にも注目することが大切です。芝の種類によって、苗の価格、設置にかかる費用、日々のメンテナンスに必要なコストが大きく変わってきます。コスト面の違いを把握しておくことで、長期的に無理のない芝生管理が実現できます。

野芝は最も安価に手に入る芝種のひとつです。ホームセンターや資材業者でも比較的安価で購入でき、初期導入コストは非常に抑えられます。ただし、成長が早くメンテナンス頻度が高いため、芝刈りや手入れにかかる手間と時間が結果的にランニングコストへと繋がっていきます。

高麗芝は野芝よりやや高価ですが、それでも一般家庭向けとしては導入しやすい価格帯です。見た目の美しさとコストのバランスが良く、多くの家庭で採用されています。ただし、肥料・水・病害虫対策などに一定の手間とコストが必要になるため、継続的な管理費はある程度かかります。

TM9は3種の中で最も高価で、一般的な高麗芝の2〜3倍程度の価格になることが多いです。また、取り扱い業者が限られているため、送料や設置費が加算されるケースもあります。しかし、芝刈りや水やり、施肥の回数が大幅に減るため、長期的には維持費を抑えることができ、結果としてコストパフォーマンスに優れる芝種といえます。

初期費用を安く抑えるなら野芝、トータルコストのバランスを取りたいなら高麗芝、メンテナンスを最小限にしたいならTM9が適しています。芝生は一度植えると数年単位で使うものですから、価格だけでなく、年間を通した維持のしやすさや自分の暮らし方に合っているかどうかも考慮して選ぶことが重要です。

2-5. 家庭用・商業用・公共施設に向くのは?

芝生の利用目的は、家庭の庭から商業施設、公共の広場まで多岐にわたります。それぞれの場所で求められる芝の機能性や美観、管理のしやすさは異なるため、用途に合った芝種を選ぶことが大切です。ここでは野芝・高麗芝・TM9の3種が、それぞれどのような用途に適しているかを整理していきます。

野芝は、「耐久性が最も求められる環境」に最適です。具体的には、グラウンド、公園、道路の法面、学校の校庭など、踏圧が頻繁で過酷な場所に向いています。見た目の美しさよりも、機能性や土壌の保護が重視される場所でその性能を発揮します。公共施設での採用率も高い芝です。

高麗芝は、「見た目と機能性のバランスが求められる環境」に適しています。住宅の庭、旅館やホテルの庭園、企業の緑地スペースなど、見た目の美しさとある程度の踏圧耐性を両立したい場所に多く採用されています。美観を損なわずに、多用途に使える点が評価されています。

TM9は、「家庭用に最も適した省管理型芝生」として位置付けられます。特に、芝刈りや水やりに時間をかけたくない共働き世帯や、子育て中の家庭などに人気です。見た目の美しさも高く、メンテナンス性も良いため、住宅用の高級志向な庭づくりにぴったりです。一方で、公共施設や広範囲の商業施設では、導入コストがネックになる場合があります。

まとめると、野芝は「公共性・耐久性重視」、高麗芝は「美観とバランス重視」、TM9は「家庭用・管理の省力化重視」という位置づけになります。それぞれの強みを理解し、導入する場所の特性に合った芝種を選ぶことで、より快適で長持ちする芝生環境を実現することができます。

3. TM9の導入で変わる庭づくり

3-1. TM9導入によるメンテナンスの軽減

TM9が注目を集める最大の理由のひとつが、「圧倒的な省メンテナンス性」です。従来の芝生は、見た目を維持するために頻繁な芝刈りや水やり、施肥が必要でしたが、TM9はその常識を覆すほど手間が少ない芝として、特に家庭用として支持を得ています

TM9は、高麗芝をベースに開発された改良種で、成長速度が約半分に抑えられているため、芝刈りの回数が劇的に減ります。一般的な芝では年間10回以上の芝刈りが必要になることもありますが、TM9なら年間4〜5回程度で済むため、休日を芝刈りに費やす時間が大幅に削減されます。

また、水やりの頻度も少なく済むこともTM9の特長です。根がしっかり張り、乾燥にもある程度強いため、通常の芝よりも水分管理がしやすいのです。雨が少ない時期でも、頻繁な散水が不要で、無理なく自然な環境下での育成が可能です。

肥料の面でもTM9は優秀です。通常、芝生は美しい緑を維持するために定期的な施肥が求められますが、TM9は土壌の栄養を効率よく吸収し、肥料に対する依存度が低いため、施肥回数が少なくても美しい状態を保てます

このように、TM9は「芝生=手間がかかる」というイメージを払拭する革新的な存在です。特に共働き世帯や高齢者の家庭、育児で忙しい方々にとっては、時間的・体力的な負担を軽減しながら、きれいな芝生を楽しめる点が非常に魅力的です。手軽に維持できる美しい庭づくりを実現するには、まさに理想的な選択肢といえるでしょう。

3-2. エコな庭づくりとの相性

近年、環境意識の高まりにより、「エコな庭づくり」が注目されています。水資源の節約や化学肥料の使用削減、作業に使う燃料の削減など、環境に配慮した庭管理が求められるなか、TM9はその理念と非常に相性の良い芝種として注目されています。

TM9の特徴のひとつである「成長が遅い性質」は、芝刈りの回数削減に直結します。芝刈り機を使用する機会が減ることで、ガソリンや電気の使用を抑えることができ、CO₂排出の低減にも繋がります。これは環境への負担軽減だけでなく、家計にも優しい効果をもたらします。

また、水やりの回数が少なく済むことも、エコ面で大きなメリットです。日本の夏場は水不足が問題となる地域もある中で、TM9は少ない水量でも元気に育ちやすく、無駄な水の使用を抑えられます家庭の節水にも貢献するため、持続可能なライフスタイルをサポートしてくれます。

肥料や農薬の使用量が少なくて済むのも、TM9ならではのポイントです。これは土壌や周辺の植物への影響を抑えることにもつながり、環境に優しい庭づくりが実現しやすくなりますペットや小さなお子さまがいる家庭では、薬剤をなるべく使わずに済むのは安心材料となります。

TM9の導入は、「エコロジー」と「美観」の両立が可能であることを実感させてくれます。環境への配慮をしながらも、手入れの行き届いた美しい庭を維持することができるため、これからの時代にふさわしい芝種として選ばれています。エコな暮らしを大切にしたい家庭には特におすすめです。

3-3. 長期的なコストパフォーマンスのメリット

芝生の導入を検討する際、多くの人が気になるのが「費用対効果」です。初期費用が多少高くても、長期的に見たときにトータルコストを抑えられるなら、それは十分に価値ある投資と言えます。TM9はまさにその代表例であり、「ランニングコストの低さ」が大きな魅力となっています。

TM9の初期購入費用は、他の芝種と比べると明らかに高額です。特に一般的な高麗芝の2〜3倍程度の価格となる場合が多く、導入時には「高い」と感じる方も少なくありません。しかし、その価格には、維持の手間を削減するための価値がしっかりと含まれています。

年間を通じた管理コストに目を向けてみると、TM9は芝刈りの回数が大幅に減ることから、燃料費や電気代、芝刈り機のメンテナンス費用などを大きく抑えることができます。また、肥料や農薬、水道代も削減でき、時間的コストも含めた「総合的な維持コスト」が非常に低いのが特徴です。

さらに、手間を省けるという点で、家族の時間やライフスタイルにも好影響を与えます。庭の手入れに追われることなく、週末を家族との団らんや趣味の時間にあてることができるのは、数字には表れにくいけれど確実に得られる「生活の質」の向上です。

総合的に見て、TM9は初期投資こそ大きいものの、それ以降にかかる維持費と時間的負担の削減効果を考慮すれば、非常に高いコストパフォーマンスを実現している芝種です。「最初にしっかり選ぶことが、あとでラクになる」——そんな考え方が、TM9を選ぶ最大の理由となるでしょう。

3‑4. ユーザーの声と実際の評判

実際に TM9 を導入したユーザーからは、「手入れが圧倒的にラクになった」という声が多く聞かれます。たとえば、ある設置エリアでは芝刈りの回数が劇的に減り、週末の芝刈り作業から解放されたという体験談があります。実際に、開発元でも「刈り込みは年間1~2回程度でも可能」と紹介されており、手入れ軽減の実感が裏付けられています。

また、「見た目のグリーンがきれい」という評価も多くあります。開発記事によれば、TM9は葉の密度が高く、深い緑色を保ちやすい特徴があるとされており、実際の庭に敷いたユーザーから「高級カーペットのようになった」「他の芝と比べて色が揃いやすい」というコメントもあります。

一方で、「導入コストが高め」という声も少なくありません。一般的な芝種より価格が高く、流通量も限定的であるため、施工時に「思ったより費用が掛かった」と感じるユーザーがいるのも事実です。しかし、それでも「その分、後々の管理がラクになった」という意見が総じて上回っています。

また、「メンテナンスの手間よりも見た目を優先したい」というユーザーからは、TM9が選択肢として非常に魅力的であるという声が多く聞かれます。例えば、住宅の庭を「来客が多いから印象よくしておきたい」「子どもやペットが遊ぶスペースだけど手をかけたくない」といったニーズの方々に特に支持されています。

総括すると、TM9のユーザー評価は「初期費用は掛かるけれど、その後の管理負担が軽く、見た目も満足」という傾向にあります。芝生を長く使いたい、かつ手間や時間をなるべく掛けたくないというユーザーには、かなり良い選択肢と言えるでしょう。

3-5. 導入時に気をつけるポイント

TM9を導入する際には、いくつかの注意点があります。特に「高額な初期費用」や、「入手性の低さ」については、事前にしっかり理解しておくことが大切です。

まず、TM9は一般的な芝種と比べて価格が高く、流通量も限られています。ホームセンターでは取り扱っていない場合が多く、専門業者からの取り寄せになるケースがほとんどです。そのため、導入までに時間がかかったり、施工費用や配送費が上乗せされることもあります

また、施工にはある程度の知識が必要です。TM9は密度が高く根付きにくいわけではありませんが、初期の活着期にしっかりとした管理が求められます。芝張り後の水やりや、踏圧の制限などを丁寧に行うことで、長く美しい芝を保つ土台が作られます

加えて、TM9は成長が遅いという特徴から、補修や張り替えの際にも時間がかかることがあります。傷んだ部分の回復には時間が必要なため、定期的なチェックや、早めの対応がポイントになります。

こうした点を踏まえると、TM9は「最初の準備と導入に手間がかかるが、その後は非常に管理が楽になる芝」だといえます。長期的に見て楽をしたい、でも初期の投資や段取りはしっかりできるという方には、まさにぴったりの選択肢です。

まとめ

芝生の種類には、野芝・高麗芝・TM9といった選択肢があり、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。野芝は耐久性とコストの安さに優れ、公共施設や広いスペースに適しています。高麗芝は美しさと適度な踏圧耐性を兼ね備え、住宅用に人気です。そしてTM9は省管理型で見た目も美しく、長期的なコストパフォーマンスに優れています

導入にあたっては、庭の使用頻度・日照条件・メンテナンスの時間や体力・予算などを総合的に判断し、自分にとって最もストレスの少ない芝種を選ぶことが重要です。特にTM9は、初期費用こそ高めですが、手間を大きく削減でき、見た目の満足度も高いため、忙しい家庭や高齢の方にも非常におすすめです。

今後、芝生を取り入れた庭づくりを検討する方にとって、本記事がそれぞれの芝の特性を理解し、後悔のない選択をするための手助けになれば幸いです見た目・手間・コストのバランスを見極め、自分らしい快適な芝ライフを楽しんでください

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