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凰建設 株式会社

肯定しないけど否定もしない

凰建設の森です。

本日はお昼から打ち合わせ。
午前中、年末にやろうと思ってた
質問箱をちょっと頑張りました。

半分くらいまで消化できたかな。

お昼からは打ち合わせです。

さて、本日の話題は、
良く分からないものの評価について。

私が建築を学んだのは岐阜高専
という学校になります。
↓     ↓
https://ohtori1.com/l/m/EgkhGO49DKKkRN

ここには5つの学科がありますが、
4つの学科は○○工学科。
私が学んだのは建築学科。

入学をした時に先生から言われた言葉。

「なぜ、建築学科だけ工学の文字が
付いていないか、分かるかね?」

答えは、建築は数字だけで白黒
付けられないことも多いから。
だそうです。

見た目に美しいと感じるものを
完全に数値化することは難しいし
地鎮祭をなぜやるのかという事を
数字で説明できるかというと、
それも難しい。

家相や風水を気にした間取りや内装。
構造材に「ありがとう」の張り紙。

家の周りに炭を埋めたり。
基礎の下に鎮め物を埋めたり。

上棟時のご祝儀なんて、
請負契約以外になぜ喜んで出費を?

そういう事も全部内包して
プロジェクトが進んでいくのが
建築だから、工学の文字を
入れなかったのだそうです。

ご存じのように私は
どちらかと言えば理系脳。

情緒的な事よりも数字が好き。

しかし、工学じゃない部分の
建築が嫌いなわけではありません。

私が好きな人の一人に、
丸谷博男さんという人がいます。

伊礼智さんの師匠としても有名。
後進の教育にも熱心な方。

一度、ご自宅に呼んでいただき、
食事を頂いたことがあります。

建築談義よりも心に残ったのが
文化人としての丸谷さんの在り方。

東京都内のご自宅で、客を招き
膝を突き合わせて語り合い、
ほろ酔い気分でピアノ演奏を披露。

建築を志すなら、文化的な
嗜みや教養も必要ですよ。

言葉には出されませんでしたが
それを背中で教えていただいた。
そんな気がしております。

音楽はなかなか手が出せませんが、
文章を書くことと、写真を撮る事なら
私も好きなので、まずはそういう事を
趣味にしてみようと思い、今に至る。

家づくりにおいて数字は大事です。
でも、数字で表せない部分も、
沢山あるのもまた、家づくり。

だから、数字で表せられる部分は、
さらっと数字でおさえておいて、
数字で表せない部分の豊かさについて
深く考えるようにしたい。

数字じゃない部分に力を割くために
数字を誰よりも深く突き詰める。

そんな思いでやっております。

家相や風水、スピリチュアルな物、
効果の良く分からない物。

家づくりをしていると、そういう
物に出くわすことがよくあります。

岐阜は田舎。

家相の先生に聞かないと家づくりが
進まない人もいらっしゃいます。

裏鬼門に玄関のある家を指さして
噂話の種にする人もいらっしゃいます。

色々な信条を持つ方もいらっしゃいます。
私では分からない健康グッズなどを
大事に持っておられる方もいます。

明らかに間違いで悪影響があると
証明されている物であれば、
それはダメだと思いますよと言いますが、
どちらでも良い物を、わざわざ
こちらから否定しても始まりません。

横浜で仕事をしている時は、
家相風水を気にしていたら
家なんて建ちませんでした。
口角泡を飛ばして説得を
試みたりしていました。

しかし、岐阜であれば、
ある程度の事は汲み取れる。
敷地に余裕がありますから。

効果の良く分からないものも
悪影響が無いのであれば
積極的に勧める事もなければ、
あえて否定することもしないです。

高性能住宅をやっている方は、
数字で表すことができないものを
どうしても否定したがる傾向に。

私もそうでしたから気持ちは分かる。

でも、大して重要じゃないことで、
あえて相手を否定するのもおかしな話。

あなたはそういう価値観なのね。
私はこういう価値観なんです。

それでいいと思います。

地鎮祭や上棟式もやりたければやる。
やりたくなければやらない。
やり方もそれぞれの信ずるところでやる。
価値観の違う人を悪く言わない。

ただ、岐阜の職人さんだと、
地鎮祭もやっていない現場で仕事をして
ケガをしたらどう責任を取ってくれるんだ?

という人も多いので、やっぱり
やっておくかという事が多いです。

自分がよく分からないものであっても
相手が大事にしているなら同じく大事に。

なので、あなたの大事にしている価値観、
遠慮せずに仰っていただければと。

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