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凰建設 株式会社

歩合制とパワハラと戦略

凰建設の森です。

本日、上棟、、、、
のはずでしたが、天気を見て延期。

期せずして空き時間が。
天気には勝てません。

さて、本日の話題は業界の話。

建築業界の中でも、営業の部門は
ある程度歩合制であることが多い。

ハウスメーカーさんなんかは、
歩合の割合が高い所が多いので
売れている営業さんは、
めちゃくちゃ給料が高く、
売れていない営業さんは、
生活が成り立たない。

みたいなことがよくあります。

そういう環境で働く人にとって、
自分の能力というのは収入に直結。

また、部下の能力を上手く
伸ばしてあげられなかった場合、
その部下は業界を去ることに。

なので、売れている営業マン程
営業に関する自己研鑽もするし、
部下に対しても厳しく当たります。

可愛い部下程厳しく当たります。

なので、不動産や住宅の
営業さんは一般的に見て
かなり部下に厳しい様に
映るはずです。

まあ、普通の感覚だと完全に
パワハラな感じですね。

あなたの職場はどうでしょうか。
部下の能力が低かった場合、
その部下は食べていけないような
収入しか得られないという
給与体系でしょうか。

殆どの会社は、たとえ部下が
仕事ができないままであっても、
とりあえず生活はできるくらいの
給料は貰えるのではないかと。

仮にあなたの職場がそういう
給与体系の会社になったとしたら
部下の指導のやり方は、
今までと同じでしょうか。

それとも、もっと厳しくなるでしょうか。

実際そうなってみないと
分からないかもしれませんね。

しかし、一般的には歩合給の世界は
部下や後輩に対しての指導は厳しい。

営業の世界もそうですが、
大工さんの世界も昔は
同じような空気でした。

多くの大工さんは個人事業主です。
給与体系はフルコミッション。

仕事を依頼されなければ、
収入ゼロが続きます。

自分の腕を磨き、より早く、
より美しくを目指します。

お小僧さんにも厳しく当たる。
なので現場で暴言が飛び交うのも
珍しい光景ではありませんでした。

能力のある者が生き残り、
能力の無い者が去る世界。

それが悪いことだとは思いません。

営業や大工さんでなくたって、
会社から独立して自分で仕事を
しようと思ったら誰でも同じ。

むしろそういう給与体系の方が
それぞれの能力が正しくお金に
換わりますのでフェアです。

ただ、歩合給だと何事においても、
やりすぎ事案が発生しやすくなる
というのもまた事実。

ここのバランスは非常に難しい。

大工さんも完全歩合給だと、
どうしても早さを優先しがち。

丁寧な気密断熱工事をしてほしい
場合、見えなくなる所こそ大事。

ここまでやればC値0.1が出ると
分かっていても手間が割けない。

という事になりがちですし、
営業でも、お客さんの気持ちが
70%以上あると踏んだら、
一気に契約に持っていこう
みたいな事になりがち。

客の都合を聞いていたら
契約になんてなんねーんだよ!

みたいな怒号が事務所に飛び交う。

ウシジマくんの世界ですか?
みたいな光景が今も残るのが
不動産住宅業界になります。

そういう世界が今でもあるという
残念な事実がありつつも、
もうそんな時代ではありません。

世の中の流れに取り残された
ガラパゴスな状態というのは
いつか黒船がやってきて壊れる。

私としては、そういう組織、
そういう会社にはしたくない。

大工さんも営業さんも、
歩合給で働く会社にはしない。
(営業さんはいませんが)

ではどうすれば良いのか。

これは、会社の組織戦略が
大きく関係してきます。

営業マンという存在に頼る
会社経営というのは、
戦争で言えば兵隊さんの
能力に頼る戦術優先思考。

100人力の兵隊さんが
100人いれば無敵!

みたいな考え方ですね。

こういう会社の場合、
強くなるために必要なのは
強い営業マンの数です。

全然他社に勝てない兵隊が
何人いても全く役に立たない。

そいつらはさっさとクビにして
勝てる兵隊だけを優遇。

しかし戦争でも会社でも、
戦術が、実際の戦場(展示場)での
戦い(商談)だとすると、
その上位概念には戦略というものが。

そもそも、展示場での商談に
もつれ込むことなく選んでもらう。
その方が楽だしそうするための
知恵を戦略と言います。

100人力の兵隊さんが
100人いたとしても、
2万人の普通の兵隊さんには
敵いません。

また、100人の兵隊さんが
鉄砲を持っていたとしても
ミサイルを撃ち込まれたら
やはり敵いません。

基本的に営業マンという職種は
戦術勝負をすることに特化した
人たちになります。

いくら戦術において無敵でも
戦略で負けていたら、
戦いには勝てません。

戦略の失敗は戦術では
取り返せないんですね。

太平洋戦争がいい例かと。

逆に言えば戦争において
戦略が強い物であれば、
無敵の戦術部隊というのは
いてもいなくてもいい。

会社でも同じです。

戦略がきちっと当を得ていれば、
営業マンを怒鳴り散らす必要はない。

会社にとって適切な数の
お客さんが来てくれていれば、
そもそも営業をしなくてもいい。

私たち工務店の経営者は、
営業を戦略レベルから考えられる。
営業だけじゃなくて会社の在り方を
戦略レベルで考えられます。

というか経営戦略を考えないと
いけないという立場です。

情報発信やイメージづくり、
選んでいただくまでの道筋を
整備することも自由にできる。

使う素材も自由に選べる。

戦略が正しければ、
みんなが無理することなく、
会社を回すことが出来ます。

経営者の努力次第で、
歩合営業は無くせる。
という事です。

住宅不動産営業は、怒鳴って
部下を育てるのが当たり前。
その方が部下の為にもなる。

というのはある意味その通り。

そういうことをやり続けたい
という人がいる限り、
そういう体制の会社も
無くならないと思います。

しかし、時代は変わっている。
変わっているけど営業マンは
会社の経営戦略をどうこうする
立場にはありません。

自社の商品が悪いと思っても、
商品を変える事はできないし、
住宅展示場での集客モデルが
どんどんじり貧になっても、
それを変える事はできません。

あくまで、会社に与えられた
囲いの中で戦う事しかできない。

対面営業のプロフェッショナル
というものの需要自体が、
無くなるかもと感付いたとしても
どうすることも出来ません。

こりゃあ、負けるぞ、と
思っても部下を怒鳴り続けるしか
ない、軍人さんみたいなもの。

ある意味、可哀そうです。

また、住宅営業の場においては、
そういう体制の会社から家を買う
お客さんが幸せかどうかという
問題もあったりします。

お客さんが70点くらいかなぁ
という雰囲気を出した途端、
とりあえず申し込みを!
みたいな感じでグイグイ
やってくる営業スタイルは、
お客さんが知識をつける
機会を奪うものです。

もっともっと色々見て、
納得の上で建てたほうが
いいに決まっているんです。

建築会社の都合を聞いていたら
思い通りの家なんて建てられるか!

そう、全く逆なんですよね。

歩合給という経営戦略を
否定はしませんが、
それに伴うデメリットを、
消費者が被るのは、
歓迎されるものではないかと。

パワハラは、社内の問題だけで、
お客さんには直接的な被害は
ありませんので、好きに
やっていただいても良いかと。

建築会社選びの参考に
していただければと思います。

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