こんばんは。
あすなろ建築工房の関尾です。
昨日、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構開催の「住宅・建築SDGsフォーラム」 月例セミナーを拝聴しました。
セミナーでは、日本住宅性能表示基準・評価方法基準の制定に関わられた北海道立総合研究機構の鈴木大隆先生から、住宅性能表示の上位等級の役割について、お話をお伺いしました。
お話を聞いてみて、なるほど、省エネ性能の上位等級の意味について、知ることが出来ましたので、本日はそのお話です。
メルマガでもお知らせしましたが、2022年4月1日に日本住宅性能表示基準が一部改正され、ZEHレベルの基準である断熱等性能等級の「等級5(ZEH 基準の水準)」が施行され、さらに一次エネルギー消費量等級の「等級6(ZEH を上回る水準)」と「等級7(ZEH を上回る水準)」も制定され、今年の10月1日からこれらも施行されています。
「等級6」はHEAT20のG2、「等級7」はG3と同等のレベルとなっています。
暖冷房にかかる一次エネルギー消費量を「等級6」で約30%、「等級7」で約40%の削減することを目安に設定され、地域区分6(横浜はココ)では、UA値がそれぞれG2基準の0.46(等級6)、G3基準の0.26(等級7)となっています。
この表が分かりやすいですね。
https://asunaro-studio.jp/l/m/aU9h3DEYUdxffy
国土交通省はこの民間指標であるHEAT20の基準のG〇という指標をこれまで使ったことが無かったのですが、制定の際にはHEAT20のG2基準、G3基準を言葉に出しての制定だったので、この春は業界の人たちも少しざわついていました。
私たちとしては、HEAT20での基準がある意味で身体に染みついてきていたので、新たな指標とならなくて混乱せずに済みました。
これまでの最高等級は「等級4」までで、平成11年から23年間変わってきませんでした。
なかなか動こうとしなかった国土交通省が、河野大臣主催のタスクフォース会議などを経て、ようやく重い腰を上げた形となります。
菅義偉元首相が2020年10月の所信表明演説で「2050年カーボンニュートラル宣言」を行い、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすると宣言されました。
これを受けて、河野大臣を中心にバックキャスティング方式でいろいろと検討を進めてきて、昨年の5月に開催された国土交通省の有識者会議にて「2025年までに新築住宅に対し断熱性を高めるなどして省エネルギー基準に適合させるよう義務付ける」ことで合意されました。
断熱性能義務化は長く見送られてきましたが、やっと3年後に2025年に義務化されることが公言されたものです。
義務化と言っても「等級4」です。
今回の「等級6,7」の制定はこの世界に向けた「カーボンニュートラル宣言」の約束を守るためでもありますが、昨年からの原油価格の高騰によるエネルギー問題もあって、国も無視が出来なくなってきたものと思います。
世界は高断熱化に間違いなく向かっています。
以前のメルマガでもお知らせしたように日本の基準は世界から大きく遅れています。
https://asunaro-studio.jp/l/m/laSDbRtaGvCWg0
原油価格が高騰し、先日のニュースにもあったように1月からは電気代支援も始まるようです。
https://asunaro-studio.jp/l/m/3Wx8BgOKwpivpE
https://asunaro-studio.jp/l/m/7n42kpUKwx8VCy
以前のままの性能の低いエネルギーダダ洩れの家ばかりでは、国の負担もどんどん増えていってしまいます。
国としても、ハウスメーカーの団体の意見を聞いてしまって、断熱義務化、高性能化について眼をつぶっても居られなくなったようです。
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