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株式会社 夏見工務店

技術鍛錬

短パン半そでの楽しい暮らしを実現するぜ!
【たぶん日刊】

いつもありがとうございます、夏見です。
本日もメルマガご愛読ありがとうございます!

今年より職能大学の研究室で、学生さんと
研究をすることになりました。
基本に立ち戻って研究したいです。

「何のための省エネなのか」

「省エネって、結局お金のためですか?」

ある秋の日、大学の研究室で一人の学生が
ぽつりと問いかけた。
外では赤く染まった木々が風に揺れていた。

私はしばらく窓の外を眺めてから、
ゆっくりと答えた。
「もちろん、光熱費を抑える意味もあるよ。
でも、それだけじゃない。
私たちが今取り組んでいるのは、
暮らしの質そのものを考えることなんだ。」

今期の研究テーマは
「温熱環境の改善と地域文化の継承」
私は学生たちと共に、
住宅の断熱性能を高めるための熱計算や
シミュレーションを行っていた。
だが、単なる数式やモデルだけでは
見えてこないものがある。
だからこそ、
「なぜ省エネが必要なのか」
という根本的な問いに、
立ち返ってみたのだった。

ある日、私たちはゼミを飛び出して
郊外の古い住宅地へと足を運んだ。
そこには、木造の家々が立ち並び、
障子越しに柔らかな光が差し込む、
どこか懐かしい風景があった。
ある家では、
庭に咲く季節の花とともに
縁側でお茶をすする老夫婦の姿があった。

「こういう家って、
断熱性能は低いかもしれないけど、
なんだか温かいですね」と
学生の一人が言った。

「そう。だから大切なのは、
性能と感性のバランスなんだよ」
と私は応じた。

エネルギー効率を追求するあまり
自然の光や風を遮ってしまっては
本末転倒だ。
窓から見える景色や、
季節の移ろい、地域の祭りの音
――それらはすべて、
人間の感性と深くつながっている。

「私たちは、
省エネによって“快適”をつくる
だけじゃなく、
“豊かさ”を守る責任もあるんだ」

研究室に戻った私たちは、
数値だけでは語れない価値を、
どう建築や設計に組み込んでいけるかを
議論した。
学生たちは熱心に意見を交わし
時に郷里の話や、
祖父母の家の思い出まで語ってくれた。

「昔の家は、冬は寒かったけど
みんなでこたつに入って
笑い合った時間が好きでした」
とある学生が話すと
周囲の空気がふわりと和んだ。

結局、省エネとは
ただエネルギーを減らすことではない。
むしろ、人間の暮らしの本質に向き合い、
その営みを未来にどう引き継いで
いくかを問う行為なのだ。

今期の研究は、
温熱環境の改善を通じて、
郷土の街並みと暮らしの文化を守る道を
探るものとなった。
断熱材の選定や開口部の設計だけでなく
人の心に寄り添う建築とは何かを
私たちはこれからも
追い続けていくつもりだ。

皆様が丁寧に豊かに暮らしていく
参考になりますように。

では!また明日!

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