水戸工務店代表の小林弘典です。
急に気温が下がってきた、と思えば今日は暖かでしたね。
週末もかなり暖かくなりそうですが、
油断ならないのが秋の寒暖差。
お出かけの予定がある方は、
羽織るものを一枚用意したほうがいいかもです。
ところで、みなさんはホームインスペクション、
という言葉をご存じですか?
ホームインスペクションとは、
住宅の劣化や欠陥の有無を調べる建物の健康診断 のことです。
主に中古住宅の売買時に行われ、
屋根・外壁・基礎・床下・水まわりなどを目視で確認し、
「安全に住める状態か」「修繕が必要か」を評価します。
一言で言うと、
「家を買う前に、プロがチェックする住宅の状態診断」ということです。
築浅の中古物件であれば、インスペクションをして、問題がないなら、
そのまま住む、という選択肢も十分にあり得ます。
ところが最近はフルリノベーションが流行ってきました。
戸建て住宅に住みたい、、、でも中古はな、、、と考える方でも
中古住宅を購入してフルリノベーション、と言う方も増えてきました。
フルリノベの多くは建物の骨組みを残す程度に解体して作り変えるので、
見た目は新築、性能も新築住宅並みに高めることも可能です。
それでいて新築工事よりも割安でできる、と言うのがポイント。
土地を購入して、さらに高性能住宅を建てる、と言うのは
誰もが出来ることではありませんので、
中古住宅+フルリノベは、選択肢としては魅力的です。
ただし、どんな住宅でも出来る、なんてことは当然ありません。
買ったはいいけど、いざリノベーション工事に入ったら、
欠陥工事、雨漏り、シロアリや腐朽劣化、などの問題が多すぎて、
リノベーションじゃ追っつかなくて、結局新築に、、、
リノベのつもりで予算を組んだので、新築ではローコストにするしかなかった、
なんてことも考えられます。
そんなことが無いように、ホームインスペクションをうまく活用しよう、
という事になっています。
ですが、あまり世間一般に浸透していないのが実情。
日本の住宅市場は長年、新築信仰が強く、
中古住宅=価値が低い・古くて危険というイメージが根強くあります。
そのため、中古住宅を、状態を調べてリフォームして住む、
という欧米的な発想が一般化していません。
日本の住宅の平均寿命が約30年とよく言われますが、
世界で例をだすと、アメリカは約55年以上、イギリスは約77年以上だそうです。
そのため中古住宅が再販されにくいので
建物の状態を評価する「インスペクション」の需要が伸びないようです。
もう一つの浸透しない理由として、不動産業者が積極的に勧めないこともあります。
もちろん、真面目にやっている業者さんは違いますよ。
あくまでも、多くの不動産業者は、です。
法律上、不動産会社は「インスペクションの説明義務」はありますが、
「実施を勧める義務」まではないため、実際には説明が簡単に済まされることが多いです。
なぜ勧めないのか、ですが、
インスペクションを実施して欠陥が見つかったら取引が止まるリスクがある、
調査結果が「売主に不利」となることがある、
手間やスケジュール調整が増える、
といったことが挙げられます。
そのため、あえて触れないケースが多く、一般の消費者に広がりにくいのです。
本来は一般の消費者にこそ知っていただきたい制度で、
一見不利にみえる売主にとっても、取引後のトラブルが起きなくなるのでメリットは有ります。
もし、中古住宅を買う機会が有るのなら、販売担当に
インスペクションをしていますか?と聞いてみてください。
誤魔化すような発言があれば、その業者そのものから買うのをやめた方が賢明でしょうね。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします。
それでは!
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