こんばんは。
あすなろ建築工房の関尾です。
先日、テレビ局の撮影があったことを
メルマガでもお伝えしました。
撮影した番組の放送日と
番組名については、明日、
別のメルマガでお知らせします。
撮影時に演者さん
(出演されたタレントさん)から
「スイッチが普通より低いのは
なぜですか?」と質問を
頂きました。
見学会でも、
お越しいただいたお客様から
「スイッチの高さが
通常の高さよりも
低いのはなぜですか?」
と質問を頂くことがよくあります。
ということで、本日は
「スイッチの高さって
決まっているの?」
の話をしてみたいと思います。
ハウスメーカーを始めとし、
一般的な住宅は、
「スイッチの高さは床から120cm、
コンセントは20cmm」の高さに
設置していることが一般的です。
一方、あすなろ建築工房では
「スイッチの高さは床から90cm、
コンセントは15cmないし30cm」を
標準としています。
図面はこちら。
https://asunaro-studio.jp/l/m/8XVDACeyqNDWkl
事例写真はこちら。
https://asunaro-studio.jp/l/m/MJj7SdFUiBj3Rb
スイッチの高さについてですが
見慣れた一般的なお家との差として、
30cmもあるので、
皆さん違和感を感じるようです。
なぜ「スイッチの高さは床から90cm」
としているかと言うと、
住宅設計の基本を教えて頂いた先生が
「スイッチの高さを床から90cm」
としていたからで、
住宅の設計を始めた際には
それが私の中で「当たり前」
だったからです。
一般的な高さである120cmでなく、
30cm低い90cmとしている理由は
大きく二つあります。
一つ目は
「椅子に座ったときに目線から
避けること」です。
椅子に座った時に、
成人の目の高さは120cmとなり、
一般的なスイッチの高さと
同じになります。
ダイニングテーブルなどに座っている
時にスイッチが目に入るって
あまりうれしいことではありません。
スイッチって、用があるときに
見るものであって、
用がない時には
目に入って欲しくないものです。
また、空間的にも重心が
下がっている方が、
空間が落ち着きが出てきます。
そして二つ目の理由ですが、
「操作がしやすい」
ということです。
一般的な高さとなっている
床から120cmの高さですと、
小さい子供や車椅子に座った状態だと
操作がしにくい
(届かない)高さとなります。
90cmの高さであれば、
小さい子供や車椅子に座っていても
操作が可能となります。
赤ちゃんでつかまり立ちした数か月は
好奇心旺盛でスイッチを
触りたがりますが、
90cmの高さであれば届きません。
90cmのスイッチの高さに
届くようになる頃には
分別もついているので
イタズラもしなくなっています。
また、操作の動作として、
90cmの高さであれば
肘の高さなので、動作が少なく、
スイッチの操作は楽になります。
「手を目の高さに持ちあげる」
必要はなく、ひじの高さとなるので、
スムーズな操作となります。
「90cmだと見にくくて
操作しにくくなりませんか?」
とご質問を受けることもありますが、
そんな時には、
「スイッチを操作するときに、
スイッチを見て操作してますか?」
と逆にお伺いしています。
すると
「あっ、確かにスイッチを
見ることなく操作していますね。」
と皆様ご回答されます。
家の中で、
スイッチを操作するときは、
スイッチを見ずに、感覚、
つまりは慣れで操作している方が
ほとんどと思います。
慣れてしまうと「見て操作」は
してはいないんですね。
なので、わざわざ120cmの高さまで
手を持ち上げずに、
肘の高さである90cmの高さで
操作する方が、操作は楽になります。
次に、コンセントについてですが、
ハウスメーカーを始めとする
一般的なお家は
床から15cm~20cmが一般的なようです。
あすなろ建築工房では、
30cmを標準としています。
その理由は、
「コンセントの抜き差しの動作で、
かがむ量が少なくなる」からです。
また車椅子での利用に際しては、
20cmの高さだと、
かなり車椅子から乗り出して
身体をかがまなくては届かず、
操作が出来なくなることがあります。
お掃除ロボット用のコンセントなど
低い位置で常に差し放しと
なるようなコンセントは、
床から10cm~15cmとするなど
都度最適な高さとするようにしています。
畳の小上がりの上にある場合は、
畳上に座った際に携帯を充電するのに
使いやすい高さにしたりもします。
勉強スペースなどの
机のコンセントの高さも
都度変わって来ます。
卓上の充電用など
抜き差しが多いコンセントの場合には、
机の高さの70cmに10cmを足した
80cmを設置高さとしています。
パソコンの電源など、
差し放しとなるコンセントについては、
卓上にあると雑多になってしまうので、
天板に直径3cmほどの穴を開けて、
天板下となる床から55cmの位置に
コンセントを設置します。
見学会の際に
「この穴はなんですか?」と
聞かれることが多いのも、
このカウンターに空いた穴です。
例えばこちら。
https://asunaro-studio.jp/l/m/jirCdyjG4drdRZ
写真では分かりにくいですが、
カウンターの両端や中央に
30mmφの穴が開いています。
そうすることで、
机の上に配線が見えてこないので
見た目にスッキリします。
インターホンの親機については、
「モニターを見る」という動作が
伴いますので、
130cm~135cmの高さにしています。
目線の高さである150cmにしないのは、
「子供や車椅子からモニターが
見えなくなってしまうから」です。
そこで大人が少し目線を下げる
高さにしています。
給湯器のリモコンなどは、
数字を読み取る必要があるので、
120cm位にしています。
以上のようにスイッチやコンセントの
高さ一つにしても奥が深く、
いろいろと考えて
設置しています。
このちょっとした気遣いは、
住んでから分かるものかも
しれません。
またはまったく気が付かずに
普通に使いやすい
ものかもしれません。
これらスイッチ類の高さには、
「絶対こうしなれればならない」
というものはありませんので、
お住まいになる家族に合わせて
変えてよいものです。
設計者に希望を伝えることで
高さの変更は自由です。
皆様の今後の家づくりの際にも
ご参考頂ければと思います。
本日は
「スイッチの高さって決まっているの?」
についてのお話でした。
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